転生したら、周辺環境がクソだったので、人形と共に改革していく 〜せっかく転生したのならゆっくりのんびり生きたい〜

甘夏かん

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19. 王都エリクドラ学園

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こうして僕らは王都についたがやはり相当な距離があり、その頃にはもう夜になっていた。
「あ~やっと着いた~」
とルイトがホームに降り立つなり大きく伸びをした。
確かに、かれこれ8時間は座っていた気がする。
「ちょっとお腹も空いたなぁ…」
とクロエが呟く…すると僕の体も空腹なことに気がつき、腹の虫が鳴いた。
「あ、あはははは…まずはなにか食べに行こうか…」
と言うと、
「いいな。にく!肉食べにいこうぜ!」
とルイトが騒ぎ出す。
「あぁ、はいはい、わかったから。クロエは何が食べたい?」
と聞くと、
「そうね…あ、お魚…魚が食べたいな…」
と言った。
お魚かぁ…魚…魚……ん?あ、あの文字…もしや漢字か?
とぼくはふと目についた看板に目が釘付けとなった。この世界に来てからはこの世界の言葉である、リュースリラ語はよく見るが、日本語は全く見なかったが、そこの看板にははっきりと“寿司”と書かれていた。
「ここは…うん、魚だね。おぉ~い、2人とも、晩ご飯食べようよ。」
と2人を呼ぶ。
「ここは?肉か?」
「残念、ここは魚なんです。」
と言うと、
「あら?ここの看板の文字…ポリエット語ね…珍しい。なんて書いてあるのかしら。」
とクロエがつぶやいた。
「寿司って書いてあるんだよ。」
と言うと、
「えっ、ナギちゃんポリエット語が読めるの?これすっごい昔の文字で現代で読める人なんていない言葉だよ?」
と言われるので慌てて、
「ち、ちちち違うよ。僕の故郷にもこんな看板のお店があって、寿司って言うんだってそこのおじさんに教えて貰ったんだよ。」
と取り繕った。
「そうなの…」
とクロエは何か言いたげだったが、
「そんなことはどうでもいいからさ、その…寿司?とやらを食べるんだったら早く行こ~ぜ。」
とルイトがつまらなさそうに呟くので、寿司屋に入ることにした。



そして寿司屋でお腹を満たした後、僕らはエリクドラ学園の校舎…事務室を訪れていた。
「こんばんわ~」
と言うと、
「はいはい、何かね…」
と初老のおじいさんが窓口に現れた。
「これ、お願いします。」
と、僕らはアリア領でもらった移籍届を渡した。
「はいはい、移籍届だね。じゃあ念のため名前の確認だけさせておくれ。」
と言い、僕らの名前を呼び、
「ふむ、全員平民っと…じゃあこの紙を第二寮の寮母さんのヒナタさんに渡してくれ。おっと、ルイトくんはこっちの紙をレオさんという第四寮の管理人さんに渡してくれ。」
と僕らに紙を渡してくる。
「それは生徒証明書だ。それを寮の管理人の人に渡せば部屋を用意してくれるぞ。」
とおじいさんが教えてくれた。
「ありがとうございます。行ってきます。」
と言い、僕らはその場から立ち去って寮へと向かった。



「まぁ…あのアリア領から…大変だったでしょう?すぐに部屋に案内するわ。」
と寮母さんのヒナタさんは献身的に僕らに接してくれ、僕らはぐっすりと眠ることができた。



翌日、僕は普通科の教室にいた。ちなみにクロエとルイトは別のクラスだ。
「初めまして。ナギエです。姓はありません。」
と自己紹介をする。
「じゃあ、ナギエさん、窓際の空いている席についてください。」
と言われたので、言われた通りに席につく。
こうして新しい学校での生活が始まった。
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