ガイアセイバーズ spin-off -Ｔ大理学部生の波乱-

本編

第6話_"名門校"の裏切り-2

「じゃあさ、これから会う人は？」
「高校の先輩。2個上で、他大学の3年生だよ」
「「えっ…先輩・・…！？」」

蒼矢ソウヤの口からにわかに飛び出したワードに、運動部・・・出身の啓介ケイスケも諒リョウも、揃って声高に反応してしまった。
戸惑うような彼らの表情を受け、蒼矢は一時きょとんとした面持ちになったが、すぐに微笑を浮かべながらとりなした。

「構えなくても大丈夫だよ。先輩・後輩とはいっても、そんなにガチガチじゃない」
「…そうなのか？」
「うん、上下関係気にするような人じゃないから。俺は気遣ったことない」
「そ、そっか。…でも、俺らの分も含めて奢って貰うんだよな…？　本当に甘えちゃっていいのか？」
「それもあっちから言い出したことだから、心配しないでいいよ」
「…そういうことなら…」

変に取り繕うような素振りも無く、ごく自然に返してくる蒼矢の言に、ふたりは緊張感を浮かべていた面を少しずつ戻していく。

…確かに…髙城タカシロは部活やってなかったって言ってたし、俺や沖本オキモトが想像する、いわゆる"上下関係"が厳しい間柄じゃないのかもしれないな…
…生徒会で一緒に活動してた先輩とかかな？　だったら、大人しめの優しい人かも…

そう勝手に想像を膨らませつつ気持ちを改め、先を行く蒼矢の後へ続いていった。