素晴らしい世界に終わりを告げる

桜桃-サクランボ-

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エピローグ

第46話 待ち合わせ

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 茶髪を後ろでまとめ、白いシャツに黄色のスカートを着ている女性が焦るように街中を走っていた。

 今日は天気が良く、太陽が街の人達を燦々と照らす。
 気温が高く、汗をハンカチで拭いている人達も歩いていた。

 女性も、例外ではない。
 暑く、汗が流れ出る。ハンカチで拭きとりながら、何かを探すように周りを見回した。

 カップルや親子連れ。ペットのお散歩や友達同士で楽しんでいる人たちの姿もある。
 そんな楽しい空間に、一人の男性が黒髪を揺らし立っていた。

 茶色の瞳に、その男性が映り込む。
 我慢できず、女性はヒールの音を鳴らして駆けだした。

 女性に気づいた男性は、黒い瞳を向け、同じく微笑み、いじっていたスマホをポケットに入れた。

「――――お待たせ!! 紅葉!!」
「あぁ、愛実。――――行こうか」
「うん!!」

 名前を呼び合いながら合流し、共に歩き出した。

 そんな二人の左の薬指には、眩しく光るおそろいの指輪が、はめられていた。
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