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本編
第18話_暗闇に射す光
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アズライト鉱石の不可解な発光を目にした葉月家待機中の三人は、居間に集まって鉱石の様子を見守り続けていた。
「――今、陽に連絡した。即行戻るって」
スマホを手に部屋に戻ってきた烈はそう言うと、頭をバリバリ掻きながら腰を下ろした。
「大丈夫? 仮眠取った方が…」
「いや、平気っす。…蒼矢の方がきっと、数万倍辛い目に遭ってる」
烈の返答に、気遣った葉月は無言で頷いた。ついで、すまなそうに烈と影斗へ頭を下げる。
「…大事なことを忘れてたんだ。アズライト鉱石を見てて、思い出したよ…ごめん、もっと早くに気付くべきだったんだけど…」
「いいから話せよ」
「…うん。僕…先代の『サルファー』がセイバーを退く時の一部始終を見ていたんだ」
『セイバー』に選ばれた人間が戦士として活動する期間は、個人差はあるが大体十年前後が通例で、お役免除になった後しばらくの空席期間を経て、次の候補者が選ばれていく。セイバーを退くタイミングは本人も判らず、日常生活中だったり戦闘終了直後だったりと、特に決まりはなく突然訪れる。他のセイバー達には"今『○○(鉱石)』が役目を終えた"という情報が自然と頭に落ちてきて、本能的にそれを理解する。
『エピドート』である葉月は、陽の先代の『サルファー』がセイバーを退く時に、偶然立ち会っていたという。
「…退く時はね、鉱石を返上するんだ。力を失うのと同時に鉱石が消えて、次代のセイバーが選ばれた時にまた現れる」
「じゃあ、ここにアズライトがあるってことは…蒼矢が力を無くしたって訳じゃねぇってことか」
「刻印が消えたのは?」
「鉱石割れて使いもんにならなくなったから刻印も消えたってところじゃねぇか? 前例知らねぇからなんとも言えねーけど」
「一時的に全ての能力が使えなくなっている状態、なのかもしれないね。とにかく、望みはまだつながっている…気がする」
三人で意見や持論を言い合うが、全て推測の域を出ないものだった。
「結局、蒼矢をどうやったら連れ戻せるかはわからないんだよね…」
三様に溜め息をつき、あれから先ずっと沈黙したまま、静かに散らばっているアズライト鉱石を見やる。
「…なんとなく、蒼矢が鉱石を呼んでる気がするんだよなぁ…」
烈は頬杖をつき、自分の胸元からロードナイトを引っ張り出して、何気無くアズライトにくっつけてみた。すると、双方の鉱石がにわかに光り始める。
「…っ!? えっ…え!?」
驚き過ぎた烈は思わず鉱石を離す。途端、二つの鉱石は輝きを失う。その挙動に、烈はやらかしたという表情で青ざめた。
「…ぁっ…」
「何してんだよ、烈」
「影斗っ…俺、今すげーまずったかも…」
「あ?」
どぎまぎしながら、烈は祈る思いで再度鉱石同士をくっつける。ロードナイトとアズライトは、再び輝き始めた。影斗の目が見開かれる。
「…!? おい、なんだこれ!」
「あ、良かった…まだセーフだった…! …なんだろこれ?」
「ボケてる場合か! おい、葉月!!」
牢を出た蒼矢は、あてのない[異界]を歩き続けていた。
失神した状態で連れ込まれたため、どういう経緯を踏んであの鉄格子の牢に入れられたのかわからないことはもちろん、まず異界に足を踏み入れたこと自体が初めてで、手がかりになるものは何一つ無かった。
本来なら恐ろしい程に伝わってきているだろう[異界のもの]の気配は、『索敵』能力を失ったことで全く感じ取れず、ただ勘のみで移動していくしかなかった。
牢から出たことが[蔓]に知れた時のため、とにかく牢のあった地点から遠ざかろうとはしていたが、方向・方角がわからないので、実際に距離が離れていっているのか不安だった。そもそも、[異界]が『現実世界』と同じ次元で機能しているのか、先または端はあるのか。…現実世界へは、どこかへ行けば戻れるものなのか。
歩いても歩いても、薄暗く無機質な通路が延びる景色は変わらず、重苦しい空気が漂い続けていた。
下手に動かず、隠れられるところで留まっていた方が良いのではとも考えた。でも、動かなければきっと永遠にこの世界に閉じ込められたままになる、と心の奥から呼びかけてられている気がしていた。
「…っ!」
にわかに近くで物が動く音が響き、足音や聞き取れない怒声、人のものとも知れない何かのうめき声が耳に届く。
直感で、自分が牢を抜け出たことが知れ渡ったと思った。
足を止め、辺りをしきりに見渡す。凹凸の無い通路に死角は見当たらず、身を隠すことができない。
十字路を避けて壁に寄り、何も近付いてこないことを願いながら、周囲の音に耳を澄ます。
「……!!」
その思いは届かず、複数の足音が、まっすぐ近付いてくるのがわかった。
蒼矢は表情を強張らせる。
もう何かを相手に戦う体力は残っていない。でも…やるしかない。
足音が背面から十字路にさしかかる瞬間、蒼矢は身体のばねを使い、思い切り脚を振り上げた。
「どぅわ!!」
「ぎゃぁっ!」
と、この空間に不釣り合いな間の抜けた声とともに、空振った脚の先で人が倒れ込む音が聞こえてくる。
…この声は、飽きるほど聞いたことがある。
およそ想定できなかったことに蒼矢の思考は停止し、体勢を戻し、目を見開いたまま声の方を見つめていた。
「…蒼矢…!!」
セイバーの姿で尻もちをついていた烈は、同じく驚愕の表情で声をあげ、二人の視線が凝視し合ったまま固まった。
「…れ……つ」
ごくわずかな時間で頭の中が整理された後緊張の糸が切れ、蒼矢はその場に崩れ落ちる。すかさず烈は起き上がり、彼を引き寄せるように受け止めた。
「…もう大丈夫だ、迎えに来たぞ!」
「あっ…蒼兄ぃっ!!」
尻もちをついた烈のクッションになっていた陽も駆け寄り、蒼矢にひしとすがり付いた。
「ひでぇっ…こんな…傷だらけにっ……!! …異界の野郎共…っ!!」
「落ち着けってお前は! これ以上気付かれたらまずいだろ、静かにしろっ」
「っ……!!」
烈にたしなめられた陽は口を塞ぎ、目の端に涙をためながら、悔しそうな表情でうなだれた。
「……」
蒼矢の首や両腕には拘束痕のようなものあり、顔や裸の上半身には、赤らんだ無数の擦り傷が残っていた。
痛ましい姿でぐったりと腕の中におさまり、弱々しく呼吸している蒼矢を見、烈は拳を硬く握り込んだ。
「いたか?」
「…おう!」
周囲の[異界の者達]を片付けていた影斗と葉月も合流してくる。
影斗が立膝をつき、蒼矢の汗で顔に貼りついた髪をかき上げてやる。
「ひでぇなこりゃ。…もしかして、自分でどっからか逃げてきたか?」
「……」
影斗の問いには答えず、目を伏せながら視線を外す蒼矢に、影斗は噴き出した。
「…どうにもならねぇって時に限って割と無茶苦茶するからな、お前」
「…ち、が…」
「いいんだよ、そういう無茶するとこも含めて頼りにしてんだからさ。…お前が俺達のことどう思ってるか知らねぇけど、お前は間違いなく戦闘の要だ。お前がいなきゃ、いくら[奴ら]蹴散らしたところで終わらねぇんだから」
「……」
影斗の言に、烈と陽も大きく頷いてみせる。そんな三人に見守られ、彼らを見上げていた蒼矢は黙ってうつむくと、小さく頷いた。
葉月が息をつき、蒼矢の頬に手を当てる。
「かなり衰弱してるね。すぐにでも連れ帰らないと」
「…葉月…さん…、俺…刻印が…」
泣きそうな表情で腕にすがる蒼矢に、葉月は柔らかく微笑んだ。
「大丈夫。君は今も『アズライト』だよ」
「蒼矢、これ見ろよ」
烈はそう言うと、手に握られていた布を解き、アズライト鉱石を蒼矢へ差し出す。蒼矢と至近距離になった鉱石は、今までに無い程強く、青く光り輝いていた。
「元の世界にいた時にさ、光ってたんだよ。俺、こいつがお前に呼ばれて光ってるんだと思ったんだ。で、どうすればお前を助けに行けるかって考えてた俺達を、こいつが[ここ]に連れてきてくれたんだ」
「さながら探知機だな。ほぼ迷わずにお前んとこまで来れたぜ」
「役目を終えない限り、鉱石は消えない。…君は諦めてなかったはずだ。だから、アズライトは君の所へ戻ろうとした。僕はそう思ってる」
粉々になったアズライトが蒼矢に手渡されると、まばゆい青の光を放ちながら、元の鉱石の形に結晶し、ペンダントに元通り納まっていく。同時に、彼の左胸に再び刻印が浮かび上がっていった。
その光景に、蒼矢を見守る4人が目を見開き、やがて安堵の表情に変わる。
蒼矢の中に開いていた"喪失感"という穴が、少しずつあるべき姿に再び埋められていった。
そして、今まで以上に温かな何かが注ぎ込まれていくような心地を感じていた。
「――今、陽に連絡した。即行戻るって」
スマホを手に部屋に戻ってきた烈はそう言うと、頭をバリバリ掻きながら腰を下ろした。
「大丈夫? 仮眠取った方が…」
「いや、平気っす。…蒼矢の方がきっと、数万倍辛い目に遭ってる」
烈の返答に、気遣った葉月は無言で頷いた。ついで、すまなそうに烈と影斗へ頭を下げる。
「…大事なことを忘れてたんだ。アズライト鉱石を見てて、思い出したよ…ごめん、もっと早くに気付くべきだったんだけど…」
「いいから話せよ」
「…うん。僕…先代の『サルファー』がセイバーを退く時の一部始終を見ていたんだ」
『セイバー』に選ばれた人間が戦士として活動する期間は、個人差はあるが大体十年前後が通例で、お役免除になった後しばらくの空席期間を経て、次の候補者が選ばれていく。セイバーを退くタイミングは本人も判らず、日常生活中だったり戦闘終了直後だったりと、特に決まりはなく突然訪れる。他のセイバー達には"今『○○(鉱石)』が役目を終えた"という情報が自然と頭に落ちてきて、本能的にそれを理解する。
『エピドート』である葉月は、陽の先代の『サルファー』がセイバーを退く時に、偶然立ち会っていたという。
「…退く時はね、鉱石を返上するんだ。力を失うのと同時に鉱石が消えて、次代のセイバーが選ばれた時にまた現れる」
「じゃあ、ここにアズライトがあるってことは…蒼矢が力を無くしたって訳じゃねぇってことか」
「刻印が消えたのは?」
「鉱石割れて使いもんにならなくなったから刻印も消えたってところじゃねぇか? 前例知らねぇからなんとも言えねーけど」
「一時的に全ての能力が使えなくなっている状態、なのかもしれないね。とにかく、望みはまだつながっている…気がする」
三人で意見や持論を言い合うが、全て推測の域を出ないものだった。
「結局、蒼矢をどうやったら連れ戻せるかはわからないんだよね…」
三様に溜め息をつき、あれから先ずっと沈黙したまま、静かに散らばっているアズライト鉱石を見やる。
「…なんとなく、蒼矢が鉱石を呼んでる気がするんだよなぁ…」
烈は頬杖をつき、自分の胸元からロードナイトを引っ張り出して、何気無くアズライトにくっつけてみた。すると、双方の鉱石がにわかに光り始める。
「…っ!? えっ…え!?」
驚き過ぎた烈は思わず鉱石を離す。途端、二つの鉱石は輝きを失う。その挙動に、烈はやらかしたという表情で青ざめた。
「…ぁっ…」
「何してんだよ、烈」
「影斗っ…俺、今すげーまずったかも…」
「あ?」
どぎまぎしながら、烈は祈る思いで再度鉱石同士をくっつける。ロードナイトとアズライトは、再び輝き始めた。影斗の目が見開かれる。
「…!? おい、なんだこれ!」
「あ、良かった…まだセーフだった…! …なんだろこれ?」
「ボケてる場合か! おい、葉月!!」
牢を出た蒼矢は、あてのない[異界]を歩き続けていた。
失神した状態で連れ込まれたため、どういう経緯を踏んであの鉄格子の牢に入れられたのかわからないことはもちろん、まず異界に足を踏み入れたこと自体が初めてで、手がかりになるものは何一つ無かった。
本来なら恐ろしい程に伝わってきているだろう[異界のもの]の気配は、『索敵』能力を失ったことで全く感じ取れず、ただ勘のみで移動していくしかなかった。
牢から出たことが[蔓]に知れた時のため、とにかく牢のあった地点から遠ざかろうとはしていたが、方向・方角がわからないので、実際に距離が離れていっているのか不安だった。そもそも、[異界]が『現実世界』と同じ次元で機能しているのか、先または端はあるのか。…現実世界へは、どこかへ行けば戻れるものなのか。
歩いても歩いても、薄暗く無機質な通路が延びる景色は変わらず、重苦しい空気が漂い続けていた。
下手に動かず、隠れられるところで留まっていた方が良いのではとも考えた。でも、動かなければきっと永遠にこの世界に閉じ込められたままになる、と心の奥から呼びかけてられている気がしていた。
「…っ!」
にわかに近くで物が動く音が響き、足音や聞き取れない怒声、人のものとも知れない何かのうめき声が耳に届く。
直感で、自分が牢を抜け出たことが知れ渡ったと思った。
足を止め、辺りをしきりに見渡す。凹凸の無い通路に死角は見当たらず、身を隠すことができない。
十字路を避けて壁に寄り、何も近付いてこないことを願いながら、周囲の音に耳を澄ます。
「……!!」
その思いは届かず、複数の足音が、まっすぐ近付いてくるのがわかった。
蒼矢は表情を強張らせる。
もう何かを相手に戦う体力は残っていない。でも…やるしかない。
足音が背面から十字路にさしかかる瞬間、蒼矢は身体のばねを使い、思い切り脚を振り上げた。
「どぅわ!!」
「ぎゃぁっ!」
と、この空間に不釣り合いな間の抜けた声とともに、空振った脚の先で人が倒れ込む音が聞こえてくる。
…この声は、飽きるほど聞いたことがある。
およそ想定できなかったことに蒼矢の思考は停止し、体勢を戻し、目を見開いたまま声の方を見つめていた。
「…蒼矢…!!」
セイバーの姿で尻もちをついていた烈は、同じく驚愕の表情で声をあげ、二人の視線が凝視し合ったまま固まった。
「…れ……つ」
ごくわずかな時間で頭の中が整理された後緊張の糸が切れ、蒼矢はその場に崩れ落ちる。すかさず烈は起き上がり、彼を引き寄せるように受け止めた。
「…もう大丈夫だ、迎えに来たぞ!」
「あっ…蒼兄ぃっ!!」
尻もちをついた烈のクッションになっていた陽も駆け寄り、蒼矢にひしとすがり付いた。
「ひでぇっ…こんな…傷だらけにっ……!! …異界の野郎共…っ!!」
「落ち着けってお前は! これ以上気付かれたらまずいだろ、静かにしろっ」
「っ……!!」
烈にたしなめられた陽は口を塞ぎ、目の端に涙をためながら、悔しそうな表情でうなだれた。
「……」
蒼矢の首や両腕には拘束痕のようなものあり、顔や裸の上半身には、赤らんだ無数の擦り傷が残っていた。
痛ましい姿でぐったりと腕の中におさまり、弱々しく呼吸している蒼矢を見、烈は拳を硬く握り込んだ。
「いたか?」
「…おう!」
周囲の[異界の者達]を片付けていた影斗と葉月も合流してくる。
影斗が立膝をつき、蒼矢の汗で顔に貼りついた髪をかき上げてやる。
「ひでぇなこりゃ。…もしかして、自分でどっからか逃げてきたか?」
「……」
影斗の問いには答えず、目を伏せながら視線を外す蒼矢に、影斗は噴き出した。
「…どうにもならねぇって時に限って割と無茶苦茶するからな、お前」
「…ち、が…」
「いいんだよ、そういう無茶するとこも含めて頼りにしてんだからさ。…お前が俺達のことどう思ってるか知らねぇけど、お前は間違いなく戦闘の要だ。お前がいなきゃ、いくら[奴ら]蹴散らしたところで終わらねぇんだから」
「……」
影斗の言に、烈と陽も大きく頷いてみせる。そんな三人に見守られ、彼らを見上げていた蒼矢は黙ってうつむくと、小さく頷いた。
葉月が息をつき、蒼矢の頬に手を当てる。
「かなり衰弱してるね。すぐにでも連れ帰らないと」
「…葉月…さん…、俺…刻印が…」
泣きそうな表情で腕にすがる蒼矢に、葉月は柔らかく微笑んだ。
「大丈夫。君は今も『アズライト』だよ」
「蒼矢、これ見ろよ」
烈はそう言うと、手に握られていた布を解き、アズライト鉱石を蒼矢へ差し出す。蒼矢と至近距離になった鉱石は、今までに無い程強く、青く光り輝いていた。
「元の世界にいた時にさ、光ってたんだよ。俺、こいつがお前に呼ばれて光ってるんだと思ったんだ。で、どうすればお前を助けに行けるかって考えてた俺達を、こいつが[ここ]に連れてきてくれたんだ」
「さながら探知機だな。ほぼ迷わずにお前んとこまで来れたぜ」
「役目を終えない限り、鉱石は消えない。…君は諦めてなかったはずだ。だから、アズライトは君の所へ戻ろうとした。僕はそう思ってる」
粉々になったアズライトが蒼矢に手渡されると、まばゆい青の光を放ちながら、元の鉱石の形に結晶し、ペンダントに元通り納まっていく。同時に、彼の左胸に再び刻印が浮かび上がっていった。
その光景に、蒼矢を見守る4人が目を見開き、やがて安堵の表情に変わる。
蒼矢の中に開いていた"喪失感"という穴が、少しずつあるべき姿に再び埋められていった。
そして、今まで以上に温かな何かが注ぎ込まれていくような心地を感じていた。
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