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第1章・グランカルト
食物連鎖
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────なんだ、今のは。
黒ローブと少年の戦いの成り行きを見ていたが、何が起こったのか分からなかった。
確実に目で捉えてはいた、だが理解が出来ない。
確かに少年は微動だにしていなかったはず、そのはずなのになぜ攻撃を仕掛けた黒ローブの腕が吹き飛んでいる?
ありえない、とは言わない。
視認不可の速度で反撃をする事は俺でも出来る。
だが、気を探って見たところあの少年は俺と同格の力どころか、人間の中でも下の上辺りの力しか持ってない。
そこで思い出す。
昔、一時期友達がいた頃に貸してもらった本があった。
『異能大全集』確かそんなタイトルだった。
今となっては誰が貸してくれたか、何故それを借りたかすら思い出せないが、その中に今の少年に似た能力が
────あった。
記憶を掘り起こし、思い出したくもない苦悩の日々を探り、見つけた。
『黒反射』
黒ローブを襲った一撃は、反射されたと見て間違いない、だが、跳ね返した時の威力は5倍近かった。
あの本に書かれてあった異能に限りなく近い。
「あいつは一体・・・何なんだ?」
誰なんだ、とは言わない。
人間かどうかも分からなくなったから。
よく分からないけど、今の俺じゃ相手にすらならないってことは分かる。
「・・・正体を暴く、そこからだ」
生まれて初めての勝てないモノ、この世界に来て初めて戦い以外に興味を示せた。
まぁ最後には結局戦いに行き着くのだが。
しかしそれよりも深刻な問題がそこにあった。
ぐぅ~きゅるる~
「・・・腹が減ったな。」
それはそれは恐ろしい、食料問題である。
さて・・・異世界最初の大問題、どうしようか・・・。
─────────────────
川で泳いでいる魚が、ワニのような生き物に丸呑みにされ、捕食された。
そのワニもどきが、ヤギのような生き物に角で突き刺され、捕食された。
そのヤギもどきが、ライオンのような生き物に噛み殺され、捕食された。
そしてその今の所食物連鎖の頂点を狙うのは────鬼。
さぁ、狩りの時間だ。と言わんばかりに唇を舐める鬼。
狙いを定め、地を蹴った。
だが流石はライオンもどき、見事な反射神経でダメージを抑えた。
────近くにあった残骸は霧散したが。
それを見たライオンもどきは────伏せた。
伏せ・・・それは主に対する服従の印。
何故それを俺に・・・?
罠か・・・?などと考えていると、突然ライオンもどきが口を開き。
「すんません、まさかこないな方がこんな所で獲物を狙ってたとは思わなくてですね」
しゃ・・・しゃべった!?
そんな内の驚きなど知りもしない様子で。
「あっしらの集落に食料が沢山あるんで、宜しければいらっしゃいませんか・・・?」
「ええと・・・」
「さあさあ、遠慮はいりませんて旦那!」
「だから・・・あの・・・」
聞く耳を持たないライオンもどきは背中を押して洞穴へ連れ込もうとする。
まぁ・・・丁度いいか、お言葉に甘えるとしよう。
黒ローブと少年の戦いの成り行きを見ていたが、何が起こったのか分からなかった。
確実に目で捉えてはいた、だが理解が出来ない。
確かに少年は微動だにしていなかったはず、そのはずなのになぜ攻撃を仕掛けた黒ローブの腕が吹き飛んでいる?
ありえない、とは言わない。
視認不可の速度で反撃をする事は俺でも出来る。
だが、気を探って見たところあの少年は俺と同格の力どころか、人間の中でも下の上辺りの力しか持ってない。
そこで思い出す。
昔、一時期友達がいた頃に貸してもらった本があった。
『異能大全集』確かそんなタイトルだった。
今となっては誰が貸してくれたか、何故それを借りたかすら思い出せないが、その中に今の少年に似た能力が
────あった。
記憶を掘り起こし、思い出したくもない苦悩の日々を探り、見つけた。
『黒反射』
黒ローブを襲った一撃は、反射されたと見て間違いない、だが、跳ね返した時の威力は5倍近かった。
あの本に書かれてあった異能に限りなく近い。
「あいつは一体・・・何なんだ?」
誰なんだ、とは言わない。
人間かどうかも分からなくなったから。
よく分からないけど、今の俺じゃ相手にすらならないってことは分かる。
「・・・正体を暴く、そこからだ」
生まれて初めての勝てないモノ、この世界に来て初めて戦い以外に興味を示せた。
まぁ最後には結局戦いに行き着くのだが。
しかしそれよりも深刻な問題がそこにあった。
ぐぅ~きゅるる~
「・・・腹が減ったな。」
それはそれは恐ろしい、食料問題である。
さて・・・異世界最初の大問題、どうしようか・・・。
─────────────────
川で泳いでいる魚が、ワニのような生き物に丸呑みにされ、捕食された。
そのワニもどきが、ヤギのような生き物に角で突き刺され、捕食された。
そのヤギもどきが、ライオンのような生き物に噛み殺され、捕食された。
そしてその今の所食物連鎖の頂点を狙うのは────鬼。
さぁ、狩りの時間だ。と言わんばかりに唇を舐める鬼。
狙いを定め、地を蹴った。
だが流石はライオンもどき、見事な反射神経でダメージを抑えた。
────近くにあった残骸は霧散したが。
それを見たライオンもどきは────伏せた。
伏せ・・・それは主に対する服従の印。
何故それを俺に・・・?
罠か・・・?などと考えていると、突然ライオンもどきが口を開き。
「すんません、まさかこないな方がこんな所で獲物を狙ってたとは思わなくてですね」
しゃ・・・しゃべった!?
そんな内の驚きなど知りもしない様子で。
「あっしらの集落に食料が沢山あるんで、宜しければいらっしゃいませんか・・・?」
「ええと・・・」
「さあさあ、遠慮はいりませんて旦那!」
「だから・・・あの・・・」
聞く耳を持たないライオンもどきは背中を押して洞穴へ連れ込もうとする。
まぁ・・・丁度いいか、お言葉に甘えるとしよう。
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