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第六章 激震、マーリレンス大陸
#38 難易度向上
しおりを挟むこんな感じで始まった会話だからか、それに便乗するかのようにいきなり陛下がブッ込んできた。
「なんだ、ガキが好きなのかナオトは。なら俺んとこの娘をやろうか?それが今回の褒美ってことでどうよ」
「なっ!?…にを言い出すんですかっ陛下までっ!だから俺がもらうとかじゃないんですって!もう十分間に合ってますからっ!」
ひぃとティシャだけでもう想定外なのにこれ以上そこを増やすのだけは勘弁してくださいっマジで!
「そうか?ノルンがいいっていうなら俺は構やしねぇぞ?」
「いや流石に皇族を迎え入れるのは無しでしょうっ?俺は貴族ってわけじゃないですしっ」
「だったら貴族位も一緒にくれてやる。それなら問題無ぇだろ?」
「問題ありありですよ!貴族とかガラじゃないですしっ、それにノルンの事ちゃんと考えてくださいよっ!」
「Hum……ノルンがナオトの元へ行クとなると、チと不味イかもしれヌな…。フィオも行きたイナどと言い出シかねン」
「まぁノルンには後で聞いといてやる。んで?明日会うってのに今日はなにしに来たんだ?」
「いや本気で聞かなくていいですからねっ…。今日はケージのいた大陸の話を聞きたくて来たんですよ。陛下との謁見が終わった後で向かおうと思ってるんで」
陛下の突拍子もない提案は一先ず置いといて、ここに来た目的…ケージの大陸の話を前情報として知っておきたくてこうして訪れたことを伝えた。
前もって知ってるのと全く知らないのとじゃ、結構な差があるし…心構えとか。
エクリィが変なコト言ってたのも気掛かりの一因だし、ここで話を聞いて少しでも払拭出来れば気の持ちようも変わってくるだろうな、と。
「そうか、パペンダへ向かうのか…。そりゃそこにいた奴に聞くのが一番手っ取り早いわな。この世界、大陸間交易なんぞどこもやってねぇからな、他の大陸の情報やらは流れ着いた冒険者達が持ってくるものくれぇだしよ」
「………僕から話すことなんて何もないからな」
そう言ってお茶の用意が出来たのか、テーブルにカップを置きながら割って入ってきたケージ。
セリカやサニ、それに烈達も同じ様にお茶を配っている。
ケージはどうやら俺達からの質問は受け付けないらしい…というか、俺からの質問だろうな、きっと。
あんだけ派手に負かしちゃったからな…根に持たれて当然っちゃ当然か。
「話くらイしてやっタらどうだ、ケージ」
「フンッ、お断りだね。直接行ってその目で確かめてくればいいさ。ここがどれだけ恵まれているか、その身をもって知ればいい」
「……そんなに違うのか、ここと」
「だから話すことなんか何もないって言ってるだろう」
「……サニ、君がいた所はどんなとこだったの?」
「えっ?あー、うん、アソコはねぇー、奴「サニっ!余計なことは言うなっ!」ひっ!ごっ、ごめんなさいぃーっ!」
「………惜しい」
「汚いなっまったく!とにかく!尚斗の有利になるような事は一切口にしないからなっ!フンッ!」
俺にヤラれたのが相当気に食わないらしく頑なに拒んでくるケージ。
俺が居なかったらこんな事にはなってなかったと本気で思ってたんだろうな…こっちももし俺が居なかったらって考えるとかなり怖いんだけど、俺抜きでケージ相手にどこまでいけたのかと…。
ケージから話を聞くのは無理だと分かったから配下の二人…セリカも雰囲気的に無理っぽそうだったからノリの軽そうなサニに聞いてみたら、やっぱり口を滑らせてくれた。
けどこれもやっぱりケージに止められた…まぁ当然そうするとは思ってたけど、ちょっとでも何か聞けたら御の字だったのに…残念。
「エラい嫌われようだな…。ま、あんだけコテンパンにされたんだ、気持ちは分からなくもねぇけどさ。あ、んじゃアレだ、アタイらにだけだったら少しくらい話聞かせてくれたっていーだろ?しょーがねぇけどナオト抜きにしてやっからよぉ」
「…………」
「おいケージ、なんでそこで考え込むんだよっ」
「………尚斗が嫌がる顔を見るのは悪くない(ニヤリ」
「お前…ホント性格悪いなっ!そんなことするくらいなら話さなくていいわっ!」
「……まぁ今の顔を見れただけで結構満足だな。どのみち話すつもりはないし」
「くっ……」
俺抜きなら話してくれるのかってアーネが言い出したら急に思案しだして…それはもう舌なめずりしそうなくらいのニヤリ顔を俺に向けてきやがった…。
そんな顔するヤツに俺抜きで嫁達と話なんかさせるわけないだろうがっ!って瞬間的にムカッ面を晒してしまった。
くそっ、コイツ完全に俺で遊んでやがるなっ、こんなことならその性格まで叩き直すくらいやってやればよかったって思っちまうわ!
「コイツがこんなんじゃ聞き出すのは無理っぽいな。そういやシルファとリーオルは前大戦の経験者なんだろ?何か知ってるんじゃねーのか?」
「流石に400年以上経ってますからね。前大戦時はどの大陸も大差はありませんでしたし、それ以降はこの大陸から一歩も出ていませんので、知らないと言っても差し支えはないかと、陛下」
「ま、そりゃそうか…。んじゃやっぱコイツの言う通り行ってその目で確かめるしかねぇってことか」
「んー…アテが外れちゃったねぇー、尚にぃ」
「……まぁ仕方がないか…。無理矢理口を割らせるなんてやるつもりもないし……」
「けど、あれっちゅよね?今回はたまたまケージがこうしていたから聞こうとしてたっちゅけど、その先の大陸はそうはいかないっちゅよね?」
「だよなぁ。俺らと同じ勇者パーティーだったクルミやマモリの兄貴達だってそうだったんじゃねぇの?」
「そうねぇ…私達はそういうの気にしないでとにかく先に進んだって感じだったわ。まぁほとんどコウキのせいだったんだけどね……」
「……兄さん一人で突っ走ってたんですよね、分かります」
「あー、攻にぃだもんねぇ…。ボクのおにぃでも止められなかったんだろうなぁー」
「……そこ、に………ラビィ、も…加わって、た……から………余計、に…ね…………」
「……大婆ちゃまって、そういう人だったんでちゅね………」
ケージから聞き出すのはもう諦めるとして、じゃあ前大戦時はどうだったのかって話になったんだけど、400年以上も経ってるのに昔と変わってないなんてことは無いだろうから、知らないに等しいとシルファは言う。
シルファ達が旅をしていた頃は、どの大陸も似たような感じだったようで、それ以降はどこの大陸にも訪れていないから今現在どうなっているのか分からないのは当然だろう。
先代勇者パーティーは攻輝の独断専行型パーティーだった…それにラビィも乗っかっていたから誰にも止められなかったんだそうな。
護璃も攻瑠美も納得してるし、攻輝はそういう性格なんだろう…他のメンバーの苦労がちょっとだけ垣間見えた、シルファの苦笑いっぽい表情とリオのやれやれっていう感じの雰囲気で。
あれ?そう言えばいつだったか…あ、そうだ、確か勇者パーティーの修行してた時だ、あの時少しだけ別大陸の話をしたような…どこだっけ?
「なぁシルファ、前にちょっとだけ別大陸の話しなかったっけ…?攻瑠美達の訓練中に」
「あ、テパデモアブスのこと?機甲大陸の」
「そうそう、それだ、機甲大陸。そこは昔っからそうだったの?」
「いえ、違うわよ。さっきも陛下が言ってたけど、その大陸から流れ着いた冒険者から偶然聞けた話ね。200年くらい前だったかしら」
「200年前……。ってことは、シルファ達が魔統王を討伐した後にそうなったってことか」
「そういうことね。だから本当に今どうなっているのかは分からないのよ」
「うーん……行き当たりばったりになるけど仕方ないか……。そうだオーガ、お前は何か知らないのか?他の魔王の事は知ってるんだよな?」
「知っテいるのは魔王達ノ状況だけで、そレゾれの魔王が担当してイる大陸の事自体は知らぬナ。興味モ無い」
「あ、そう…。これはもう完全にノーヒントで行くしかないか……」
待てよ、そういや俺にはこういう時にこそ役に立つ相棒がいるじゃないか。
いや、最初っから頼れよって話だけど流石に知ってるわけないだろうなと思って除外してた…一応聞いてみるか。
アコ、お前[知りません]は何か…………あ、そう、やっぱり知らないのね…。
[アコは何と言うスキルかお忘れですか]
え、お前は分析解説って…。
[その通りです。分析対象を確認しなければ解説することも出来ませんが何か]
……あ、はい、そうですね、仰る通りでした。
つまりお前もその大陸に行かない限り分析解説のしようが無い、と。
これでもう完全に情報収集源が無くなったな…。
「僕を頼るなんて馬鹿な考えをするのがそもそもおかしいんだって気付けよな。能天気にもほどがある」
そこまで言うか…同郷なんだしこうやって話が出来るような、もう敵対する意味も無い状態になってるんだから、聞けば教えてくれるって普通に思ってただけなんだけど…。
でもよくよく考えたら元の世界でいろいろあったみたいだし、性根はそう簡単に治るわけもないか…叩きのめされた相手になんて尚更心を許すわけもないんだろうな。
ケージの言う通り、能天気過ぎたか…。
「……分かった、この話はもう止めにしよう。その分気を引き締めて行くことにするよ」
「ええんやないか?それで。話聞けたら多少は楽になるくらいやったし、この面子ならどうにでもなるやろ。まぁナオがいるからってのが一番やけどな」
「だな。そこはなんも心配してねーよ」
「「うんうん~」「ですねっ」「……(コクっ………」」
「尚にぃと一緒ならボク達も安心できるしねーっ」
「「そうだね」「だにゃー」「そうっちゅ」」
「俺らも気が楽になるってもんだよな」
「…………同意だ」
「私もそうね。むしろ逆にどう変わってるのか少し楽しみなくらいよ」
「楽しみって…。まぁみんなが信頼してくれてるのは嬉しいけど、俺はあんまり楽観できないんだよな……エクリィの言ってたことが気になってて」
「何言ってるのさーナオトはっ。ワタシたちがいるんだから大丈夫だって言ったでしょー?何かあったらすぐ戻ってきなさいって、ねっ?」
「……あぁ、そうするよ。ありがとな」
結局ケージ達が話してくれない以上、誰も分からないってことでこの話は打ち切ることにした。
どうも心配になってるのは俺だけみたいで、シータや攻瑠美達からは頼りにされてるっぽい…そりゃ当然何があっても守り抜くってのは心に決めてるんだけど、予想外の事にはてんで弱いってのが先日露呈したから絶対的な自信は持てないっていうのが正直なところで…。
けど、そうだな、リズが言ってくれた通り、皆が居てくれるんだからそれを拠り所にして頑張ろう、うん。
「……チッ。これだからハーレム野郎はムカつくんだよっ」
「何をムカついてんだか。俺なんかいいぞもっとやれって思っちまうわ」
「ナオトの強さを目の当たりにすれば、こうなるのも当然だと私も素直に思うぞ」
「ケージとて二人も連レているではナイか」
「………こいつ等は配下だ。そんなんじゃない………」
「「ケージ、様………」「……ケージぃ………」」
ハーレム野郎とか言われてもう反論する余地も無く…陛下やエルムさんは肯定的だし。
いいぞもっとやれ、は流石に言い過ぎなんじゃないかと、こっちはそんなつもり更々無いんですよ、本当に。
そういう仕様になってるから、つもりはなくてもこの先陛下の言う通りになっちゃうと半ば諦めてはいますけど。
そう言うケージも俺の事は言えないんじゃないか、とオーガがツッコんではみたものの、別に侍らせているわけじゃなく、あくまで配下だと言い切るケージ。
そんな物言いをするケージに対して、セリカとサニは何故か悲しそうな、苦しそうな、そんな表情でケージに何かを訴える感じで見つめていた…。
「………………あぁーっクソっ!分かったよっ!……おいっ尚斗!」
「……?なんだよ」
「向こうに留守を任せているもう一人の配下がいるんだっ。そいつを連れて来いっ!」
「は?お前……それが人にものを頼む態度なのか…?」
「頼んでないっ!命令してるんだ!」
「命令かよ……」
「おいおい、ケージてめぇ何様のつもりだよっ。こっちはオマエと同じ漂流者なんだぜ?んな態度で聞くと思ってんのかよっ」
「弘史には言ってないっ、尚斗に命令してるんだよ!」
「……ナオト、様………。実は、その…一人取り残されているというのは……私達の、妹…なのです………」
「かわいいぃー妹なんだよぉー………」
突然何を言い出したかと思ったら、そういう事か……二人が悲痛な顔をしていた理由が分かった。
ケージが力を失ったということは、当然配下も同じ様に力を失っている、そしてその状態でたった一人取り残されているというわけか。
魔王の支配から解放された大陸の住人達がどういう行動をしているのかは分からないけど、普通に考えたら見つけ次第報復って事態が濃厚な気がする…負の感情を集めるためにそれなりの事をやってきたんだろうし。
まぁこの大陸の人達はケージ達や魔物の襲撃なんかは自然の摂理みたいな感じで浸透しているようだから、当然対抗はするものの、相手に対して極端な怒りや憎しみを持ったりしてないんだよな…現に今こうしてケージと普通に接しているのを見てるし。
ただ、ケージが居た大陸はこことはかなり違うらしいから、今ここに居る皆と同じ様な対応をしているかというのは全く分からない…。
恐らくその妹とやらは力を失った時点で身を隠したりはしているんだろう、ケージが連れて来いって命令するくらいだから生存しているのは分かっているけど、そのままそこの大陸に置いておくのは危険だと判断しての物言いか。
で、それを?セリカとサニが言い出しやすくするように、わざと命令口調で煽ってきた、と。
「…………お前も大概汚いな、ケージ。こんなの二人から聞いたら無視できるわけないだろ………」
「ハッ!分かっててやってるに決まってるだろうっ。こんなハーレム見たら女が弱点だって晒しまわってるようなものだからなっ。いいかっ、必ず連れて来いよっ!分かったな!」
「……だったら少しくらい情報寄越してくれてもよくないか……?」
「知るかっ。頼んでるわけじゃないんだっ、その代わりなんて条件付けるつもりはないっ!」
「……………」
今の立場で命令とか、誰も聞くわけが無いと思うんだけど…敗残した魔王の命令とか、一体誰が聞く耳を持つのかと。
俺もお願いならまだしもそんな命令とか言われると聞く気も失せたし。
けどまぁそうですよっ、お前の言う通りもう完全に弱点と言われてもおかしくないレベルに達してますからねっ、そんな辛そうな顔した女の娘から、どうか妹を…なんて言われて俺が断れるわけ無いと完全に見抜かれてるってことだよなっ。
「これはぁ~…ナオちゃんのぉ負けかなぁ~……」
「そうだね…セリカとサニに言われた時点で決まりかな」
「ケージも尚斗のこと分かってんじゃねぇか。腐っても魔王ってか?」
「誰でも分かるだろっこんなのっ。魔王とか全く関係無いっ」
「せやな、当たり前やったわ。で?妹はんの名前は?」
「………ロレールルシェラ。ロレル、と呼んでいます……」
「だとよ、ナオト」
「…………勘違いす「お前は馬鹿なのか?僕からの命令だろうがこいつ等からのお願いだろうが結局やる事は同じなんだよっ」………………」
「ナオトー……今のはワタシでも分かったよー。もう何も言わなくていいからさっ、黙って連れ帰ってきなさいっ?」
「………いや、そこはだな、俺的にはっきりさせておかないと、と思って…………」
「………無意味」
「だな。どういう言われ方しようが、聞いちまった時点で決まりだろ?今更何言ったって意味ねーって」
「ま、尚にぃ的に女の娘からのお願いだからやるってことにして、モチベを上げようとか思ったんでしょー。違うっ?」
「………余計な一言だった……………」
……やるにはやるけどお前の命令じゃなくて二人からのお願いだからやるんだぞ、って言ってやろうとしたのに…変にカッコつけようとしたらコレだよ、身の程を弁えろってことですね、はい、分かりましたよ。
割とガチで凹んだ…恥ずかしい。
「こんな奴に任せるなんて癪に障るけど、とにかく無事僕の元へ連れて来いよっ、いいな!」
「………皆様、どうかよろしくお願いします……」
「ロレルちゃんのことぉ、よろしくねぇー」
「………分かったよ、見つけ次第連れて来る」
何の情報も得られなかったのに人探しとか、難易度上がっただけじゃないか…。
まぁ、やるからにはきっちり連れ帰ってきてやりますけどね。
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