13 / 214
第一章 転生、そして冒険者に
#13 三獣姫との出会い
しおりを挟むおつりの大銀貨6枚と激励を受け取り、軽く頭を下げてお店を出ようと出口へ…見た目装備も揃って、もうルンルン気分でドアに手を掛けようとしたら、勝手に開いた…と、なんだお客さんが入ってきたのか。
「っと、すみません」
「…」
…なんか入り口塞がれて無言で見つめられてるんだけど…俺の方が背が高いからそれなりの上目遣いで。
「……」
「あの…すみません、出たいんですが…」
「………」
いや、何か言って。
「…………」
「ええと…聞こえてますか……?」
「……………」
なんだこれ。
微動だにしないんだけど。
「…退いてくれないでしょうか…?」
「………………」
って、おーい埒が明かん、もう俺が退けばいいのか。
店内そんなに広くないから先に出て邪魔にならないようにと思ったのに…しょうがないから一旦店の中に後退りながら戻ったら、目線外さず追随してくるし。
「…………………」
いや、ホントなんだこれ。
何がしたいのかさっぱり分からん!
「あの、お店の中、入りましたよ…?」
「……………………」
いや、だから、なに?店に用事あった訳じゃなくて俺に用事があるのか?でもどう見ても初対面なんだけど…白黒縞模様っぽい獣耳と尻尾で、革製のブレストガードと軽装備な、目付きの若干鋭い娘さん!
「あのぉ…何か言ってくれませんかね……」
「………………………」
これはあれか、目を逸らしたら負けとかなのか?試しにギアンテのおっちゃんの方を向いて助けを求めてみるか…。
「…ギアンテさん、これどうにかして……」
「よっしゃ!アタイの勝ちだなっ!」
やっぱりか…見ず知らずのやつに黙って勝手に勝負事吹っ掛けるなよ……意味分からなくて怖いっつーの!
「何をやっとるんじゃ、冷やかしならいらんぞ!」
「あぁ、悪い悪い、ついいつもの癖でなー。ちゃんと用があって来たぞ!」
癖なのかよ…なに、初対面のやつには必ずやるって?変な癖持ってるな…俺じゃなかったら喧嘩に……って、そういうことか、コイツ喧嘩売ってたのか!見境無しに誰にでも喧嘩売るとか、ちょっとヤバいんじゃないか?まったく…。
「アーちゃん~ダメだよぉ~その癖ぇ治さないとぉ~、アーちゃんとぉパーティー組むのぉ辞めちゃうってぇ~言ったでしょぉ~」
入り口からまた誰か入って来た…コイツの仲間っぽいな。
黒長い獣耳で神官っぽい服装のおっとりした雰囲気を醸し出してる娘さん…喋り方もまんまおっとりだった。
「アーネ、いい加減にしときぃな、ウチらホントにいい迷惑しとるんやし」
そしてもう一人、茶白のふさふさした獣耳で、ローブに身を包み杖を持った独特な喋り方する娘さん…全員ケモミミで女性だっだ。
パーティーって言ってたし、この店に来たってことは冒険者なんだろうけど、えらくバランス悪いような気が…見た感じ前衛職がいないんじゃないか?見ず知らずだけど大丈夫なのかって心配になっちまうわ。
ちなみにこれ、ゲーム知識だから当てはまるかは別だと思うけどね。
「あんだよ、ちょっとくらいいーじゃねーか。どうせケンカになったってアタイが勝つんだしなっ!」
これまたスゴい自信だな…まぁ、俺は見るからに軟弱そうだってことなんだろうけど……でもこっちはこっちで闇黒魔法があるから負けはしないけどな、面倒くさそうだから勝つつもりも更々ないけど。
「それじゃ、自分はこれで…ギアンテさん、また」
これ以上関わり合いになると、それこそもっと面倒くさいことになりそうだと思ったから、そそくさと出口へ向かおうとしたら、
「おい、ちょっと待てや、あんちゃん」
アーネって呼ばれてたやつに肩掴まれて呼び止められた…俺の方はもう用事終わったんだから早く退散させてくれよ……。
「な、なんでしょうか…?」
「あんちゃん、この辺じゃ見かけない顔だな…どっから来たんだ?」
「自分は今日この街に来たばかりの漂流者なんですが…」
「あー漂流者だったのか、道理で見ない顔だと思ったぜ。んじゃアタイらのことも知らねーんだろ」
なんだ?もしかして結構な有名人なのか?まぁ、当然知らないんだけど。
「ええと、はい、知らないですけど…」
「んじゃ、教えといてやるよ!アタイらはな…」
「人の店の中で何グダグダ喋っとるんじゃ!用がないならとっとと出ていかんかいっ!」
うぉ!ギアンテのおっちゃんがキレた!そりゃそうか、防具屋に来て防具見ないとか客でも何でもないしな…って、いや、俺は帰ろうとしてたんだけれども!
「ほらぁ~アーちゃんのせいでぇ~またぁ怒られたぁ~」
「ウチもう嫌やわ…マール、やっぱりアーネはパーティーから外さへんか…?」
「ちょぉっ、待って待って!すまんアタイが悪かった!おっちゃん、ちゃんと用があって来たから!」
なんだよ…ちゃんと用があるなら俺になんて構わなけりゃいいのに……何がしたいんだコイツは。
「だったらサッサと用件を言わんかい、全くこの三馬鹿娘は…」
ギアンテのおっちゃんはコイツ等の事知ってるっぽいな…でも三馬鹿娘とか、これあれだな、悪い意味で有名な娘達だな、多分。
明日ラナさんにでも聞いてみようか?
「いやぁ、ちょっと前衛張れるっぽいヤツ見かけたからついさー」
「なんじゃ、まだ見つかっとらんかったのか。まぁ、三馬鹿娘のパーティーなんぞに入る馬鹿がいるとは思えんからなぁ、ぶぁっふぁっふぁ!」
「おっちゃん酷ぇ!そこまでバカバカ言うこたねぇだろっ!こっちだってこれでも必死なんだよっ!このままじゃマジで冒険者廃業になっちまう…」
んー何やらワケアリっぽいが…これ、話聞いたらマズいような気がしてきた……俺の性格的にほっとけない方向になりそうで。
「えーと、自分はもういいですかね?この後まだ予定があるので、この辺で…」
「あー、そのー、何だ、呼び止めて悪かったな…あんちゃん冒険者になったんだろ?だったらギルドで顔合わせることもあるだろうから、その時にでもゆっくり話しようぜ!」
え、どっちみち話聞く流れなの、これ。
これは…なるべくギルドで顔合わせないように避けた方がいいのか…?面倒に巻き込まれないように。
「アーちゃんはぁ~もぅ強引なんだからぁ~。でもぉ~私もまた会えたらぁ~お話したいかなぁ~、せっかくぅ漂流者の人とぉ知り合えたしぃ~」
「ウチも漂流者の話なら聞いてみたいわ、こんな機会滅多にないやろうし」
「だろだろ?ほら見ろアタイいい仕事してるじゃねーか!だからパーティーから外すとか言わないでー!」
「何がいい仕事じゃ、たまたま今回吹っ掛けたのが漂流者だっただけじゃろうが。お前さんも災難じゃのう、こんな馬鹿娘共に気に入られて」
ん?これ気に入られてるの?そうは思えないんだけど…でも全員話したいのか、ただなぁ…女の娘に囲まれて話とか今の俺じゃ無理っぽいんだけどなぁ……ステータスのせいで。
別に嫌ってわけじゃないんだけどな、断じて。
「これで気に入られたのかどうかはちょっと分からないですけど、とりあえずまたお会いできたらお話しましょう、ということで?」
「そーゆーことだなっ!ま、よろしく頼むぜ!アタイはこのパーティー『三獣姫』のメンバー、アーネルミルヴァだ、アーネでいいぜ!職種はスカウトだっ」
「私はぁ~マールオリザロレッタですぅ~、マールって呼んでくださぃ~。アコライトやってますぅ~」
「ウチはシータフィオラシス、シータって呼ばれとる。職種はマジックユーザーや。一応このパーティーのリーダーやね」
自己紹介までされてしまった…また会う気満々ってことですね……いや、しかし三獣姫って、自分達で姫とか言っちゃってるけど、いいのか?それ…。
3人とも美少女って言われてるであろう容姿を持ってるから、まぁ間違ってはいないとは思うけど…そしてやっぱり前衛いなかったし。
「…自分はナオトと言います。先程冒険者登録したばかりです。職種は…魔法剣士ですけど」
「「「魔法剣士(ぃ~)!?」」」
「なんじゃお前さん、魔法剣士じゃったのか、また珍しい職種じゃのう」
うーん、やっぱりこの世界ではあんまりいないのか…正確には魔法剣士じゃないから、まぁ、確実に俺しかいないわけだが。
似たようなヤツがいるってのはさっき分かったけど…俺みたいに厨二病全開の職種なことは確定的に明らかだし。
…ん?何だ?三人娘が固まってボソボソ相談し始めたぞ…一体何なんだか……。
──ボソボソッ
「おいおいおい、魔法剣士だってよ!ヤローだけどこれはイケんじゃね!?」
「あー、ウチも思ったわ、しかも漂流者やん…この際贅沢は言ってられへんし、性別とかは目瞑ってもええんちゃうか?」
「そうだねぇ~私もぉ~いいんじゃないかなぁ~ってぇ~」
「んじゃ予定変更か?マール肉壁前衛作戦は無しってことで」
「いや、でも彼がウチらのパーティーに来てくれるかどうか分からへんし…」
「何言ってんだよ!アタイら『三獣姫』だぜっ!獣人の女が3人もいるんだ、入るに決まってんだろーが!」
「アーちゃんのぉ~その自信はぁ~どこからぁ来てるのかなぁ~?」
「アーネの自信はともかく、なら方針として出来る限り彼を引き込むってことでええか?」
「おう!それでいこうぜっ!」
「うんうん、それでぇいいよぉ~」
な、なんだ?全員こっち向いて…相談事がまとまったのか?っていうか全員眼が光ってる…うわ、何か背筋がゾクゾクしてきた!あ、相談してる内に帰ればよかった……アホか俺。
「まったく、何なんじゃ三馬鹿娘は。また碌でもないこと考えとるんじゃろうが…お前さんも気を付けといた方がええぞい」
「あー、そうですね…でも何となくですけど、もう手遅れのような気もしますが……」
「まぁそうじゃなぁ、あの三馬鹿娘に会った時点でどうしようもないかものぉ…」
「ですよねーはははっ…」
完全に帰るタイミングを見誤った…何かに巻き込まれる未来しか見えない……。
「おぅ、ナオトって言ったよな?わりーんだけどよ、ちぃーっと付き合ってくれねぇかなぁ」
「え、お断りしますけど」
「んじゃ、ちっとそこの茶店まで…って、はぁ!?」
「いや、さっきこの後予定あるって言いましたよね、自分」
アーネってやつ、人の話聞かないタイプだな、オラオラ系だし当たり前っちゃ当たり前か。
「なんじゃ、用事は小僧に変わったのか?だったらとっとと出ていかんかい。こう見えてワシも忙しいんじゃ」
「ナオトはん、ウチからもお願いします、ちょっとだけ話出来ないやろか…」
う…そんな獣耳シュンとさせて、うるうるの上目遣いなんかされたら、断れるわけないじゃんか……あぁ…なんかこっちきてから俺、ホント弱いな、こういうのに………。
「…はぁ……分かりました、少しだけなら付き合いますよ……」
「!?ありがとなっ、おおきにっ!」
今度は獣耳ピンってなって喜んでるし…ラナさんといい、このシータって娘といい、獣人って獣の部分で感情出し過ぎじゃないか…?可愛すぎだろ、ホント……。
「とりあえずギアンテさんの邪魔にならないようにここを出ましょう。ギアンテさん、すみませんでした、今度こそこれで失礼しますね」
「おう、なんか知らんが三馬鹿娘を引き取ってくれるんなら文句はないわい。今度来た時は茶でも出してやるぞい」
「なんか釈然としねーが…まぁとりあえずはいいか。おっちゃん、騒がしくして悪かったな、アタイらもまた今度来るわ」
「すみません~お邪魔しましたぁ~」
「ギアはん、また今度よろしく」
「分かった分かった、とっとと行ってこい」
「んじゃな!」
ギアンテのおっちゃんに軽く会釈して、三馬鹿娘が出て行った後に俺も付いてった。
16
あなたにおすすめの小説
絡みあうのは蜘蛛の糸 ~繋ぎ留められないのは平穏かな?~
志位斗 茂家波
ファンタジー
想いというのは中々厄介なものであろう。
それは人の手には余るものであり、人ならざる者にとってはさらに融通の利かないもの。
それでも、突き進むだけの感情は誰にも止めようがなく…
これは、そんな重い想いにいつのまにかつながれていたものの物語である。
―――
感想・指摘など可能な限り受け付けます。
小説家になろう様でも掲載しております。
興味があれば、ぜひどうぞ!!
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
【状態異常耐性】を手に入れたがパーティーを追い出されたEランク冒険者、危険度SSアルラウネ(美少女)と出会う。そして幸せになる。
シトラス=ライス
ファンタジー
万年Eランクで弓使いの冒険者【クルス】には目標があった。
十数年かけてため込んだ魔力を使って課題魔法を獲得し、冒険者ランクを上げたかったのだ。
そんな大事な魔力を、心優しいクルスは仲間の危機を救うべく"状態異常耐性"として使ってしまう。
おかげで辛くも勝利を収めたが、リーダーの魔法剣士はあろうことか、命の恩人である彼を、嫉妬が原因でパーティーから追放してしまう。
夢も、魔力も、そしてパーティーで唯一慕ってくれていた“魔法使いの後輩の少女”とも引き離され、何もかもをも失ったクルス。
彼は失意を酩酊でごまかし、死を覚悟して禁断の樹海へ足を踏み入れる。そしてそこで彼を待ち受けていたのは、
「獲物、来ましたね……?」
下半身はグロテスクな植物だが、上半身は女神のように美しい危険度SSの魔物:【アルラウネ】
アルラウネとの出会いと、手にした"状態異常耐性"の力が、Eランク冒険者クルスを新しい人生へ導いて行く。
*前作DSS(*パーティーを追い出されたDランク冒険者、声を失ったSSランク魔法使い(美少女)を拾う。そして癒される)と設定を共有する作品です。単体でも十分楽しめますが、前作をご覧いただくとより一層お楽しみいただけます。
また三章より、前作キャラクターが多数登場いたします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる