117 / 130
ベルゼ
「さぁ、終焉の時間だ」
しおりを挟む
映像はそこで途切れてしまい、闇の空間に戻った。
明人は何も言わず、映像が途切れた空間を見続けている。手が白くなるほど強く握りしめており、怒りの感情を抑え込めていた。
隣に立っている純彦は、死んだような瞳を浮かべながら立ち尽くし、動こうとしない。
「おい、この後生贄にされたのか? つーか、鬼神様ってなんだよ。んなもん、人間が妄想で作った偽神だろうが。んなもんのために生贄とか、とち狂ってるとしか思えねぇわ」
呆れたように彼は肩を落とし、純彦を見る。
『僕は、生贄にされた。殺されたんだ。でも、なんで僕が殺されなければならなかった。なんで僕が死ななくちゃいけなかったの。なんで、僕のお母さんとお父さんは殺されなくちゃいけなかったの』
最初は一定の口調で口にする純彦だったが、感情が高ぶり始め。それはどんどん荒くなり、声量が大きくなる。
『どうして僕が悪魔の子と呼ばれないといけなかったの?! 許せない、許せない。僕が悪魔なのなら、悪魔と呼ぶのなら。それなら、本当に──悪魔に、なってやる』
「おまっ──」
純彦は俯いていた顔を上げ明人を見上げた。その表情は悲しみに満ちた子供の顔ではなく、口角が上がり、目を細め、楽しげな表情を浮かべている、悪魔のような顔だった。
肌は黒く染まり、赤く光る瞳が浮き出ているように見える。
明人を見上げ、狂ったように笑い声を上げた。その笑い声は彼の鼓膜を揺らし、脳にまで響かせる。
『だから我は、悪魔に全てを捧げ、その力を手に入れた。我は悪魔になり、力を求め、人間を滅ぼす。我の邪魔する者全て、殺し尽くす。そのためには力が必要だ。貴様の力も貰うぞ』
明人の隣に立っていた純彦は、徐々に姿を変えていき見覚えのある姿へと変貌した。
「ベルゼ……」
『まさか人間がここまで入ってくるとは思わなかったぞ。やはり、その力は我が使う方が良い。今すぐに渡せ』
ベルゼは手を差し出し明人を見るが、その手を彼は握ろうとしない。憐れむような、軽蔑しているような。複雑な瞳でベルゼを睨んでいる。
「今のはお前の記憶か?」
『半分以上は忘れていたがな。今はどうでも良い記憶だ。それより力だ。我にもっと力を寄越せ。もっと、もっとだ。我に力を寄越せ!!!!』
明人に向かってベルゼが勢いよく走り出した。それを、すぐさま横に避けるが回り込まれてしまい、腕を掴まれる。そのまま力を入れられてしまい、明人の右手は簡単に折られてしまった。
この空間は想いで作られているため、明人の現実世界で折れてしまった右手などは元に戻っていた。だが、それも今ので折られてしまい、動かす事が出来なくなってしまう。
「ぐっ!!! 人の右手を折るのがお趣味なようで、悪魔さんよぉ!!!」
痛みに耐え、叫びながら右足を蹴り上げたが、ベルゼは簡単に避けてしまう。折れてしまった右腕を支え、明人は痛みで顔を歪めながらもベルゼを睨み続けた。
「お前、人間を憎んでんじゃねぇのかよ」
『憎いさ。だが、今はどうでも良い。昔は憎くて憎くて仕方がなかったが、今は──どうでも良い』
「そんなもんだったのか、お前の想いわ。なら、簡単そうだな」
『なんだと?』
先程まで何も出来なかった明人だったが、今は何故か勝ち誇ったような笑みまで浮かべる。その態度と言葉に、ベルゼは険しい顔を浮かべた。
「想いという言葉を口にするのは簡単だ。だが、その想いがなければ俺達人間は動く事すら難しいだろう。やりたい事、楽しい事。嬉しい、悲しい、辛い、苦しい。それは全て、想いから生まれ出てくる感情だ」
『だから、なんだと言う』
「想いは、それだけ人間──いや。生き物の中で重要だという事だ。お前の憎しみという名の想いがその程度なら、俺一人でもなんとかなる。想いは、人を弱くする時もあれば、人を強くする時もあるんだよ。だから、真陽留を相手にするのは骨が折れたぞ。今のお前の方がやりやすい」
明人は言い切り、ベルゼを指さす。
「人の想いや記憶を無下に扱った報いを受けるがいい」
勝ち誇ったように明人は言い放った。それを、ベルゼは嘲笑うように大きな笑い声を上げる。
『報いを受けろだと? そんな事ある訳が無いだろう。それに、貴様一人ではどうする事も出来ん。諦めるんだな』
余裕な笑みを浮かべ、人を馬鹿にするように鼻で笑う。だが、明人も企んでいるような笑みを浮かべながらベルゼを見返していた。
「そうか、一人だけは不服か。しょうがねぇな。なら、お前の要望通り、二人で相手をしてやるよ」
『なに?』
明人がしたり顔で言うと、小さな人影が急に闇の空間に現れ、勢いよくベルゼに向かって行く。ベルゼは目の端に映った影から咄嗟に避けたのだが、体が勝手に動いただけなため、驚愕していた。
『このっ、子狐が!!!!』
突如闇の空間に姿を現したのは、少年の姿に戻ったカクリだった。
「ベルゼよ。私はお主に力を渡す訳にはいかぬ。先程抜き取った力も返してもらうぞ」
カクリは明人の横に膝をつき、鋭い爪を構えながら言いきった。その目は怒りや悲しみという負の感情ではなく、ただ真っ直ぐと迷いの無い瞳をしていた。
「さぁ悪魔よ。これで、二対一だ。勝てるかねぇ?」
不敵な笑みを浮かべながら、明人はカクリの頭に手を乗せる。
『一人増えたところで死に損ないの子狐だろう。力は半分無くなっている。どうする事も出来んよ』
「いや、出来るぞ。これでな!!」
明人は折れていない方の手でポケットから何かを取り出し投げた。
『なんだこれは──』
投げられた物をベルゼは弾こうとしたが、ひらりと交わされそのまま腕に張り付く。
それは、現実の世界で明人がレーツェルから受け取った、空の小瓶に貼られていた、五芒星が書かれている小さな紙。
「なんだこれ……」
ベルゼは剥がそうとするが、しっかりとくっついてしまい剥がす事が出来ない。
「さぁ、終焉の時間だ」
明人は何も言わず、映像が途切れた空間を見続けている。手が白くなるほど強く握りしめており、怒りの感情を抑え込めていた。
隣に立っている純彦は、死んだような瞳を浮かべながら立ち尽くし、動こうとしない。
「おい、この後生贄にされたのか? つーか、鬼神様ってなんだよ。んなもん、人間が妄想で作った偽神だろうが。んなもんのために生贄とか、とち狂ってるとしか思えねぇわ」
呆れたように彼は肩を落とし、純彦を見る。
『僕は、生贄にされた。殺されたんだ。でも、なんで僕が殺されなければならなかった。なんで僕が死ななくちゃいけなかったの。なんで、僕のお母さんとお父さんは殺されなくちゃいけなかったの』
最初は一定の口調で口にする純彦だったが、感情が高ぶり始め。それはどんどん荒くなり、声量が大きくなる。
『どうして僕が悪魔の子と呼ばれないといけなかったの?! 許せない、許せない。僕が悪魔なのなら、悪魔と呼ぶのなら。それなら、本当に──悪魔に、なってやる』
「おまっ──」
純彦は俯いていた顔を上げ明人を見上げた。その表情は悲しみに満ちた子供の顔ではなく、口角が上がり、目を細め、楽しげな表情を浮かべている、悪魔のような顔だった。
肌は黒く染まり、赤く光る瞳が浮き出ているように見える。
明人を見上げ、狂ったように笑い声を上げた。その笑い声は彼の鼓膜を揺らし、脳にまで響かせる。
『だから我は、悪魔に全てを捧げ、その力を手に入れた。我は悪魔になり、力を求め、人間を滅ぼす。我の邪魔する者全て、殺し尽くす。そのためには力が必要だ。貴様の力も貰うぞ』
明人の隣に立っていた純彦は、徐々に姿を変えていき見覚えのある姿へと変貌した。
「ベルゼ……」
『まさか人間がここまで入ってくるとは思わなかったぞ。やはり、その力は我が使う方が良い。今すぐに渡せ』
ベルゼは手を差し出し明人を見るが、その手を彼は握ろうとしない。憐れむような、軽蔑しているような。複雑な瞳でベルゼを睨んでいる。
「今のはお前の記憶か?」
『半分以上は忘れていたがな。今はどうでも良い記憶だ。それより力だ。我にもっと力を寄越せ。もっと、もっとだ。我に力を寄越せ!!!!』
明人に向かってベルゼが勢いよく走り出した。それを、すぐさま横に避けるが回り込まれてしまい、腕を掴まれる。そのまま力を入れられてしまい、明人の右手は簡単に折られてしまった。
この空間は想いで作られているため、明人の現実世界で折れてしまった右手などは元に戻っていた。だが、それも今ので折られてしまい、動かす事が出来なくなってしまう。
「ぐっ!!! 人の右手を折るのがお趣味なようで、悪魔さんよぉ!!!」
痛みに耐え、叫びながら右足を蹴り上げたが、ベルゼは簡単に避けてしまう。折れてしまった右腕を支え、明人は痛みで顔を歪めながらもベルゼを睨み続けた。
「お前、人間を憎んでんじゃねぇのかよ」
『憎いさ。だが、今はどうでも良い。昔は憎くて憎くて仕方がなかったが、今は──どうでも良い』
「そんなもんだったのか、お前の想いわ。なら、簡単そうだな」
『なんだと?』
先程まで何も出来なかった明人だったが、今は何故か勝ち誇ったような笑みまで浮かべる。その態度と言葉に、ベルゼは険しい顔を浮かべた。
「想いという言葉を口にするのは簡単だ。だが、その想いがなければ俺達人間は動く事すら難しいだろう。やりたい事、楽しい事。嬉しい、悲しい、辛い、苦しい。それは全て、想いから生まれ出てくる感情だ」
『だから、なんだと言う』
「想いは、それだけ人間──いや。生き物の中で重要だという事だ。お前の憎しみという名の想いがその程度なら、俺一人でもなんとかなる。想いは、人を弱くする時もあれば、人を強くする時もあるんだよ。だから、真陽留を相手にするのは骨が折れたぞ。今のお前の方がやりやすい」
明人は言い切り、ベルゼを指さす。
「人の想いや記憶を無下に扱った報いを受けるがいい」
勝ち誇ったように明人は言い放った。それを、ベルゼは嘲笑うように大きな笑い声を上げる。
『報いを受けろだと? そんな事ある訳が無いだろう。それに、貴様一人ではどうする事も出来ん。諦めるんだな』
余裕な笑みを浮かべ、人を馬鹿にするように鼻で笑う。だが、明人も企んでいるような笑みを浮かべながらベルゼを見返していた。
「そうか、一人だけは不服か。しょうがねぇな。なら、お前の要望通り、二人で相手をしてやるよ」
『なに?』
明人がしたり顔で言うと、小さな人影が急に闇の空間に現れ、勢いよくベルゼに向かって行く。ベルゼは目の端に映った影から咄嗟に避けたのだが、体が勝手に動いただけなため、驚愕していた。
『このっ、子狐が!!!!』
突如闇の空間に姿を現したのは、少年の姿に戻ったカクリだった。
「ベルゼよ。私はお主に力を渡す訳にはいかぬ。先程抜き取った力も返してもらうぞ」
カクリは明人の横に膝をつき、鋭い爪を構えながら言いきった。その目は怒りや悲しみという負の感情ではなく、ただ真っ直ぐと迷いの無い瞳をしていた。
「さぁ悪魔よ。これで、二対一だ。勝てるかねぇ?」
不敵な笑みを浮かべながら、明人はカクリの頭に手を乗せる。
『一人増えたところで死に損ないの子狐だろう。力は半分無くなっている。どうする事も出来んよ』
「いや、出来るぞ。これでな!!」
明人は折れていない方の手でポケットから何かを取り出し投げた。
『なんだこれは──』
投げられた物をベルゼは弾こうとしたが、ひらりと交わされそのまま腕に張り付く。
それは、現実の世界で明人がレーツェルから受け取った、空の小瓶に貼られていた、五芒星が書かれている小さな紙。
「なんだこれ……」
ベルゼは剥がそうとするが、しっかりとくっついてしまい剥がす事が出来ない。
「さぁ、終焉の時間だ」
0
あなたにおすすめの小説
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
火輪の花嫁 ~男装姫は孤高の王の夢をみる~
秦朱音|はたあかね
キャラ文芸
王を中心に五家が支配する、綺羅ノ国。
五家に覡(かんなぎ)として仕える十六夜家の娘、久遠(くおん)は、幼い頃から男として育てられてきた。
都では陽を司る日紫喜家の王が崩御し、素行の悪さで有名な新王・燦(さん)が即位する。燦の后選びに戦々恐々とする五家だったが、燦は十六夜家の才である「夢見」を聞いて后を選ぶと言い始めた。そして、その夢見を行う覡に、燦は男装した久遠を指名する。
見習いの僕がこの国の后を選ぶなんて、荷が重すぎる――!
久遠の苦悩を知ってか知らずか、燦は強引に久遠を寝室に呼んで夢見を命じる。しかし、初めて出会ったはずの久遠と燦の夢には、とある共通点があって――?
謎に包まれた過去を持ち身分を隠す男装姫と、孤独な王の恋と因縁を描く、和風王宮ファンタジー。
※カクヨムにも先行で投稿しています
忘れ去られた婚約者
かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』
甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。
レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。
恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。
サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!?
※他のサイトにも掲載しています。
毎日更新です。
『魔力ゼロの欠陥品』と蔑まれた伯爵令嬢、卒業パーティーで婚約破棄された瞬間に古代魔法が覚醒する ~虐げられ続けた三年間、倍返しでは足りない~
スカッと文庫
恋愛
「貴様のような無能、我が国の王妃には相応しくない。婚約を破棄し、学園から追放する!」
王立魔道学園の卒業パーティー。きらびやかなシャンデリアの下、王太子エドワードの声が冷酷に響いた。彼の隣には、愛くるしい表情で私を嵌めた男爵令嬢、ミナが勝ち誇ったように寄り添っている。
伯爵令嬢のリリアーヌは、入学以来三年間、「魔力ゼロの欠陥品」として学園中の嘲笑を浴び続けてきた。
婚約者であるエドワードからは一度も顧みられず、同級生からはゴミのように扱われ、ミナの自作自演による「いじめ」の濡れ衣まで着せられ……。
それでも、父との「力を隠せ」という約束を守るため、泥を啜るような屈辱に耐え抜いてきた。
――だが、国からも学園からも捨てられた今、もうその約束を守る必要はない。
「さようなら、皆様。……私が消えた後、この国がどうなろうと知ったことではありませんわ」
リリアーヌが身につけていた「魔力封印の首飾り」を自ら引き千切った瞬間、会場は漆黒の魔力に包まれた。
彼女は無能などではない。失われた「古代魔法」をその身に宿す、真の魔道の主だったのだ。
絶望する王太子たちを余目に、隣国の伝説の魔術師アルベルトに拾われたリリアーヌ。
彼女の、残酷で、甘美な復讐劇が今、幕を開ける――。
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる