26 / 29
使徒の裏切り
しおりを挟む
「よし。装備のイメージを集中しろ!」
この電脳世界に持ち込めるのは『情報(プログラム)』のみである。入る前に必死に覚えた知識を思い出し、細部にいたるまで服や武器のイメージを構築した。
「よし。なんとか成功したな」
自分や部下たちの姿が変わっていく。いくつかの複雑な機械や兵器は再現できなかったが、服やナイフなどの単純な武器を出現させることはできた。
「情報官。魔王トオルを滅ぼせる『呪文(ワクチン)』は再現できたか?」
「大丈夫です。苦労して1MBも覚えさせられましたが、問題なく発動できます。『消滅(イレイサー)』」
小柄な女性士官が手を振ると、白い光が出てゲーム世界の一部が消滅した。
「よし。いくぞ!」
隊長率いる特殊部隊は、世界を救うために、電脳世界「ファーランド」に切り込んでいく。
同時に世界中で神族の配下による侵攻が始まるのだった。
ファーランドに侵攻した隊長率いる日本の部隊は、見渡す限り平原が広がる場所を探索していた。
「地図を記録しておけ。我々がなすべきことは偵察だ。まず魔王がどこにいるか情報を集めなければな」
「はっ」
隊長の命令により、日本の部隊は平原に散らばっていく。
魔王城-メルと一緒に作ったファーランド城でそれを見ていた俺は、思わず笑ってしまった。
「地図だって?無駄なことをしているな。俺の意思でいくらでも世界を書き換えることができるのに」
「仕方ありません。彼らにはこの世界のことなど何もわからないのですから」
声を掛けられて振り返る。人種も年齢もバラバラだけど、そろって黒い羽と黒い尻尾を持つ魔族-最初の選択で神族を寝返り、俺の側についた元使徒たちがいた。
「しかし、君たちはよく簡単に寝返る気になったもんだね」
「我々はこう見えて、エリートになるべく努力を重ね、人間社会を管理維持するために働いております。それは人間のため。神を名乗る異星人の奴隷になるためではないのです」
彼らからは強烈なエリートとしてのプライドが伝わってきて、俺は思わず苦笑した。
(なるほど。少しその気持ちはわかるかも。彼らは幼いころから勉強に仕事にと締め付けられていた。それがエリートとして支配者層になるためではなく、人間でもない異星人の奴隷になるためだったと知ったら怒りもするだろうな)
使徒はあくまで人間である。そのエリートとしてのプライドが高ければ高いほど、真実を知った時の怒りは強かった。
「神族を地球から追放したら、君たちは奴らの奴隷じゃなくなり、名実ともに人類の支配者層に成りあがれる。もっとも、現在と大差ないかもしれないけどね。でも、仕事もしないで遊びほうけながらえらそうに命令だけしてくる神族という老害がいなくなるだけで、ずいぶんとこの世は風通しがよくなるだろう」
俺の言葉に、元使徒-魔族たちは頷いた。
「それじゃ、真実をしってもなおも奴隷であり続けようとする、あの分からず屋たちを説得してくれ」
「お任せください」
ひとつ礼をして、魔族たちはいなくなった。
隊長率いる日本の部隊は、何もない平原に到達する。
「気をつけろ!何が襲ってくるかわからないぞ」
隊長の檄にプレイヤーたちは緊張して辺りを見渡し、ナイフを構える。
次の瞬間、緑色のゼリーみたいなものが襲い掛かってきた。
「な、なんだこれは!スライムか?」
「なるほど。ゲームの基本だな。こいつらが雑魚敵というわけか」
一時は驚いたものの、厳しい訓練をつんだ特殊部隊はすぐに体制を取り戻してモンスターと相対した。
「えいっ!」
隊員の一人がナイフをスライムに突き刺す。しかし、スライムは何のダメージも負ってないように、隊員の顔に貼りついた。
「くっ!苦しい!息ができない!」
鼻と口をふさがれて、その隊員はもだえ苦しむ。どんどん彼のHPが減っていった。
「い、いかん!引き剥がせ!」
隊長の命令で慌ててほかの隊員が駆け寄るが、顔に貼りついたスライムが分裂して襲い掛かってくる。
気がつけば、特殊部隊は無数のスライムに取り囲まれていた。
「な、なんだこの数は!」
「まだチュートリアルみたいなもんだろ!反則だ!」
若い隊員がわめきだすが、スライムは相手の事情などお構いなしで襲い掛かってくる。
「……くっ!」
隊長が最後にみたものは、自分の顔に貼りつくスライムのぬるぬるした体だった。
「……起きなさい」
どこからか、そんな声が聞こえてきて、隊長の意識が戻る。。傍らには黒い羽と牙を持った人間がいて、冷たく見下ろしていた。
「お前は……副隊長?」
そう、その人物は最初この電脳世界に入るときに行方不明になった副隊長だった。
「こ、ここは?」
あたりを見渡した隊長は驚く。周囲は無数の針のように尖った岩が広がる山だった。
「あなたは死にました。よってこの電脳世界に作られた「地獄」に落とされたわけです。ここは八大地獄のひとつ、『針の山』です」
副隊長は冷たく笑った。
「な、なんで私が地獄などに」
「当然です。あなたは私たち人間の中から初めて生まれた神々に対抗できる『救世主』を殺したのですから」
そう告げる声は限りなく冷たかった。
「あなたが彼に従う『魔族』を選択していれば、寛大なる救世主様はお許しになられたとおもいますがね。まあ地獄に落ちたのも自業自得ですな」
そう笑う副隊長に告げて、隊長は非難してきた。
「ばかな!田村!お前も栄光ある使徒の一人だろう。なぜあんな小僧に従うのだ!」
「それは、彼が神族を追い出して地球を人類の物に取り戻していただけると約束してくれたからですよ。普通に考えて、人間でもないただのばけものに忠誠を尽くせますか?」
『神族の方が化け物だと!なんと不敬な!」
隊長は睨み付けるが、彼は平然としていた。
「まあ、ゆっくりと自分の人生を反省してください。あのお方に協力する気になったら、この地獄から抜け出せるでしょう」
そういうと、副隊長は黒い翼を広げて飛んでいってしまった。
「ふん。使徒の誇りも使命も捨てた裏切り者め!」
隊長は針の山の中心で叫び続けるが、誰にも相手にされない。
そうしていると、どんどん腹が減ってきた。
「おかしいな。ここは幻の世界なのに腹が減るとは。いや、たぶん幻覚だろう」
そう自分に言い聞かすが、空腹感は増すばかりだった。
その時、パンの焼けるいいにおいがする。それは隣の針の山の天辺にある建物から漂ってきた。
「あそこに食べ物があるのか……いや、でもこの場から一歩でもうごいたら……」
隊長は躊躇する。彼がいるほんの少しのスペースから一歩でも踏み出せば、針によって傷つけられることは明白だった。
「わざわざ傷つくことはないだろう。ここは我慢だ」
そう思っていても、空腹感はどんどん強くなっていく。ついには打もののことしか考えられなくなっていった。
「もう我慢できん。慎重に進めば……」
隊長は慎重に針の上を進んでいく。しかし、途中まで来た所でいきなり山が振動した。
「ぐきっ!」
転倒した隊長に、無数の針が突き刺さり、血が流れ出る。
「くそっ!」
もはや後に引けなくなった隊長は、針に突き刺され体中がボロボロになりながらも隣の山に進むのだった。
「はぁ……はあ、やっとたどり着いた」
全身に無数の傷を負った隊長が隣の山にある建物にたどり着く。
『遅かったですね」
そこにいたのは、裏切った副隊長だった。彼の目の前にはおいしそうなご馳走が並んでいる。
「腹減った……喉が渇いた……食べ物をくれ」
息も絶え絶えで懇願する隊長に対して、副隊長は冷たく拒否する。
『お断りします。なぜ敵に施しをしないといけないのですか?」
「敵……?」
それを聞いて、隊長はなぜここの世界に来たのかを思い出した。
「さて。あなたはどうされますか?救世主トオル様を殺した罪を自覚し、償いのために彼に魂を売りますか?」
「こ……ことわる。神族の方々を裏切ることはできん」
隊長は使徒としての誇りを思い出し、最後の理性で拒否した。
それを聞いて、副隊長はやれやれと肩をすくめる。
「私もあまり暇ではありません。説得しないといけない人は大勢いますからね。いいでしょう。あなたは一番後回しにしましょう」
その言葉とともに副隊長の姿が消える。同時にご馳走や建物自体が消えて、隊長は再び針の山に取り残された。
「あああああああ!」
隊長は立ち尽くしたまま慟哭の悲鳴を上げる。しかし、彼を救ってくれる人は誰もいなかった。
数日後
「VRゲート」に入っていた使徒たちのうち、何人かの目が覚める。彼らは電脳世界ファーランドに侵攻している間、肉体を透明なカプセルに入れて保存されていた。
目を覚ました使徒たちに、神族たちは問いかける。
「どうじゃ?魔王トオルを倒したか?」
「……残念ですが、倒せませんでした」
そう告げる彼らは、なぜか冷たい表情をしていた。
「役立たずめ!それでも我らの「使徒か!」
「……申しわけありません」
戻ってきた者たちは、慇懃に頭を下げる。
「もういい!貴様たちのような役立たずは去るがいい!」
親族たちに見限られた「使徒」たちは、元の仕事に戻っていく。それは各国の軍のエリート士官だったり、大企業の本部だったり、はたまた政府の若手要職だったりした。
「いいか、トオル様から命令が来るまでに各自が所属する組織を掌握しておくんだ。必要な資金はトオル様がいくらでも出してくれるからな」
彼らは既にトオルに寝返っており、現場を掌握しているエリートたちによって少しずつ神族の支配力が弱められていく。
しかし、人間の下っ端にあまり関心を払わない神族たちが気づくことはなかった。
この電脳世界に持ち込めるのは『情報(プログラム)』のみである。入る前に必死に覚えた知識を思い出し、細部にいたるまで服や武器のイメージを構築した。
「よし。なんとか成功したな」
自分や部下たちの姿が変わっていく。いくつかの複雑な機械や兵器は再現できなかったが、服やナイフなどの単純な武器を出現させることはできた。
「情報官。魔王トオルを滅ぼせる『呪文(ワクチン)』は再現できたか?」
「大丈夫です。苦労して1MBも覚えさせられましたが、問題なく発動できます。『消滅(イレイサー)』」
小柄な女性士官が手を振ると、白い光が出てゲーム世界の一部が消滅した。
「よし。いくぞ!」
隊長率いる特殊部隊は、世界を救うために、電脳世界「ファーランド」に切り込んでいく。
同時に世界中で神族の配下による侵攻が始まるのだった。
ファーランドに侵攻した隊長率いる日本の部隊は、見渡す限り平原が広がる場所を探索していた。
「地図を記録しておけ。我々がなすべきことは偵察だ。まず魔王がどこにいるか情報を集めなければな」
「はっ」
隊長の命令により、日本の部隊は平原に散らばっていく。
魔王城-メルと一緒に作ったファーランド城でそれを見ていた俺は、思わず笑ってしまった。
「地図だって?無駄なことをしているな。俺の意思でいくらでも世界を書き換えることができるのに」
「仕方ありません。彼らにはこの世界のことなど何もわからないのですから」
声を掛けられて振り返る。人種も年齢もバラバラだけど、そろって黒い羽と黒い尻尾を持つ魔族-最初の選択で神族を寝返り、俺の側についた元使徒たちがいた。
「しかし、君たちはよく簡単に寝返る気になったもんだね」
「我々はこう見えて、エリートになるべく努力を重ね、人間社会を管理維持するために働いております。それは人間のため。神を名乗る異星人の奴隷になるためではないのです」
彼らからは強烈なエリートとしてのプライドが伝わってきて、俺は思わず苦笑した。
(なるほど。少しその気持ちはわかるかも。彼らは幼いころから勉強に仕事にと締め付けられていた。それがエリートとして支配者層になるためではなく、人間でもない異星人の奴隷になるためだったと知ったら怒りもするだろうな)
使徒はあくまで人間である。そのエリートとしてのプライドが高ければ高いほど、真実を知った時の怒りは強かった。
「神族を地球から追放したら、君たちは奴らの奴隷じゃなくなり、名実ともに人類の支配者層に成りあがれる。もっとも、現在と大差ないかもしれないけどね。でも、仕事もしないで遊びほうけながらえらそうに命令だけしてくる神族という老害がいなくなるだけで、ずいぶんとこの世は風通しがよくなるだろう」
俺の言葉に、元使徒-魔族たちは頷いた。
「それじゃ、真実をしってもなおも奴隷であり続けようとする、あの分からず屋たちを説得してくれ」
「お任せください」
ひとつ礼をして、魔族たちはいなくなった。
隊長率いる日本の部隊は、何もない平原に到達する。
「気をつけろ!何が襲ってくるかわからないぞ」
隊長の檄にプレイヤーたちは緊張して辺りを見渡し、ナイフを構える。
次の瞬間、緑色のゼリーみたいなものが襲い掛かってきた。
「な、なんだこれは!スライムか?」
「なるほど。ゲームの基本だな。こいつらが雑魚敵というわけか」
一時は驚いたものの、厳しい訓練をつんだ特殊部隊はすぐに体制を取り戻してモンスターと相対した。
「えいっ!」
隊員の一人がナイフをスライムに突き刺す。しかし、スライムは何のダメージも負ってないように、隊員の顔に貼りついた。
「くっ!苦しい!息ができない!」
鼻と口をふさがれて、その隊員はもだえ苦しむ。どんどん彼のHPが減っていった。
「い、いかん!引き剥がせ!」
隊長の命令で慌ててほかの隊員が駆け寄るが、顔に貼りついたスライムが分裂して襲い掛かってくる。
気がつけば、特殊部隊は無数のスライムに取り囲まれていた。
「な、なんだこの数は!」
「まだチュートリアルみたいなもんだろ!反則だ!」
若い隊員がわめきだすが、スライムは相手の事情などお構いなしで襲い掛かってくる。
「……くっ!」
隊長が最後にみたものは、自分の顔に貼りつくスライムのぬるぬるした体だった。
「……起きなさい」
どこからか、そんな声が聞こえてきて、隊長の意識が戻る。。傍らには黒い羽と牙を持った人間がいて、冷たく見下ろしていた。
「お前は……副隊長?」
そう、その人物は最初この電脳世界に入るときに行方不明になった副隊長だった。
「こ、ここは?」
あたりを見渡した隊長は驚く。周囲は無数の針のように尖った岩が広がる山だった。
「あなたは死にました。よってこの電脳世界に作られた「地獄」に落とされたわけです。ここは八大地獄のひとつ、『針の山』です」
副隊長は冷たく笑った。
「な、なんで私が地獄などに」
「当然です。あなたは私たち人間の中から初めて生まれた神々に対抗できる『救世主』を殺したのですから」
そう告げる声は限りなく冷たかった。
「あなたが彼に従う『魔族』を選択していれば、寛大なる救世主様はお許しになられたとおもいますがね。まあ地獄に落ちたのも自業自得ですな」
そう笑う副隊長に告げて、隊長は非難してきた。
「ばかな!田村!お前も栄光ある使徒の一人だろう。なぜあんな小僧に従うのだ!」
「それは、彼が神族を追い出して地球を人類の物に取り戻していただけると約束してくれたからですよ。普通に考えて、人間でもないただのばけものに忠誠を尽くせますか?」
『神族の方が化け物だと!なんと不敬な!」
隊長は睨み付けるが、彼は平然としていた。
「まあ、ゆっくりと自分の人生を反省してください。あのお方に協力する気になったら、この地獄から抜け出せるでしょう」
そういうと、副隊長は黒い翼を広げて飛んでいってしまった。
「ふん。使徒の誇りも使命も捨てた裏切り者め!」
隊長は針の山の中心で叫び続けるが、誰にも相手にされない。
そうしていると、どんどん腹が減ってきた。
「おかしいな。ここは幻の世界なのに腹が減るとは。いや、たぶん幻覚だろう」
そう自分に言い聞かすが、空腹感は増すばかりだった。
その時、パンの焼けるいいにおいがする。それは隣の針の山の天辺にある建物から漂ってきた。
「あそこに食べ物があるのか……いや、でもこの場から一歩でもうごいたら……」
隊長は躊躇する。彼がいるほんの少しのスペースから一歩でも踏み出せば、針によって傷つけられることは明白だった。
「わざわざ傷つくことはないだろう。ここは我慢だ」
そう思っていても、空腹感はどんどん強くなっていく。ついには打もののことしか考えられなくなっていった。
「もう我慢できん。慎重に進めば……」
隊長は慎重に針の上を進んでいく。しかし、途中まで来た所でいきなり山が振動した。
「ぐきっ!」
転倒した隊長に、無数の針が突き刺さり、血が流れ出る。
「くそっ!」
もはや後に引けなくなった隊長は、針に突き刺され体中がボロボロになりながらも隣の山に進むのだった。
「はぁ……はあ、やっとたどり着いた」
全身に無数の傷を負った隊長が隣の山にある建物にたどり着く。
『遅かったですね」
そこにいたのは、裏切った副隊長だった。彼の目の前にはおいしそうなご馳走が並んでいる。
「腹減った……喉が渇いた……食べ物をくれ」
息も絶え絶えで懇願する隊長に対して、副隊長は冷たく拒否する。
『お断りします。なぜ敵に施しをしないといけないのですか?」
「敵……?」
それを聞いて、隊長はなぜここの世界に来たのかを思い出した。
「さて。あなたはどうされますか?救世主トオル様を殺した罪を自覚し、償いのために彼に魂を売りますか?」
「こ……ことわる。神族の方々を裏切ることはできん」
隊長は使徒としての誇りを思い出し、最後の理性で拒否した。
それを聞いて、副隊長はやれやれと肩をすくめる。
「私もあまり暇ではありません。説得しないといけない人は大勢いますからね。いいでしょう。あなたは一番後回しにしましょう」
その言葉とともに副隊長の姿が消える。同時にご馳走や建物自体が消えて、隊長は再び針の山に取り残された。
「あああああああ!」
隊長は立ち尽くしたまま慟哭の悲鳴を上げる。しかし、彼を救ってくれる人は誰もいなかった。
数日後
「VRゲート」に入っていた使徒たちのうち、何人かの目が覚める。彼らは電脳世界ファーランドに侵攻している間、肉体を透明なカプセルに入れて保存されていた。
目を覚ました使徒たちに、神族たちは問いかける。
「どうじゃ?魔王トオルを倒したか?」
「……残念ですが、倒せませんでした」
そう告げる彼らは、なぜか冷たい表情をしていた。
「役立たずめ!それでも我らの「使徒か!」
「……申しわけありません」
戻ってきた者たちは、慇懃に頭を下げる。
「もういい!貴様たちのような役立たずは去るがいい!」
親族たちに見限られた「使徒」たちは、元の仕事に戻っていく。それは各国の軍のエリート士官だったり、大企業の本部だったり、はたまた政府の若手要職だったりした。
「いいか、トオル様から命令が来るまでに各自が所属する組織を掌握しておくんだ。必要な資金はトオル様がいくらでも出してくれるからな」
彼らは既にトオルに寝返っており、現場を掌握しているエリートたちによって少しずつ神族の支配力が弱められていく。
しかし、人間の下っ端にあまり関心を払わない神族たちが気づくことはなかった。
0
あなたにおすすめの小説
女神に頼まれましたけど
実川えむ
ファンタジー
雷が光る中、催される、卒業パーティー。
その主役の一人である王太子が、肩までのストレートの金髪をかきあげながら、鼻を鳴らして見下ろす。
「リザベーテ、私、オーガスタス・グリフィン・ロウセルは、貴様との婚約を破棄すっ……!?」
ドンガラガッシャーン!
「ひぃぃっ!?」
情けない叫びとともに、婚約破棄劇場は始まった。
※王道の『婚約破棄』モノが書きたかった……
※ざまぁ要素は後日談にする予定……
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした
藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると
土地を蝕む邪気となって現れる。
それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。
派手な奇跡は起こらない。
けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。
――その役目を、誰一人として理解しないまま。
奇跡が少なくなった。
役に立たない聖女はいらない。
そう言われ、私は静かに国を追放された。
もう、祈る理由はない。
邪気を生み出す原因に目を向けず、
後始末だけを押し付ける国を守る理由も。
聖女がいなくなった国で、
少しずつ異変が起こり始める。
けれど彼らは、最後まで気づかなかった。
私がなぜ祈らなくなったのかを。
お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?
水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」
「はぁ?」
静かな食堂の間。
主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。
同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。
いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。
「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」
「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」
父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。
「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」
アリスは家から一度出る決心をする。
それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。
アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。
彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。
「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」
アリスはため息をつく。
「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」
後悔したところでもう遅い。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
才能に打ち砕かれた日から、僕の最強は始まった
雷覇
ファンタジー
ワノクニ、蒼神流・蒼月道場。
天城蒼真は幼き頃から剣を学び、努力を重ねてきた。
だがある日、異世界から来た「勇者」瀬名隼人との出会いが、すべてを変える。
鍛錬も経験もない隼人は、生まれながらの天才。
一目見ただけで蒼真と幼馴染の朱音の剣筋を見切り、打ち破った。
朱音は琴音の命で、隼人の旅に同行することを決意する。
悔しさを抱えた蒼真は、道場を後にする。
目指すは“修羅の山”――魔族が封印され、誰も生きて戻らぬ死地へと旅立つ。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる