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死絡村
死角からの
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「死絡村は、そこまで大きな村ではないはずです。何度か依頼で行った事がありますが、そこまで気になる物もなかったと思います。活気のある良い村でしたよ」
『表面上だけならいくらでも見せる事は可能。仮面を被れば、悪い奴も良い奴に見える。目だけの判断は大きな見落としを生む』
「そうですね、失礼しました」
活気のある村か。なら、話を聞いてくれる人も多分いるよな。村長とかに話を聞けたら一番いいと思うんだけど。
「死絡村に行く事自体は可能なんだよね?」
「闇命様がここから出れる事になったからな、道のりや手段などはどうにでもなる。心配するな」
「なら、まず行かないと正面上の村しか分からないという事か。呪いの回避方法とか、浄化とかも。万が一に色々備えた方がいいかな?」
「…………それもそうだな。少し頭が固くなっていた、助かった優夏」
「え、あ、はい」
これが大人の余裕か。俺もこんぐらいの余裕が欲しい。
そんな事を話し合い、今日は解散となった。
紅音は、途中から鼻ちょうちん膨らませ、座りながら目を瞑っている。うん。確実に寝てました。
☆
それから数日後、陰陽助である雨燕さんがやっと準備完了したらしく、俺達三人は死絡村に向かうため馬車に揺られていた。
自然豊かな道、周りには緑が広がり、太陽の光が隙間を縫って俺達を照らしてくれていた。
そんな、景色を楽しみたい道を優雅に馬車に揺られているんだけど、体が重たい。
俺の隣には当たり前のように琴平と紅音が守るように座り、向かいには雨燕さんが腕を組み、目を閉じながら座っている。
いや、普通は二人ずつで座らない? なぜこんな偏った座り方に……。
まぁ、隣に座りたくないんだろうなぁ、気持ちはわからなくもない。わからなくもない、けどさぁ。この沈黙、どうにかならない? めっちゃ体が重たいよ!!
ちょ、誰か喋ろう!! なんでもいい。なんならしりとりでもいいから誰か話さない?!?! 重すぎる沈黙に耐えられないんだけど! 闇命君は俺の肩で寛いで鼻ちょうちん出しているしさ!!! なんで俺がこんなに気まずくならないといけないんだよ!!
理不尽な怒りを堪えていると、琴平が外を眺めながら眉を顰め始めた。雨燕さんも腕を組みながら難しい顔を浮かべる。
何も分かっていないのは俺と紅音だけ。なんでそんな顔をしているんだろう。
「…………気づいているな」
「はい。この気配……。近いですね」
「うむ。主も気づいているだろう」
「え、いえ。まった──あんたに気づいて僕が気づかな訳ないだろ。心配無用だよ」
はぁ、何かに気づいたのね闇命君。せめて、耳を噛む前に止めて。今回は甘噛みだったから叫ばずに済んだけどさ。
「なら、良い」
あ、これで会話が終わりか。一体何に気づいたんだ。
「妖の気配が近づいている。そこまで強くないが、警戒はしておけ」
琴平が気を利かして教えてくれた。なるほど。
…………ん? 近づいてる? え、近づいてるって、まさか、こっちに向かってるって事?
――――――――ズドンッ
「────なっ?!」
体に重い圧が、急になんだこれ!!
体が重い、座っているのがやっとだ。汗が流れ落ちる。
横目で琴平達を確認すると、俺と同じく体に圧がかかっているらしく歯を食いしばり、汗を流し耐えていた。紅音も、雨燕さんも。
なんだこれ、なんなんだよこれ!!
────右だよ
頭の中に突如として聞こえた甘い、優しい声。これは、安倍晴明さんの声だ。
「っ!」
言われたまま、咄嗟に右に結界を張る。
────バンッ!!!
何かが破裂した音。赤い何かが放たれたのか、結界にぶち当たった。何事だよ?!
放たれたのって、炎??
これ、確実に俺達を狙って妖か陰陽師が放った攻撃……だよな……? なんで……。
御者席に座っている人が事態に気づき、馬車を止めてくれた。そのタイミングで俺達は外に。
『あっちの方に微かな式神の気配を感じる』
闇命君の視線の先は、道が無い森の中。俺達に気づかれないように、森に囲まれた場所であえて奇襲を仕掛けたな。
『…………行くだけ無駄だね。もう、遠くまで移動している』
「気配は感じるんでしょ? まだ間に合うんじゃ……」
『時間の無駄だよ。何か目的があるのならまた来るでしょ。その時、返り討ちにすればいい』
こういう時、闇命君はいつも冷静だなぁ。
琴平も俺達の会話は聞こえていたらしく、雨燕さんを説得し、何事も無かったかのように馬車へと乗り込み、死絡村へと向かい始める。
何となく気がかりだけど、今はどうする事も出来ない。目的を達成した後に考えるとしようかなぁ。
『………………』
「ん? どうしたの闇命君。鼠の顔でも分かるほど難しい顔を浮かべてるよ?」
小さな声で問いかけるも、闇命君は顔を逸らし、また寛ぎ始めてしまった。
な、なんだよぉ……もう。
『表面上だけならいくらでも見せる事は可能。仮面を被れば、悪い奴も良い奴に見える。目だけの判断は大きな見落としを生む』
「そうですね、失礼しました」
活気のある村か。なら、話を聞いてくれる人も多分いるよな。村長とかに話を聞けたら一番いいと思うんだけど。
「死絡村に行く事自体は可能なんだよね?」
「闇命様がここから出れる事になったからな、道のりや手段などはどうにでもなる。心配するな」
「なら、まず行かないと正面上の村しか分からないという事か。呪いの回避方法とか、浄化とかも。万が一に色々備えた方がいいかな?」
「…………それもそうだな。少し頭が固くなっていた、助かった優夏」
「え、あ、はい」
これが大人の余裕か。俺もこんぐらいの余裕が欲しい。
そんな事を話し合い、今日は解散となった。
紅音は、途中から鼻ちょうちん膨らませ、座りながら目を瞑っている。うん。確実に寝てました。
☆
それから数日後、陰陽助である雨燕さんがやっと準備完了したらしく、俺達三人は死絡村に向かうため馬車に揺られていた。
自然豊かな道、周りには緑が広がり、太陽の光が隙間を縫って俺達を照らしてくれていた。
そんな、景色を楽しみたい道を優雅に馬車に揺られているんだけど、体が重たい。
俺の隣には当たり前のように琴平と紅音が守るように座り、向かいには雨燕さんが腕を組み、目を閉じながら座っている。
いや、普通は二人ずつで座らない? なぜこんな偏った座り方に……。
まぁ、隣に座りたくないんだろうなぁ、気持ちはわからなくもない。わからなくもない、けどさぁ。この沈黙、どうにかならない? めっちゃ体が重たいよ!!
ちょ、誰か喋ろう!! なんでもいい。なんならしりとりでもいいから誰か話さない?!?! 重すぎる沈黙に耐えられないんだけど! 闇命君は俺の肩で寛いで鼻ちょうちん出しているしさ!!! なんで俺がこんなに気まずくならないといけないんだよ!!
理不尽な怒りを堪えていると、琴平が外を眺めながら眉を顰め始めた。雨燕さんも腕を組みながら難しい顔を浮かべる。
何も分かっていないのは俺と紅音だけ。なんでそんな顔をしているんだろう。
「…………気づいているな」
「はい。この気配……。近いですね」
「うむ。主も気づいているだろう」
「え、いえ。まった──あんたに気づいて僕が気づかな訳ないだろ。心配無用だよ」
はぁ、何かに気づいたのね闇命君。せめて、耳を噛む前に止めて。今回は甘噛みだったから叫ばずに済んだけどさ。
「なら、良い」
あ、これで会話が終わりか。一体何に気づいたんだ。
「妖の気配が近づいている。そこまで強くないが、警戒はしておけ」
琴平が気を利かして教えてくれた。なるほど。
…………ん? 近づいてる? え、近づいてるって、まさか、こっちに向かってるって事?
――――――――ズドンッ
「────なっ?!」
体に重い圧が、急になんだこれ!!
体が重い、座っているのがやっとだ。汗が流れ落ちる。
横目で琴平達を確認すると、俺と同じく体に圧がかかっているらしく歯を食いしばり、汗を流し耐えていた。紅音も、雨燕さんも。
なんだこれ、なんなんだよこれ!!
────右だよ
頭の中に突如として聞こえた甘い、優しい声。これは、安倍晴明さんの声だ。
「っ!」
言われたまま、咄嗟に右に結界を張る。
────バンッ!!!
何かが破裂した音。赤い何かが放たれたのか、結界にぶち当たった。何事だよ?!
放たれたのって、炎??
これ、確実に俺達を狙って妖か陰陽師が放った攻撃……だよな……? なんで……。
御者席に座っている人が事態に気づき、馬車を止めてくれた。そのタイミングで俺達は外に。
『あっちの方に微かな式神の気配を感じる』
闇命君の視線の先は、道が無い森の中。俺達に気づかれないように、森に囲まれた場所であえて奇襲を仕掛けたな。
『…………行くだけ無駄だね。もう、遠くまで移動している』
「気配は感じるんでしょ? まだ間に合うんじゃ……」
『時間の無駄だよ。何か目的があるのならまた来るでしょ。その時、返り討ちにすればいい』
こういう時、闇命君はいつも冷静だなぁ。
琴平も俺達の会話は聞こえていたらしく、雨燕さんを説得し、何事も無かったかのように馬車へと乗り込み、死絡村へと向かい始める。
何となく気がかりだけど、今はどうする事も出来ない。目的を達成した後に考えるとしようかなぁ。
『………………』
「ん? どうしたの闇命君。鼠の顔でも分かるほど難しい顔を浮かべてるよ?」
小さな声で問いかけるも、闇命君は顔を逸らし、また寛ぎ始めてしまった。
な、なんだよぉ……もう。
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