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ツクネと倉野
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いつも通り次の目的地へと向かって仲間たちと草原を歩く倉野。
これまで取得してきたスキルの数々によって倉野は疲れにくく、歩くのが速い。
いつの間にか仲間たちから離れ、一人で歩いていた。背後の気配が消えたことに気づいた倉野はその場で立ち止まり、後方から歩いてくる仲間たちを待つ。
「あー、ちょっと速かったか」
異世界転移をしてから手に入れた身体能力のため、倉野自身も制御できずにいた。
申し訳なさを感じつつ立ち尽くしていると肩掛けの鞄がモゾモゾと動く。
しばらくモゾモゾした後に顔を出したのは倉野の相棒、ツクネだ。
フェレットに似た風属性の魔物フェレッタであるツクネ。その生態は魔法を使えること以外フェレットと変わらないため一日のほとんどを鞄の中で寝て過ごす。
たまに起きては鞄から顔を出し、周囲を確認するのだった。
「クー」
ツクネが鳴くと倉野は優しく微笑んで声をかける。
「起きたのか、ツクネ。よく眠れたかな?」
「ククク」
「それは良かった」
「クー?」
「ん? ああ、誰もいないって言ってるのかい? 歩くのが早すぎてみんなを置いてきちゃったから待ってるんだ」
「クー」
「ははっ、そうだね。気をつけるよ」
倉野が言いながら笑うとツクネは少し嬉しそうな表情を浮かべた。
「ククッ」
その言葉からツクネの気持ちを察した倉野は優しく撫でながら言葉を返す。
「そう言われてみると、最近はみんながいるからツクネとだけ過ごす時間は夜しかないね。せっかくだから景色でも眺めようか。ほら、おいで」
倉野が呼びかけながら手を伸ばすとツクネは腕をよじのぼった。倉野の首でマフラーのように丸まると鼻をスンスンと鳴らしながら周囲を見渡す。
目線を合わせて倉野の顔に頬を擦り付けた。ツクネなりの愛情表現なのだろう。
そんな気持ちを察した倉野は再び撫でた。その手は優しく温かい。
「いつもありがとうツクネ」
「クー?」
「何があってもお前がそばに居てくれるから僕は折れないんだ。これからもよろしくな」
改めて感謝を伝える倉野。しかしツクネはいつも通り嬉しそうに鳴くだけだ。
「クー!」
ツクネにとって倉野のそばにいることは当たり前なのだろう。
まだまだ続く倉野とツクネの旅。取り巻く状況は変わっていくが二人の絆はいつまでも変わることはない。
そんな絆を人は愛と呼ぶのだろう。
これまで取得してきたスキルの数々によって倉野は疲れにくく、歩くのが速い。
いつの間にか仲間たちから離れ、一人で歩いていた。背後の気配が消えたことに気づいた倉野はその場で立ち止まり、後方から歩いてくる仲間たちを待つ。
「あー、ちょっと速かったか」
異世界転移をしてから手に入れた身体能力のため、倉野自身も制御できずにいた。
申し訳なさを感じつつ立ち尽くしていると肩掛けの鞄がモゾモゾと動く。
しばらくモゾモゾした後に顔を出したのは倉野の相棒、ツクネだ。
フェレットに似た風属性の魔物フェレッタであるツクネ。その生態は魔法を使えること以外フェレットと変わらないため一日のほとんどを鞄の中で寝て過ごす。
たまに起きては鞄から顔を出し、周囲を確認するのだった。
「クー」
ツクネが鳴くと倉野は優しく微笑んで声をかける。
「起きたのか、ツクネ。よく眠れたかな?」
「ククク」
「それは良かった」
「クー?」
「ん? ああ、誰もいないって言ってるのかい? 歩くのが早すぎてみんなを置いてきちゃったから待ってるんだ」
「クー」
「ははっ、そうだね。気をつけるよ」
倉野が言いながら笑うとツクネは少し嬉しそうな表情を浮かべた。
「ククッ」
その言葉からツクネの気持ちを察した倉野は優しく撫でながら言葉を返す。
「そう言われてみると、最近はみんながいるからツクネとだけ過ごす時間は夜しかないね。せっかくだから景色でも眺めようか。ほら、おいで」
倉野が呼びかけながら手を伸ばすとツクネは腕をよじのぼった。倉野の首でマフラーのように丸まると鼻をスンスンと鳴らしながら周囲を見渡す。
目線を合わせて倉野の顔に頬を擦り付けた。ツクネなりの愛情表現なのだろう。
そんな気持ちを察した倉野は再び撫でた。その手は優しく温かい。
「いつもありがとうツクネ」
「クー?」
「何があってもお前がそばに居てくれるから僕は折れないんだ。これからもよろしくな」
改めて感謝を伝える倉野。しかしツクネはいつも通り嬉しそうに鳴くだけだ。
「クー!」
ツクネにとって倉野のそばにいることは当たり前なのだろう。
まだまだ続く倉野とツクネの旅。取り巻く状況は変わっていくが二人の絆はいつまでも変わることはない。
そんな絆を人は愛と呼ぶのだろう。
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