絶海学園

浜 タカシ

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第一章 国立太平洋学園の潜伏者

第十四話 ふるさと

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~2088年 日本本島~
私は日本海に面した小さな港町だった。父は漁師で海に一度出てしまえば半年は戻ってこなかった。そんなある日だった。

「一ノ瀬さん、一ノ瀬さん大変よ!旦那さんが」

漁協で働いていたおばさんが家に飛び込んできた。

「漁船が沈没したって…」

あの時の母の顔は今でも鮮明に覚えている。小さかった私にはよく分からなかったが、革命国海軍の攻撃を受け父の漁船は海に沈んだらしい。あの日から父は一度も戻ってこなかった。
父の葬儀が終わり、母は病気がちになった。私は家にいるのが辛くて一人で浜辺に行き遊ぶことが多くなった。あの日も浜辺で遊んでいた。

「お嬢ちゃんいくつ?」

軍服を着た大男たちが私の後ろに立っていた。怖かった。

「お兄さんたちが船に乗せてあげるよ。ついておいで」

私は船と聞いて乗ってみたくなった。父はいつも言っていた

「明衣、船はいいぞ。海を独り占めにできるんだぞ。明衣も大きくなったら乗せてやるからな」

父が楽しそうに話してくれた船がどんなものなのか興味があった。私は男たちに連れられ船に乗り、気づいたら革命国にいた。拉致されたのだ。

「お前は今日から旺 橙桜だ」

私は革命国の人間になるため、名前を与えられた。私は母が恋しくなり毎日泣いた。どうして母は助けに来てくれないのだろう。私の助けてほしいという希望はいつからか、なぜ助けに来ないんだという不満に変わり、母に対する憎しみに変わっていた。そこからは早かった。私を捨てた母を、日本を潰すため毎日、毎日訓練に明け暮れた。そして私は10歳という若さで1等航空司令官になっていた。
 年が明けてすぐサムが私に作戦の依頼に来た。その内容は私が願ってもない、日本に復讐するのにぴったりなものだった。

~2100年4月9日 23:55 NPOC SS層~
 作戦開始まであと五分。もう少しで仲間たちが作戦決行のためにこのNPOCに降り立つ。私は緊張していた。でもシミュレーションは完璧だ。滞りなく作戦は実行できるだろう。
遠くからヘリコプターの音が聞こえてきた。

「さぁ、ショータイムよ」
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