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第1章・グランカルト
CUTE→BAD
しおりを挟む────洞穴に連れ込まれて数十分。
「どうです、旦那?」
「・・・うまい」
ご馳走になっていた。
「そうでしょうそうでしょう、うちの女房の飯は絶品ですからなぁ!」
たしかに、ご飯はうまいが・・・なぜご馳走になっているのだろう。
「なぁ、なんで俺はご飯を食べさせてもらってるんだ?」
「・・・旦那、折り入って頼みがあります」
どうした急に、しかも初対面の俺に頼みなんて。
「実は、この森には様々な種族がいて、多種族で集まって縄張りを張ってるんでさぁ」
ふむふむ
「縄張りを張ってるってことはその領地間で争いが起きるってことでさぁ」
なるほど、それで?
「旦那ほどの強さがあれば、この森を統一出来るんじゃ・・・と思いまして」
ふむふ・・・今、なんて?
「悪い、この森の全種族をまとめる・・・?」
「はい、そうすれば争いは起きなくなるって考えでさぁ」
そうだな・・・そう・・・だな。
「俺じゃなくても、他の強いやつに頼めばいいだろう、ほら、ドラゴンとかに」
「何を恐ろしいことを、ドラゴンなんかの目の前に現れたなら、一瞬で肉塊にされて終わりでさぁ!」
・・・ドラゴンはどうやら、えらく凶暴らしい。
使えない。
「はぁ~・・・どうすればいい?」
「ありがとうごぜぇます旦那、ひとまず、隣の種族に交渉に行きましょう!」
────2時間後。
「これで5つの集落がまとまりやしたね!」
これだけの集落をどうやって2時間ほどでまとめたかって?
簡単だ。
ライオンもどき───名前はバランらしい。
バランが俺が種族がまとまった時に王になる、と言うだけで超笑顔で快諾してくれる。
それだけだ、時間の殆どは移動とバランと集落の長との話だ。
「なぁ、バラン」
「へい、何でしょう旦那」
「あといくつ残ってる?」
「ざっと20でさぁ_」
「・・・多いな」
「これでも、この4年で3割は減りましたぜ?」
「こんな森の中に、よくそれだけ暮らしてこれたな・・・」
「いや、暮らしてこれなかったからこそ今の数になってるんでさぁ」
「どういうことだ?」
「縄張りが多すぎて、その度に争いが起きて集落が潰れていったんでさぁ」
「・・・あぁ、なるほどな」
「あぁほら、そこでいま縄張りを広げるための争いが始まってますぜ」
見るとそこでは、斬り合い殴り合いが繰り広げられていた。
なんかちっちゃい動物ばっかりで、言っては悪いが少しかわいい。
「なぁ、ちなみにあれは、死者は出るのか?」
ポフッポフッ、フヨッフヨッ。
そんな擬音が聞こえそうなほどの光景で、とても死人が出るとは思えない、思いたくない。
「いえ、最近の種族は攻撃性がほとんど無く、痛みに耐えきれなくなった方が逃げて終わる、というのが最近の争いですぜ」
何だ、思ったより平和な争いな――
――グシャァァッ!!
・・・そう思っていた時期もあったな。
「・・・いや違うだろ、なにあの黒いの、さっきの小動物達がなんか・・・なんか・・・」
あまり詳しくは言わないが、黒いのがちっちゃいのをすり潰して地獄絵図に変わった。半分くらいごっそりいかれた。
「・・・なぁ、バラン」
「へい、なっ、なんでしょう?」
「最近の種族は攻撃性が無いんじゃなかったか?」
「旦那、ほとんどないんです、たまにあんなえげつないのもいるわけでさぁ」
・・・なるほど、そう言えばバランもあれに似たような体格だしな、居ても当然だよな。
・・・だが、自分より遥かに格下を、あまつさえ攻撃性の無い小動物を蹂躙した。
────少し、痛みを教えよう。
「バラン、残ってるかわい・・・小動物達を少し離れたとこに連れて行け」
「へ、へい!・・・旦那はどーするんで?」
「死なない程度に教え込む、弱者側の気持ちってやつを」
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