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麗華
「交渉成立だ」
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「それではお願いします」
「あぁ、約束忘れんじゃねぇぞ」
「はい」
小屋の外、麗羅と明人は最後に言葉を交わしたあと、麗羅と静空は林から出るため歩き出した。
二人の姿が見えなくなると、明人は疲れたようにため息を吐く。
「んじゃ。ちぃとばかし、今回は頑張りますかな」
頭を掻きながら明人は一本の木に触れ、隠していた右目を露わにした。
「一気に四人分はキツいが仕方がねぇ。やるか」
目を瞑り、呼吸を繰り返す。一定のテンポを意識し、息をゆっくり吸って、吐いた。
「カクリ、四人の麗華の記憶を消せ」
「了解だ」
カクリは明人の隣で狐の耳と尻尾を出し、男子生徒が居るだろう方を向いて手を前に出した。
麗羅のお願いとは──
『私達は帰ります。その代わり、男子生徒の記憶を一部変えるか消して欲しいです』
『記憶を消すって、そんな事出来るの?!』
『なるほどな。俺が代償として記憶を貰うという言葉からその発想か。がめついなお前』
『私達の平穏のためです』
『くくっ、面白い。いいぜ乗ってやるよ。だが、それは俺にとってメリットがない。だから、約束だけはしてもらうぞ』
『約束ですか?』
『あぁ。お前どうせこれから話に行くんだろ? 妹に』
『はい』
『なら、お前の妹が────したら邪魔すんじゃねぇぞ』
『…………分かりました』
『交渉成立だ』
そんな会話をし、二人は学校に向かい。明人は四人の記憶を奪うため、林の中にある木を伝い探している。
数秒後、明人は四人を見つける事が出来「見つけた」と、小さな声で呟く。
準備が整い、近くにいるカクリに目線を向けた。遠距離なため明人一人では記憶を奪い取る事が出来ないため、カクリの助けは必須。
目を合わせ、カクリは少し両手に力を込めたかと思うと、いきなり強く握った。
「──これで、俺の仕事はひとまず終わりだな」
「そのようだね」
カクリは手を下げ、明人も前髪を戻した。
ポケットから空の小瓶を四つ出し、カクリの前で蓋を開け渡す。その小瓶に手を添え開いた。そこからは光り輝く物が四つ現れ、小瓶の中に入って行く。それは、四人から取った記憶の欠片だ。
小瓶の中に入れると、それは光り輝く物ではなく液体へと変化する。
「さて、体いてぇし重てぇ。たく、顔色が悪いって気づいてたんなら休ませろやな」
文句をタラタラと零しながら、明人は小屋へと戻りカクリも傷が少し痛むのか抑えながら、彼の後ろを付いていき小屋の中に戻る。
「今回は休みたくても休めねぇな」
「そのようだな。それに、匣を抜く可能性もある。大丈夫なのかい?」
カクリは小瓶をテーブルに置き、狐の姿に戻った。そのまま木製の椅子に乗り、丸くなりながら問いかける。
「問題ない訳じゃねぇ。だが、黒い匣は俺の記憶のためにも貰う。例え、使わなかったとしても意味が無い事にはしねぇさ。それに、面白いからな。人間の黒い匣を見るのは──」
嫌味ったらしく呟き、明人は息が少し荒くも眠ろうとしているのか目を瞑った。カクリは少し気にしながらも、彼同様静かに目を閉じた。
☆
「本当に、何も無かったかのようになってる……」
「さすが、だね」
麗羅と静空は林から出る時、四人が倒れているのを発見した。最初は驚きと恐怖で動けなかった二人だったが、四人が目を覚ましそのまま何事も無かったかのように学校へと向かって行ったため、気が抜け安心したように息を吐く。
そのまま二人も学校へ向かい、教室へ入ろうとした時──
「あ……」
「あんた……」
教室には赤ふちメガネをかけた麗華が、顔を青くして立っていた。
「なんで。だって、あの四人に──」
────パシンっ!!!!
麗華は何が起きたのかわからず自身の左頬を触った。目の前には、眉間に皺を寄せ目を吊り上げている麗羅の姿がある。
麗羅は麗華が動揺を見せている時、静かに歩みを進め麗華の頬を叩いたのだ。
「いい加減にしろ。麗華」
いつもより鋭く怒気が込められた言葉に、麗華は肩を大きく震わせ「ひっ」と、小さな悲鳴を上げる。涙目になりながらも麗華は気を取り残し、大きな声で反論した。
「っ、いきなり何するのよ! 妹に暴力をふるうなんてさいってぃ!!」
「どっちがっ──」
静空が口を出そうとした時、麗羅はそれを手で制した。目で「大丈夫」と伝え、再度麗華の方を見る。
「最低なのは麗華だよ。色んな人に迷惑かけて、人の気持ちを踏みにじって。麗華は本当に最低だよ」
麗羅の言葉に怒りが込み上げ、麗華は再度大きな声で言い放つ。
「麗羅には関係ない事でしょ?! これは私の問題なんだから!!」
「関係なくない!! 今回、私達は危なかったんだよ!」
「それでも無事だったんだからいいんじゃん!! どうやって逃げ切ったのか知らないけど、可愛い妹の身代わりになれたんだからいいじゃん!! とりあえずあんた達にとやかく言われる筋合いなんてないから!!」
「麗華!!」
麗華は怒りに身を任せ言い放った後、麗羅を押しのけ教室を飛び出してしまった。その後ろを麗羅と静空が追いかけるのだが、麗華の運動神経はずば抜けていため、直ぐに見失ってしまう。
「どこに──」
「──まさか。いや、待って!!!」
「麗羅?!」
二人は彼女を見失ってしまったため、一度立ち止まり周りを見回していた。すると、麗羅がいきなり顔を青くして再度走り出した。
麗羅が向かっている所は────…………
「あぁ、約束忘れんじゃねぇぞ」
「はい」
小屋の外、麗羅と明人は最後に言葉を交わしたあと、麗羅と静空は林から出るため歩き出した。
二人の姿が見えなくなると、明人は疲れたようにため息を吐く。
「んじゃ。ちぃとばかし、今回は頑張りますかな」
頭を掻きながら明人は一本の木に触れ、隠していた右目を露わにした。
「一気に四人分はキツいが仕方がねぇ。やるか」
目を瞑り、呼吸を繰り返す。一定のテンポを意識し、息をゆっくり吸って、吐いた。
「カクリ、四人の麗華の記憶を消せ」
「了解だ」
カクリは明人の隣で狐の耳と尻尾を出し、男子生徒が居るだろう方を向いて手を前に出した。
麗羅のお願いとは──
『私達は帰ります。その代わり、男子生徒の記憶を一部変えるか消して欲しいです』
『記憶を消すって、そんな事出来るの?!』
『なるほどな。俺が代償として記憶を貰うという言葉からその発想か。がめついなお前』
『私達の平穏のためです』
『くくっ、面白い。いいぜ乗ってやるよ。だが、それは俺にとってメリットがない。だから、約束だけはしてもらうぞ』
『約束ですか?』
『あぁ。お前どうせこれから話に行くんだろ? 妹に』
『はい』
『なら、お前の妹が────したら邪魔すんじゃねぇぞ』
『…………分かりました』
『交渉成立だ』
そんな会話をし、二人は学校に向かい。明人は四人の記憶を奪うため、林の中にある木を伝い探している。
数秒後、明人は四人を見つける事が出来「見つけた」と、小さな声で呟く。
準備が整い、近くにいるカクリに目線を向けた。遠距離なため明人一人では記憶を奪い取る事が出来ないため、カクリの助けは必須。
目を合わせ、カクリは少し両手に力を込めたかと思うと、いきなり強く握った。
「──これで、俺の仕事はひとまず終わりだな」
「そのようだね」
カクリは手を下げ、明人も前髪を戻した。
ポケットから空の小瓶を四つ出し、カクリの前で蓋を開け渡す。その小瓶に手を添え開いた。そこからは光り輝く物が四つ現れ、小瓶の中に入って行く。それは、四人から取った記憶の欠片だ。
小瓶の中に入れると、それは光り輝く物ではなく液体へと変化する。
「さて、体いてぇし重てぇ。たく、顔色が悪いって気づいてたんなら休ませろやな」
文句をタラタラと零しながら、明人は小屋へと戻りカクリも傷が少し痛むのか抑えながら、彼の後ろを付いていき小屋の中に戻る。
「今回は休みたくても休めねぇな」
「そのようだな。それに、匣を抜く可能性もある。大丈夫なのかい?」
カクリは小瓶をテーブルに置き、狐の姿に戻った。そのまま木製の椅子に乗り、丸くなりながら問いかける。
「問題ない訳じゃねぇ。だが、黒い匣は俺の記憶のためにも貰う。例え、使わなかったとしても意味が無い事にはしねぇさ。それに、面白いからな。人間の黒い匣を見るのは──」
嫌味ったらしく呟き、明人は息が少し荒くも眠ろうとしているのか目を瞑った。カクリは少し気にしながらも、彼同様静かに目を閉じた。
☆
「本当に、何も無かったかのようになってる……」
「さすが、だね」
麗羅と静空は林から出る時、四人が倒れているのを発見した。最初は驚きと恐怖で動けなかった二人だったが、四人が目を覚ましそのまま何事も無かったかのように学校へと向かって行ったため、気が抜け安心したように息を吐く。
そのまま二人も学校へ向かい、教室へ入ろうとした時──
「あ……」
「あんた……」
教室には赤ふちメガネをかけた麗華が、顔を青くして立っていた。
「なんで。だって、あの四人に──」
────パシンっ!!!!
麗華は何が起きたのかわからず自身の左頬を触った。目の前には、眉間に皺を寄せ目を吊り上げている麗羅の姿がある。
麗羅は麗華が動揺を見せている時、静かに歩みを進め麗華の頬を叩いたのだ。
「いい加減にしろ。麗華」
いつもより鋭く怒気が込められた言葉に、麗華は肩を大きく震わせ「ひっ」と、小さな悲鳴を上げる。涙目になりながらも麗華は気を取り残し、大きな声で反論した。
「っ、いきなり何するのよ! 妹に暴力をふるうなんてさいってぃ!!」
「どっちがっ──」
静空が口を出そうとした時、麗羅はそれを手で制した。目で「大丈夫」と伝え、再度麗華の方を見る。
「最低なのは麗華だよ。色んな人に迷惑かけて、人の気持ちを踏みにじって。麗華は本当に最低だよ」
麗羅の言葉に怒りが込み上げ、麗華は再度大きな声で言い放つ。
「麗羅には関係ない事でしょ?! これは私の問題なんだから!!」
「関係なくない!! 今回、私達は危なかったんだよ!」
「それでも無事だったんだからいいんじゃん!! どうやって逃げ切ったのか知らないけど、可愛い妹の身代わりになれたんだからいいじゃん!! とりあえずあんた達にとやかく言われる筋合いなんてないから!!」
「麗華!!」
麗華は怒りに身を任せ言い放った後、麗羅を押しのけ教室を飛び出してしまった。その後ろを麗羅と静空が追いかけるのだが、麗華の運動神経はずば抜けていため、直ぐに見失ってしまう。
「どこに──」
「──まさか。いや、待って!!!」
「麗羅?!」
二人は彼女を見失ってしまったため、一度立ち止まり周りを見回していた。すると、麗羅がいきなり顔を青くして再度走り出した。
麗羅が向かっている所は────…………
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