異世界で俺だけレベルが上がらない! だけど努力したら最強になれるらしいです?

澤檸檬

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四角い枠の中で道化師は嗤う

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 何を思って協力を名乗り出たのだろう。どうしてもそこが引っかかっていた。
 しかし、セブンスの能力があれば事件の真相に近づく可能性が上がるのも確かである。
 セブンスに聞かれないように小さな声でノエルがリオネに話しかけた。

「かーなり怪しいわよね。いきなり、どうして・・・・・・」
「ええ、でもどんな理由があるにせよ、彼の能力は役に立つはずです。指輪の秘密さえ守れるならば協力してもらってもいいと思いますよ」

 リオネも小声で答えながらアルダリンに視線を送る。二人の話を察したのかアルダリンは頷いた。指輪の話を秘密にした上で協力してもらおうという合図である。
 そんな三人の動きを見ていたのかセブンスが微笑んだ。

「どうやら話がまとまったようだな。早速だが、俺に案がある」

 そう言いながらセブンスは机の上にあった書類の中から白紙を取り出す。
 セブンスは白紙を書類の一番上に置くとアルダリンに話しかけた。

「いきなりだがアルダリンさん、ペンを貸してもらえるかい?」
「あ、ああ。ところで案ってなんのことですかな?」

 今まで自分が使っていたペンをセブンスに手渡しながらアルダリンが問いかける。するとセブンスは紙にこう書いた。
 麻薬。
 もはや、この事件の中心にあると言ってもいい物質である。
 セブンスの書いた文字を読みながらリオネが呟いた。

「麻薬・・・・・・」
「ああ、この事件が起きた原因は麻薬だ。そこは疑うべくもない。そして三人の容疑者の動機となっているのも麻薬絡み。これを利用するのさ」
「利用・・・・・・ですか?」

 思わず聞き返すリオネにセブンスは優しく微笑む。

「ああ、そうだ。この事件を一気に解決へと導く最強の一手。最強のカードを切る」

 セブンスの言葉の意味がわからずアルダリンが戸惑いながら首を傾げた。

「こ、ここから一気に解決することができるんですか?」
「ああ、だが最強のカードは使い方を間違えれば、一気に敗北してしまうかもしれないぜ。ジョーカーは切り札にも負け札にもなるのさ。どうする・・・・・・俺にベットするかい?」

 突然すぎる展開に頭がついていかない三人。突然協力を名乗り出たかと思えば、事件を解決する案があると話すセブンス。そしてそれにはリスクがあることを仄かしていた。
 しかし、確かに事件の捜査は難航している。残り時間としなければならないことが釣り合っていない。間に合わないのではないかと考え始めていた。
 その状況でセブンスがどのような案を出すのか、アルダリンたちは既に引き込まれつつある。
 最初に口を開いたのはリオネだった。

「と、とにかく、その案を聞かせてください」
「そうね。そこから判断させてほしいわ」

 同調するようにノエルも言い、その隣でアルダリンも頷いている。
 三人の意思を確認したセブンスは嬉しそうに微笑んでからペンを強く握り、紙に何かを書き始めた。
 それはここから何をするべきかの指示書であり、まるで未来を示す予言書のようでもある。
 書き終えたセブンスは得意げな表情で三人に言い放った。

「これが作戦の全容さ」
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