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本編
第9話_幾度目かの急襲-4
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手をこまねいているソウヤの耳に、人の叫び声が届く。
「…!!」
「!? 何…!?」
断末魔のような声は断続的に続き、徐々に大きくなっていく。
察知したソウヤのすぐ後にイツキ王子も気付き、顔を青ざめさせてソウヤにしがみつく。
ソウヤの見据えていた先、長い廊下の曲がり角で、死角から武装した近衛兵が現れて背後の壁に激突し、どさりと床へ落ちる。
息を飲んで見張る視界に、警備ロボットが数機現れ、倒れた兵士を踏み潰しながら角を曲がってふたりの方へ向き直り、単眼を光らせた。
…あの機体たちの位置情報は、ネットワーク上に無い…!!
近衛兵に起きた様と、セキュリティシステムと照らし合わせた現状を見、危険と判断したソウヤはアシストスーツに姿を変える。
「! ソウヤ!?」
「あれらは今現在、王宮のセキュリティシステムの管理外にいる機体です。先ほどの停電で、ネットワークから外れてしまったようです」
「えぇっ…!? じゃあ、ロボットたちは…」
「AIに障害を負ったか、はたまた外部の何かの影響を受けているか…どちらかは判断出来ませんが、指揮系統から外れて独自に動いていることは間違いありません。…我々に危害を加える恐れも」
「っ…!」
王子を背に守り、徐々に近付く警備ロボットたちへ対峙するものの、ソウヤは内で焦りを感じ始めていた。
…この状況で、イツキを守りながら、どう立ち回るか…
警備ロボットのいる方向とは逆側――つまり、ふたりが背を向けている方の廊下は、つきあたりで逃げ道が無い。
廊下には窓が無く、外への脱出も出来ないので、現状からイツキ王子を守るためには、迫り来る警備ロボットを越えて逃げ切る他無い。
彼らを倒すという選択肢もあるが、王家側から開示されている警備ロボットのスペックを知るソウヤは、やや不安を募らせていた。
…王宮に配備されている警備ロボットは、国内では並ぶ機体の無い、世界でも指折りの高スペック機体…
…それら数体を相手にして、俺ひとりで動きを止めることが出来るのか…?
警備ロボットの備えるサブマシンガンの銃口が前方へ向くのを察知すると同時に、ソウヤは防御シールドを張り、王子を背負ってそのままバックステップで下がっていく。
放たれた無数の銃弾がふたりを襲い、シールドに跳ね返されていく。
「どうしてっ…王宮を守る彼らが、どうしてこんなことに…!?」
「私にもわかりません。ただ言えることは、今の彼らは本分を忘れ見境を失ってしまっている、ということだけです」
…"出来るのか"と自問してる場合じゃない。やるんだ。
廊下のつきあたりまで下がると、ソウヤは王子を降ろして両手を広げ、壁伝いにドーム状のシールドを造る。
「…!? ソウヤ!?」
「申し訳ございません。ここからは私から離れて、そちらでお待ち下さい。このドームは、私の纏う防御シールドより遥かに頑丈…王宮の地下シェルターと同等とお考え頂いて大丈夫です。ご安心下さい」
「…嫌だ、行かないでっ…ソウヤぁ!!」
「…!!」
「!? 何…!?」
断末魔のような声は断続的に続き、徐々に大きくなっていく。
察知したソウヤのすぐ後にイツキ王子も気付き、顔を青ざめさせてソウヤにしがみつく。
ソウヤの見据えていた先、長い廊下の曲がり角で、死角から武装した近衛兵が現れて背後の壁に激突し、どさりと床へ落ちる。
息を飲んで見張る視界に、警備ロボットが数機現れ、倒れた兵士を踏み潰しながら角を曲がってふたりの方へ向き直り、単眼を光らせた。
…あの機体たちの位置情報は、ネットワーク上に無い…!!
近衛兵に起きた様と、セキュリティシステムと照らし合わせた現状を見、危険と判断したソウヤはアシストスーツに姿を変える。
「! ソウヤ!?」
「あれらは今現在、王宮のセキュリティシステムの管理外にいる機体です。先ほどの停電で、ネットワークから外れてしまったようです」
「えぇっ…!? じゃあ、ロボットたちは…」
「AIに障害を負ったか、はたまた外部の何かの影響を受けているか…どちらかは判断出来ませんが、指揮系統から外れて独自に動いていることは間違いありません。…我々に危害を加える恐れも」
「っ…!」
王子を背に守り、徐々に近付く警備ロボットたちへ対峙するものの、ソウヤは内で焦りを感じ始めていた。
…この状況で、イツキを守りながら、どう立ち回るか…
警備ロボットのいる方向とは逆側――つまり、ふたりが背を向けている方の廊下は、つきあたりで逃げ道が無い。
廊下には窓が無く、外への脱出も出来ないので、現状からイツキ王子を守るためには、迫り来る警備ロボットを越えて逃げ切る他無い。
彼らを倒すという選択肢もあるが、王家側から開示されている警備ロボットのスペックを知るソウヤは、やや不安を募らせていた。
…王宮に配備されている警備ロボットは、国内では並ぶ機体の無い、世界でも指折りの高スペック機体…
…それら数体を相手にして、俺ひとりで動きを止めることが出来るのか…?
警備ロボットの備えるサブマシンガンの銃口が前方へ向くのを察知すると同時に、ソウヤは防御シールドを張り、王子を背負ってそのままバックステップで下がっていく。
放たれた無数の銃弾がふたりを襲い、シールドに跳ね返されていく。
「どうしてっ…王宮を守る彼らが、どうしてこんなことに…!?」
「私にもわかりません。ただ言えることは、今の彼らは本分を忘れ見境を失ってしまっている、ということだけです」
…"出来るのか"と自問してる場合じゃない。やるんだ。
廊下のつきあたりまで下がると、ソウヤは王子を降ろして両手を広げ、壁伝いにドーム状のシールドを造る。
「…!? ソウヤ!?」
「申し訳ございません。ここからは私から離れて、そちらでお待ち下さい。このドームは、私の纏う防御シールドより遥かに頑丈…王宮の地下シェルターと同等とお考え頂いて大丈夫です。ご安心下さい」
「…嫌だ、行かないでっ…ソウヤぁ!!」
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