86 / 92
86. <閑章> ミナトの来るちょっと前③
しおりを挟む
「ああちょっと!も、もしもし?もしもしバベル?」
と聞くが通信先からあの幼いながらも芯の通った綺麗な声が帰ってくることはない。どうやら向こうから一方的に通信を切られてしまったようだ。
「はぁ…“他の柱に頼め”か…私誰かに頼るの苦手なんだよね…こういう面倒事は特に…」
と私は1人呟く。ここからこの世界は少しずつ…だけど確実に狂い始めていった。
数日後、私は同じく時間の管理のできる冥界の神であるオシリスの元を訪れていた。
「ども、オシリスくん居る?」
とオシリスの眷属に聞くと、
「こ、これはこれはアルルト様!こんな何にも無いところにお越し下さりありがとうございます。オシリスならいつも通り書庫にいますよ。ここを真っ直ぐ行って左です。」
と教えてくれた。
「そう、ありがとう。」
と私はお礼をすると、オシリスの元へと向かった。書庫に着くと、パラパラと紙を捲る音が聞こえてくる。私は一度小さく深呼吸をすると、
「あ~、もしもし?オシリス居る?」
と書庫に顔を出すと、
「あ、アルルト様?な、何故このような辺鄙な場所に?いえ、すみません。こちらにどうぞ。今お茶をお出ししますね。」
とオシリスは眷属の人に何か耳打ちした後にそう言った。私は、
「ああ、そんな気を使わなくても良いのよ?私は今日オシリスにお願いがあって来たの。」
と言うと、オシリスは少し驚きながらも、
「お願い…ですか。内容によりますが、力が及ぶのであれば何なりと。」
といってくれる。…なんや?めっちゃ頼もしく見える…
「そういってもらえて嬉しいです。実はお願いというのは、ダイダロスについてなの。」
というとオシリスは、
「残念ながら居場所は知りませんよ?」
と言う。私はなおも話を続けた。
「違う違う。誰も行方を知らないのは私も知っているわ。あなたにお願いというのはね…」
と私は重たい口を開いた。
「あなたに時空神としての権能を一時的に付与するからダイダロスが見つかるまで時空神を兼任してほしいの。お願いできる?」
と私は聞く。オシリスはしばらく悩んだ後、
「…わかりました。やりましょう、でも早めに見つけていただけると幸いですね。私も冥界の管理で毎日結構忙しいのでね。」
と言いお願いを聞いてくれた。
「わかったわ。こっちも今私の眷属全員を総動員して探してるからそれまでお願いね。」
とお礼を言うと私は席を立つ。
「わかりました。おい、お帰りだ。見送りを…」
とオシリスはお茶を出してくれた眷属を見送りに出してくれた。私はその眷属の子に
「お茶ありがとね。おいしかったよ。ありがとう。」
とお礼を言うと、私は自身の権能を使って神界の空へと飛翔する。そしてそのまま自分の治める地に飛び立った。
と聞くが通信先からあの幼いながらも芯の通った綺麗な声が帰ってくることはない。どうやら向こうから一方的に通信を切られてしまったようだ。
「はぁ…“他の柱に頼め”か…私誰かに頼るの苦手なんだよね…こういう面倒事は特に…」
と私は1人呟く。ここからこの世界は少しずつ…だけど確実に狂い始めていった。
数日後、私は同じく時間の管理のできる冥界の神であるオシリスの元を訪れていた。
「ども、オシリスくん居る?」
とオシリスの眷属に聞くと、
「こ、これはこれはアルルト様!こんな何にも無いところにお越し下さりありがとうございます。オシリスならいつも通り書庫にいますよ。ここを真っ直ぐ行って左です。」
と教えてくれた。
「そう、ありがとう。」
と私はお礼をすると、オシリスの元へと向かった。書庫に着くと、パラパラと紙を捲る音が聞こえてくる。私は一度小さく深呼吸をすると、
「あ~、もしもし?オシリス居る?」
と書庫に顔を出すと、
「あ、アルルト様?な、何故このような辺鄙な場所に?いえ、すみません。こちらにどうぞ。今お茶をお出ししますね。」
とオシリスは眷属の人に何か耳打ちした後にそう言った。私は、
「ああ、そんな気を使わなくても良いのよ?私は今日オシリスにお願いがあって来たの。」
と言うと、オシリスは少し驚きながらも、
「お願い…ですか。内容によりますが、力が及ぶのであれば何なりと。」
といってくれる。…なんや?めっちゃ頼もしく見える…
「そういってもらえて嬉しいです。実はお願いというのは、ダイダロスについてなの。」
というとオシリスは、
「残念ながら居場所は知りませんよ?」
と言う。私はなおも話を続けた。
「違う違う。誰も行方を知らないのは私も知っているわ。あなたにお願いというのはね…」
と私は重たい口を開いた。
「あなたに時空神としての権能を一時的に付与するからダイダロスが見つかるまで時空神を兼任してほしいの。お願いできる?」
と私は聞く。オシリスはしばらく悩んだ後、
「…わかりました。やりましょう、でも早めに見つけていただけると幸いですね。私も冥界の管理で毎日結構忙しいのでね。」
と言いお願いを聞いてくれた。
「わかったわ。こっちも今私の眷属全員を総動員して探してるからそれまでお願いね。」
とお礼を言うと私は席を立つ。
「わかりました。おい、お帰りだ。見送りを…」
とオシリスはお茶を出してくれた眷属を見送りに出してくれた。私はその眷属の子に
「お茶ありがとね。おいしかったよ。ありがとう。」
とお礼を言うと、私は自身の権能を使って神界の空へと飛翔する。そしてそのまま自分の治める地に飛び立った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!
にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。
そう、ノエールは転生者だったのだ。
そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる