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第一章 誰が駒鳥を隠したか
【020】妖精の悪戯
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近づくカサンドラたちに気がついた妖精の塊は、女の細腕が抱える鳥籠にも気がついた。
鳥籠の中から不安げに塊を見下ろすモスグレイの妖精は、明らかに捕らえられており……つまり、仲間の危機に立ち上がった全九匹の妖精が、一斉にカサンドラとアーサーへ襲いかかることになった。
とはいえ、襲いかかったと言っても、小さな妖精たちは基本的に、大それたことなど出来やしない。
ある妖精はカサンドラの髪を強く引っ張り、ある妖精たちは鳥籠を奪おうと腕にまとわりつき……複数の妖精がアーサーの眼鏡に張り付いた。
そんな妖精たちの攻めは数十秒ほど続いたが、「シャーッ!」といった表現がぴったりなエフィストの威嚇によって、呆気なく終わりを告げる。小さな妖精にとって、猫は天敵なのだ。何故なら、妖精のひらひらとした動作は猫の狩猟本能を刺激するので。
――黒猫の威嚇からまた数十秒後。
鞭のように尻尾をぱしぱしと床面へと叩きつけるエフィストに睨まれながら、妖精たちは再び塊を作っていた。
「……で、この子たちはどうしてここにいるのかしら。もしかして、別の魔女がお仕置き中?」
「いやー、俺は先輩たちからそんな予定を聞いていないけど……」
そんなカラフルな塊を眺めながら、カサンドラは状況の推理を試みた。
今現在、この国には身軽に動ける魔女がカサンドラしかいないはずである。他の魔女がどこか別の場所から移り住んできたなんて重要案件は、エフィストですら誰からも聞いていないらしい。となると、他の魔女が近辺にいる確率は非常に低い。
「あのさ、お仕置きって……?」
アーサーは目の細かい良質な綿のハンカチで眼鏡を拭きながら、耳に入ってきた少々物騒な単語に戸惑っていた。
確かに、センチネルからもたらされる一部の依頼の詳細を知らなければ意味のわからない話だろう。
悪戯好きで楽観的な妖精は、簡単な説得では納得しない。理解する能力がないのではなく、理解する気がないのだ。魔物や怪異に転化すれば、妖精に戻れなくなることを受け止めない。
だからカサンドラは、危険な悪戯をする妖精をこの影の領域に放り込み、暫く放置をする。自らの力ではどうしようもない場所で、強制的に自己と未来を見つめ直させるのだ。
なお、放置といっても普通は五分も保たないし長くても三〇分程度で大抵の妖精は音を上げる。よって、周囲に魔女の気配がない今、お仕置き中の可能性は考えにくい……というあたりまで、取り急ぎの説明を行った。
「――だから、いつの間にかあたし以外の誰かがこの領域へ出入りできるようになっていて、その魔女が連れてきた子たちなのかと思って……。でも、なんかそんな感じではないのよね」
「へえぇ~。みんなそんなひどい悪戯っ子のようには見えないから、どちらかというとグロッシェ商会の遺物実験で捕まって消えたという妖精じゃないかなって思ったけど……」
「…………あっ!」
「あー、なるほど」
アーサーの発言を聞き、それは盲点だったとカサンドラとエフィストがほぼ同時に声を漏らす。固定観念に縛られすぎていたため、まさしく目からウロコが落ちたかのような気分のひとりと一匹だった。
「じゃあやっぱり……早くこの鳥籠を調べたほうが良さそうね」
「同じ遺物が他にないとは限らないしなー」
「い、いや、ただの思いつきだし関係がない可能性も高いから……」
方向性を決めるカサンドラたちを見て、アーサーは慌てて謙遜するが、これは現在のカサンドラでは得られなかった視点である。手詰まりになりかけていた中で非常に助かったのだとカサンドラが伝えれば、アーサーはいつもの柔らかい笑顔で役に立てて良かったと笑う。
やはりアーサーは笑っていたほうが“らしい”なと、カサンドラはふと思った。感情を削ぎ落としたかのような表情も新鮮だったが、落ち着くのはこちらだ。「雪華の君」という謎の異名との関連もありそうだし、話を聞くのが楽しみである。
もちろん、簡単に遺物の解読ができるとは思えないが、うまくいけば原因の調査はすぐに済む。
解決の兆しが見えてきたことに安堵しながら、カサンドラは外へ戻るべくアーサーの手を引いた。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
わらわらとあちこちへ散開しそうになる妖精たちをエフィストが都度一喝し、結局は鳥籠に張り付かせて移動することになった。
びっしりと鳥籠に張り付く九匹の妖精と、それに近づいてぎゅっとを縮めるのは籠の中のモスグレイの妖精。そんな奇妙な鳥籠をアーサーが抱え、その肩に乗ったエフィストが鳥籠を見張る。そしてそのアーサーの片腕を引くのがカサンドラである。
そんな、なんとも言えない見た目の連携作業で影の領域から太陽の領域に戻り、今までの一面の闇から一転、一行は木漏れ日が降り注ぐ緑あふれる空間にその身を置いていた。
森にぽっかりと空いたその空間からは、丁寧に切断された古い切り株があれば、けもの道といったような趣ではあるが多少の手入れのされたような道が伸びていた。それを見れば、長い間をかけてほそぼそと人の手が入ってきた場所なのが見て取れる。
「あー……すごい。日光って落ち着くんだね……」
「アーサーさんも、お疲れさま。その気持ちはよくわかるわ。さ、モスグレイのあなたも出ていらっしゃい」
日の光を浴びたアーサーが、ずいぶんと気の抜けた声を出しながら、強張っていたのであろう身体の力を抜いていた。影の領域に長居するのは疲れるといえば疲れるので、カサンドラも同感ではある。
アーサーから鳥籠を受け取ったカサンドラは古い切り株の上にそれを置き、籠を揺らさないよう丁寧に出入り口を開け放った。
鳥籠に張り付かせていた妖精たちは既にエフィストによって追い払われ、少し離れた草木の隙間からこちらを覗いている。
鳥籠の中にいたモスグレイの妖精はおそるおそる身を乗り出し、脱出に障害がないのを確認してから跳ねるようにぴょんと飛び出す。暫くはその場で翼を動かしたり身体の確認をしていたが、ふわりと飛び立つとカサンドラとアーサーの周囲をひらひらと飛び回りはじめた。
すぐにこちらの様子を窺っている仲間の元へ行くかと思いきや、不意に近づいてきたモスグレイの妖精は、見守っていたカサンドラとアーサーの頬に身を寄せそっとキスをする。
ふたりの驚きを確認した妖精は悪戯成功とばかりに楽しそうに笑い、人間たちを今度こそ振り返ることもなく、呆気なく仲間たちの元へ飛び去っていった。
そうして、全十匹の妖精の姿は、森の中へと吸い込まれていった。
「……今のはお礼、なのかな?」
「多分ね。監禁犯の一味ではないとわかってもらえて何よりだわ」
「あいつ、俺のことを意図的に無視していったなー……」
三者三様の感想を漏らしつつ、空っぽの鳥籠を自らの影にしまったカサンドラが手を叩いて場を切り替える。
そろそろほっと一息をつきたいところだが、やらなければならない面倒なことがまだ残っているのだ。
「さて、次は一連のことを領主様にお話しておかなきゃね」
「そうだね。じゃあ、一度役所に戻――」
「実はここ、領主邸の敷地内なのよ。屋敷に近づいて誰かを捕まえるのが一番早いわ」
「え、あっ、ええっ……!?」
正当な手順を踏もうとするアーサーを遮り、カサンドラはショートカットにショートカットを重ねることにした。早めに動かねば、ロジャーが逃げおおせるかもしれないからだ。もちろん、グロッシェ商会に対してもできる限り先手を打っておきたい。
侵入の無礼は緊急事態ということで押し通すしかない。実際、弱っていた妖精を解放するのに適した場所というのは、この町の中にはあまりなかったのだ。
行動を決めたカサンドラは、無意識的に影の領域の時と同じ様にアーサーの手を引いて歩き出した。
アーサーの手に一瞬だけ妙な力が入ったが、丁寧に手入れをされているもののしっかりとした皮の厚みがあるカサンドラの柔らかい手を、骨ばった長い指が握り返す。
そんな様子を見ていたエフィストは、スンと小さく息を吐き、軽やかな足取りで後に続いた。
鳥籠の中から不安げに塊を見下ろすモスグレイの妖精は、明らかに捕らえられており……つまり、仲間の危機に立ち上がった全九匹の妖精が、一斉にカサンドラとアーサーへ襲いかかることになった。
とはいえ、襲いかかったと言っても、小さな妖精たちは基本的に、大それたことなど出来やしない。
ある妖精はカサンドラの髪を強く引っ張り、ある妖精たちは鳥籠を奪おうと腕にまとわりつき……複数の妖精がアーサーの眼鏡に張り付いた。
そんな妖精たちの攻めは数十秒ほど続いたが、「シャーッ!」といった表現がぴったりなエフィストの威嚇によって、呆気なく終わりを告げる。小さな妖精にとって、猫は天敵なのだ。何故なら、妖精のひらひらとした動作は猫の狩猟本能を刺激するので。
――黒猫の威嚇からまた数十秒後。
鞭のように尻尾をぱしぱしと床面へと叩きつけるエフィストに睨まれながら、妖精たちは再び塊を作っていた。
「……で、この子たちはどうしてここにいるのかしら。もしかして、別の魔女がお仕置き中?」
「いやー、俺は先輩たちからそんな予定を聞いていないけど……」
そんなカラフルな塊を眺めながら、カサンドラは状況の推理を試みた。
今現在、この国には身軽に動ける魔女がカサンドラしかいないはずである。他の魔女がどこか別の場所から移り住んできたなんて重要案件は、エフィストですら誰からも聞いていないらしい。となると、他の魔女が近辺にいる確率は非常に低い。
「あのさ、お仕置きって……?」
アーサーは目の細かい良質な綿のハンカチで眼鏡を拭きながら、耳に入ってきた少々物騒な単語に戸惑っていた。
確かに、センチネルからもたらされる一部の依頼の詳細を知らなければ意味のわからない話だろう。
悪戯好きで楽観的な妖精は、簡単な説得では納得しない。理解する能力がないのではなく、理解する気がないのだ。魔物や怪異に転化すれば、妖精に戻れなくなることを受け止めない。
だからカサンドラは、危険な悪戯をする妖精をこの影の領域に放り込み、暫く放置をする。自らの力ではどうしようもない場所で、強制的に自己と未来を見つめ直させるのだ。
なお、放置といっても普通は五分も保たないし長くても三〇分程度で大抵の妖精は音を上げる。よって、周囲に魔女の気配がない今、お仕置き中の可能性は考えにくい……というあたりまで、取り急ぎの説明を行った。
「――だから、いつの間にかあたし以外の誰かがこの領域へ出入りできるようになっていて、その魔女が連れてきた子たちなのかと思って……。でも、なんかそんな感じではないのよね」
「へえぇ~。みんなそんなひどい悪戯っ子のようには見えないから、どちらかというとグロッシェ商会の遺物実験で捕まって消えたという妖精じゃないかなって思ったけど……」
「…………あっ!」
「あー、なるほど」
アーサーの発言を聞き、それは盲点だったとカサンドラとエフィストがほぼ同時に声を漏らす。固定観念に縛られすぎていたため、まさしく目からウロコが落ちたかのような気分のひとりと一匹だった。
「じゃあやっぱり……早くこの鳥籠を調べたほうが良さそうね」
「同じ遺物が他にないとは限らないしなー」
「い、いや、ただの思いつきだし関係がない可能性も高いから……」
方向性を決めるカサンドラたちを見て、アーサーは慌てて謙遜するが、これは現在のカサンドラでは得られなかった視点である。手詰まりになりかけていた中で非常に助かったのだとカサンドラが伝えれば、アーサーはいつもの柔らかい笑顔で役に立てて良かったと笑う。
やはりアーサーは笑っていたほうが“らしい”なと、カサンドラはふと思った。感情を削ぎ落としたかのような表情も新鮮だったが、落ち着くのはこちらだ。「雪華の君」という謎の異名との関連もありそうだし、話を聞くのが楽しみである。
もちろん、簡単に遺物の解読ができるとは思えないが、うまくいけば原因の調査はすぐに済む。
解決の兆しが見えてきたことに安堵しながら、カサンドラは外へ戻るべくアーサーの手を引いた。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
わらわらとあちこちへ散開しそうになる妖精たちをエフィストが都度一喝し、結局は鳥籠に張り付かせて移動することになった。
びっしりと鳥籠に張り付く九匹の妖精と、それに近づいてぎゅっとを縮めるのは籠の中のモスグレイの妖精。そんな奇妙な鳥籠をアーサーが抱え、その肩に乗ったエフィストが鳥籠を見張る。そしてそのアーサーの片腕を引くのがカサンドラである。
そんな、なんとも言えない見た目の連携作業で影の領域から太陽の領域に戻り、今までの一面の闇から一転、一行は木漏れ日が降り注ぐ緑あふれる空間にその身を置いていた。
森にぽっかりと空いたその空間からは、丁寧に切断された古い切り株があれば、けもの道といったような趣ではあるが多少の手入れのされたような道が伸びていた。それを見れば、長い間をかけてほそぼそと人の手が入ってきた場所なのが見て取れる。
「あー……すごい。日光って落ち着くんだね……」
「アーサーさんも、お疲れさま。その気持ちはよくわかるわ。さ、モスグレイのあなたも出ていらっしゃい」
日の光を浴びたアーサーが、ずいぶんと気の抜けた声を出しながら、強張っていたのであろう身体の力を抜いていた。影の領域に長居するのは疲れるといえば疲れるので、カサンドラも同感ではある。
アーサーから鳥籠を受け取ったカサンドラは古い切り株の上にそれを置き、籠を揺らさないよう丁寧に出入り口を開け放った。
鳥籠に張り付かせていた妖精たちは既にエフィストによって追い払われ、少し離れた草木の隙間からこちらを覗いている。
鳥籠の中にいたモスグレイの妖精はおそるおそる身を乗り出し、脱出に障害がないのを確認してから跳ねるようにぴょんと飛び出す。暫くはその場で翼を動かしたり身体の確認をしていたが、ふわりと飛び立つとカサンドラとアーサーの周囲をひらひらと飛び回りはじめた。
すぐにこちらの様子を窺っている仲間の元へ行くかと思いきや、不意に近づいてきたモスグレイの妖精は、見守っていたカサンドラとアーサーの頬に身を寄せそっとキスをする。
ふたりの驚きを確認した妖精は悪戯成功とばかりに楽しそうに笑い、人間たちを今度こそ振り返ることもなく、呆気なく仲間たちの元へ飛び去っていった。
そうして、全十匹の妖精の姿は、森の中へと吸い込まれていった。
「……今のはお礼、なのかな?」
「多分ね。監禁犯の一味ではないとわかってもらえて何よりだわ」
「あいつ、俺のことを意図的に無視していったなー……」
三者三様の感想を漏らしつつ、空っぽの鳥籠を自らの影にしまったカサンドラが手を叩いて場を切り替える。
そろそろほっと一息をつきたいところだが、やらなければならない面倒なことがまだ残っているのだ。
「さて、次は一連のことを領主様にお話しておかなきゃね」
「そうだね。じゃあ、一度役所に戻――」
「実はここ、領主邸の敷地内なのよ。屋敷に近づいて誰かを捕まえるのが一番早いわ」
「え、あっ、ええっ……!?」
正当な手順を踏もうとするアーサーを遮り、カサンドラはショートカットにショートカットを重ねることにした。早めに動かねば、ロジャーが逃げおおせるかもしれないからだ。もちろん、グロッシェ商会に対してもできる限り先手を打っておきたい。
侵入の無礼は緊急事態ということで押し通すしかない。実際、弱っていた妖精を解放するのに適した場所というのは、この町の中にはあまりなかったのだ。
行動を決めたカサンドラは、無意識的に影の領域の時と同じ様にアーサーの手を引いて歩き出した。
アーサーの手に一瞬だけ妙な力が入ったが、丁寧に手入れをされているもののしっかりとした皮の厚みがあるカサンドラの柔らかい手を、骨ばった長い指が握り返す。
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