エイリアンチートで新人類に進化した俺は、異星文明で現代地球を開拓して南朝復活をめざします

大沢 雅紀

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エルフの移住

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その頃、日本の鳩川家では、公安警察の家宅捜査が行われていた。
「貴様たち、ワシを誰だと思っているんだ。元首相の、鳩川雪雄だぞ」
「そうよ。ここをどこだと思ってんのよ。さっさと出ていきなさい」
そういって怒鳴りつける雪雄と小百合だったが、公安警察の刑事からは冷たい目で睨まれる。
「我々は普段から貴様の言動に注目していた。元首相でありながら日本を軽んじる言動を繰り返し、世界に恥をさらし続ける姿をな」
刑事の言葉には、軽蔑が含まれていた。
「特に高麗半島に赴いて、土下座をしたのは許せない。日本国民だけではなく、陛下まで侮辱したも同然だ。この国賊どもめ」
刑事の言葉に、雪雄も小百合も震えあがってしまう。
「そんな時、南方財閥の源人氏から情報提供があった。捕らえた万竜峰号から、貴様がスパイであることの証拠書類を手に入れたとな」
雪雄の前に、彼から依頼されて姫子の誘拐のために、北句麗王国の諜報部隊『スネーク』が動いたことが示される資料が明かされる。
「ば、馬鹿な!こんなのはでたらめだ!」
必死に否定する雪雄だったが、屈強な刑事に組み敷かれた。
「元首相とはいえ、スパイ活動の罪は重いぞ。貴様は犯罪者として収容され、二度と娑婆にはでられぬだろう。経営していた大手タイヤ会社も、このことが公表されたら株価が暴落するだろう。いずれ、南方財閥に買収されるだろうな」
「そ、そんな……」
それを聞いて、小百合は膝から崩れ落ちた。
その後、鳩川雪雄は金谷姫子の誘拐をほう助した罪で逮捕され、実刑判決を受ける。
元首相がスパイ活動をしていたという衝撃は日本全国に広がり、これをきっかけにスパイ防止法が制定される。
そして、スパイの一族の烙印を押された小百合たち鳩川一族は日本に居場所がなくなり、ひそかに海外に逃げ延びていくのだった。

勇人はエルフリーデに協力して、北句麗王国に捕らえらていれた『森人類(エルフ)』たちを次々と助け出していった。
「あ、あれはなんだ!UFOか?」
『森人類(エルフ)』たちの収容所の兵士たちが、空をみあげて叫び声をあげる。
『森人類(エルフ)』たちは、北句麗王国の各地に作られた政治犯収容所に集められ、奴隷として周囲の農村の土壌改善に駆り出されている。勇人は『後醍醐』で作り出した「ユグドラシルの実」で航空部隊を編成し、政治犯収容所に直接乗り込んで制圧していった。
「さあ、みんな。乗ってください」
収容所に拘束されていた『森人類(エルフ)』や政治犯、脱北者の家族などをUFOに収納し、海設都市に連れて行った。
「救世主様。私たちを救ったくださいまして、ありがとうございます」
手を握って感謝する『森人類(エルフ)』に、勇人は笑顔で告げる。
「これか海設都市に、エルフリーデさんをリーダーとする農業エリアを作ろうとおもいます。あなた方はそこで、働いてください」
「もちろん。死ぬ気で働かせていただきます」
北句麗王国から脱出した『森人類(エルフ)』と脱北者たちは、農業に従事することになるのだった。
「さて、農業の負担を少なくして、収穫量を最大にするため『穀物の森』を作ろう」
勇人はデーモン星人のバイオテクノロジーを使い、コメ・小麦・トウモロコシ・ジャガイモ・大豆の世界五大食物の遺伝子と、生命力が強いイチョウや桐、カエデなどの木の遺伝子を融合させた新種の木を作り出す。
そうしておいて、『果実』として収穫物をつけることができるようにした。
「こうすることで、毎年新しい芽を植えては刈り取るという手間がなくなり、農業が大幅に楽になるな。木の状態をチェックしてメンテナンスしていれば、毎年勝手に収穫物が成ってくれるんだから」
この『穀物の木』は、成熟したら勝手に実や種が落ちてくるので、木の下に回収シートをひくだけで収穫できる。さらに種を育てて若木にして植えることで、簡単に耕作地を広げることができた。
海設都市上部に作られた農業エリアに、どんどん木が植えられ、気持ちのいいオゾンが漂う森が作られていく。
『森人類(エルフ)』たちは森の間に小屋を作り、彼らにとって最も最適な環境で生活を始めた。
「とりあえず主食になる穀物を優先したけど、将来的には野菜とかイチゴとかメロン、スイカなんかも果実として木になるようにできればいいな」
「お任せください。我々は植物の扱いにも長けております。救世主様の技術を参考に、いつかきっと生み出してみせますよ」
『森人類(エルフ)』たちは、そういって胸を叩くのだった。

「よし。次は畜産業だな」
農業生産に目途がつき、次に勇人は後醍醐で畜産業を始めるため、従業員を募集する。それを聞いて、ミノタウロスなどの獣人類がやってきた。
「新しくできる牧場に応募してくれて、ありがとうございます」
「いや。そうではなくて……」
なぜかミノタウロスたちは、もじもじしている。
「その、我々はベジタリアンなので肉は食べないのですが、逆に我々と同じ姿をした動物が食べられているのはちょっと抵抗があるというか」
それを聞いて、勇人はバツが悪そうな顔になる。
「なるほど。これはデリカシーがなかったな」
確かに、体の一部でも似た部分がある動物が食べられているのを見れば、複雑な気持ちになるだろう。
「私たちも人間が生きるためには、必要なことであると割り切ってはいるのです。ですが生理的な嫌悪感はいかんともしがたく、せめて我々の目の触れないところで肉の生産をしていただけるのであればいいのですが……。乳牛などの飼育は喜んで行うのですが」
「これは何か考えないといけないな。わかりました。検討しましょう」
勇人の言葉を聞いて、ミノタウロスはほっとするのだった。
「なるほどねぇ。動物を食べないですむお肉かぁ」
勇人から相談を受けたサタンは、目玉のようなものが付いている緑色の塊をとりだした。
「ちょうどいいのがあるよ。てってれー。伝説の食べ物『視肉』だよ。スライムって言った方がわかりやすいかな?」
視肉とは、中国の伝説で出てくる仙人の食べ物のことである。その肉はおいしく、いくら食べてもしばらくすれば回復するので、一片の肉塊で大勢の人間の需要を満たしたといわれていた。
その正体は、単細胞生物であるスライムである。目のように見える部分は、細胞の核であった。
「スライムはミドリムシが巨大化した生物で、光合成を体内ですることに加え、空気中や地中の細菌、有機物を身体に取り入れて成長するんだ」
サタンはそういいながら、スライムに向かって生ごみを放り投げる。スライムはモゾモゾと動きながら生ごみにとりつき、体全体を使って消化し始めた。
「こいつらは有機物なら、プラスチックやビニールまで分解して食べてしまうよ。しかもある程度成長したら分裂するから、水とゴミさえ与えていればいくらでも増えるよ。栄養もたっぷり」
その言葉どおり、一定まで成長したスライムは分裂をはじめる。あっという間に増えていった。
「でも、これを食うのか?ちょっと食い辛いな」
緑色のスライムを見て、勇人は躊躇する。
「安心して。スライムには、さらに面白い特徴があるんだ」
サタンは試験管を取り出すと、スライムに中の赤い液体を振りかける。すると緑色だったスライムは、瞬く間にピンク色の肉の塊になっていった。
「それはなんだ?」
「日本の高級和牛、松坂牛の血だよ。視肉は動物の血から遺伝子をコピーして、その味を再現するんだ」
スライムを切り分けて、焼いてみる。たちまち辺りにいい匂いが広がった。
「美味い!まるで本物の高級和牛みたいだ」
「まあ、本物に比べたら多少味は落ちるんだけどね。それでも美味しいだろう?」
「ああ。これで畜産業も作り出せるな」
その後、食肉の生産はスライムエリアで行われるようになり、乳牛の畜産はミノタウロスたちに任されるようになる。
こうして、海設都市でも畜産業が始まるのだった。

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