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凍てつく部屋
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イスベルグは言葉を続けた。
「私の言葉を復唱しろ。いいか」
「は、はい!」
「世界を創りし精霊たちよ」
「せ、世界を創りし精霊たちよ」
「我は望む」
「我は望む」
「敵を凍らせ、制圧しろ」
「敵を凍らせ・・・・・・制圧しろ」
「絶対凍結」
「絶対凍結」
イスベルグに続きそう唱える倉野。
すると、前に出した倉野の右手が青白く発光した。
冷たいような熱いようなものが倉野の体の奥底から右手に伝う。
今まで嘲笑いながら倉野を見ていたヴェンデッタメンバーたちが急に焦り出した。
「お、おい、なんだこれ」
「わかんねぇよ」
「いいから離れろっ!」
口々にそう話しながら後退りする。
レックレスもレインも倉野の方に視線を送った。
「なんだぁ?馬鹿みてぇな魔力が集まってやがる」
レックレスはそう言いながら、大剣を体の前に構え、ガード体勢をとる。
先ほど地面に叩きつけられたレインは上体を起こしながら、倉野の言葉を思い返していた。
「精霊に語りかける詠唱・・・・・・まさか・・・・・・」
その瞬間、倉野の右手の光が放たれる。
光は倉野の右手から飛び出し、周囲を包んだ。
次に倉野が見たのは、白銀の世界である。
この部屋にいたレックレス、バジルを含むヴェンデッタメンバー全員は氷に覆われ、動くどころか時間停止したように氷の中で固まっていた。
そして部屋の壁や床、天井、家具までもが白く凍っている。
しかし、倉野とレインだけは凍らずにいた。
「こ、これは」
この状況に一番驚いていたのは倉野である。
そんな倉野にイスベルグが頭の中で話しかけた。
「どうやら、お前を介して魔法を発動することはできるようだ。まぁ、小さな魔法だがな」
「こ、これで小さな魔法なんですか」
思わず倉野はそう聞き返す。
するとイスベルグはため息をついてからこう答えた。
「いちいち人間規模で考えるな」
「いちいちドラゴン規模で考えないでください」
そう言い返す倉野。
次の瞬間、レインが叫んだ。
「しゃがめ!」
「え?」
咄嗟に反応し、倉野はしゃがみ込む。
すると頭上を剣が通過した。
背後から斬り付けられたのである。
すぐに振り返ると、そこに立っていたのは酒場で飲んでいたヴェンデッタメンバーだった。
ヴェンデッタメンバーたちは武器を構え、部屋の前にずらりと並んでいる。
「他のヴェンデッタメンバーか」
そう呟く倉野。
「酒場の奴らにも気付かれてしまったようだね。第二ラウンドってとこかな」
レインはそう言いながら剣を支えにして立ち上がった。
ヴェンデッタメンバーたちは部屋の中を覗く。
「侵入者か」
「おい、気を付けろ。ボスが凍らされてる」
「全員で一気に畳み掛けろ」
口々にそう話しながらヴェンデッタメンバーたちは武器を握る手に力を込めた。
剣、斧、弓、ナイフ、魔力を込めた手。様々な武器や攻撃が倉野とレインに向けられている。
そんな中イスベルグは呆れたような声を倉野の脳内に響かせた。
「部屋を見れば状況は分かるだろうに。自分たちのボスを含む全員が圧倒的な魔法により凍らされている。どう足掻いても勝てるわけないだろう。身の程を知らぬというのは、命を落とす病の一種だな。クラノ、右手を地面に向けろ」
そう言われた倉野はすぐに地面に右手を向ける。
そして頭の中に響くイスベルグの言葉を復唱した。
「世界を創りし精霊よ、我は望む。凍てつく大地を喚び起こせ。永久凍土」
「私の言葉を復唱しろ。いいか」
「は、はい!」
「世界を創りし精霊たちよ」
「せ、世界を創りし精霊たちよ」
「我は望む」
「我は望む」
「敵を凍らせ、制圧しろ」
「敵を凍らせ・・・・・・制圧しろ」
「絶対凍結」
「絶対凍結」
イスベルグに続きそう唱える倉野。
すると、前に出した倉野の右手が青白く発光した。
冷たいような熱いようなものが倉野の体の奥底から右手に伝う。
今まで嘲笑いながら倉野を見ていたヴェンデッタメンバーたちが急に焦り出した。
「お、おい、なんだこれ」
「わかんねぇよ」
「いいから離れろっ!」
口々にそう話しながら後退りする。
レックレスもレインも倉野の方に視線を送った。
「なんだぁ?馬鹿みてぇな魔力が集まってやがる」
レックレスはそう言いながら、大剣を体の前に構え、ガード体勢をとる。
先ほど地面に叩きつけられたレインは上体を起こしながら、倉野の言葉を思い返していた。
「精霊に語りかける詠唱・・・・・・まさか・・・・・・」
その瞬間、倉野の右手の光が放たれる。
光は倉野の右手から飛び出し、周囲を包んだ。
次に倉野が見たのは、白銀の世界である。
この部屋にいたレックレス、バジルを含むヴェンデッタメンバー全員は氷に覆われ、動くどころか時間停止したように氷の中で固まっていた。
そして部屋の壁や床、天井、家具までもが白く凍っている。
しかし、倉野とレインだけは凍らずにいた。
「こ、これは」
この状況に一番驚いていたのは倉野である。
そんな倉野にイスベルグが頭の中で話しかけた。
「どうやら、お前を介して魔法を発動することはできるようだ。まぁ、小さな魔法だがな」
「こ、これで小さな魔法なんですか」
思わず倉野はそう聞き返す。
するとイスベルグはため息をついてからこう答えた。
「いちいち人間規模で考えるな」
「いちいちドラゴン規模で考えないでください」
そう言い返す倉野。
次の瞬間、レインが叫んだ。
「しゃがめ!」
「え?」
咄嗟に反応し、倉野はしゃがみ込む。
すると頭上を剣が通過した。
背後から斬り付けられたのである。
すぐに振り返ると、そこに立っていたのは酒場で飲んでいたヴェンデッタメンバーだった。
ヴェンデッタメンバーたちは武器を構え、部屋の前にずらりと並んでいる。
「他のヴェンデッタメンバーか」
そう呟く倉野。
「酒場の奴らにも気付かれてしまったようだね。第二ラウンドってとこかな」
レインはそう言いながら剣を支えにして立ち上がった。
ヴェンデッタメンバーたちは部屋の中を覗く。
「侵入者か」
「おい、気を付けろ。ボスが凍らされてる」
「全員で一気に畳み掛けろ」
口々にそう話しながらヴェンデッタメンバーたちは武器を握る手に力を込めた。
剣、斧、弓、ナイフ、魔力を込めた手。様々な武器や攻撃が倉野とレインに向けられている。
そんな中イスベルグは呆れたような声を倉野の脳内に響かせた。
「部屋を見れば状況は分かるだろうに。自分たちのボスを含む全員が圧倒的な魔法により凍らされている。どう足掻いても勝てるわけないだろう。身の程を知らぬというのは、命を落とす病の一種だな。クラノ、右手を地面に向けろ」
そう言われた倉野はすぐに地面に右手を向ける。
そして頭の中に響くイスベルグの言葉を復唱した。
「世界を創りし精霊よ、我は望む。凍てつく大地を喚び起こせ。永久凍土」
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