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(23)デートにしたかった男⑦
「勇者様!!」
前方へ跳躍したジョルジオが壇上手前で着地する。
ジョルジオの前方では勇者が映画に出て来た魔族さながらの服装の男性と剣で対峙していた。出現と共に勇者が防御結界を会場全体に張ってあり観客を守っている。
「皆さん、落ち着いて!落ち着いて下さい!!」
ジョルジオは動きたくても動けない観客を誘導した。素早く映画館側に連絡を入れ、会場は上映前よりも明るい照明に包まれる。
間を置かずに映画館の従業員も後方で観客を誘導した。
「店員さんの言う事に従って下さい!!地下に避難所があります!!勇者が保証します、指示に従って下さい!!」
張り上げる大音声は、いつものジョルジオからは想像も付かない。
人を従わせる何かが今の彼にはあった。
それまでの暗い画面から急に明るくなった周囲に追い付かない視界に戸惑いながらもケイトは上から下を見た。
下では観客が最初こそ混乱したものの、直ぐに規律良く避難をして会場を去って行く。ジョルジオが観客達を背に、前方を警戒しながら最後尾に付き従っていた。
壇上では勇者が自分よりも体格の良い大男と剣を撃ち合っている。途中で魔法を放ち合い、相殺させては撃ち合いを繰り返している。
魔族の大男が放つ攻撃魔法がケイトのいるロイヤルプレミアム席にも流れてきたが、見えない何かに弾かれて霧散していった。
「あ」
魔法防御壁!
初めて見る魔法にケイトが大きく目を見開いた。
見下ろせばスクリーンを背に空中戦になったり、椅子を蹴って飛び上がったりや、通路で剣を打ち合ったりをしている。
瞬く間に会場は攻撃魔法によって燃えている箇所があちらこちらであり、煙が上がり徐々に充満していった。
徐々に館内の気温も上昇し、視界も悪くなり始める。
「ケイトさん!!」
魔族と戦う勇者の姿に釘付けになっていたケイトの目の前にジョルジオが現れる。
ロイヤルプレミアム席に降り立つと
「早く地下へ行きましょう!」
「え?」
「何ボケっとしてるんですか!避難するんですよ、ここは完璧じゃないんです、死にますよ!!」
「え、まっ、でも、あ」
離れたくない。
このまま。
見ていたい、神様の面談の席で存在を知ってから初めて本物を見たのだ。
「いやだ」
手すりを掴む手に力がこもる。
視線をくれなくてもいい。
声を聴けなくてもいい。
自分を認識してくれなくてもいい。
「ケイトさん、行きますよ!」
手すりを掴むケイトの肩をジョルジオが抱いて退室を促す。ケイトはもっと手に力を込め、両足で踏ん張った。首を振り拒否を示す。
「いやだ」
「ケイトさん」
嫌だ。
ディオルさん。
「ケイトさん!」
「嫌だ、ここにいる」
ディオルさん。
「ここに貴方がいると思い切り戦えないですよ!分からないんですか!!」
ジョルジオに一喝され、怯んだケイトの手の力が弱くなる。ジョルジオはすかさずケイトの腕を掴んでドアへ向かった。
「嫌だジョルジオ君、死んでもいい、ここにいる…」
「バカな事言ってないで!」
ケイトは引き摺られる様に歩かされても顔はスクリーンのある方を向き続けた。
ディオルさん。
ドアが閉まる。
貴方の為に作られた俺なのに。
今俺は貴方の邪魔にしかならない。
本当の意味で。
もし死ぬのなら貴方に少しでも関係ある事で死にたい。何でもいい。
何でもいい。
前方へ跳躍したジョルジオが壇上手前で着地する。
ジョルジオの前方では勇者が映画に出て来た魔族さながらの服装の男性と剣で対峙していた。出現と共に勇者が防御結界を会場全体に張ってあり観客を守っている。
「皆さん、落ち着いて!落ち着いて下さい!!」
ジョルジオは動きたくても動けない観客を誘導した。素早く映画館側に連絡を入れ、会場は上映前よりも明るい照明に包まれる。
間を置かずに映画館の従業員も後方で観客を誘導した。
「店員さんの言う事に従って下さい!!地下に避難所があります!!勇者が保証します、指示に従って下さい!!」
張り上げる大音声は、いつものジョルジオからは想像も付かない。
人を従わせる何かが今の彼にはあった。
それまでの暗い画面から急に明るくなった周囲に追い付かない視界に戸惑いながらもケイトは上から下を見た。
下では観客が最初こそ混乱したものの、直ぐに規律良く避難をして会場を去って行く。ジョルジオが観客達を背に、前方を警戒しながら最後尾に付き従っていた。
壇上では勇者が自分よりも体格の良い大男と剣を撃ち合っている。途中で魔法を放ち合い、相殺させては撃ち合いを繰り返している。
魔族の大男が放つ攻撃魔法がケイトのいるロイヤルプレミアム席にも流れてきたが、見えない何かに弾かれて霧散していった。
「あ」
魔法防御壁!
初めて見る魔法にケイトが大きく目を見開いた。
見下ろせばスクリーンを背に空中戦になったり、椅子を蹴って飛び上がったりや、通路で剣を打ち合ったりをしている。
瞬く間に会場は攻撃魔法によって燃えている箇所があちらこちらであり、煙が上がり徐々に充満していった。
徐々に館内の気温も上昇し、視界も悪くなり始める。
「ケイトさん!!」
魔族と戦う勇者の姿に釘付けになっていたケイトの目の前にジョルジオが現れる。
ロイヤルプレミアム席に降り立つと
「早く地下へ行きましょう!」
「え?」
「何ボケっとしてるんですか!避難するんですよ、ここは完璧じゃないんです、死にますよ!!」
「え、まっ、でも、あ」
離れたくない。
このまま。
見ていたい、神様の面談の席で存在を知ってから初めて本物を見たのだ。
「いやだ」
手すりを掴む手に力がこもる。
視線をくれなくてもいい。
声を聴けなくてもいい。
自分を認識してくれなくてもいい。
「ケイトさん、行きますよ!」
手すりを掴むケイトの肩をジョルジオが抱いて退室を促す。ケイトはもっと手に力を込め、両足で踏ん張った。首を振り拒否を示す。
「いやだ」
「ケイトさん」
嫌だ。
ディオルさん。
「ケイトさん!」
「嫌だ、ここにいる」
ディオルさん。
「ここに貴方がいると思い切り戦えないですよ!分からないんですか!!」
ジョルジオに一喝され、怯んだケイトの手の力が弱くなる。ジョルジオはすかさずケイトの腕を掴んでドアへ向かった。
「嫌だジョルジオ君、死んでもいい、ここにいる…」
「バカな事言ってないで!」
ケイトは引き摺られる様に歩かされても顔はスクリーンのある方を向き続けた。
ディオルさん。
ドアが閉まる。
貴方の為に作られた俺なのに。
今俺は貴方の邪魔にしかならない。
本当の意味で。
もし死ぬのなら貴方に少しでも関係ある事で死にたい。何でもいい。
何でもいい。
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~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
※第33話を少し修正しました。
────────────
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