ガイアセイバーズ spin-off -T大理学部生の波乱-

独楽 悠

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本編

第7話_笑顔の圧力-4

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先日から蒼矢ソウヤへ感じていた引っ掛かりをリョウなりに納得し、同時に明らかな問題児感・ヤンキー感を漂わせている先輩に対し、後輩がここまでぞんざいな扱いが出来ることからも、蒼矢の言う通り上下の敬拝がほぼ無い関係性なんだろうと推測出来た。

…でも、宮島ミヤジマ先輩への気遣いが必要無いのは、きっと髙城タカシロだけなんだろうな…

「やっぱ俺が保護者として入学式に参列しとくべきだったなー。帰りも送っていけたし」
「高校の先輩にそんなことお願いできません」
「じゃあ葉月ハヅキにでも頼めばよかったじゃねぇか」
「仕事があるのに、私事に時間を割いてもらうわけにいきません。ご迷惑じゃないですか…!」
「別に数時間くらい構わねぇだろ。…お前、レツに至っちゃ話してもなかったろ。こないだうるせぇくらい懺悔聞かされたぞ?」

影斗エイトの言葉に蒼矢ははっと気付いたように顔を上げ、口をつぐんだ。

「迷惑とかじゃねぇんだよ、俺らにとっちゃ。折角一生に一度の晴れの舞台で代表挨拶するってのに、身内の誰も見守ってやれねぇなんざ、あまりに寂しいじゃねぇか。…結局そうさせちまったけどな」
「…」
「まぁでも、それがあってこいつらと顔合わせられたってことを思えば、多少はマシだったって思えるわ。お前がこれから通う大学で新たに作った人間関係ってのも、把握しときたかったからさ」

影斗のその言葉を聞き、諒と啓介ケイスケは再び背筋を伸ばして息を飲む。
影斗は緊張感の走るふたりを見、にやりと笑った。

「これからも宜しく頼むわ、蒼矢のこと」
「「…は、はい!!」」
「……俺が友人を作るのに影斗先輩の許可が要るようになってるのが、子供扱いされてるみたいで非常に居心地が悪いんですが…」
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