転生したら、周辺環境がクソだったので、人形と共に改革していく 〜せっかく転生したのならゆっくりのんびり生きたい〜

甘夏かん

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87. <閑章> ミナトの来るちょっと前④

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オシリスが時空神と冥界神を兼任してはや2ヶ月が経った。初めの方こそうまく行っていたのだが…
「あの…すみません、まだ見つかってないのですか?」
とオシリスは聞いてくる。
「うん、神界にダイダロスの反応がないから創作が難航してるの。もしかしたら“禁忌”を犯してどこかの世界に堕ちたのかもしれないわ。」
と現状を話すと、
「それは…捜索が難航するのも頷けますね…そうだ、うちの眷属を全員お貸ししましょう。捜索員の足しにしてください。」
「いいの?ありがとう。今人手不足で捜索が全然捗らないのよ。助かるわ。」
「いえいえ、お構いなく。」
そうしてオシリスの眷属も捜索に入り1っヶ月が経った。
「「ほ、報告します!」」
と私とオシリスの眷属が1人ずつやってきた。
「「ダイダロス様を発見いたしました!」」
と待ち侘びた報告を受けた。私は、
「よくやったわ。それで?ダイダロスはどこに居るの?」
と聞くと、
「並行世界Dー1326番のB群座標軸6540です。」
と詳細な答えが返ってくる。
「世界脅威度は?」
「脅威度は6。平和帯です。」
「ありがとう。総員を撤収させて。あとオシリスを!」
と私は矢継ぎ早に指示を出す。私とオシリスの眷属は素早く動き、発見された20分後には撤収が完全に完了し、オシリスもやってきた。オシリスは来るや否や、
「ようやくダイダロスが見つかりましたか。早く神界に戻しましょう。Dの1300番台は神の信仰が薄いですが、主権能なら及ぶでしょうな。」
と嬉しそうに言う。しかし私はオシリスと対照的に沈んだ顔をして思案している。返事がないことを不審に思ったのか、
「どうしたのです?アルルト様がお持ち最高神の権能で時空神に行動を強制させればおしまいでしょう?何を躊躇っておられるのです?」
と聞いてきた。
「できないのよ…」
ボソッとアルルトの口から言葉が漏れる。
「あ、アルルト様?今、何と…?」
「できない。というか今のダイダロスには私の権能が殆ど効かない。」
「な、なぜです?あなたはここ、神界の王にして神々を統べるもの、私と同格のダイダロス如き小指でチョンで終わるでしょう?」
と聞いてくる。そんなオシリスに私は今しがた聞いた情報を開示した。
「ダイダロスは堕天して受肉しているの。つまりは魂が世界に堕ちて、人間として転生したってこと。私は人間に対しての主権能は持ち合わせがないのよ。」
「で、ではどうやって!」
「Dー1326番のB群を監視させてダイダロスの魂を持つ肉体が死亡するまで待つしかないわ。」
「ふ、ふざけないでください!たった3ヶ月でここまで体力を持っていかれるんですよ?これをあと数十年…下手すれば100年超えるんですよ!そんな物耐えられません!」
と言うとダイダロスはDー1326番のB群の世界線のコントローラーで、ダイダロスの魂のある世界とアクセスすると、
「待っていろ、今その天命を喰らい、こちらの世界に引きずってでも連れ帰ってくれる!」
と冥界神の主権能の一つである天命操作を発動させようとしたので、
「す、ストーップ!」
と止めた、
「話してください、これはこの世界のためでもあるんですよ!」
と喚くが、私は私しか知り得ないことを教える。
「冥界神の権能は感情に任せちゃダメ!今のままじゃダイダロスどころかダイダロスも含めた街3つに作用しちゃうの!ピンポイントなコントロールができていないからダメ!」
と言って止めるが、
「ですが、もう発動してしまったので止まりません!」
と言われた。仕方ない。
「わかった、私の権能を割り込ませるから。そのままキープして!」
と言って私は権能を使った。
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