彼女のために最強を目指す

しらす

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「二人で合格、やったね!」
俺の隣にいる彼女、河北夏奈は嬉しそうに俺の顔を見る。さっき大学の合格発表で夏奈と俺、上条和人は自分たちが合格していることを確認して意気揚々を帰り道を腕を組んで歩いている。
「ほんと嬉しいよ。勉強教えてくれてありがとな。」
俺は夏奈の頬に手を添える。すると夏奈はにっこりと笑って手に頬を摺り寄せてきてくれる。こんな愛しい彼女はもう一生出会えない。大学を卒業していい会社に入って必ず幸せにしてみせると決めた。
「さ!早く帰ってお母さん達に報告しよ!ここから駅まで競争ね!」
「お、いいね!負けないぞ!」
二人で走り出す。しかしやはり男女の体力は差が大きい。距離が開いてしまったため俺は少しスピードを落とす。そして夏奈に手を差し伸べる。



そのとき





『バリバリガッシャーン!!!』
少し先のコンビ二から黒い影がガラスが割れると同時に飛び出してきた。
「強盗殺人だ!逃げろー!!!」
慌てて出てきた店員らしき人が叫ぶのと同時に回りはパニックになる。そして俺の目の前までナイフを持って走ってくる。
「どけぇー!!!」
強盗はナイフを振り上げて俺めがけて降りかかる。







そこで俺の人生、時が止まった。









『プッ!』







切れる音がした。俺は腕を引かれて夏奈の後ろに移動していた。
俺ではなく夏奈が首を切られていた。



「う、うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



叫ぶ




駆け寄る



夏奈の体が冷たくなっていく



「ご……めん…ね………」
夏奈を抱いて泣きじゃくっている俺の頬に夏奈は手を摺り寄せる。



「しゃべんな!待ってろ!今救急車を…!」
そう言って携帯を取り出そうとする。しかし夏奈はもう片方の手で俺の襟を掴み首を振る。





助からない。



そう訴えている目だった。それも弱弱しく。



言葉を出せない俺は冷たくなっていく彼女を抱きしめる。


「ごめんな…ごめ…ん…な…!!」
何度も謝る。俺がもっと強ければ、もっと頭の回転が速ければ。もっと早く逃げていれば。




耳元で彼女は囁く。

「だい…じょう…ぶ……また……会えるよ…そのと…き…また…わた……し…を…あい…し…て?」
擦れそうな声で俺に語る。
「ああ、また会おう…今度は…もっと愛そう…!!!」
俺を言葉を聞くと彼女は笑顔で
「嬉しい…カズト君…大好き…」



















彼女は首から血を流しながら息をひきとった。





それから1週間。彼女の葬式も終わり、火葬されていった。
母の話だと強盗犯は捕まり死刑になったそうだ。
しかし俺の心はもうここにはなかった。





葬式の日から丸一日経った深夜、俺は車に引かれて死んだ。


彼女との幸せな生活をするために。
















意識は暗転した。






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