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54. 後宮にて(クロエ視点)①
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眩しい…光が顔全体に当たっている…どうやら外は朝のようで…
「うぅん… 」
と私…クロエは体を起こし、あたりを見渡し…
「あれ?」
と呟く。いつもの空間ではない。いつもの学生寮ではなく、ずっと昔…と言っても10年ほど前の話になるが、その時に家族と暮らしていた王宮の後宮に造りがよく似ている。ここはその一室で私はここの部屋の主が寝る場所であろう大きなベッドで眠っていたらしい。窓からは朝の日差しがガラス越しに当たる。私は少しムッとしながらレースのカーテンでほぼ直射の日光を遮る。ルーツがヴァンパイアなこともあってか陽の光に肌が少し弱いため、日に焼けやすいのだ。カーテンをかけ、ふぅ。と一息ついたところだった。突然ノックと共に、
「おはようございます。クロエ・ノヴァンタール様、お目覚めになっていますでしょうか?」
と女性の声がした。少しびっくりしながらも私は
「ええ。起きているわ。どうぞ入りなさい。」
と今は亡き母が朝、メイドがきた時言っていたセリフを言う。すると、
「では、失礼します。」
と言いメイドが2人入ってきた。2人とも顔が瓜二つだった。違いがあるとすれば目の色だろうか?片側のメイドは目が綺麗な翡翠色だが、もう1人は黒に近しいダークブルーの目をしていた。そして翡翠色のめを持つ方が、
「お、お久しぶりです。クロエお嬢様!わ、私たちのことを覚えていますでしょうかっ!?」
と多少テンパりながらまだ幼さの抜けない声で話しかけてきた。私はいきなりすぎるその言葉に瞠目していると、後ろからスパーン!ともう1人のメイドが華麗に頭をシバき、
「妹がとんだ御無礼を。平にご容赦ください。」
と感情を押し殺した声で頭を下げる。
「いえ、いいんです。頭を上げてください。」
と言うと少しホッとした顔で頭を上げた。すると、頭をシバかれた方のメイドがしばかれたところを抑えながら、
「痛いですよ姉さん。頭が陥没したらどうするんですか!」
と抗議をするが、
「うるさい。あんた今自分が何やったのか理解してないの?貴族の方にいきなり喋りかけて。とんだ御無礼よ!首がとんでも文句言えないことをあなたはしたの。次便の立場わかってんの?このバカ!」
とお姉さんの方から正論パンチを返されていた。その光景に苦笑いしながらも私は、
「あの…久しぶり…とはどういうことでしょうか?」
と尋ねた。久しぶりと言われたと言うことは少なからず過去関わりがあったと言うことはほぼ間違ないだろう。だけど正直この子たちの顔は見覚えがないのだ。
「えっ、忘れちゃったんですか?」
と言う妹の頭を再びシバいたお姉さんは
「重ね重ね妹の御無礼、お許しください。ですが、妹が残念がる気持ちも多少なりご理解ください。私たち姉妹は、3年と言う短い期間ですがあなた様をお世話させていただいた身なのです。」
と言った。3年…3年ね…そんな長いこと一緒に暮らしていたらいやでも顔と名前は一致するはずなのだが…う~んと頭を悩ませていると、さらにお姉さんのメイドは言葉を発した。
「クロエ様、ミクリとアサギ…この名前に覚えはありませんか?」
と。正直、その2人に名前が出た時には少し驚いた。ミクリとアサギ…この2人はかつて私の世話役をしていたメイドたちだ。でも2人は10年前のあの日に死んだはずだったのだ。当時の顔と現在の顔を見比べてみるとやはり違うところはあるが、面影が残っている。当時15歳だった彼女たちだが、10年という長い時を経て顔が変わってしまっていたのだろう。
「もしかしてミクリとアサギ…?」
と聞くと、
「そうですよ。」
「よかったぁ。思い出してくれた!」
と帰ってきた。
「うわぁ、すっごい。久しぶりだね!元気だった?」
「ええ。おかげさまで。」
「また会えて嬉しいです。お嬢様。」
と私たち3人は抱き合い、再会を喜ぶのだった。
「うぅん… 」
と私…クロエは体を起こし、あたりを見渡し…
「あれ?」
と呟く。いつもの空間ではない。いつもの学生寮ではなく、ずっと昔…と言っても10年ほど前の話になるが、その時に家族と暮らしていた王宮の後宮に造りがよく似ている。ここはその一室で私はここの部屋の主が寝る場所であろう大きなベッドで眠っていたらしい。窓からは朝の日差しがガラス越しに当たる。私は少しムッとしながらレースのカーテンでほぼ直射の日光を遮る。ルーツがヴァンパイアなこともあってか陽の光に肌が少し弱いため、日に焼けやすいのだ。カーテンをかけ、ふぅ。と一息ついたところだった。突然ノックと共に、
「おはようございます。クロエ・ノヴァンタール様、お目覚めになっていますでしょうか?」
と女性の声がした。少しびっくりしながらも私は
「ええ。起きているわ。どうぞ入りなさい。」
と今は亡き母が朝、メイドがきた時言っていたセリフを言う。すると、
「では、失礼します。」
と言いメイドが2人入ってきた。2人とも顔が瓜二つだった。違いがあるとすれば目の色だろうか?片側のメイドは目が綺麗な翡翠色だが、もう1人は黒に近しいダークブルーの目をしていた。そして翡翠色のめを持つ方が、
「お、お久しぶりです。クロエお嬢様!わ、私たちのことを覚えていますでしょうかっ!?」
と多少テンパりながらまだ幼さの抜けない声で話しかけてきた。私はいきなりすぎるその言葉に瞠目していると、後ろからスパーン!ともう1人のメイドが華麗に頭をシバき、
「妹がとんだ御無礼を。平にご容赦ください。」
と感情を押し殺した声で頭を下げる。
「いえ、いいんです。頭を上げてください。」
と言うと少しホッとした顔で頭を上げた。すると、頭をシバかれた方のメイドがしばかれたところを抑えながら、
「痛いですよ姉さん。頭が陥没したらどうするんですか!」
と抗議をするが、
「うるさい。あんた今自分が何やったのか理解してないの?貴族の方にいきなり喋りかけて。とんだ御無礼よ!首がとんでも文句言えないことをあなたはしたの。次便の立場わかってんの?このバカ!」
とお姉さんの方から正論パンチを返されていた。その光景に苦笑いしながらも私は、
「あの…久しぶり…とはどういうことでしょうか?」
と尋ねた。久しぶりと言われたと言うことは少なからず過去関わりがあったと言うことはほぼ間違ないだろう。だけど正直この子たちの顔は見覚えがないのだ。
「えっ、忘れちゃったんですか?」
と言う妹の頭を再びシバいたお姉さんは
「重ね重ね妹の御無礼、お許しください。ですが、妹が残念がる気持ちも多少なりご理解ください。私たち姉妹は、3年と言う短い期間ですがあなた様をお世話させていただいた身なのです。」
と言った。3年…3年ね…そんな長いこと一緒に暮らしていたらいやでも顔と名前は一致するはずなのだが…う~んと頭を悩ませていると、さらにお姉さんのメイドは言葉を発した。
「クロエ様、ミクリとアサギ…この名前に覚えはありませんか?」
と。正直、その2人に名前が出た時には少し驚いた。ミクリとアサギ…この2人はかつて私の世話役をしていたメイドたちだ。でも2人は10年前のあの日に死んだはずだったのだ。当時の顔と現在の顔を見比べてみるとやはり違うところはあるが、面影が残っている。当時15歳だった彼女たちだが、10年という長い時を経て顔が変わってしまっていたのだろう。
「もしかしてミクリとアサギ…?」
と聞くと、
「そうですよ。」
「よかったぁ。思い出してくれた!」
と帰ってきた。
「うわぁ、すっごい。久しぶりだね!元気だった?」
「ええ。おかげさまで。」
「また会えて嬉しいです。お嬢様。」
と私たち3人は抱き合い、再会を喜ぶのだった。
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