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(35)惚れ薬売ってます〜クーポン券から始まる不幸って④〜
都市伝説。
それは出所のはっきりしない噂の有り得ない内容に真実味を持たせ不安を煽る話。
わりと皆大好き。
現在ケイト不安中。かつ困惑中。
件のドリンク剤は大柄な成人男性の手の親指くらいの大きさの黒色をした小瓶であった。
じーーーーーっと陳列棚に並んでいる商品を見つめる。店舗の入り口すぐには冷蔵ケースにも良い場所をぶん取って並んでいた。暖冬とはいえ、寒い事には変わらないのに冷たい物を好んで買って飲む心理が分からない。まあ、確かにあの手のものは常温だと薬品特有の臭いとか味とかが際立つ。冷蔵するとそれが、やんわりと薄まる気がするのだから不思議だ。人工甘味料のこれでもかと入っいるのだって知っているのに甘みが感じられなくなるのだ。不思議だ!
でも甘いと言えばやはり甘いのだけれど。
後味が舌に残って甘死にしそう。
小瓶の商品名は『エナジーレンジャー』。
社畜王に俺はなる!ブラック企業オススメ!
とか書いてある。
なるな。
奨めるな。
更に"今ですとバレンタイン仕様でラベルをハートでいっぱいのシールで着せ替え!パステル調のファンシーでキュート?それとも赤黒紫のビビッドカラーでセクシー?取り敢えず義理用も感謝用ラベルもございます"
という言葉とともに着せ替え見本が飾られていた。
……バレンタインか。
その昔。魔王が生まれなかった空白の五百年の間にまだ力のあった神殿が手違いで異世界から一人の男子を召還してしまった事があった。神殿は色々と理由を付け、王家や関連からの質疑応答をのらりくらりと躱したが、結果として神殿は信用を落としてしまった神殿的、黒~い
歴史の1ページである。
さてその神子君はこの世界に自分の世界の文化を持ち込み、刺激を与えた。新しいものが好きなのは、どの世界も国も共通なのである。前の前の神子や聖女も、そういった面があったが、それよりも時代が進んでおり文化レベルが更新された形となる。
その異世界文化の一つに"聖バレンタイン"なるものがあった。
意中の相手に贈り物をして想いを伝える。
というものだ。
え、そのバレンタインって何?名前?誰?
こんな疑問も『神子文化でーす』の一言で万事解決!全世界が納得せざるを得ない魔法の言葉。
ずっと伝えたい伝えられないモヤッとした想いを、この日この時に一撃必殺で伝えるのだ。
ブラックレンジャーにはスタンダードモデルと他に"カロリー控えめ糖質制限"や"甘さ控えめ"
などもある。
いや、頑張りは認めるけど…。
企業があの手この手で売上げを上げようとしているのはや分かるけど。
どうしよう。
買った物が半額になるのはデジタルクーポン券があって、かつ、このドリンク剤を2本購入した時だ。でもって不幸も早く来る前にブロックしてしまわなければならない。ならは、選択の余地はない。けれど。
これ買ってもしょうがないんだよね、俺。
来月には総決算だから忙しいとは思うんだけどなあ。
むむむ。悩む。
眉間にしわを寄せて売り場を睨んでいると別の客がやって来て、迷う事なく瓶を数本がっと掴んでカゴの中へ放り込み、颯爽と去って行った。
ぽか~んとその様子を眺めていると、その客は電子レシートでなく、わざわざ紙のレシートを発行させてケイトの近くの店員の元へ行った。
何だろう?
妙に気になって、その様子を見つめる。
店員は背の高い厚みの薄い体つきをした黒髪の男性従業員だった。薄い肉付きの上半身に比例してか脚も長く細い。串みたい。従業員用の制服に黒色の脚にピタッと貼り付いてるかの様なカジュアルなズボンと黒の靴を履いていて、普段見る従業員とはどこか雰囲気が違う。
女性客はその店員の後をついて、バックヤードと思しき売り場の裏へ消えて行った。
なになに。何。苦情?
と言う事はあの従業員は店長やそれに準ずる権限を持ったクラスの人だと言う事だ。遠くから見た感じは若そうだったが、そもそも能力に老若男女は関係無い。
ふーん。
と片付けてケイトは目の前の問題に取り組む。悩んだ結果出した答えは『やっぱり買おう!』だった。半額に負けた。いいのだ、企業の策略に負けたのだ。負けて勝つのだ。
どれ、じゃ何かどれでもいいから2本……。
「何かお悩みですか?」
ごくごく至近距離に先ほどの従業員が立っていた。
それは出所のはっきりしない噂の有り得ない内容に真実味を持たせ不安を煽る話。
わりと皆大好き。
現在ケイト不安中。かつ困惑中。
件のドリンク剤は大柄な成人男性の手の親指くらいの大きさの黒色をした小瓶であった。
じーーーーーっと陳列棚に並んでいる商品を見つめる。店舗の入り口すぐには冷蔵ケースにも良い場所をぶん取って並んでいた。暖冬とはいえ、寒い事には変わらないのに冷たい物を好んで買って飲む心理が分からない。まあ、確かにあの手のものは常温だと薬品特有の臭いとか味とかが際立つ。冷蔵するとそれが、やんわりと薄まる気がするのだから不思議だ。人工甘味料のこれでもかと入っいるのだって知っているのに甘みが感じられなくなるのだ。不思議だ!
でも甘いと言えばやはり甘いのだけれど。
後味が舌に残って甘死にしそう。
小瓶の商品名は『エナジーレンジャー』。
社畜王に俺はなる!ブラック企業オススメ!
とか書いてある。
なるな。
奨めるな。
更に"今ですとバレンタイン仕様でラベルをハートでいっぱいのシールで着せ替え!パステル調のファンシーでキュート?それとも赤黒紫のビビッドカラーでセクシー?取り敢えず義理用も感謝用ラベルもございます"
という言葉とともに着せ替え見本が飾られていた。
……バレンタインか。
その昔。魔王が生まれなかった空白の五百年の間にまだ力のあった神殿が手違いで異世界から一人の男子を召還してしまった事があった。神殿は色々と理由を付け、王家や関連からの質疑応答をのらりくらりと躱したが、結果として神殿は信用を落としてしまった神殿的、黒~い
歴史の1ページである。
さてその神子君はこの世界に自分の世界の文化を持ち込み、刺激を与えた。新しいものが好きなのは、どの世界も国も共通なのである。前の前の神子や聖女も、そういった面があったが、それよりも時代が進んでおり文化レベルが更新された形となる。
その異世界文化の一つに"聖バレンタイン"なるものがあった。
意中の相手に贈り物をして想いを伝える。
というものだ。
え、そのバレンタインって何?名前?誰?
こんな疑問も『神子文化でーす』の一言で万事解決!全世界が納得せざるを得ない魔法の言葉。
ずっと伝えたい伝えられないモヤッとした想いを、この日この時に一撃必殺で伝えるのだ。
ブラックレンジャーにはスタンダードモデルと他に"カロリー控えめ糖質制限"や"甘さ控えめ"
などもある。
いや、頑張りは認めるけど…。
企業があの手この手で売上げを上げようとしているのはや分かるけど。
どうしよう。
買った物が半額になるのはデジタルクーポン券があって、かつ、このドリンク剤を2本購入した時だ。でもって不幸も早く来る前にブロックしてしまわなければならない。ならは、選択の余地はない。けれど。
これ買ってもしょうがないんだよね、俺。
来月には総決算だから忙しいとは思うんだけどなあ。
むむむ。悩む。
眉間にしわを寄せて売り場を睨んでいると別の客がやって来て、迷う事なく瓶を数本がっと掴んでカゴの中へ放り込み、颯爽と去って行った。
ぽか~んとその様子を眺めていると、その客は電子レシートでなく、わざわざ紙のレシートを発行させてケイトの近くの店員の元へ行った。
何だろう?
妙に気になって、その様子を見つめる。
店員は背の高い厚みの薄い体つきをした黒髪の男性従業員だった。薄い肉付きの上半身に比例してか脚も長く細い。串みたい。従業員用の制服に黒色の脚にピタッと貼り付いてるかの様なカジュアルなズボンと黒の靴を履いていて、普段見る従業員とはどこか雰囲気が違う。
女性客はその店員の後をついて、バックヤードと思しき売り場の裏へ消えて行った。
なになに。何。苦情?
と言う事はあの従業員は店長やそれに準ずる権限を持ったクラスの人だと言う事だ。遠くから見た感じは若そうだったが、そもそも能力に老若男女は関係無い。
ふーん。
と片付けてケイトは目の前の問題に取り組む。悩んだ結果出した答えは『やっぱり買おう!』だった。半額に負けた。いいのだ、企業の策略に負けたのだ。負けて勝つのだ。
どれ、じゃ何かどれでもいいから2本……。
「何かお悩みですか?」
ごくごく至近距離に先ほどの従業員が立っていた。
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~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
※第33話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
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