52 / 130
架唯
「最初で最後のチャンス」
しおりを挟む
錯乱している奏恵を明人は表情を変えずに見ていたが、そのうち溜息を吐きカクリに目線を向けた。
「カクリ、これ以上話す必要はねぇ。強制的に会わせるぞ」
「良いのかい?」
「構わん。それに、やばそうになったら適当にどうにかすればいい」
明人は立ち上がり、部屋の奥に続くドアへと歩き出した。ドアノブを掴み開けようとするが、動きを止める。
「あ、待って!! 私を置いていかないで!」
奏恵は明人を行かせまいと、腕にしがみつく。その行動に彼は驚きの表情を見せるが、すぐに冷静になり口を開く。
「おい、離せ。なんのつもりだ」
「また私、置いて行かれるの? 私を一人にする……。嫌よ、あんな別れ方──嫌だ」
錯乱状態で人の区別がついていない。明人の事が他の誰かに見えているみたいに縋った。
体をガタガタと震わせ、絶対に逃がさないと。彼の腕を再度強く握る。
結構強く握られており、明人は微かに顔を歪ませた。
「嫌だ嫌だ嫌だ。私、だって、悪いのは架唯だもの。私じゃない……」
ブツブツと呟いている彼女を見下ろし、明人はその場に立ち止まりドアを見つめ考え始める。
カクリは少し心配そうに依頼人と明人を交互に見ていた。その時、相手を諭すような。優しく、それでいて悲しんでいるような声で話しかけた。
「今回はお前、悪くないだろ。ただの事故だ。だが、それでも人の心とはそう簡単に修復しない。修復出来るとしたら、それは傷つけた本人のみ」
語るように明人は、何の含みもない。純粋な笑顔を奏恵に向け、空いている方の手を頭に乗せた。
明人の温もりが奏恵の熱くなった頭を冷静にさせていく。
「これが最初で最後のチャンスだ。お前は、友人と話したいか?」
明人の優しそうな笑みを見て、奏恵の取り乱していた心が落ち着き。焦点があっていなかった目は正気に戻って行く。
「話……」
「そうだ。今なら出来る。お前は、話をしたいか?」
一瞬で笑みを消した明人だったが、その表情はふざけている様子など一切ない。口調も変わらず優しいもので、安心出来る。
奏恵はそんな明人の表情を見て俯いてしまう。そして、彼の言葉に小さく頷いた。
「なら、待ってろ。話させてやるよ」
明人の言葉で奏恵は、腕を掴んでいた手をそっと離す。
「うし、良い子だ」
奏恵の頭を撫で、彼はそのまま奥の部屋へと姿を消した。
「えっ……、え?」
何が起きたのかわからず、奏恵は顔を赤く染めオロオロと忙しなく周りを見回していた。すると、ソファーの近くに立っているカクリと目が合い、固まってしまう。
「あ、あの」
「君は正気を取り戻したみたいだね。なら大丈夫そうだ。でも、明人は一体どのような魔法を使ったのだろうか。あんなに取り乱していた君をここまで正気に戻すなんてね」
奥のドアへと目を向け、カクリは疑問を口にする。
「えっと、魔法ではなく……」
頬を林檎のように染めながら俯き、ごにょごにょと何かを言う。そんな奏恵を無視し、カクリはソファーに座った。
「君もそこに居ないでこちらに来たらどうだい?」
自身の隣を指しながらカクリは奏恵に問いかける。それを見て彼女は、慌てて頷き急いでソファーに座った。
「あの、君も噂を聞いてここに来た子なの?」
「なぜそう思うんだい?」
奏恵の質問をカクリは質問で返す。
「いや、だって小学生がこんな所にいるのは……」
「それを言うなら、先程の君の方が危ないと思うけれどね。ここに来れた事自体が奇跡に近い」
カクリの言葉に奏恵は不思議そうに首を傾げた。小学生の言葉ではないカクリの言葉に、奏恵は何も言えない。
「どうしてここに来たなどは覚えていないのかい?」
「えっ、あ。そういえば、私家に居たはず……」
周りを見回して零す奏恵は、なぜ自分がここにいるのか分かっていない。頭をクエスチョンマークでいっぱいにしている。
「まぁ、そうだろうな」
二人の会話に割り込んできたのは、眠り草が入った小瓶を握っている明人だった。
「あの──」
「あとは夢の中で話しな」
「えっ」
明人は奏恵の前に膝をつき、蓋が開いている小瓶を近付かせた。すると、彼女は彼の方へと倒れ込むように眠りに入る。明人は奏恵を上手く受け止め、ソファーへと優しく寝かせた。
「さて、あとはこの匣を──」
チラッとカクリの方に目を向ける。
何かを察したのか、カクリはテーブルの上に置かれている匣の入った小瓶を手にし、奏恵へと近付いた。
「胸あたりで間違いないな」
「脳でも構わんが……」
明人も顎に手を当てて考える。
今回は匣を戻すではなく、匣を入れる行為だ。前回は、抜き取った匣を戻す事は出来たが、他人の匣を入れるのは今回が初めて。少し不安そうに二人は顔を曇らせていた。
「──いや、脳だ。脳に戻せ」
「脳。そっちでいいのかい?」
「あぁ、おそらく──だが……」
まだ考え込んでいる明人だったが、目はしっかりと奏恵を見て答えている。それ以外に方法が見つからず、カクリに伝えた。
「いいのかい?」
「────問題ない。脳に戻せ」
難しい顔をしていた彼は、何か閃いたのか口元に笑みを浮かべ、カクリに言った。
「……大丈夫、ではあるようだが」
カクリは彼の表情を見て呆れ顔を浮かべた後、匣を操り奏恵の脳にゆっくりと入れた。
「カクリ、これ以上話す必要はねぇ。強制的に会わせるぞ」
「良いのかい?」
「構わん。それに、やばそうになったら適当にどうにかすればいい」
明人は立ち上がり、部屋の奥に続くドアへと歩き出した。ドアノブを掴み開けようとするが、動きを止める。
「あ、待って!! 私を置いていかないで!」
奏恵は明人を行かせまいと、腕にしがみつく。その行動に彼は驚きの表情を見せるが、すぐに冷静になり口を開く。
「おい、離せ。なんのつもりだ」
「また私、置いて行かれるの? 私を一人にする……。嫌よ、あんな別れ方──嫌だ」
錯乱状態で人の区別がついていない。明人の事が他の誰かに見えているみたいに縋った。
体をガタガタと震わせ、絶対に逃がさないと。彼の腕を再度強く握る。
結構強く握られており、明人は微かに顔を歪ませた。
「嫌だ嫌だ嫌だ。私、だって、悪いのは架唯だもの。私じゃない……」
ブツブツと呟いている彼女を見下ろし、明人はその場に立ち止まりドアを見つめ考え始める。
カクリは少し心配そうに依頼人と明人を交互に見ていた。その時、相手を諭すような。優しく、それでいて悲しんでいるような声で話しかけた。
「今回はお前、悪くないだろ。ただの事故だ。だが、それでも人の心とはそう簡単に修復しない。修復出来るとしたら、それは傷つけた本人のみ」
語るように明人は、何の含みもない。純粋な笑顔を奏恵に向け、空いている方の手を頭に乗せた。
明人の温もりが奏恵の熱くなった頭を冷静にさせていく。
「これが最初で最後のチャンスだ。お前は、友人と話したいか?」
明人の優しそうな笑みを見て、奏恵の取り乱していた心が落ち着き。焦点があっていなかった目は正気に戻って行く。
「話……」
「そうだ。今なら出来る。お前は、話をしたいか?」
一瞬で笑みを消した明人だったが、その表情はふざけている様子など一切ない。口調も変わらず優しいもので、安心出来る。
奏恵はそんな明人の表情を見て俯いてしまう。そして、彼の言葉に小さく頷いた。
「なら、待ってろ。話させてやるよ」
明人の言葉で奏恵は、腕を掴んでいた手をそっと離す。
「うし、良い子だ」
奏恵の頭を撫で、彼はそのまま奥の部屋へと姿を消した。
「えっ……、え?」
何が起きたのかわからず、奏恵は顔を赤く染めオロオロと忙しなく周りを見回していた。すると、ソファーの近くに立っているカクリと目が合い、固まってしまう。
「あ、あの」
「君は正気を取り戻したみたいだね。なら大丈夫そうだ。でも、明人は一体どのような魔法を使ったのだろうか。あんなに取り乱していた君をここまで正気に戻すなんてね」
奥のドアへと目を向け、カクリは疑問を口にする。
「えっと、魔法ではなく……」
頬を林檎のように染めながら俯き、ごにょごにょと何かを言う。そんな奏恵を無視し、カクリはソファーに座った。
「君もそこに居ないでこちらに来たらどうだい?」
自身の隣を指しながらカクリは奏恵に問いかける。それを見て彼女は、慌てて頷き急いでソファーに座った。
「あの、君も噂を聞いてここに来た子なの?」
「なぜそう思うんだい?」
奏恵の質問をカクリは質問で返す。
「いや、だって小学生がこんな所にいるのは……」
「それを言うなら、先程の君の方が危ないと思うけれどね。ここに来れた事自体が奇跡に近い」
カクリの言葉に奏恵は不思議そうに首を傾げた。小学生の言葉ではないカクリの言葉に、奏恵は何も言えない。
「どうしてここに来たなどは覚えていないのかい?」
「えっ、あ。そういえば、私家に居たはず……」
周りを見回して零す奏恵は、なぜ自分がここにいるのか分かっていない。頭をクエスチョンマークでいっぱいにしている。
「まぁ、そうだろうな」
二人の会話に割り込んできたのは、眠り草が入った小瓶を握っている明人だった。
「あの──」
「あとは夢の中で話しな」
「えっ」
明人は奏恵の前に膝をつき、蓋が開いている小瓶を近付かせた。すると、彼女は彼の方へと倒れ込むように眠りに入る。明人は奏恵を上手く受け止め、ソファーへと優しく寝かせた。
「さて、あとはこの匣を──」
チラッとカクリの方に目を向ける。
何かを察したのか、カクリはテーブルの上に置かれている匣の入った小瓶を手にし、奏恵へと近付いた。
「胸あたりで間違いないな」
「脳でも構わんが……」
明人も顎に手を当てて考える。
今回は匣を戻すではなく、匣を入れる行為だ。前回は、抜き取った匣を戻す事は出来たが、他人の匣を入れるのは今回が初めて。少し不安そうに二人は顔を曇らせていた。
「──いや、脳だ。脳に戻せ」
「脳。そっちでいいのかい?」
「あぁ、おそらく──だが……」
まだ考え込んでいる明人だったが、目はしっかりと奏恵を見て答えている。それ以外に方法が見つからず、カクリに伝えた。
「いいのかい?」
「────問題ない。脳に戻せ」
難しい顔をしていた彼は、何か閃いたのか口元に笑みを浮かべ、カクリに言った。
「……大丈夫、ではあるようだが」
カクリは彼の表情を見て呆れ顔を浮かべた後、匣を操り奏恵の脳にゆっくりと入れた。
0
あなたにおすすめの小説
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
火輪の花嫁 ~男装姫は孤高の王の夢をみる~
秦朱音|はたあかね
キャラ文芸
王を中心に五家が支配する、綺羅ノ国。
五家に覡(かんなぎ)として仕える十六夜家の娘、久遠(くおん)は、幼い頃から男として育てられてきた。
都では陽を司る日紫喜家の王が崩御し、素行の悪さで有名な新王・燦(さん)が即位する。燦の后選びに戦々恐々とする五家だったが、燦は十六夜家の才である「夢見」を聞いて后を選ぶと言い始めた。そして、その夢見を行う覡に、燦は男装した久遠を指名する。
見習いの僕がこの国の后を選ぶなんて、荷が重すぎる――!
久遠の苦悩を知ってか知らずか、燦は強引に久遠を寝室に呼んで夢見を命じる。しかし、初めて出会ったはずの久遠と燦の夢には、とある共通点があって――?
謎に包まれた過去を持ち身分を隠す男装姫と、孤独な王の恋と因縁を描く、和風王宮ファンタジー。
※カクヨムにも先行で投稿しています
忘れ去られた婚約者
かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』
甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。
レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。
恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。
サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!?
※他のサイトにも掲載しています。
毎日更新です。
『魔力ゼロの欠陥品』と蔑まれた伯爵令嬢、卒業パーティーで婚約破棄された瞬間に古代魔法が覚醒する ~虐げられ続けた三年間、倍返しでは足りない~
スカッと文庫
恋愛
「貴様のような無能、我が国の王妃には相応しくない。婚約を破棄し、学園から追放する!」
王立魔道学園の卒業パーティー。きらびやかなシャンデリアの下、王太子エドワードの声が冷酷に響いた。彼の隣には、愛くるしい表情で私を嵌めた男爵令嬢、ミナが勝ち誇ったように寄り添っている。
伯爵令嬢のリリアーヌは、入学以来三年間、「魔力ゼロの欠陥品」として学園中の嘲笑を浴び続けてきた。
婚約者であるエドワードからは一度も顧みられず、同級生からはゴミのように扱われ、ミナの自作自演による「いじめ」の濡れ衣まで着せられ……。
それでも、父との「力を隠せ」という約束を守るため、泥を啜るような屈辱に耐え抜いてきた。
――だが、国からも学園からも捨てられた今、もうその約束を守る必要はない。
「さようなら、皆様。……私が消えた後、この国がどうなろうと知ったことではありませんわ」
リリアーヌが身につけていた「魔力封印の首飾り」を自ら引き千切った瞬間、会場は漆黒の魔力に包まれた。
彼女は無能などではない。失われた「古代魔法」をその身に宿す、真の魔道の主だったのだ。
絶望する王太子たちを余目に、隣国の伝説の魔術師アルベルトに拾われたリリアーヌ。
彼女の、残酷で、甘美な復讐劇が今、幕を開ける――。
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる