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第六章 激震、マーリレンス大陸
#27 もうどうにも止まらない
しおりを挟むアコがワケの分からない返答をしてきた…いや、本当は分かってるんだけれどもっ!
「あらっ、その返しだと…めでたく私もハーレム入りしたってことでいいのかしらっ?」
「[その通りです]」
「そうなのねっ!ということらしいわっ、ナオトっ、それにみんなもよろしくねっ!」
「まぁ、ウチらはもう分かっとったけどな」
「だよなー。これで入ってない方がおかしいっての」
「リーちゃん~よかったぁねぇ~、ふふっ」
「………シルファ…も……一緒……………」
「そうだねっ。嬉しい?」
「……(コクコクっ…。……嬉し、い…な…………」
「また一緒ね、よろしくっリーオルっ!」
「もうアレだろ、今ここにいるみんなそれでいいんじゃないか?兄さん」
「シャリー……お前もか……………」
増やそうとして増やしてるわけじゃないのに勝手に増えてって、それがさも当然のことのように言ってくるし…もうそれでいいとか少々投げやりじゃないか?まぁ、シャリーだからってのもあるだろうけど…。
「実際問題どうなってるのー?ナオト」
「あっ、称号見れば分かるのかぁ。じゃあお兄さん見てみてよーっ」
「…いや、ちょっと見るのが怖いんだよ……今回に限っては」
「何か問題でもあるのでしょうか…?」
「問題というか、ほら、護璃と攻瑠美はさ…みんなと違って勇者として召喚されてきたわけだし、目的達成したら元の世界に戻れるだろ…?だからこの変な称号に巻き込みたくないというか……」
「巻き込むって、あれだぞ?それ私らの意思でこうしてるんだからな?勇者だろうがその称号に入ってるってことはクルミやマモリの意思がちゃんと乗ってるってことじゃね?」
…ファミの言ってるそれがイマイチ信用出来てないんだよな…俺の中ではもうほぼほぼ魅了系のスキルか何かじゃないかとしか思えない効果なわけで…現在進行形で眼前に存在して艶やかに展開されている美の祭典がその最たる証拠だと…。
でも彼女達は自らの意思でここにいると言い張ってるし…まぁ実際魅了されている様子はないし、俺のいいなりになったりとか、服従したりとかにはなってないからなぁ…。
こんな考察しても、結局称号は見ないといけないってのは分かってますが。
シルファの件もアコが言ってるだけで本当かどうか…見るまでも無く真実を述べているんだろうけどな、コイツがこんな冗談言うわけ無いし。
「……分かったよ、ちゃんと見て確認します…。攻瑠美、護璃」
「「ひゃっ、ひゃいっ!」」
「…………え、ちょっ、何でそんなに焦ってるわけ…?」
「べべ、別に焦ってな、なんかっ、ないよっ!」
「そ、それ…本当に見るん、ですか……」
「………まさか…冗談ではなくて?」
「「…………」」
[真実は全てここに。刮目してください]
[対象者:遊佐 尚斗の称号を表示]
【ステータス(隠蔽中)】
《識別》
名前:遊佐 尚斗
《称号》
転生者
厨二病疾患者(再発)
寝取られし者
獣に目覚めし者
幼女を愛でし者
竜に跨がりし者
神に愉悦を齎す者
救いを好意に変えし者
精霊に愛されし者
勇者を見護りし者
吸引者(異性限定)
熟練冒険者
(誰もが認める)ハーレムマスター
メンバー(メイン):
シータフィオラシス(食事番筆頭)
アーネルミルヴァ(切込隊長)
マールオリザロレッタ(癒しの黒兎)
リーオルエレミネア(ハーレム騎竜)
ラーナミラルティア(守護番犬)
リーズロルトミニィ(ミニマム組統括(拡大中))
ヒーナリナリィ・ルナ・リリエンノルン(心のオアシス一号)
ティシャルフィータ・ソル・グリュムセリナ(心のオアシス二号)
ファルシェナ(夢中ハーレム管理者)
ウェナヴェナルーチェ(お気楽ムードメーカー)
アコ(目下自立行動中)
エクリィータ(ほらっ、早く考えてる事実行してっ!あ、全員連れてくるの忘れないでよねっ!)
響 魅音(ハイテンション歌姫)
マミーナシャリーナ(冴悪魔)
ニナストリィミア(小気理)
ファミールレティル(呶天使)
ニアネスラヴィア(マイペース蒼竜)
エマージュノーティス(生真面目メイド頭)
チェルシオルネア(悪戯メイド一号)
キャムナトロニエ(悪戯メイド二号)
コロネロコロン(シャイメイド)
邪狼(無口従者一号)
邪鴉(無口従者二号)
メイガースラックミース(矮人鍛冶娘)
ミルラテラノ(食事番見習い)
シャリータフォーレリカ(気怠げ味見番)
ジィナシィナリーティ(御庭番)
シルファミリアネス・ウィンディア(←new!)
楯 攻瑠美(←new!)
御剣 護璃(←new!)
ペルーチカマーシャ(←new!)
チューチュナーデ(←new!)
メンバー(サブ):
カティリアーナ(優しいお兄ちゃん)
「…………………………………」
「私が入った時点で勇者番は確定でしょ?だからそんな気にする事ないわよっ」
「ってことはっ!くるみんもまもりんも一緒なんだねーっ!」
「ペルちゃんとチュチュちゃんはどうなのかなぁ?」
「うーん…多分クルミやマモリがいたからだと思うけど、そこまであからさまな感じは見せてなかったよね…。でもわたし達と同じ獣人だし二人ともきっと……」
「おい、なんか言えよナオトっ。その顔見りゃ聞くまでもねーのは分かってんだけどよっ」
「ナ~オ~ちゃぁ~ん?」
「…………………………………」
「なんだ、そんなにショックなのか兄さん」
「なにがショックなのさー?嬉しいことしかないじゃないのさーっ」
「ほら、ナオトさんさっき言ってたでしょ?二人は勇者だからって…。それでこんなになってるんだと思うよ…?」
「もうこうなっちゃったんだから事実として受け入れなさいよ?ナオト」
「おーいっ!お兄さーんっ!」
「…………………………………」
「ヒナリィ、ティシャ。ちょっとナオの事元に戻してやってくれへんか?」
「どうやってー?」
「二人でナオトの頭ギューってしてやればいいと思うー」
「あ、はい…やってみますね………」
ムギュー
「…………っ!?」
あれ…?俺は一体何を……って、何で裸のひぃとティシャに頭抱えられてるんだ??いや、でもこれめっちゃ癒やされるな………っ!?じゃなくてっ!!
「どうやらお戻りになられたようですね…」
「大丈夫なのです…?ナオト兄様……」
「でも一気に顔が緩みましたね…」
「ティシャ様とヒナリィ様は流石としか」
「やはり幼児体型が好みなのでしょうね」
「そこの双子っ!違うからなっ!こんなの誰がやってくれても戻ってこれるわっ!」
「リオちゃんとワタシで挟んであげればよかったかなー?」
「……やって、みる…?……………」
「いやもう戻って来たからヤメてっ!?」
そんなことされたら本当に戻って来れなくなるわっ、天にも昇る心地で窒息しますからねそれっ!
しかしそれにしても…どうするんだこれ……っていうか相手が漂流者の勇者でも効くってどういうことだよ……まぁ多分この勇者用の称号のせいだとは思うけど…。
やっぱりあれだろうな、護璃達の代わりにケージと戦ったからだろうな…思いっ切り庇ってたし。
ペルとチュチュは…攻瑠美や護璃達に気でも遣ってたのか?獣人だから姫達みたいに獣人用の称号の影響受けてたのは分かるけど、あまりそれっぽい感じはしなかったんだけどな…。
でもこれで俺も勇者達に付いて行くの確定しちゃったな…全大陸回るのか……。
まぁリオがいるからいずれはいろんな大陸回ってみようとちょっとは考えてたけど、こんなに早く実行に移すことになるとは…。
「えっとぉ…尚にぃ……。その、ごめんなさい……」
「…どうして攻瑠美が謝る?むしろ俺が謝る方だと思うんだけど……」
「だって私達、勇者なのにこんな……」
「いや、正直言うとこの先も多分二人のこと放っておけなかっただろうから、遅かれ早かれこうなってたかもしれないって…。でも二人はその、いいのか…?」
「ボクは…それでも尚にぃが側にいてくれるならいいかなって……。尚にぃ達といて、ボク達だけじゃ無理かも、ってちょっと不安になってたから……」
「私も、尚兄さんの側が凄く安心できて…こうなったら尚兄さんは私達の事、見捨てないでちゃんと助けてくれるだろうなって打算的な部分もあったりして…。こんなの勇者失格だって分かってるんですけど、それでも…一緒にいたいなって……」
「いーんじゃねーの?それで。勇者とかそんなの気にしねぇでよ、いたかったら側にいりゃいーんだよっ」
「せやな、それでええと思うで?」
「……いいんでしょうか…。こんな私ですけど、皆さんは……」
「ここにぃいるぅ~みんなはぁ~、大体ぃそんな感じぃ~だとぉ思うよぉ~」
「そうだねぇー、お兄さんなら何をおいてもわたし達のこと助けてくれるって分かってるしっ!」
「私もそうです…実際ナオト様に助けられた身ですし」
「アタシは楽しめそうだからいるだけだけどな」
「シャーはちょっと黙っててっ」
「でも漂流者って、その、独占欲とか強いって聞くけど、わたし達がいても大丈夫なの?」
「…こんな人達の中でボクが独り占めとか絶対に無理だから。そんなことするくらいだったらボクもみんなと仲良くなって、尚にぃと一緒にいた方がいいし」
「…こうでもしないと尚兄さんと一緒にいられる自信が無かったので……」
「……別にこうしなくたって、もう二人の事は仲間だと思ってたから大丈夫だったのに」
「ま、なっちまったんだからもういいんじゃね?ナオトだって嬉しくないわけじゃないんだろ?」
二人共ここにいてもなんら遜色無い可愛さを持つ勇者ですからね…自信無いって言ってるのは当然強さ的な意味ですよね?もしこの中に自分がいることに対する自信とかだったらそれは全く無意味だと思うくらい、みんなの中に溶け込んでるんですが…。
しかしまぁあれか、魔王との力量差を前にして少し弱気になっちゃった所へ俺が我慢出来なくて割って入って上手い具合にケリを付けたから、それを見て少なからず思うところがあったってとこかな…。
後はこのハーレム…俺と皆がこんな感じだから一般的なハーレムとはちょっと違う?とか思われたりしたのかな…いや、一般的なハーレムっていうのがよく分からないけど、俺の知ってるハーレムはこんなんじゃないと思う…もっとこう、堂々としてるんだろうなって。
全員俺の嫁だぜっどうだ羨ましかろうっ!あんなことやこんなことだって好き放題やっちゃってもいいんだぜ、へっへーっ!とか、ちょっと嫁同士でドロドロしちゃって主人が力尽くで纏めちゃったりとか、まぁ主人にベタ惚れな点はどんなハーレムでも変わらないのか…。
その惚れられている部分が完全に納得いってないからこんな中途半端な感じになってるんだし…いや、そもそも大前提として俺はハーレムなんか求めてなかった、あれは創作物の中だけの話であって実際にはあり得ないと、ちゃんと想像と現実の区別はつけてたからな…異世界に来たからって元いた世界の考え方や価値観がそうそうすぐ覆るわけもなく。
流石に生命の危機に関わる部分はすぐ認識したけど…。
で、つまり何が言いたいのかというと…現役JKから俺と一緒に居たいって言われて嬉しくないわけがない、と。
ファミの言う通りですね、はい。
「いや、まぁ、当然そうだけど……」
「とりあえずこうしてもうみんなで裸の付き合いしてるんだしー、ここにいるみんな一緒ってことでっ!ペルちゃんとチュチュちゃんは何か言いたいことあるー?」
「クルミとマモリがそれでいいなら何も言うことはないっちゅっ」
「ていうかもう遠慮しなくていいのにゃーっ、ナオにゃーんっ!」
「うわっ!ちょっ、待ってランとイアがいるしっ!」
皆が居る湯槽をジャバジャバ掻き分けて、ランとイアの間に無理矢理座ってきたペル…そしてお互い裸なのもお構い無しで顔をスリスリしてくる、俺の胸板に。
なんか猫みたい…ってそうでした、ペルは猫でした…ゴロゴロ言い出しそうな勢いだし。
ペルも小柄な方だからランとイアが居てもギリ俺の足に座れるけど、流石に位置的にマズいのでちょっと止めてほしい…。
「あ、やっぱりそうだったのね、二人とも」
「これでここにいる全員が晴れてメンバーってわけやな」
「しっかし増えたなぁ…最初はアタイらだけだったのによぉ」
「私たちぃとぉ~リーちゃんにぃ、リズちゃんだったもんねぇ~」
「………いっぱい……。……いい、ね…………」
「そうねー。でもナオトならこうなるってワタシは最初から分かってたし、これからもいっぱいにして賑やかにしてあげるねーっ、ナオトっ!」
「いや、もうホント十分だから…本当にもう十分なんだって……」
これ以上とか一体どうしたらいいのかと…30人超えとかもう本当に意味不明です。
はぁ…明日全員連れて来いって言ってたし、エクリィに会うための準備もしないとな…。
細々とやることがあるんだけど、とりあえず今は目に焼き付けなくても勝手に焼き付いてしまうこの光景をどうにかしよう…堪能出来るほどの度量はまだ無いし。
と、思ってたらペルが来たのを皮切りに、皆寄って来て…いつものように揉みくちゃにされた……。
いつかこうされても癒される日が来る事を願いたい…。
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