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第六章 激震、マーリレンス大陸
#36 真っ昼間から
しおりを挟むこの場に残ったガズのおっさんがニヤニヤしながら俺を見て話し掛けてくる…これももうお決まりパターンと化してるな、ホント。
「くくっ、やはりナオトがいると何かしらあるな」
「俺のせいですか…やっぱり」
「それ以外ないだろうが。まぁ別に悪いコトじゃねぇから気にするな。アイツ等もあんなんだがお前のこと気に入ってるんだよ」
「あれで…?そうは見えないんですが……」
「イジってくる時点で分かってやれ」
「それでいくとガズさんもってことになるんですけど」
「当然だ。ラナが懐いたヤツだ、俺だって興味を持つに決まってるだろうが」
「あー…もう最初っからイジる気満々だったと……」
「そういうことだな、くくっ」
このおっさんはラナが俺に関わった時点でロックオンしてたってわけだ…だからこんなに絡んでくると。
ホント事ある毎にイジってくるんだもんな…しかもやたらと楽しそうに。
まぁ初めの頃は俺もちょっと苦手意識っぽいのがあったんだけど、今となってはもうこのやり取りが馴染んできてしまった…喜んでいいことなのかどうかは別として、気に掛けてくれているっていうのは何となく分かった、絡み方はどうかと思うけど。
で、昨晩家の皆で魅音達のステージを見る次いでに食事をしに来てた時も思ってたんだけど、ライブの時の盛り上がりも前に見た時と変わらず…寧ろ前以上に盛り上がってた感じがしたし、こうしてガズのおっさんと話してて、さっきの事も含め本当にいつもと変わらないギルドを改めて見回して…あまりの普段通りの様子に拍子抜けというか、前々日の出来事が本当にあったのかが疑わしく思えてきた…こっちはこっちで大変だったんじゃ?それが全くと言っていい程感じられないんだけど…。
「…ガズさん、ここ、見た感じいつもと変わらないじゃないですか…。昨晩来た時に会わなかったから詳しく聞けなかったんですけど、こっちはどうだったんですか?大変じゃなかったんですか?」
「ん?あぁその事か。あんなモン大変な内には入らねぇよ。上位種もいねぇゴブリンやらコボルトの集団なんぞ万単位で来たって余裕だ」
「あぁ、そういうことですか…。数だけしか聞いてなかったからどうだったのか分からなくて」
「見ての通りだ、ちっとばっかし数が多かったくらいだからいつもと変わらねぇってことだな。この間来たやつに比べれば屁でもなかったぞ」
どうやら低レベルの魔物の集団だったらしく、数はそれなりだったものの難無く撃破出来た、と…。
スタンピードレベルの数ってだけで俺が一人で焦ってたってことか、やっぱり日頃から魔物達を相手にしてる冒険者達はそれなりの強さを持ってるってことなんだよな。
この間来たやつって言うのはガルムドゲルン防衛の時か…あの時に実際戦闘してる冒険者達もそれなりに見てたから、どの程度の強さかってのはちょっと思い出すだけでも分かったはずなんだけど、動揺するとすぐすっぽ抜けるのはどうにかしないと本当に駄目だな、少しは冒険者達も信用しろと。
けどやっぱり大切な人達は自分の手で護りたいってのがあるから、これからもああいうことがあったら一人で焦ってキレそうな気がする…。
俺ってこんな奴だったかな……?確実に転生直前の俺はこんな誰かの為に、なんて理由で動くような奴ではなかったはず、歳を取る毎に他人と関わるのが億劫になっていって、仕事以外での会話が面倒だと思うようになり、極力避けるようにして無気力にただ時間を浪費して生きてたような人間になってたし…。
仕事だって始めた頃は家族を養う為にとか思ってそこそこ頑張っていたはずなのに、ガキ共が成人して単身赴任で一人になった頃には、ただ自分が生きていくのに必要だからってだけになって仕方無く働いてた感じになってたもんな…そりゃ妻にも愛想尽かされて当然、他の男に走るのも必然ってわけで。
そう考えると今の俺は転生直前の俺と相当掛け離れてるよな…やっぱり自分が置かれた環境に多大な影響を受けているってことなんだろうか、端っからこうしたいとか望んだわけではないけれど、関わっていくうちに感情とか思考が今の肉体年齢に近付いてる部分もあるような気がする。
今の年齢の頃はムダにアツかったからな…特に女の娘の前では変にカッコつけようとして、から回ってた記憶しかない。
自分の手で護りたいとか、焦ってキレるとか、その頃の俺じゃないと思いもしないような…。
まぁそれはそれとして、今こうしていつも通りの日常を送れているってことが全てなんだろう、ガズのおっさんが言う通り、皆も大変だったなんて欠片も思っていないんだなって。
「やっぱりみんなそれなりに強いんですね」
「そりゃぁ、な。これで飯食ってんだ、そう簡単にはくたばらねぇよ」
「ですよね…。俺なんか一人で焦って暴走しかけてましたよ……」
「まぁ、それはしょうがねぇだろ。ここにはオマエの大事な女達がいるんだからな。なに、本気でヤバかったらちゃんと喚ばれるだろうよ。そうならねぇようにオレらも踏ん張るさ」
「…分かりました。頼りにしますよ?」
「おう、任せとけ」
今回の事で冒険者達が頼りになるってことが分かったから、次もしこういうことがあったとしても焦るようなことはしないでおこう…と頭の中では分かっていても、いざそういう事にまたなったとしたら同じ事を繰り返している未来しか見えないのは、もうどうしようもない程皆の事を大事に想っている証拠なんだろうな、と…。
「で?オマエの方はどうだったんだ?そっちであった事は誰も知らねぇと思うが」
「そうですね、一応さっきゲシュト様達には伝えてきたんですけど…ガズさんにも伝えておきますか、冒険者代表ってことで」
「そうか、なら一杯引っ掛けながら聞かせてもらおうか」
「え?時間的には相当早いと思いますけど…飲むには」
「まぁ気にするな、腰落ち着けて話すんならそこが丁度いいってだけだ」
「…分かりました、付き合いますよ」
俺達側の事はここに来る前ゲシュト様の所であらかた話したけど、それがこっち…冒険者達まで降りてくるかは分からなかったし、それならせめてガズのおっさんくらいには話しておいた方がいいかと思ったら…飲みながら話せって言われた、今はまだ午後一ってくらいの時間なんですけど…。
まぁ、ただ席に座って話すだけよりは飲みながらの方が気楽かなってことで、そのお誘いを受けることにした。
「ってわけだ。俺はナオトと話があるからオマエ等今日は好きにしろ」
「え、いいんですかっ?」
「なんだ、やけに嬉しそうじゃねぇか…」
「いやっ!そんなことはないですっ」
「そ、そうですよっ。それじゃ俺らは好きにさせてもらいますんでっ!」
「…ったく。あんましハメ外すんじゃねぇぞ」
「「「「「ハイッ!」」」」」
一緒にいた五人組は連れて行かないようで、この場で解散を言い渡してた…去り際、密かにガッツポーズを繰り出していたのは見なかったことにしておこう、降って湧いた休息が余程嬉しかったらしい…。
そうして酒場で二人、真っ昼間から酒を酌み交わしながらザッと俺達の方であったことを説明した。
話してる途中、クエストの受付が終わった正典達と、それに付いて行ってたメイがやってきてそのまま話に加わってきた、流石にリズはまだ勤務中だから当然来なかったけど。
「…なるほどな。それであの魔物の集団が突然現れて襲ってきたってわけか」
「魔王に勇者ですか…。そう聞くとますますここはゲームとかラノベの世界なんだなって思いますね」
「まぁ、この世界に来た時点で俺はもうそっちだと思ってたけどな」
魔王とか勇者の存在自体はリオやオーガがいたから知ってたしなぁ。
ここまで関わりを持つとは思ってもみなかったけど、エクリィの言う通りリオを引き取った時点でもう相関確定だったんだろうな、と。
「魔王や勇者など伝説上のものかと思っていたのだが…実在していたとはな」
「そーだねー、ちょっとビックリだよぉー」
「で?その勇者とやらはオマエと一緒にいるのか?」
「………いますけど」
「そうか…くくっ。勇者まで取り込むとはな……畏れ入ったぜ」
「…取り込むとか人聞きの悪いこと言わないでくださいよ」
「事実を言ったまでだろうが。違うのか?」
「…………」
「え、尚斗さん…また増えたんですか…?」
「へぇ~…あれ以上増えちゃうんだぁ~。凄いねぇ~、ハーレムマスターって~」
「まぁコイツは別格だろう。だから面白いんだがな、クククっ」
「………………」
このおっさんと会って話す度に増えていってるのはもうそういうルールなのか?俺はおっさんの為のネタ提供を定められているんじゃないかと…断じておっさんを喜ばせるとか楽しませる為にやっているわけではないはずなのに。
「…?なにかおかしいのさー?みんながいてメイはすっごく楽しいのさーっ」
「あぁいや、別に何もおかしいって言ってるわけじゃねぇさ、メイ。しかしそうか、楽しいのか…良かったじゃねぇか、メイもナオトに付いてきて」
「うんっ、よかったのさっー!(ニパッ」
「楽しそうでいいですね、尚斗さん」
「まったくだな」
「なぁに~?羨ましいの~?マーちゃん~」
「え?いや、まぁ、そりゃ少しは……」
「そっかー、わたし達だけじゃ物足りないのかぁー」
「いやいやっ、物足りないって僕達はそういうんじゃないしっ、ただのパーティーでしょっ」
「……正典も楽しそうでなによりだ。早くこっち側にこいよ?」
「尚斗さんまでっ!?」
俺の膝の上に乗っかって今が楽しいって喜んでるメイ。
まぁ実際俺もあんなに可愛い娘達に囲まれて嬉しくないわけはないんだけど、これ以上ガズのおっさんへのイジられネタを提供したくもないんだけどな…。
正典達も見てると中々良い雰囲気のパーティーで…お前も早く俺と同じ様になってガズのおっさんに絡まれてくれ、そうすれば俺への絡みも減るだろうしな、多分。
「大体の事情は分かった。それで?ナオトはこれからどうするつもりなんだ?」
「こうなった以上、俺ももう無関係じゃいられなくなったので…勇者達と一緒に行こうかと」
「…そうか。まぁそうなるだろうな」
「近々次の大陸へ向かいます。その前に細々としたことはありますけど」
「別大陸ですか…。尚斗さんももう勇者パーティーって感じですね」
「いや、俺はなんて言うか…引率?保護者みたいな感じかなぁ」
魔王の力を削ぎ落とすのは攻瑠美達勇者にしか出来ないし、俺は精々無力化するくらいまでだよな…ケージの時みたいに。
まぁ、俺がやっちゃうのはどうかと思うんだけど…力量差があったらまた手出しするんだろうな、俺のことだから。
もういっそそれでもいい気がしてきたけど、攻瑠美と護璃はそれじゃ納得しないんだろうな、きっと…あの兄達への対抗心からして。
「なら、しばらくは留守にするってことか」
「えぇ、そういうわけなんでこっちはよろしくお願いします。何かあればすぐ戻ってきますから、リズにでも言ってください」
「了解だ、まぁナオトがいないんなら何も起こらねぇとは思うがな」
「何でもかんでも俺のせいにしないでくれますっ?」
「間違っちゃいねぇと思うがな。まぁいい、気を付けて行ってこいや」
「戻ってきたらお話聞かせてください、僕も気になるので…別大陸とか」
「あぁ、分かった。正典もメイの専属ってことでよろしく頼むな」
「よろしくなのさー、マサにーちゃんっ」
「うん、頑張るよ」
一先ず大体の説明を終えて、居ない間の事をよろしく頼んだ後、飲み食いしながら雑談…主にガズのおっさんが俺をイジって楽しんでたんだけど、途中でお酒の追加注文をしたらルーエラが持ってきてくれて、丁度リオの郷帰りするつもりだったからルーエラも一緒にどうかと思って聞いてみることにした。
「ルーエラ、ちょっといい?」
「ん?なんだい?」
「急なんだけどさ、明日あたりリオの郷帰りしようと思ってたんだけど、もしよかったらルーエラも一緒に行く?」
「郷帰り?あー……それ多分無理だわ………」
「無理?」
「あーっと、な。アタシ達竜人は定住しないんだよ…。何十年か単位で住処を変えてるんだけど、アタシが最後に帰ったのが200年くらい前で、そっから先はアタシも知らないんだわ…。この大陸のどっかにはいるんだろうけど」
「え…そうなの?」
「うん。ま、本気で探せば見つけられるだろうけど、結構手間だと思うよ?」
なんと…この世界の竜人にはそんな習性があるのか…。
すぐ行けるもんだと思ってたからこいつは予想外だった。
探して行く程の日数的余裕は無いかも…これは予定変更かな、リオには申し訳ないけどもうちょっと余裕のある時に探して行くことにしよう。
「そっか…じゃあ今回は見送ろうかな。探し回る程の余裕はないし」
「アレだ、アタシもちょっといろいろ聞いてみるわ。ここ最近の移動痕跡とか知ってる奴がいるかもしれねぇし。まぁ気付かれねーように夜移動してるだろうから、あんま期待は出来ねぇだろうけどさ」
「うん、助かるよ、ありがとう。もし何か分かったら誰かに伝えてほしいな。リズとかファル…魅音達でもいいや」
「ん、りょーかい。そん時ゃアタシも連れてってもらうよ。いーだろ?」
「もちろん構わないよ。じゃあよろしく」
「あいよー」
というわけで、リオの郷帰りは延期ってことになった…まぁ竜人種は長寿だし、リオが今すぐ会いたいとか言わない限り、それ程急ぐ事も無いのかな、と。
でも暫くは行けないよな…攻瑠美達と一緒に行くんだから、魔統皇討伐が優先になっちゃうだろうし、いつになったら行けるのやら。
ルーエラが何か掴んだら、その時に行くしかないか。
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