おいでませ!?DIVERPG世界でセカンドライフの時間だよ!

祁季みのる

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■第1楽章:融合した世界

EPISODE 15:その強い想いは

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 トネリコ達が転送石を使い到着した場所は、シャルロットの根城ともなる場所の近くにある丘の上だった。


「彼処が、シャルロットの根城だね」

「警備とか居るかもしれない、な」

「フェイトくん、此処から見えるかい?」

「んーと……?」


 “憩の工房(IKOIworks(いこいわーくす))”のメンバーの中でも、連距離関係の全スキルをマスターさせているのはフェイトだけである。
 そのため、鷹の眼の上位のスキルも習得済みである。


「…………居ない」

「え?」

「凄く静けさがあって、……人の気配がしない?いや、3人はいるのは確かなんだけど他の人の気配がしないんだ」

「……もしかして、なんだけどさ」

「ヴェイグさん?」

「アイツらは、レーヴェの旦那の事が制御が出来ていないんじゃないのか?だから、連れてきたのはいいが暴走した可能性もあるって所だろうな……オレ的な考えでは、な」

「暴走……」


 トネリコ達は城へと走って向かうと、大量の魔物が城門にて待機しておりトネリコ達に気付くと襲いかかってくるが、クロムが地面を思いっきし拳で殴りつけると地面は大きく亀裂が起きて鋭い突起物が生成され魔物達を貫いていく。


「此処は、僕とフェイトくんとロイドに任せてくれ!トネリコちゃんとヴェイグさんは、中へと向かってくれ!」

「こんな魔物ぐらい、俺等で楽勝っすわ!」

「必ず、レーヴェさんを連れ戻してきてや!トネリコさん!」

「うん、わかったっ……無理はしないでね」

「わかってますって!」


 クロムは自身の拳と拳をぶつけては不敵な笑みを浮かべては魔物の群れと突っ込み拳で殴り、フェイトはクロムのフォローのために弓で空にいる魔物などを射抜いていき、2人のタンクとしてロイドはツルハシを使っては土地を変形させて2人が戦いやすい場所にしたり壁を作って守ったりしている。


「あの3人なら、大丈夫だろ」

「ヴェイグさんが、そう言うなら大丈夫だね」

「ははっ!まぁーな?アイツらとは、長い付き合いだし……それに、クロムさんとは1番長いからこそ分かる。今のクロムさんは見た感じだとわからねぇーが、とんでもなくキレているのは確かだぜ」

「そっか」


 トネリコ達はクロム達を見てから城の中へと入れば、城の内部の広い場所へと出れば其処にはラムダが立っていた。


「ラムダ」

「………此処から先には、進ませるつもりはねぇーぞ」

「それでも、アタシは行かないといけないから。そういう約束、昔からレーヴェとしているから……だから、容赦はしないよ」

「ククッ、殺る気まんまだな?この姿でも、出来るってのか?」

「アタシは、出来るよ。例え身内だろうとも、害ある存在となるならば容赦なんてしない」


 トネリコは今までの杖とは違った鍵のような先端をさせた長い杖を取り出し、ラムダへと向けるとトネリコが何も言わずに“光の魔術式”が展開されると、光のレーザーのようなモノがラムダへと柱のように降り注ぐ。

 ラムダは驚きながらも避けてトネリコへと向かうが、ヴェイグが銃でラムダを撃ち牽制させてからトランプカードを1枚取り出す。


【“ダイヤのキング”】


 ヴェイグがトランプカード“ダイヤのキング”を取り出し投げると、燃えるような赤色で毛先がオレンジ色をさせたオールバックのショートで頭には金色の大きな王冠があり、ダイヤの瞳孔があるキツめのツリ目をした金色の瞳色をしている凄く背の高い男性がヴェイグの前に現れる。


「!?」


 ラムダは直感的にもヤバいと感じて動こうとするが、トネリコが拘束の術式をラムダに施していてラムダは動けずにいる。


「“レーヴェ”の動きは、長年の付き合いでわかっているから」

「てめぇっ!?」

「チェックメイトだぜ」


 金色の大きな王冠の男性は大きな盾と槍を出しては、大きな盾と槍をクロスさせるように重ねると重心をしっかりと持ち始めると“マナ”のとんでもないエネルギーをラムダへと一閃のように直線的に放つ。

 そうすると、直線的に放たれたエネルギーは城を貫通させて綺麗に喪失させていく。


「とんでもない、ね……ソレ」

「此処まで、強化されているとは思わなかったぜ……一種の兵器だな、コイツ」

「流石に、生きていないだろうね」

「……あぁ、気配が完全にないな」

「行こう、この上だと思うから」


 トネリコはラムダが居た所を見ては目を閉じて少しだけ考えてから、ヴェイグと共に上の階へと走っていくと廊下の惨状を見ながらも奥の綺麗な部屋へと足を進める。

 部屋と入れば此方を見ていたレーヴェと、ソファに座って足を組んでいるシャルロットが待ち構えていた。


「あらあら、早いご到着ねえ?もう少し遅かったら、愛を育んでいられたのに……本当に、空気が読めない女よねぇ?」

「それは、ソックリと返すよ。レーヴェは、返して貰うから」

「アハハハッ!!トネリコ、アンタに彼は殺せないてしょ!?戦えないでしょ!?だって、長い間の“相棒”なんだもの!!互いをわかっているからこそ、戦えるはずが」


 シャルロットが嘲笑って話している途中で、トネリコは先程のラムダに放った“光の魔術式”をレーヴェへと放っていたが、レーヴェは黒い何かで防ぐが黒い何かは光の柱で削り消される。


「なっ、な、……」

「出来ないって、どうして思えるの?さっき、ラムダにも言ったけど“害となるモノ”なら相棒だろうが身内だろうが………アタシは、容赦なく叩き潰すだけよ」

「酷い女ねっ!!よくまぁ、そんなんでレーヴェ様に溺愛されているなんてムカつくわぁ!!レーヴェ様に愛されるのは、ボクだけなんだからぁ!!お前は、さっさと死んでしまえ!レーヴェ様に!」


 シャルロットが激怒すると同時にレーヴェが素早く動き出して、トネリコへとダガーで攻撃をしかけるようとするがヴェイグが間に入り刀で防いでいる。


「よお、レーヴェの旦那?」

「……」

「あんなに、リコちゃんにアプローチしていたててのに簡単に惑わされるなんて……それだけのヤツだったわけだな?」


 ヴェイグはレーヴェへと回し蹴りを食らわせてからトランプカードを1枚取り出すと、レーヴェへと追撃するように大きめの黒い槍が放たれるがレーヴェは黒い何かの盾で防ぐ。

 ヴェイグの側には、黒い髪色で毛先がモスグリーン色をさせたウルフカットで、切れ長なツリ目をしたモスグリーン色の瞳色をしている青年が大きめの黒い槍を構えていた。


【“スペードのジャック”】


 黒い槍の青年は素早くレーヴェへと攻撃を何度も繰り返し、レーヴェは黒い何かの盾で防ぎながらもダガーで黒い槍の青年の首を切り落とす。


「容赦ないってわけだ、な。だけど、此方も容赦はしねぇーよ!“クローバーのジャック”」


 レーヴェの真後ろにモスグリーンの髪色をしたセミロングで後ろで軽く束ねており耳にはヘッドホンを身につけていて切れ長なツリ目をした緑色の瞳色をしている青年が現れては、黒い双剣と共に七つの黒い飛翔剣でレーヴェへと攻撃をするとレーヴェの両腕を切り落とすが、レーヴェの両腕は“超再生”で瞬時に元に戻る。


「……」


 その再生をした時にレーヴェは軽く頭かめクラついたが直ぐにヴェイグを睨みつけていたが、ヴェイグは睨まれようとも不敵な笑みを浮かべていた。


「なぁ、レーヴェの旦那。アンタが、そのままならって言うなら……オレはリコちゃんを貰うぜ?アンタが、リコちゃんを1人にしていくつもりなら本気で狙う」

「ヴェイグさん、何を言って……」

「オレだって、リコちゃんを愛しているって事だよ!」


 ヴェイグはトランプカードの束から1枚のカードを取り出すと、ヴェイグの傍らに浮いて現れたのは金色の髪色で毛先が赤色をした腰ぐらいの長さのフワっとした髪型で頭には小さな王冠と大きな薔薇が二輪あり、ハートの瞳孔があるツリ目をした暗めの紫色の瞳をした背の高い女性だ。

 王冠を身に着けたハートの瞳の女性は、満面な笑みを浮かべては両手を広げると同時に無数の見えない攻撃をレーヴェへと放ち続ける。


「………」


 レーヴェは見えない攻撃の中を見えているかのようにギリギリで避けながらヴェイグへと向かい、王冠を身に着けた女性の心臓をダガーで貫いてからダガーでヴェイグを狙うがヴェイグはギリギリで避けるが左肩を掠めて負傷する。


「っ……!!(相変わらず、速いだろっ)」

「ヴェイグさん!?」

「レーヴェ様っ、そのままソイツを殺してっ!!そうすれば、その女は絶望するはずなんだからっ!オズワルドの時のようにっ!!」

「っ……」


 トネリコは悲痛な表情をしながらも、どうにかしないといけないと首を振って鍵杖をレーヴェへて向けようとしたが、ヴェイグと戦っていたレーヴェがいつの間にかトネリコの前に来ていて回し蹴りを食らわされて鍵杖を手放してしまう。


「!?(しまっ……!?)」

「リコちゃんっ…!?」


 いや、これは自分への罰なのかもしれない。


(逆に、もうこれでいいんじゃないのかな?これで、清算されるなら安いもの……)


 彼を“化け物”にしてしまった、そんな自分への罰ならば彼の手によって殺されるべきなのかもしれない。


 トネリコが覚悟を決めて目を閉じるのだが何の衝撃も来なくて目を開ければ、レーヴェが吹きっ飛ばされて地面に手をついてレーヴェの頬には傷がついてレーヴェの右腕が切り落とされていて、トネリコを守るようにトネリコの目の前に立っていたのは暗めの青緑色と灰色のツートンカラーをさせたロングウルフカットで尻尾を三つ編みにしており、切れ長なツリ目をした左が青緑色と右が赤色のオッドアイの瞳色をした背の低い青年だった。


「手癖、悪くない?レーヴェさん」

「……」

「大切な人に、その牙を向けるというなら……俺が、全力でアンタを“躾けて”やるけど?」

「遅いぞー、“オズちゃん”」

「すみません、これでも急いで来たほうなんですけど」

「え…………?」

「トネリコさん、すみません。あとで、散々と罵ってもかまいません。寧ろ、罵ってくれ」

「え、いや、罵ることはしないけどっ」

「今は、あの女の始末とレーヴェの目を覚まさせてくるんで…………全力で来いよ、レーヴェ?じゃないと、今までとは違うからマジで殺すから覚悟しろ」









NeXT



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