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本編
第3話_世話焼きが紡ぐ縁-9
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改札機を通ってくる蒼矢の所作を見守りながら、烈は彼と後方のふたりの服装を交互に眺め、一瞬きょとんとした面持ちを見せてから、にわかに目を見張りながら眉を寄せた。
「…そっか、今日入学式だったのか…!」
「?」
再び人目を憚らない大声量で口走り、見る間に渋面に変わっていく烈を見、諒と啓介は、その声の大きさと表情の変わりように、呆気に取られてしまっていた。
視界が悪い蒼矢を受け止めると、烈の表情はじきに戻ったが、どこか釈然としない風な内情が面の端に残っているようだった。
ふたりに見守られながら、蒼矢と烈は二・三度頭を下げ、駅から離れていった。
彼らの後姿を目で追いつつ、啓介がぼそりと漏らす。
「…どういうこっちゃ、あの顔は。入学式じゃ都合が悪かったのか?」
「…さぁ…」
「まぁいいか。戻ろうぜ」
「ああ。ていうか沖本すごいな。食事に行く約束までさらっと取り付けるなんて」
「ふふん、ぬかりないだろ? 交際までこぎつけたい相手に、断る理由が無い絶妙なタイミングでアポ取るのは鉄則だぜ」
「そんなマメなテクニックが使える君に、一日も早く良い子が見つかることを願ってるよ」
「…言うなって、それを…!」
諒にも烈の表情の理由は解らず、ふたりは気を取り直して元来た足取りを戻っていった。
「…そっか、今日入学式だったのか…!」
「?」
再び人目を憚らない大声量で口走り、見る間に渋面に変わっていく烈を見、諒と啓介は、その声の大きさと表情の変わりように、呆気に取られてしまっていた。
視界が悪い蒼矢を受け止めると、烈の表情はじきに戻ったが、どこか釈然としない風な内情が面の端に残っているようだった。
ふたりに見守られながら、蒼矢と烈は二・三度頭を下げ、駅から離れていった。
彼らの後姿を目で追いつつ、啓介がぼそりと漏らす。
「…どういうこっちゃ、あの顔は。入学式じゃ都合が悪かったのか?」
「…さぁ…」
「まぁいいか。戻ろうぜ」
「ああ。ていうか沖本すごいな。食事に行く約束までさらっと取り付けるなんて」
「ふふん、ぬかりないだろ? 交際までこぎつけたい相手に、断る理由が無い絶妙なタイミングでアポ取るのは鉄則だぜ」
「そんなマメなテクニックが使える君に、一日も早く良い子が見つかることを願ってるよ」
「…言うなって、それを…!」
諒にも烈の表情の理由は解らず、ふたりは気を取り直して元来た足取りを戻っていった。
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