14 / 126
本編
第14話_"空き家"の密談_5
しおりを挟む
「影兄が楠瀬邸にいるんなら、問題ないんじゃねぇの?」
「いやいや、余所者を保護者には据え置けんだろ。実家にここの留守預かる了解も取ってねぇし、そもそも俺の存在自体認知されてるかも怪しいし」
「実家にしてみりゃ、正直居てもらう意味はねぇからな…完全に『セイバー』の都合だけで留守居してるんだもんな」
「そっかぁ…」
なんとしても苡月を今の地に留めたい影斗は、じろりと烈を見やる。
「…珠代ちゃんに頼んで、お前んちに居候させらんねぇか…?」
「…ぇえ!? うちぃ…!?」
影斗の無茶振りに、烈は驚きと困惑が混じった声をあげる。
「ちゃんとした保護者付じゃねぇと、親は説得できねぇ。蒼矢んちは、親父さんほぼ不在だから無理だ。烈母なら常時家にいるし、期間限定って条件なら承諾得られるだろ」
「いや無理だよっ…陽もいるんだぞ!?」
「あとひとりくらい押しこめるだろ。苡月コンパクトサイズだから、なんとかなるって」
「無茶言うな! 元々からして3人家族でやってたのに、4人も入らねぇって!」
「じゃお前だけ別んとこで寝りゃいいじゃん。寝袋は俺が用意してやってもいいぜ」
「俺に軽トラで車中泊しろってか…!?」
すでに花房家の居候に預かっている陽と、蚊帳の外の蒼矢が交互に見守るなか、影斗と烈の応酬は続き、悲鳴混じりの烈の文句を聞いた影斗が一瞬そらを見、ついで意味深に口端をあげて視線を戻す。
「…じゃ、蒼矢んちに転がり込めばいい」
「…は?」
「…え?」
新たな妙案を受け、烈と突然巻き込まれた蒼矢が呆けた声を漏らす。
言葉を失うふたりへ、影斗は悪戯気な笑みを浮かべつつ続けた。
「烈んちに陽と苡月泊めて、あぶれたお前は蒼矢んちに世話になる。これで人数釣り合い取れるだろ?」
「はあぁ…!? 俺が俺んち追い出されるって、もう意味わかんねぇぞ!?」
「他ふたりは条件的に烈んちじゃねぇと困るけど、お前は蒼矢んちに移ってもなにもおかしくねぇじゃん」
「そ、そりゃまぁ、そうだけど…」
「なるべく一箇所に固まっとくためだ、他に手はねぇ。お前がひとつ屋根の下にいれば、『索敵』使えねぇ蒼矢の護衛にもなる。まさに一石二鳥」
「っ……!」
「蒼矢も文句ねぇよな?」
「…はぁ、まぁ」
影斗はうろたえる烈と気圧される蒼矢へ、最後は実に爽やかな笑顔で押し切った。
「[侵略者]共との再戦と苡月の居住地問題が解決するまで、お前ら同棲しろ」
「いやいや、余所者を保護者には据え置けんだろ。実家にここの留守預かる了解も取ってねぇし、そもそも俺の存在自体認知されてるかも怪しいし」
「実家にしてみりゃ、正直居てもらう意味はねぇからな…完全に『セイバー』の都合だけで留守居してるんだもんな」
「そっかぁ…」
なんとしても苡月を今の地に留めたい影斗は、じろりと烈を見やる。
「…珠代ちゃんに頼んで、お前んちに居候させらんねぇか…?」
「…ぇえ!? うちぃ…!?」
影斗の無茶振りに、烈は驚きと困惑が混じった声をあげる。
「ちゃんとした保護者付じゃねぇと、親は説得できねぇ。蒼矢んちは、親父さんほぼ不在だから無理だ。烈母なら常時家にいるし、期間限定って条件なら承諾得られるだろ」
「いや無理だよっ…陽もいるんだぞ!?」
「あとひとりくらい押しこめるだろ。苡月コンパクトサイズだから、なんとかなるって」
「無茶言うな! 元々からして3人家族でやってたのに、4人も入らねぇって!」
「じゃお前だけ別んとこで寝りゃいいじゃん。寝袋は俺が用意してやってもいいぜ」
「俺に軽トラで車中泊しろってか…!?」
すでに花房家の居候に預かっている陽と、蚊帳の外の蒼矢が交互に見守るなか、影斗と烈の応酬は続き、悲鳴混じりの烈の文句を聞いた影斗が一瞬そらを見、ついで意味深に口端をあげて視線を戻す。
「…じゃ、蒼矢んちに転がり込めばいい」
「…は?」
「…え?」
新たな妙案を受け、烈と突然巻き込まれた蒼矢が呆けた声を漏らす。
言葉を失うふたりへ、影斗は悪戯気な笑みを浮かべつつ続けた。
「烈んちに陽と苡月泊めて、あぶれたお前は蒼矢んちに世話になる。これで人数釣り合い取れるだろ?」
「はあぁ…!? 俺が俺んち追い出されるって、もう意味わかんねぇぞ!?」
「他ふたりは条件的に烈んちじゃねぇと困るけど、お前は蒼矢んちに移ってもなにもおかしくねぇじゃん」
「そ、そりゃまぁ、そうだけど…」
「なるべく一箇所に固まっとくためだ、他に手はねぇ。お前がひとつ屋根の下にいれば、『索敵』使えねぇ蒼矢の護衛にもなる。まさに一石二鳥」
「っ……!」
「蒼矢も文句ねぇよな?」
「…はぁ、まぁ」
影斗はうろたえる烈と気圧される蒼矢へ、最後は実に爽やかな笑顔で押し切った。
「[侵略者]共との再戦と苡月の居住地問題が解決するまで、お前ら同棲しろ」
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ユキ・シオン
那月
BL
人間の姿をした、人間ではないもの。
成長過程で動物から人間に変わってしまう”擬人化種”の白猫青年と、16歳年上のオッサンとのお話。
出会ったのは猫カフェ。白猫従業員としての青年と客としてやってきたオッサン。
次に再会したのは青年が人間として通う大学。オッサンは保健室の先生だった。
青年が金のためにヤバいことをしていて、あるトラブルが起こる。
そこへ見計らったかのようにオッサンが飛び込んで救出したのをきっかけに2人の距離は縮まり……
※表紙絵は自作。本編は進むにつれてどんどん動物園と化します(笑)
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
はじまりの朝
さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。
ある出来事をきっかけに離れてしまう。
中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。
これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。
✳『番外編〜はじまりの裏側で』
『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
ガイアセイバーズ9 -萌える若葉を摘む獣-
独楽 悠
BL
異なる世界線から現世を襲いに来る異形のもの([侵略者]たち)から地球を防衛する使命を受け、日々戦い続けるガイアセイバーズ。
当代のセイバーズの核を担っていた最年長の葉月(ハヅキ)が、長い戦士期間をもってエピドートを退いた。
通常次の候補者は誰にもわからないが、直近のいくつかの変化・出来事から、セイバーたちの中で目星がついていく。
戦力欠け期間を乗り越えようとさらに一丸となるセイバーズだが、引退後も変わらず傍に居続けてくれる葉月との関わりをどうしていくべきか、今までになかった新たな問題を抱えることになる。
そんな時、葉月と同居する弟の苡月(イツキ)は、とある人物と偶然出会い、束の間の交流を得る。
別れ際に落としていった小物を拾い、次会えた時に渡そうと持ち帰る苡月だったが――
◆完結済(2025/1/27)
◆注意事項(下記ご心配な方は作品閲覧をお控え下さい)
・一部年齢制限表現有、やや過激描写(流血など)有。背後注意(各ページ冒頭で判別出来るようにします)
・フェティシズム要素有。
・いわゆるヒーローピンチ要素(やられ)有。従ってリョナや怪我の描写も有。
・細部(前提設定など)端折っている部分があります。
第1作目『ガイアセイバーズ -GAIA SAVERS-』及び過去ナンバリング作を先に読まれることをお勧めします。
【R18+BL】ハデな彼に、躾けられた、地味な僕
hosimure
BL
僕、大祇(たいし)永河(えいが)は自分で自覚するほど、地味で平凡だ。
それは容姿にも性格にも表れていた。
なのに…そんな僕を傍に置いているのは、学校で強いカリスマ性を持つ新真(しんま)紗神(さがみ)。
一年前から強制的に同棲までさせて…彼は僕を躾ける。
僕は彼のことが好きだけど、彼のことを本気で思うのならば別れた方が良いんじゃないだろうか?
★BL&R18です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる