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本編
第15話_心無い戯れ(R18)
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「……!」
蒼矢は意識を取り戻した。
薄く目を開けると、葉月の部屋ではない別の景色が映し出される。薄暗く、無音な空間。
横たわる身体に、冷たい床の感覚が伝わってくる。
獣臭が漂い、まとわりつくような湿気で空気は重苦しく淀んでいる。
「……」
ゆっくりと身体を起こして周囲を見回してみると、割と広めだが四方を囲われていて、三方は一面コンクリートのような壁になっており、残りの薄暗い明かりが差し込む方には鉄格子がはまっていた。
着衣は意識を失う前と一緒のようだったが上半身は裸で、両腕は背面でコの字にまとめられ、肘から下が括られていた。
ここは、[異界]だ。
まだ少しおぼろげな面持ちでいた蒼矢だったが、直感でそう感じた。
…気を失ってから、どれだけ時間が経っているんだろう。
これから自分はここで、どうなってしまうんだろう。
ぼんやりと思考を巡らせる中、一つだけはっきりと理解し、覚悟していることがあった。
…きっともう、元の世界には帰れない。
「起きたか」
「!!」
鉄格子の一部が扉のようにずれ、[蔓]が入ってきた。
「なかなか目覚めんから、何か刺激をやろうかと思いかけていたが、不要になったな」
牢の中を一歩一歩近寄ってくる[蔓]から距離を保つように、蒼矢は身をよじって後ずさる。
「…来るな…っ」
「眠っている間に弄ろうかとも考えたが、やはり反応がないとつまらんからな」
「…来るな!!」
鋭く叫ぶ蒼矢の片足を掴まえ、引きずり寄せる。そのまま両脚を束ねて肩に背負うと、隅に置いてあった寝台へ放り投げた。
「っう…」
硬く、ほとんど弾みの効かないマットレスにうつ伏せに叩きつけられ、蒼矢の表情が苦痛に歪む。
すぐに[蔓]が覆い被さり、薄明かりに浮かび上がる蒼矢の裸体を観察する。そのしなやかな曲線に点々と残る、拳大の青痣を撫ぜた。
「成程、人間の身体は異物への影響を受けやすいようだが、傷みやすく元にも戻りにくいんだな」
そうつぶやくと、痣を指で強めに押した。
「っ! あっく…!」
鈍い痛みに、蒼矢の背中が反る。手は背面を動き回り、痣の一つひとつを確かめるように指先で刺激を与えていく。
痛みをこらえ、呼吸を乱す蒼矢に[蔓]は背後から密着し、その耳元に囁いた。
「ここは[俺のテリトリー]だ。今までと同じ力加減だと、お前を壊してしまうかもしれない。が、そうしたくはない。…なるべく痛まないようにしてやろう」
そう言うと、[蔓]は蒼矢をひっくり返し、全身で身体に絡みついた。
「っ…やめろ!!」
蒼矢は叫び声をあげるが、その口はすぐに[蔓]に覆われた。唯一自由の利く足も[蔓]の大腿が割り入って動かず、体位がずれる度に局部が強く刺激され、身体の奥からじわりと疼きが湧き起こってくる。
「んうっ…!」
口腔に[蔓]の舌が入り、唾液が流し込まれる。その効果が解っている蒼矢は必死にもがくが、顎を押さえられうまく拒めず、体液は奥へと注がれていった。
蒼矢の喉が動くのを確認すると、唇から離れた口は首筋を吸い、胸と下腹部を中心に撫で回す。乳首を嬲り、股から尻を揉みしだく。
「…あ…、んん…」
弱った身体に早くも体液が効いてきたのか、蒼矢の抵抗が徐々に緩んでいくのがわかると、局部に手を伸ばす。激しい身体の動きにズボンがずり落ち、下着から陰茎が半分露出していた。陰嚢は[蔓]の大腿に何度も擦り上げられ、二人の腹に挟まれた陰茎の先端からは先走りが漏れ出ており、[蔓]の着衣にしみをつくっていた。
「おっと…」
[蔓]は改めて、陰茎を強く扱き上げる。
「ああぁっ…!!」
蒼矢は、嬌声に似た声をあげながら勢い良く射精した。
[蔓]は溢れ出る精液を手の中に溜め、綺麗に啜り取った。
ついで、ズボンと下着を一気に引きずり下ろすと、陰茎が弾かれて下腹に打ち付けられる。
「っ! うぅ…」
反応したそれが、先ほど出きらなかった精液を吐き出した。
体液に犯されている蒼矢の陰茎は、果てた後も変わらず熱を持ち、勃起し続けていた。
「良い感じに身体に回り始めているな」
[蔓]は蒼矢の太股を開いて腕で抱え込むと、まっすぐそそり勃つそれを口に咥えた。陰茎は[蔓]の広い口腔内にすっぽりと飲み込まれていく。
「あ…んっ…」
温かな舌で舐められると、蒼矢がわずかに艶声を漏らす。身体が抑えきれない快感をにじませていく。
股間にうずまる[蔓]の頭が激しく上下し、ざらつく舌や歯で陰茎に刺激を与える。
「ぅああっ…あぁっ! ああぁっ!!」
蒼矢の上半身が痛みと快感にのたうつ。[蔓]はそれを意に介さず太股を腕に絡めたまま、手を下腹部や胸に這わせ、乳首を犯していく。
「あはっ…!」
やがて腰を弓なりにしならせて股間を差し出すように突き上げ、蒼矢は促されるままに再び射精した。[蔓]は蒼矢の下半身を持ち上げ、音をたてながら陰茎を強く吸い上げる。
「っん…う…」
唇に溢れた精液を舐めとると、陰茎を解放した[蔓]は眼前にぐったりと果てる蒼矢を眺めた。汗ばみ、乱れた髪をかきあげてやると、苦しげに息を荒げる唇と紅潮した頬、快感に潤んだ目が現れる。
「…お前もまんざらじゃないようじゃないか。余程気持ち良くなっているとみえる」
「……」
そう満足気に声を掛けると、蒼矢は敵意を込めた鋭い眼差しで睨み返す。
その獲物の見せる表情に[蔓]は厭らしく嗤い、髪を掴んで上半身を引き起こすと、鼻先まで顔を寄せる。
「まだまだこれからだ。お前の身体をまだ全然楽しめていない。俺が満足するまで落ちるなよ」
そして蒼矢の手の拘束を解いて乱暴に押し倒し、その巨体で覆うように被さった。
[蔓]の下で、華奢な痩躯が汚されていった。
蒼矢は意識を取り戻した。
薄く目を開けると、葉月の部屋ではない別の景色が映し出される。薄暗く、無音な空間。
横たわる身体に、冷たい床の感覚が伝わってくる。
獣臭が漂い、まとわりつくような湿気で空気は重苦しく淀んでいる。
「……」
ゆっくりと身体を起こして周囲を見回してみると、割と広めだが四方を囲われていて、三方は一面コンクリートのような壁になっており、残りの薄暗い明かりが差し込む方には鉄格子がはまっていた。
着衣は意識を失う前と一緒のようだったが上半身は裸で、両腕は背面でコの字にまとめられ、肘から下が括られていた。
ここは、[異界]だ。
まだ少しおぼろげな面持ちでいた蒼矢だったが、直感でそう感じた。
…気を失ってから、どれだけ時間が経っているんだろう。
これから自分はここで、どうなってしまうんだろう。
ぼんやりと思考を巡らせる中、一つだけはっきりと理解し、覚悟していることがあった。
…きっともう、元の世界には帰れない。
「起きたか」
「!!」
鉄格子の一部が扉のようにずれ、[蔓]が入ってきた。
「なかなか目覚めんから、何か刺激をやろうかと思いかけていたが、不要になったな」
牢の中を一歩一歩近寄ってくる[蔓]から距離を保つように、蒼矢は身をよじって後ずさる。
「…来るな…っ」
「眠っている間に弄ろうかとも考えたが、やはり反応がないとつまらんからな」
「…来るな!!」
鋭く叫ぶ蒼矢の片足を掴まえ、引きずり寄せる。そのまま両脚を束ねて肩に背負うと、隅に置いてあった寝台へ放り投げた。
「っう…」
硬く、ほとんど弾みの効かないマットレスにうつ伏せに叩きつけられ、蒼矢の表情が苦痛に歪む。
すぐに[蔓]が覆い被さり、薄明かりに浮かび上がる蒼矢の裸体を観察する。そのしなやかな曲線に点々と残る、拳大の青痣を撫ぜた。
「成程、人間の身体は異物への影響を受けやすいようだが、傷みやすく元にも戻りにくいんだな」
そうつぶやくと、痣を指で強めに押した。
「っ! あっく…!」
鈍い痛みに、蒼矢の背中が反る。手は背面を動き回り、痣の一つひとつを確かめるように指先で刺激を与えていく。
痛みをこらえ、呼吸を乱す蒼矢に[蔓]は背後から密着し、その耳元に囁いた。
「ここは[俺のテリトリー]だ。今までと同じ力加減だと、お前を壊してしまうかもしれない。が、そうしたくはない。…なるべく痛まないようにしてやろう」
そう言うと、[蔓]は蒼矢をひっくり返し、全身で身体に絡みついた。
「っ…やめろ!!」
蒼矢は叫び声をあげるが、その口はすぐに[蔓]に覆われた。唯一自由の利く足も[蔓]の大腿が割り入って動かず、体位がずれる度に局部が強く刺激され、身体の奥からじわりと疼きが湧き起こってくる。
「んうっ…!」
口腔に[蔓]の舌が入り、唾液が流し込まれる。その効果が解っている蒼矢は必死にもがくが、顎を押さえられうまく拒めず、体液は奥へと注がれていった。
蒼矢の喉が動くのを確認すると、唇から離れた口は首筋を吸い、胸と下腹部を中心に撫で回す。乳首を嬲り、股から尻を揉みしだく。
「…あ…、んん…」
弱った身体に早くも体液が効いてきたのか、蒼矢の抵抗が徐々に緩んでいくのがわかると、局部に手を伸ばす。激しい身体の動きにズボンがずり落ち、下着から陰茎が半分露出していた。陰嚢は[蔓]の大腿に何度も擦り上げられ、二人の腹に挟まれた陰茎の先端からは先走りが漏れ出ており、[蔓]の着衣にしみをつくっていた。
「おっと…」
[蔓]は改めて、陰茎を強く扱き上げる。
「ああぁっ…!!」
蒼矢は、嬌声に似た声をあげながら勢い良く射精した。
[蔓]は溢れ出る精液を手の中に溜め、綺麗に啜り取った。
ついで、ズボンと下着を一気に引きずり下ろすと、陰茎が弾かれて下腹に打ち付けられる。
「っ! うぅ…」
反応したそれが、先ほど出きらなかった精液を吐き出した。
体液に犯されている蒼矢の陰茎は、果てた後も変わらず熱を持ち、勃起し続けていた。
「良い感じに身体に回り始めているな」
[蔓]は蒼矢の太股を開いて腕で抱え込むと、まっすぐそそり勃つそれを口に咥えた。陰茎は[蔓]の広い口腔内にすっぽりと飲み込まれていく。
「あ…んっ…」
温かな舌で舐められると、蒼矢がわずかに艶声を漏らす。身体が抑えきれない快感をにじませていく。
股間にうずまる[蔓]の頭が激しく上下し、ざらつく舌や歯で陰茎に刺激を与える。
「ぅああっ…あぁっ! ああぁっ!!」
蒼矢の上半身が痛みと快感にのたうつ。[蔓]はそれを意に介さず太股を腕に絡めたまま、手を下腹部や胸に這わせ、乳首を犯していく。
「あはっ…!」
やがて腰を弓なりにしならせて股間を差し出すように突き上げ、蒼矢は促されるままに再び射精した。[蔓]は蒼矢の下半身を持ち上げ、音をたてながら陰茎を強く吸い上げる。
「っん…う…」
唇に溢れた精液を舐めとると、陰茎を解放した[蔓]は眼前にぐったりと果てる蒼矢を眺めた。汗ばみ、乱れた髪をかきあげてやると、苦しげに息を荒げる唇と紅潮した頬、快感に潤んだ目が現れる。
「…お前もまんざらじゃないようじゃないか。余程気持ち良くなっているとみえる」
「……」
そう満足気に声を掛けると、蒼矢は敵意を込めた鋭い眼差しで睨み返す。
その獲物の見せる表情に[蔓]は厭らしく嗤い、髪を掴んで上半身を引き起こすと、鼻先まで顔を寄せる。
「まだまだこれからだ。お前の身体をまだ全然楽しめていない。俺が満足するまで落ちるなよ」
そして蒼矢の手の拘束を解いて乱暴に押し倒し、その巨体で覆うように被さった。
[蔓]の下で、華奢な痩躯が汚されていった。
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2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
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