おいでませ!?DIVERPG世界でセカンドライフの時間だよ!

祁季みのる

文字の大きさ
7 / 27
■第1楽章:融合した世界

EPISODE 7:これからの方針

しおりを挟む




「そうだっ!!トネリコさんっ、怪我はないですか!?」


 オズワルドは、ハッとなりすぐにトネリコの側まで走ってくればチラッとレーヴェを見るがレーヴェは気にしている気配は無かった。


「アタシは、大丈夫だよ。首を掴まれただけだし」

「……少し、痣になっているじゃないですかっ…もっと、早くに到着していればっ」

「これぐらい、治療術式で簡単に治るから大丈夫……。それより、“副リーダー”は?」

「あぁ、それについては……ヴェイグさんが“ギャンブル”で殺していましたよ」

「へ???」


 オズワルドが此処へと来る数分前の出来事なのだが、無事に屋敷の中へと入ったクロム達は各自で分担する事にしていた。

 フェイトとロイドは、安全確保の為に裏口で奴隷として捕まった人達の逃げ道を作りに動いていた。クロムは単身で奴隷で捕まっていた場所で、追っ手の冒険者などを向かい撃って出ていた。

 その間、オズワルドとヴェイグは“アンドロメダガーデン”の“副リーダー”である“ナムル”と遭遇していた。


「あぁ、凄く良い感じの人達じゃないですか……ねぇ、ボクと楽しい事をしません?」

「はぁ?」

「明らかに、男色じゃん」

「俺、苦手なんですけど……」

「ははっ……」

「ねぇ、聞いているんですけど~?」

「……オズちゃん、ちょいちょい」

「なんです?ヴェイさん」


 ヴェイグはオズワルドを手招きで呼びつけてオズワルドの耳元で軽く何かを言えば、オズワルドは一瞬何かを考えたが“任せました”と言ってから廊下の窓を蹴破り外へと出ていく。


「あれ、1人行っちゃった……でも、おにーさんのが逞しそうっ」

「ははっ、それは嬉しい言葉なんだけどよ~?男のガキに言われても、オレは全然嬉しくもなんともないんだなー……リコちゃんなら、大歓迎だけども」

「おにーさん、女の子が好きなわけ?凄くカッコいいのに、女の子を追いかけるなんて勿体ない!」

「はははっ!」


 ヴェイグはナムルの言葉に軽く嘲笑うように笑ってから、トランプのカードをシャフルさせながらも1枚のトランプカードだけを取り出す。


「残念だけど、オレは一途なんでね」


 ヴェイグは取り出したトランプのカード“ハートのクイーン”をナムルに見せてから、何処となく妖しい笑みを浮かべてはトランプのカード“ハートのクイーン”に触れる口付けをする。
 それと同時にヴェイグの目の前に立っていたナムルの首が“何か”で切り落とされ、ナムルは何が起きたのか分からず身体が崩れていく。


「“ハートのクイーン”、“粛清のギロチン”……それが、当たるなんてカワイソウに……ククッ」


 ヴェイグはナムルの遺体を見下ろしてから、蹴破られた窓から外を見つめては懐から煙草を取り出して1本だけ出して口に咥えると勝手に火がついていた。


「“オレら”の気狂いってのは、いつ頃から存在していたのかなんて……それは、出逢いからに決まっているだろうに、な」

「あ、ヴェイさん!!此方にいたんですか!」

「クロムさん」

「あ、此方は片付いたんですか?僕の方も、無事に捕まっていた方々をフェイトくん達に託しましたよ」

「おう、此方は終わったぞー!オズちゃんは、リコちゃんが心配で先に外に向かったぜ」

「さ、流石……。じゃあ、僕らもトネリコちゃんの所に行きましょうっか!」

「おう~」


 ヴェイグはチラッとナムルの遺体を見てから先に走って行ったクロムの後をついていくと、外ではクロムとヴェイグ以外がトネリコの所に合流していた。


「これで、ちゃんと片付いたかな?」

「最後の“片付け”は、オレがしておくよ~リコ~?ついで、補給になるし」

「わかった。片付けが終わったなら、ちゃんとフラスコに戻ってきてね」

「おー」


 レーヴェはトネリコの額に口付けをしてから、レーヴェが屋敷の闇の中へと溶けて消え去ると同時に生き残っていたと思われる冒険者達の悲鳴と断末魔が聴こえてくる。


「片付けって、そっちかよ……エグっ」

「いや、ヴェイさんよりはマシなんじゃ……」

「クロムさん???」

「じゃあ、皆して拠点に戻って司くんの様子を確認しないとね」

「んじゃー、戻りますっか!」


 トネリコ達は屋敷を見てから転移の石を使って拠点に戻り、トネリコはベッドで眠っている司の様子を確認してみれば施されていたモノは消え去っていて治療も完璧に施す事が出来た。


「あとは、本人の体力次第だね」

「つかさ、もう、大丈夫なのっ?」

「うん、ちゃんと休んでいれば大丈夫」

「よかったぁっ……っ」


 パメラはベッドの端に寄りかかりながらも身を乗り出し、ベッドで眠っている司の手を掴んでは嬉しそうに笑みを浮かべていた。

 トネリコは世界で起きている現状は、明らかに何かが起きているのは確かなのだろうと考えていた。
 その理由としては、“人の感情”というより“欲”に何かが施されているかのように人々の感情の行く末が可笑しくなっているからだ。


(もしも、あの事件後に何か別の何かが起きていたとしたら?そうなると、“アイツ”が何かをバラ撒いたと考えていいのかもしれないけど)


 あの事件が起きてすぐは、此処まで酷い状態ではなかったのは“情報屋”から聞かされていた。
 その原因の原点は、何なのかは今だに不明確なままでいる。


(やっぱり、色々と調べるしかないかぁ…。じゃないと、“アイツ”を捜すのも殺すことも出来ない)

「リコちゃん、お疲れ様」

「あ…」


 ヴェイグは考え事をしているトネリコの頭に手を置いて、優しい眼差しでトネリコの頭を優しく撫でている。

 周りを見れば、いつの間にか廊下に出ていたのかトネリコとヴェイグしか居ない状態だった。
 それと、いつの間にかレーヴェは戻ってきていたのか腰に身に着けている大きめなフラスコの中身が戻って居た。



「ヴェイグさんも、お疲れ様!助かったよ、本当に」

「ふふっ、それはリコちゃんのお願いなら何だってするって」

「ヴェイグさんもオズくんも、本当に変わっているよね……レーヴェも、そうだけど」

「ん?なーにが?」

「三人とも、何でアタシなんかに絡んでくるのか分からなくて」

「んー、それは惹かれたから?」

「意味がわかんない」

「はははっ、そのままの意味なんだけどなー」

「それは、わかっているけど!」


 トネリコは納得いかずといった表情でヴェイグを見上げれば、ヴェイグはトネリコの顎に手を添えてはトネリコの唇に自身の唇を重ねては触れるだけの口付けをする。
 突然の事にトネリコが固まっていると、ヴェイグは悪戯っ子のように笑みを浮かべてからトネリコから離れる。


「って、いきなり何をして!?」

「ふふっ、わかっていない娘が居たから思わず?」

「もー……」

「んで、これからどうする?領土の整備は、するんだろうけど」

「まぁ、整備はするよ?人が住めるようには、住居を増やしたり店だって出来るようにもするし……結界があるから、魔物は入ってこれないから色々と作る予定ではある」


 トネリコは廊下の窓から外を見れば、日の出が上がっていて少し明るくなった空を見上げる。

 “難民の受け入れ”は、元々は受け入れをする予定ではあった。

 特に“チルドレン”と呼ばれてしまっている“第2世代”に対しては、本気で受け入れるつもりだ。
 彼らは“何の罪もない存在”であり、1番の“被害者”とも言える。


「“チルドレン”の子達は、特に居場所なんて無い扱いを受けている。何かの影響で、一部の人々の“欲”の枷が外れてしまったのは確かだし……その原因見つけたい。1番の目的は、“アイツ”を探し出すのが目的だけど……領土の主としては、それが1番の目的かな?」

「まぁ、そうだろうなー……リコちゃんやレーヴェの旦那にとっては、全ての元凶を探し出して“殺す”ってのが目的だな」

「うん。“アイツ”を捜すのも一苦労だと、思っているよ?あの“最後のダンジョン”も、何処に出現したのか分からないし……色々と“情報屋”から仕入れないといけないかな」


 世界が融合してから“本来のダンジョン”は、世界各地へと散らばったのは確かだろう。

 オズワルドが攻略に出向いた“東北地方ダンジョン”もその一つでもあるならば、土地が生きている“北海道”“関東地方”“関西地方”“九州地方”“沖縄”にもある可能性はある。

 それに、日本だけではなく他の国の土地にもある可能性はある。
 土地さえ生きていれば、外国の土地にも存在するのが““生きた”ダンジョン”なんだ。


「そうなると、一応オズちゃんが見つけていた“東北地方ダンジョン”も出向くのか?」

「うん、そのつもりだよ」

「まぁ、“生きた”ダンジョンなわけだし?オズちゃんの話なよれば、“東北地方ダンジョン”の核は見つけていないって言うからな」

「うん、だから見つけたら“壊す”」


 “ダンジョン”が存在していると、どんどん魔物が湧いてくるのは確実な話だ。
 ならば、魔物を減らすためにも“ダンジョン”の核を壊さないと意味がない。

 “ダンジョンの核”というのは、“深淵なるモノ”と呼ばれた存在の何かがなっている。
 以前のゲームの内容だと、七つのダンジョンが存在し“深淵なる七つの大罪”という存在が支配していた。

 トネリコ達が探している存在も“深淵なるモノ”であり、その“深淵なるモノ”の統轄者とも言える存在だ。


「ダンジョンが存在しているなら、何処かのダンジョンに“深淵なるモノ”は居るのは確実だろうからね。特に、“生きた”ダンジョンの中でも“特異な存在”となったダンジョンは怪しい」

「例えば?」

「“意志を持ったダンジョン”って言うのが、1番しっくりと来るかも」

「へぇー」

「何かの“目的”持ったダンジョンって、言い換えた方が分かるかな?例えば“暴食”ならば、糧となる存在を呼び寄せたり?“怠惰”ならば、その周辺の街などに影響を与えては人々の活力を奪ったり」

「そういえば、ゲームではそんな感じだったな……そういうダンジョンの側にあると、被害がとんでもなかったって奴だな」

「うん」


 “特異なダンジョン”ならば、その周辺の影響はとんでもないだろう。そうなると、“東北地方ダンジョン”も怪しいかもしれない。


「だから、一応“東北地方ダンジョン”も確認しないといけないね」

「おう、そうだな」

「オズくんとの約束もあるし、ちゃんと探索しないと……」

「約束?」

「うん。一緒に攻略する約束」

「あー、なるほど?」









NeXT
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

拾われ子のスイ

蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】 記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。 幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。 老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。 ――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。 スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。 出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。 清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。 これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。 ※週2回(木・日)更新。 ※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。 ※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載) ※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。 ※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』

透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。 「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」 そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが! 突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!? 気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態! けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で―― 「なんて可憐な子なんだ……!」 ……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!? これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!? ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

処理中です...