ミスキャスト!

梅津 咲火

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◇第五章 レイモンド編◇   毒舌家で皮肉屋の彼の本質はなんですか?

第二十八話  「ざまぁみなさい」

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 気を取り直して、レイモンドさんのための食事作りに取りかかることにした。
 といっても、普段とそんなに仕事内容としては変わらない。元々、ほとんど調理場専属に近いから、料理を作るってことはいつものこと。

 ただ、作るメニューをレイモンドさんの分だけ私に任せてもらうってこと、なんだけど。
 その過程でヴェルツさんがまた大興奮してたのは、普段とは違う点。黙々と下ごしらえとかしてる最中に、背後で騒がれていまいち集中できなかった……。
 「それはなんだ!?」「今の作業はどういった意味があるんだ」とか。つい、「うるさいです!」って言っちゃったよ。

 まぁ、ヴェルツさんは新しい食に関しては見境がなくなるってことはわかってるんだけど。こっちとしては真剣に病人食を作ってるんだから、イラッとしてもしょうがない、よね?

 怒ったことで少しは遠慮してくれたみたいで、その後は比較的に静かに料理に取りかかれたからいいってことにしよう。
 ……他の人達の食事準備をしながらチラチラ見られるくらいは、目をつむらなきゃね。

「それで? これは一体、何でしょうか?」
「トマト雑炊《ぞうすい》、みたいな……?」
「何故作り手が疑問を抱いているのですか」
「いえ、その。こっちの世界でのこの野菜の呼び方を忘れてしまったんです」

 日本とここだと、野菜の呼び方が変わってる。後は火を通す前だと、毒々しい色をしてたり。まぁだからと言って味に違いはないし、加熱したら見た目だって私がよく知る色に戻るんだけど。

 深めの皿によそったその食べ物を、レイモンドさんは眉を寄せて見てる。

「この赤みは……おそらくはマートでしょう。調理前の色は紫ではありませんでしたか」
「あ、そうですね。たぶん、そのマートであってると思います。語感も近いから」

 ナスはナスルビー、リンゴはシャインアップル。色とか大きさが変でも、名前はおしいくらいのずれしかない。

「あとは玉ねぎとニンジンをみじん切りにしたのも、一緒に煮込んでます」
「あなたのいた世界での呼び名では、不明確なのですが……。それについては議論しないでおきましょう。それよりも、この多く紛れ込んでいる白い物は何でしょうか」

 あ、そっか。肝心なそれについて説明するのを忘れてたよ!
 レイモンドさんが指した先には、赤色のスープに対してまぶしいくらい白みがある、穀物が浮かんでた。

「それが、レイモンドさんに探してもらったコメです」
「……これが?」

 マジマジと観察してるレイモンドさんは、不審そうな光を宿してる瞳を隠そうともしてない。まさに、警戒心をむき出しにしてるネコみたい。

「そうですか、幼虫だったとは――」
「!? ちっ違いますよっっ!? 極々普通の、一般家庭に出回る、穀類ですからね!?」
「そうですか。なら一先《ひとま》ずは安心ですね」

 さらっと何を物凄いことを聞いてくるの!? ビックリするよ!
 思わず言葉の途中なのに遮《さえぎ》るくらい、衝撃的すぎ。そんな発想にいたるなんて、レイモンドさんやっぱりまだ熱がひどいみたい。……と、いうことにしとこう。
 彼の中で日本が魔境だなんて位置づけになってるってわけじゃない、よね?

「私がいたところでは、こちらで言うパンのかわりで主食です」
「この白い粒がですか」

 まあ、パスタとかパンと比べたらどうしたって違和感というか、これじゃない感があるよね。

「風邪とか、体調を崩したときに食べる物の一つとして好かれてます。消化しやすかったり食べやすいので」
「……効率的に摂取できるわけですか」

 本来はおかゆとかうどんが普通だと思うけどね。でも、コメ初心者におかゆはちょっと……ううん、かなり厳しいんじゃないかなって配慮から雑炊にした。

 少し変わったトマト雑炊にしたのも、同じような理由。
 こっちの世界では、病人への食事は野菜スープが当たり前みたい。だからちょっとでもスープみたいにしたほうがいいかなってことで。
 あんまり奇抜な物にしたって警戒させちゃうし、食欲もなくなるしね。

「このような心配りをするとは、一体どういう気まぐれでしょうか?」
「……ひどい言い草ですね。気まぐれでもなんでもなくて、レイモンドさんに早く治ってほしいだけですけど」

 そんな信用されてないの?
 私の答えは、鼻で一笑された。……嫌われてるわけじゃない、ってことは前にわかったけど、態度だけ見ると勘違いもしちゃうんだけどな。
 ……あれ、じゃあなんでこんな憎まれ口を叩くのかな。

「……わざわざ私の分だけを用意したのですか?」
「え? はい、ジョシュアさんとアンジェさんの分は、ヴェルツさんが別の物を準備してます」
「そう、ですか」

 なんで眉間にギュッとシワを寄せてるのかな。そんな不機嫌になるようなこと?
 でも、なんだかレイモンドさんの眼はふらふら頼りなくさ迷ってるんだけど。頬も、さっきより心なしか赤いような気がしなくも。

 もしかして。

「照れてる?」
「っ!? なっ……!?」
「あ」

 無意識のうちに声に出してたみたい。
 私の一言に、レイモンドさんの頬の赤みが何故か増した。

 え、まさか。もしかして本当に、図星?

 口許《くちもと》を手で覆い隠しながら、レイモンドさんはこっちを睨んできた。

「そのようなわけがないでしょう!? 誰が照れていると? ……ありえません。あなたのその黒い目は節穴なのですね」
「そうですか?」
「ええ、そうでしょうとも。大体、あなたはうかつすぎるのです。男性の寝室に気安く来るのは、感心しません」
「ええ?」

 今更それを言うの? レイモンドさんの部屋に来るのって、これが初めてのことじゃないのに。
 関係ないことまで言い出されても困る。目元付近に手をあてて下ろす素振《そぶ》りをしてるから、やっぱり動揺してるせいなのかもしれないけど。

 うーん、なんだかちょっと彼がかわいい、なんて思うのは気の迷い?

「何ですか、その笑みは。さては私を馬鹿にしているでしょう」
「っ!? え……? 笑って、いましたか?」
「自覚がなかったのですか」

 そっと頬にあててみたけど、特に頬も動いてないし、笑った覚えなんて全然ない。
 最近、笑う回数が増えてるみたい。

 笑った覚えなんてないのに、表情が勝手に動いたってことは、それくらい、彼に気を許してるってことで――

 でもそれって、いいこと?
 だって私はいずれ、この世界から消える存在なのに。

 あんまり近づきすぎたら、絶対に別れがつらくなるってわかるのに。
 なのにどうして、彼に私は世話をやきたいなんて思ったの? 行動と考えが完全に矛盾してる。

「何を、今にも泣き出す赤子のような顔をしているのですか」
「……え? そんな顔、していましたか?」

 レイモンドさんに指摘されたけど、やっぱりそんなの自覚なんてない。鏡が目の前にないから、表情なんてわからないのが当然なんだけど。

「何を恐れているのかは知りませんが、あなたに不安げな面持ちにさせるつもりはありませんでした。それならばまだ、先刻までのアホ面のほうが幾分《いくぶん》もマシです」
「ア、アホ面、ですか?」

 相変わらずの暴言なのに、レイモンドさんが純粋に私を心配してるってことはわかる。

「あなたは普段の、何も小難しいことなど思考してないような間抜けさをさらけ出していれば良いのです」
「……貶《けな》しているのかなぐさめているのか、判断しづらい言い方はやめません?」

 わかりにくすぎるよ。ううん、何となくはどっちの意味で言いたいのかはとれるけど。
 きっとレイモンドさんは、『普段通りの私でいい』。そう、言いたいんだよね? ……たぶん、だけど。

「私に口答えできるようになるとは。あなたも随分《ずいぶん》と肝《きも》が太くなったものですね?」
「いえいえ、そんなつもりは……」

 ジロッとこっちを向いてくるレイモンドさんからは、そんな感じはしてこないけど。
 …………ううん、もしかしてこれすらも、レイモンドさんの照れ隠し、とか?

 一回そう見えたら、そうとしか考えられないような。
 翡翠《ひすい》みたな色をしてる瞳をのぞきこんだら、彼の感情を少しは読み取れないかな。

 深い深い緑色の瞳に映り込んだ、私自身と目があった。
 彼の世界に私がいる。それって当たり前のことなはずなのに、不思議な気分。

「……何故、私の顔を眺めているのですか。あまり見ようものなら、金銭を要求しますよ」
「へっ!? あっ……そのっなんでも、ないですっ!」

 そんなにジロジロ見てた? レイモンドさんに言われて我に返ったけど、結構魅入《みい》ってたみたい。不審そうに私を見つめるレイモンドさんには答えられなくて、言葉につまっちゃう。

 言えないよ。
 だってそんなの……『瞳に見とれていました』なんて言えるはずない! なんだか、恥ずかしすぎるから!

「そっそういえば! 食事をお渡しするために来たのに、全然できていませんでしたね!」
「何を慌てているのですか」
「そ、そそ、そんなことっない、ですよっ?」
「どの口が言っているのですか」

 レイモンドさんの言うように、動揺してるのなんて自分でもわかってる。でも、それを原因の人に指摘されたら、ますます焦っちゃうに決まってるよね!?
 いつの間にか会話の横に置いちゃってた雑炊入りの器を、レイモンドさんにズイッと差し出す。

「ど、どうぞ!!」
「……」

 え、なんで受け取ってくれないの。
 両手で渡そうとしたのに、レイモンドさんは腕を動かす様子なんてちっともない。眉を動かして、不機嫌そうに私を見つめてくるんだけど。

 ……あ、もしかして風邪のせいで食事もだるくなってる、とか?
 寝込んでる間の給仕係はセバスチャンさんだったから、これまでの彼の食事状況なんて知らなかったけど。もしかしたら、セバスチャンさんが手ずから食べさせてたのかも。

 うん、だったらこうしなきゃダメ、だよね。

「……あーん、してください?」
「は?」

 匙《さじ》にこぼさない程度の雑炊をすくって、レイモンドさんに差し出した。
 こぼれないように下にもう片方の手のひらをそえて、万全の準備を整えてっと。いつでも運べるようにしたのに、レイモンドさんはポカンと口を開けてる。

 目をキョトンと丸くしてる彼は、いつもとは違って幼く見える。うん、かわいい、かも。

「食べないんですか?」
「はぁぁああっ!? なっ何を言って!? まさかこれを食べろなんて……!」

 身体を勢いよく引かなくても。背中をベットに思いっきりぶつけてるけど、大丈夫かな?
 ガンッて鈍い音がしたのに、気にもしないでレイモンドさんはこっちを凝視してる。そんなに目を大きく開いてたら、乾燥しそう。

「やっぱりコメは無理、ですか?」

 さっき幼虫って言いかけてたもんね。ありえなくない、けど。その認識のままは、日本人として見過ごせないよ。
 おいしいのに、コメ。食わず嫌いはよくないと思うんだけどな。
 それにしたって、レイモンドさんも引きすぎじゃないかな。いくら、コメに気が進まなくても、そこまで驚くもの?

「あ、あああっあなたはぁっ!? ご自分が何をしているのか、理解していますか!?」
「へ? 何って……あーん?」
「っ!!? でっですからっ! その『あーん』とは何ですか『あーん』とは!? 恥ずかしくはないのですか!?」

 レイモンドさんが今だかつてないくらい、最上級に慌ててる。顔だって真っ赤だし、もしかして熱が上がったんじゃないのかな。
 ギョッとしてこっちに指をさしてきた。礼儀作法にうるさい彼がそんなことするなんて、よっぽど動揺してるみたい。
 コメへの恐怖心がそれほどってことなのかなって思ったら、少し悲しい。

「っ! そ、その捨てられたワードックのような目はなんですか!? まるで私が悪者のようではありませんか!」
「……いいえ。食べられないものは仕方ない、ですよね」

 少しでも喜んでもらいたくって作ったんだから。押し付けて不快になんてさせたら、意味なんて無いからね。
 だけどやっぱり、ちょっと残念。

「下げますね? 今から厨房に行って、ヴェルツさんにわけを話して別の物を用意してもらいます」
「はぁ!? あなたは……っ! 私が先程から言及していたのがその点ではないことを、全くもって理解していなかったのですか!?」
「え?」

 その点じゃないって、だったら一体レイモンドさんは何について言ってるの?
 つい、首を傾げた。そうしたらどうしてかわからないけど、レイモンドさんの眉が余計につり上がった。
 
「~~っ! ああもう、あなたという人は!! 何故こうも察しが悪いのです!?」
「……すみません?」
「何ですかその、誠意が微塵《みじん》も感じ取れない返事は!」

 うん、だってレイモンドさんが何について腹を立ててるのかちっともわからないからね。謝るにしたって、原因をつかめてないとフワッとした感じにもなるよね?
 それにしても、レイモンドさんってばいつもの冷静さが吹き飛んでるくらいプリプリ怒ってるけど。風邪のせいで怒りの導火線が短くなってるのかな?

 レイモンドさんは私を睨む眼力を、これでもかってくらいに上げてる。
 ……そんなに気にくわないのかな、コメが。

「わかりました! こうなれば、実力行使をしてしまいましょう! いくらあなたとはいえ、しかと軽率な自身の行いを悔《く》いることでしょうとも!!」

 そう勇ましく宣言されても。何をするつもりなのかな。
 レイモンドさんの言い様だと、私に痛い目を見させるつもりみたいだけど。

 変わった様子のレイモンドさんに気をとられてた私は、ぼんやりしてた。
 どのくらいぼんやりしてたかと言ったら、レイモンドさんが私の手首を握ってきた事実に、一拍《いっぱく》遅れて気づくくらいに。

「っ!?」

 匙《さじ》を持ってたほうを、力強く引っ張られる。
 当然、体勢なんて立て直せるはずなんてなくて。そのまま、レイモンドさんの上半身に少しよりかかることになった。

「ち、ちか……っ!?」

 近いぃぃいいいっ!? 中性的なキレイな美形のイケメン顔が間近にあるぅぅううう!?
 な、なんでこんなことになってるのかな!?

 これがレイモンドさんの言うところの、『実力行使』ってやつですか!?

 下から見上げたら、レイモンドさんはやっぱりさっきのまま不機嫌そうに眉をしかめてる。
 だけど彼の薄い唇から、わずかに隙間《すきま》が開く。チラッと覗《のぞ》いた赤みが強い舌に、イケナイものを見ちゃったみたいな背徳感があるよ!

 普段はしないのに、レイモンドさんから色気をムンムンに感じちゃうのは何なの!? 風邪のせいとか!?
 潤んだ瞳とか、ほんのり染まった赤い頬とか。さっきまでは風邪としか思えないようなものが、いちいち色っぽい。

 混乱なんて全然収まってないのに、レイモンドさんにつかまれたままの手が、また引かれた。
 私の持った匙《さじ》の行方は、レイモンドさんの口の中?

「?!?!?!!? な、なななななぁっ!?」

 カプリと音が立ちそうなくらい、勢いよく匙《さじ》にくらいついてる!?
 手首だってつかまれたままだし、どこに動揺してるのかってことすら、わからなくなりそう!

 レイモンドさんの喉仏《のどぼとけ》が動いて、咀嚼《そしゃく》される様を見届けてた。
 それも彼のすぐそばの特等席で。本当になんでなのかな!?

 手首から伝わる彼の熱で、やけどしそう。
 心臓が、直接強く叩かれてるみたいに、すっごくドキドキする。

 何でそんなことをするのか聞きたいのに、口がうまく動かない。あ、とか、う、しか言えなくて、まともな言葉なんて一言だって言えない。
 むしろ、この状況で平然としてられる人なんていないよね!?

 唇から匙が抜ける様子が、これまた何故かエロスを感じちゃう。カァッと、もっと私の頬が熱を上げたのがわかった。
 頭に血が上り始めたせいか、クラクラするよ。それに、耳鳴りまでしてきた。

「見た目はともかく、味はまあまあ及第点、と言ったところですね」

 フスンと鼻で笑われながら、料理の採点をされた。
 それってすごく失礼な行動のはずなのに、彼の耳と頬も私と同じくらい赤く染まってるから、ちっともそんなこと思わない。
 むしろ、動揺を隠すためなんだってわかって、照れてるのが私だけじゃないことに安心すらするよ。

 ふいに、匙から意識をそらした彼と目が合う。
 かと思ったら、眉と唇の端をつり上げる。

「ざまぁみなさい」

 意地悪そうに、得意気そうに、笑う。

 そんな彼に、めまいと動悸が悪化したのは、仕方がないこと、だよね?

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