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崩壊
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「なめるな!お前ごときが勇者である俺にかなうか!」
ウェイは「勇者のオーブ」を取り出して威嚇する。しかし、いつのまにかそのオーブは灰色に変化していた。さっきまでこれをもっているだけで力が沸いてでたのに、今は何の魔法もつかえなくなっている。
「な、なんでだ」
「ルイが言っていただろ。そのオーブは『勇者としての力を引き出す」と。当然使い続ければお前から力はうしなわれる」
俺は冷たく笑って、ウェイに殴りかかる。
本来なら素手で殴られた程度では何のダメージも与えられない絶対防御を誇っているはずだったが、俺の拳を受けて前歯が折れて吹っ飛んだ。
「な、なぜ……」
「今のお前は勇者じゃない。ただの人間だ。人間同士変な力抜きで、ガチで喧嘩しようぜ!」
俺はここぞとばかりに、血反吐を吐いて覚えた「拳闘」でウェイをボコボコにする。ウェイは勇者としての力に頼りきって戦闘をしていたので、こういった格闘技術は学んでいなかった。
「うっ!ぐっ!」
「まだまだ!」
俺は復讐の快感に酔いしれながら、ウェイを殴りつける。数分で奴は血まみれのボロ雑巾みたいになった。
「も、もうやめてくれ……俺が悪かった」
血と涙でぐしゃぐしゃになったウェイが土下座して謝罪するので、俺は殴るのをやめてやった。
その時、ウィーーーンという警告音が響き渡る。
「出航準備が完了しました」
それを聞いた俺は、そっとウェイから離れた。
「まだ殴り足りないが、ここまでにしておこう。さらばだ勇者ウェイ。計算したところ、五万年ほど移動すれば別の世界にたどりつけるだろうぜ。それまでせいぜい一人で後悔していろ」
俺はそういい捨てると、「転移」で牢獄となった天空城から脱出する。
同時にウェイがいた中心部は、分厚い壁に包まれ、中を照らしていた光も消えた。
「そんな!」
ウェイは真っ暗闇になった部屋の中を探し回るが、どこにも出口はない。
「ここから出してくれ!」
闇の中にウェイの絶叫が響き渡るのだった。
いきなり王都の上空に鎮座していた天空城が乗った島が、激しく振動を始める。
城を支えていた地盤がくずれ、数百万トンの岩の塊となって王都に降り注いだ。
『岩が振ってきた!」
「生き埋めにされるぞ!逃げろ!」
王都の市民たちは逃げ惑うが、高い城壁に囲まれているので逃げ場などない。
彼らはあるいは岩に押しつぶされ、また建物の下敷きになって生き埋めにされていった。
そして王城の玉座の間では、王が玉座に座っていた。
貴族たちが必死に避難するように忠告しても、ガンとして玉座を動かない。
「天空城が破壊されたということは、勇者ウェイが偽の天空王を倒したということじゃろう。大丈夫じゃ。きっとウェイが助けに来てくれる」
そう自信たっぷりに言い放つが、この場にいるもう一人の王は真っ青になっていた。
「ま、まさか天空城が崩れるとは。もしかして航行モードに以降したのか?だとすると、中核コア以外の城や町、地面がすべて崩れて落ちてくる」
「なんだと!どういうことだ!」
それを聞いた王は顔色を変えて聞き返すが、元の天空王はそれを無視してベランダから空をみる。
そこに浮かんでいた島も、豪華な城もすべて崩れはじめており、その中から巨大な円盤が現れた。
円盤は空中に浮かぶ島から離れると、静かに宇宙へと飛び上がっていく。
「ま、まて!待ってくれ!主人であるワシを置き去りにして、どこにいくのじゃ!」
そう空しく呼びかける元天空王の上に影がおちてくる。
次の瞬間、数百トンの岩の塊に押しつぶされて、王城は完全に破壊された。
地下通路
「姫様。走ってください」
侍女に叱られて、王女レイチェルは息も絶え絶えに言い返す。
「ま、待ってください。苦しくて……それにこの地下通路は暗くてくさくて……」
何か言い訳しようといる王女を、侍女たちは呆れた目で見つめる。
「今はそんなことを言っている場合ではありません!陛下は亡くなられ、城も破壊されました。残っているとどんな目にあうか!」
侍女の言葉を聴いて、レイチェルは真っ青になる。
「なぜ……こんなことになったのでしょう。勇者ウェイ様が偽の天空王を倒して、世界を救ってくれると思ったのに。正義は絶対に勝つと信じているのに」
「まだあんな奴を信じているのですか!」
侍女たちはこの期に及んでまだそんなことを言っているレイチェルに呆れてしまうが、言い争っている暇もない。
普段は下水道として使われている地下通路を汚物にまみれながら進み、ようやく王都から離れた出口にたどりつくことができた。
「やった……これで助かりました」
レイチェルがほっと息を吐く。しかし、取り巻きの侍女たちは王都を見て涙を流していた。
「ああ……伝統ある我が王国が滅んでしまった。これからどうすればいいのか」
「好きにすればいいさ」
そんな冷たい声が聞こえてくる。思わずそっちを振り向くと、平民風の服を着た少年が立っていた。
「あなたは……偽天空王ルピン」
レイチェルが憎しみの声を上げる。
「ははは。俺が倒されたとでもおもったのか。残念だったな。負けたのは勇者だ」
俺が思い切りあざけりの声をかけると、レイチェルは絶望の表情を浮かべた。
「ウェイ様は……どうなったのです」
「奴はあの船に乗って、この世の果てを目指すことになった。たった一人で永遠にな」
俺は空中を指差す。巨大な円盤がまさに空の果てに消えようとしている所だった。
レイチェルはしばらく俺をにらみつけていたが、しばらくしてふっと息をはく。
『天空城も消え、勇者様もお父様も滅びました。それで、最後に残った私を始末するつもりですか?いいでしょう。好きになさい」
覚悟を決めた顔で開き直るが、俺は彼女を嘲笑った。
「思い上がるな。お前なんぞ殺す価値もない。これからは何の後ろ盾もない、滅んだ国の王女さまとして世界をさまようがいい。俺が手を下さなくても、何もできないお前など、所詮乞食や娼婦になるぐらいしか生きていく方法はないだろうからな」
それを聞いて、レイチェルは悔しそうな顔をした。
『……今にみていなさい。生き残った国民を糾合して、いつかあなたに復讐してやります」
「面白い。やれるものならやってみろ。「転移」」
俺はそういい捨てて、その場から姿を消すのだった。
ウェイは「勇者のオーブ」を取り出して威嚇する。しかし、いつのまにかそのオーブは灰色に変化していた。さっきまでこれをもっているだけで力が沸いてでたのに、今は何の魔法もつかえなくなっている。
「な、なんでだ」
「ルイが言っていただろ。そのオーブは『勇者としての力を引き出す」と。当然使い続ければお前から力はうしなわれる」
俺は冷たく笑って、ウェイに殴りかかる。
本来なら素手で殴られた程度では何のダメージも与えられない絶対防御を誇っているはずだったが、俺の拳を受けて前歯が折れて吹っ飛んだ。
「な、なぜ……」
「今のお前は勇者じゃない。ただの人間だ。人間同士変な力抜きで、ガチで喧嘩しようぜ!」
俺はここぞとばかりに、血反吐を吐いて覚えた「拳闘」でウェイをボコボコにする。ウェイは勇者としての力に頼りきって戦闘をしていたので、こういった格闘技術は学んでいなかった。
「うっ!ぐっ!」
「まだまだ!」
俺は復讐の快感に酔いしれながら、ウェイを殴りつける。数分で奴は血まみれのボロ雑巾みたいになった。
「も、もうやめてくれ……俺が悪かった」
血と涙でぐしゃぐしゃになったウェイが土下座して謝罪するので、俺は殴るのをやめてやった。
その時、ウィーーーンという警告音が響き渡る。
「出航準備が完了しました」
それを聞いた俺は、そっとウェイから離れた。
「まだ殴り足りないが、ここまでにしておこう。さらばだ勇者ウェイ。計算したところ、五万年ほど移動すれば別の世界にたどりつけるだろうぜ。それまでせいぜい一人で後悔していろ」
俺はそういい捨てると、「転移」で牢獄となった天空城から脱出する。
同時にウェイがいた中心部は、分厚い壁に包まれ、中を照らしていた光も消えた。
「そんな!」
ウェイは真っ暗闇になった部屋の中を探し回るが、どこにも出口はない。
「ここから出してくれ!」
闇の中にウェイの絶叫が響き渡るのだった。
いきなり王都の上空に鎮座していた天空城が乗った島が、激しく振動を始める。
城を支えていた地盤がくずれ、数百万トンの岩の塊となって王都に降り注いだ。
『岩が振ってきた!」
「生き埋めにされるぞ!逃げろ!」
王都の市民たちは逃げ惑うが、高い城壁に囲まれているので逃げ場などない。
彼らはあるいは岩に押しつぶされ、また建物の下敷きになって生き埋めにされていった。
そして王城の玉座の間では、王が玉座に座っていた。
貴族たちが必死に避難するように忠告しても、ガンとして玉座を動かない。
「天空城が破壊されたということは、勇者ウェイが偽の天空王を倒したということじゃろう。大丈夫じゃ。きっとウェイが助けに来てくれる」
そう自信たっぷりに言い放つが、この場にいるもう一人の王は真っ青になっていた。
「ま、まさか天空城が崩れるとは。もしかして航行モードに以降したのか?だとすると、中核コア以外の城や町、地面がすべて崩れて落ちてくる」
「なんだと!どういうことだ!」
それを聞いた王は顔色を変えて聞き返すが、元の天空王はそれを無視してベランダから空をみる。
そこに浮かんでいた島も、豪華な城もすべて崩れはじめており、その中から巨大な円盤が現れた。
円盤は空中に浮かぶ島から離れると、静かに宇宙へと飛び上がっていく。
「ま、まて!待ってくれ!主人であるワシを置き去りにして、どこにいくのじゃ!」
そう空しく呼びかける元天空王の上に影がおちてくる。
次の瞬間、数百トンの岩の塊に押しつぶされて、王城は完全に破壊された。
地下通路
「姫様。走ってください」
侍女に叱られて、王女レイチェルは息も絶え絶えに言い返す。
「ま、待ってください。苦しくて……それにこの地下通路は暗くてくさくて……」
何か言い訳しようといる王女を、侍女たちは呆れた目で見つめる。
「今はそんなことを言っている場合ではありません!陛下は亡くなられ、城も破壊されました。残っているとどんな目にあうか!」
侍女の言葉を聴いて、レイチェルは真っ青になる。
「なぜ……こんなことになったのでしょう。勇者ウェイ様が偽の天空王を倒して、世界を救ってくれると思ったのに。正義は絶対に勝つと信じているのに」
「まだあんな奴を信じているのですか!」
侍女たちはこの期に及んでまだそんなことを言っているレイチェルに呆れてしまうが、言い争っている暇もない。
普段は下水道として使われている地下通路を汚物にまみれながら進み、ようやく王都から離れた出口にたどりつくことができた。
「やった……これで助かりました」
レイチェルがほっと息を吐く。しかし、取り巻きの侍女たちは王都を見て涙を流していた。
「ああ……伝統ある我が王国が滅んでしまった。これからどうすればいいのか」
「好きにすればいいさ」
そんな冷たい声が聞こえてくる。思わずそっちを振り向くと、平民風の服を着た少年が立っていた。
「あなたは……偽天空王ルピン」
レイチェルが憎しみの声を上げる。
「ははは。俺が倒されたとでもおもったのか。残念だったな。負けたのは勇者だ」
俺が思い切りあざけりの声をかけると、レイチェルは絶望の表情を浮かべた。
「ウェイ様は……どうなったのです」
「奴はあの船に乗って、この世の果てを目指すことになった。たった一人で永遠にな」
俺は空中を指差す。巨大な円盤がまさに空の果てに消えようとしている所だった。
レイチェルはしばらく俺をにらみつけていたが、しばらくしてふっと息をはく。
『天空城も消え、勇者様もお父様も滅びました。それで、最後に残った私を始末するつもりですか?いいでしょう。好きになさい」
覚悟を決めた顔で開き直るが、俺は彼女を嘲笑った。
「思い上がるな。お前なんぞ殺す価値もない。これからは何の後ろ盾もない、滅んだ国の王女さまとして世界をさまようがいい。俺が手を下さなくても、何もできないお前など、所詮乞食や娼婦になるぐらいしか生きていく方法はないだろうからな」
それを聞いて、レイチェルは悔しそうな顔をした。
『……今にみていなさい。生き残った国民を糾合して、いつかあなたに復讐してやります」
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