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File9/Page3 犯人は誰だ
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みなさんこんにちは。長田浜高校放送部がお送りするラジオ、長高ラジオステーション。今日は文化祭特別版、司会は阿東水樹でお送りします。是非最後までお付き合いください。
文化祭スペシャルは今日と明日、14時に計2回お送りします。今回はその初回、張り切っていきましょう。
さて、本日は文化祭スペシャルという事でゲストにお越しいただきました。この回のゲストはミステリー同好会部長の鹿野琴さんです。
皆さんこんにちは。ミステリー同好会の鹿野です。よろしくお願いします。
さて、なぜ、ミステリー同好会の方に来ていただいたかというと、鹿野さん説明をお願いします。
はい。現在長高祭で、連続窃盗事件が発生しています。これまでに放送部からマイク、アカペラ部から楽譜、囲碁部から碁石がそれぞれ盗まれています。犯人は各犯行現場で犯行声明を残しており、もっとも近い囲碁部の物にはあと4、つまり後4団体が被害にあるとあります。
そうなんです、実は我ら放送部も被害にあってしまいました。
はい、なので今回の文化祭に出店している全ての団体にお願いです。これ以上被害が拡大しないためにも、注意をお願いします。
なるほど、それでは鹿野さん。最後に犯人に対して一言。
謎を愛する者として、必ず捕まえて見せます。待っていてください。
おぉ、これは頼もしい。さて、そろそろお時間の様です。今回の放送はこの辺で、また14時にお会いしましょう。それでは、さようなら。
==============
囲碁部から帰る途中例のごとく、マイクに出会い、囲碁部での一件について話すと、マスコミとして見過ごせない。ぜひ、専門家として出演してほしいと頼まれ、生放送に鹿野が出演した。なかなか面白いラジオだった。
さてと、そろそろ、次の団体が被害にあう頃じゃないかな、俺は体感的にそう感じていた。
――――――――――――――――
「お疲れ様です戸田さん」
「お疲れ。なかなかよかったぞ」
「本当ですか」
「あぁ」
「うふふ、それは良かったです」
「さぁ、そろそろ見回りを再開するか」
「はい」
再び校内を歩き始めた俺たち。しばらくすると、前から見慣れた顔が息を切らしながらこちらへ走ってきているのが見えた。
「どうした小郡、そんなに急いで」
「はぁはぁ、やっと見つけた」
「大丈夫ですか真由美ちゃん」
「うん、大丈夫だよ。それより、また被害団体が出ちゃった」
「なんだって」
「次はどこだったんですか」
「次は、アイス研だよ」
「アイス研だと」
「うん、私がアイスを買いに行ったら、アイスクリームディッシャーが無くなってたみたいなの」
「アイスクリームディッシャー?」
「あの、アイスクリームをすくう、先が丸い道具の事ですよ」
「なるほど、犯行声明は?」
「あったよ、ほらこれ」
そういうと小郡はポッケに入っていた紙きれを取り出し俺たちに見せた。
「あと、3か」
「はい」
あと3団体、一体どこを狙うつもりなのだろうか。
その時、再び電話が着信を告げた。再び駿之介からの様だ。
『もしもし』
『次は野球部だ』
『やられたな、あと2団体だぞ』
『えっ、まさかもう一つ』
『あぁ、アイス研がやられた』
『くそっ。こっちも情報収集しておくから、一度戻ってきてくれ』
『分かった』
「次はどこがやられたのよ、戸田」
「野球部だそうだ」
「そうですか、また防ぐことができませんでした」
「一度部室へ戻ろう。駿之介が情報収集してくれているらしい」
「分かった」
――――――――――――――
「戻ったぞ」
「あぁ、お帰りみんな。やられたよ」
「そうですね。犯人は次々と物を盗んでいきます」
「次は福祉部だ」
「えっ、駿ちゃん今なんて?」
「アイス研、野球部、福祉部。たった30分足らずの間に3団体が一気に被害にあったんだよ」
「なかなかやるな」
「そんなこと言っている場合ですか」
「こうしてみると、どの部活もなんの関係性もないように見えるね」
「無差別的な犯行、という事でしょうか」
それはどうだろうか。犯行声明、あと何団体を狙っているか、それを丁寧に置いていくあたり、かなり計画的な犯行と思われる。どうしても、無差別的な犯行には思えない。
「放送部、アカペラ部、アイス研、野球部に福祉部。そしてあと1団体。なんの関係があるんだ」
「分かりませんね…」
「そういえば、博人と鹿野さんはお弁当食べたのかい?」
「そういえば食べてないな」
「ですね」
「もう15時前だけど食べて置いたら?」
駿之介と小郡の説得もあって、俺は面倒くさかったが、ちょっと遅めの昼を食べることになった。
「いただきます」
「駿之介は、日の丸派なんだね」
「なんだそれ」
「梅干しをご飯にのっけてくる人の事だよ。他には白飯派、ふりかけ派なんかがいるよ」
「確かに、俺はいつも梅干しだな。母さんが手抜きしたいだけだろうけど」
「僕はふりかけ派だよ」
「そうか」
とまぁ、興味もない情報を聞いたところで、俺は日の丸弁当に箸を入れる。
…日の丸。
「分かったぞ、規則性が」
「ひゃっ、どうしたんですか戸田さん」
「そうよ、あんたが大声出すのなんて珍しくない?」
「それほど難解な事件だったてことだよ、ねっ、博人」
「あぁ、やっと分かったよ」
―――――――――――――――――
「そろそろ聞かせてもらってもいいですか?」
「あぁ、まず、犯行声明にあった、あの丸四つ。あれはちゃんと規則通りに物を盗むことを宣言してたんだ」
「というと」
「これ、よく見たら日本みたいに見えないか」
「…。確かに、言われてみれば日本に見えない事もないよ」
「あぁ、それじゃあ、犯行にあった団体を一つのグループとして考える。日本をグループに分けるとしたら?」
「そうねぇ、アジアとか?」
「違う、日本国内を分けるんだ」
「///そっ、そんなことわかってたわよ!」
「そうですね、東北や関東、近畿など地方に分けれます」
「あぁ、ここからは簡単だ。頭文字、『ほ』と言えば」
「『ほ』…。あっ、北海道!」
「そうだ、これらは、東北地方各道県の頭文字をもつ部活を狙ったものなんだ」
「なるほど、青森、秋田はアカペラ部とアイス研、岩手県は囲碁部、山形県は野球部、福島県は福祉部といった具合だね」
「その通り、そして残る県は」
「…宮城県ね」
「あぁ、駿之介パンフレットを見せてくれ」
「あぁ、ちょっと待ってね。はい、どうぞ」
「宮城県、つまり頭文字が『み』の部活は…」
「待ってよ戸田。ということは最後のターゲットって」
「あぁ、我がミステリー同好会だな」
『こちら文化祭実行委員会です。以上の時刻で本日の全プログラムを終了します。ご来場の皆様、本日はありがとうございました。生徒の皆さんは片付けに入ってください』
「終わっちゃったね」
「そうだな」
「つまり、私たちは明日狙われる、そういう事でしょうか」
「あぁ、そう考えて間違いないと思う」
「でも、結局誰がこんなことを」
それは俺にもわからない。俺はもう一度パンフレットに目を落とす。
生徒会長のあいさつは定形みたいだが、まぁ、しょうがないだろう。やっぱり全文化部が参加するだけあって、結構にぎやかな文化祭だ、だが、今回はこの多さが裏目に出たな。
「琴ちゃん、スカートの後ろ汚れてるよ」
「へっ、あっ、本当ですね。いつ汚れてしまったんでしょう」
「あの時だろ、ぶつかられた時があっただろ」
「…。あっ、あの地歴部の方ですね」
ん?俺はもう一度パンフレットの文化部一覧に目を通す。おかしい、名前がないぞ。
「なぁ、この学校って地歴部なんて部活はあるのか」
「どうしたんだい博人。この学校部活動が多くて、全部は把握しきれてないよ」
「私も。でもありそうじゃない?」
「じゃあ、これを見てくれ」
俺はそう言ってみんなにパンフレットを見せる。
「文化部一覧ね。でもこれがどうしたの」
「生徒会長のあいさつには、今回の文化祭は全ての文化部が出店しているとある。なのに、ここにはないんだよ。地歴部の名前が」
「…!確かに、戸田さんの言う通り、名前がありません」
コンコン「お前たち、入るぞ」
その時、顧問の宇佐先生がタイミングを見計らったかのように入ってきた。
「どうだ、部誌は売れたか?」
「先生、ちょうどよかったです。この学校に地歴部はありますか」
「地歴部?いや、そんな部活はないぞ」
「じゃあやっぱり」
「いや、でも生徒が一人地歴部を作りたいと申請を出してきたことはあったな」
「それなのになんで地歴部は無いんですか?」
「申請してきたのが一人だったからよ。新しく部活を作るときは、5人以上部員が必要なの。その要件を満たしてなかったから許可されなかった」
「…?でも、ミステリー同好会は最初鹿野しかいませんでしたよね」
「ミステリー同好会はもともとあった部活だから問題ないの。新しく作る時だけ5人以上必要なのよ」
「じゃあ、戸田さん。私がぶつかった人って」
「あぁ、あいつは地歴部員なんかじゃない」
つながった。この日本地図。社会、特に地理好きなら、すぐに思いつきそうな謎だ。
「つまり、今回の犯人は、あの偽地歴部員だ」
文化祭スペシャルは今日と明日、14時に計2回お送りします。今回はその初回、張り切っていきましょう。
さて、本日は文化祭スペシャルという事でゲストにお越しいただきました。この回のゲストはミステリー同好会部長の鹿野琴さんです。
皆さんこんにちは。ミステリー同好会の鹿野です。よろしくお願いします。
さて、なぜ、ミステリー同好会の方に来ていただいたかというと、鹿野さん説明をお願いします。
はい。現在長高祭で、連続窃盗事件が発生しています。これまでに放送部からマイク、アカペラ部から楽譜、囲碁部から碁石がそれぞれ盗まれています。犯人は各犯行現場で犯行声明を残しており、もっとも近い囲碁部の物にはあと4、つまり後4団体が被害にあるとあります。
そうなんです、実は我ら放送部も被害にあってしまいました。
はい、なので今回の文化祭に出店している全ての団体にお願いです。これ以上被害が拡大しないためにも、注意をお願いします。
なるほど、それでは鹿野さん。最後に犯人に対して一言。
謎を愛する者として、必ず捕まえて見せます。待っていてください。
おぉ、これは頼もしい。さて、そろそろお時間の様です。今回の放送はこの辺で、また14時にお会いしましょう。それでは、さようなら。
==============
囲碁部から帰る途中例のごとく、マイクに出会い、囲碁部での一件について話すと、マスコミとして見過ごせない。ぜひ、専門家として出演してほしいと頼まれ、生放送に鹿野が出演した。なかなか面白いラジオだった。
さてと、そろそろ、次の団体が被害にあう頃じゃないかな、俺は体感的にそう感じていた。
――――――――――――――――
「お疲れ様です戸田さん」
「お疲れ。なかなかよかったぞ」
「本当ですか」
「あぁ」
「うふふ、それは良かったです」
「さぁ、そろそろ見回りを再開するか」
「はい」
再び校内を歩き始めた俺たち。しばらくすると、前から見慣れた顔が息を切らしながらこちらへ走ってきているのが見えた。
「どうした小郡、そんなに急いで」
「はぁはぁ、やっと見つけた」
「大丈夫ですか真由美ちゃん」
「うん、大丈夫だよ。それより、また被害団体が出ちゃった」
「なんだって」
「次はどこだったんですか」
「次は、アイス研だよ」
「アイス研だと」
「うん、私がアイスを買いに行ったら、アイスクリームディッシャーが無くなってたみたいなの」
「アイスクリームディッシャー?」
「あの、アイスクリームをすくう、先が丸い道具の事ですよ」
「なるほど、犯行声明は?」
「あったよ、ほらこれ」
そういうと小郡はポッケに入っていた紙きれを取り出し俺たちに見せた。
「あと、3か」
「はい」
あと3団体、一体どこを狙うつもりなのだろうか。
その時、再び電話が着信を告げた。再び駿之介からの様だ。
『もしもし』
『次は野球部だ』
『やられたな、あと2団体だぞ』
『えっ、まさかもう一つ』
『あぁ、アイス研がやられた』
『くそっ。こっちも情報収集しておくから、一度戻ってきてくれ』
『分かった』
「次はどこがやられたのよ、戸田」
「野球部だそうだ」
「そうですか、また防ぐことができませんでした」
「一度部室へ戻ろう。駿之介が情報収集してくれているらしい」
「分かった」
――――――――――――――
「戻ったぞ」
「あぁ、お帰りみんな。やられたよ」
「そうですね。犯人は次々と物を盗んでいきます」
「次は福祉部だ」
「えっ、駿ちゃん今なんて?」
「アイス研、野球部、福祉部。たった30分足らずの間に3団体が一気に被害にあったんだよ」
「なかなかやるな」
「そんなこと言っている場合ですか」
「こうしてみると、どの部活もなんの関係性もないように見えるね」
「無差別的な犯行、という事でしょうか」
それはどうだろうか。犯行声明、あと何団体を狙っているか、それを丁寧に置いていくあたり、かなり計画的な犯行と思われる。どうしても、無差別的な犯行には思えない。
「放送部、アカペラ部、アイス研、野球部に福祉部。そしてあと1団体。なんの関係があるんだ」
「分かりませんね…」
「そういえば、博人と鹿野さんはお弁当食べたのかい?」
「そういえば食べてないな」
「ですね」
「もう15時前だけど食べて置いたら?」
駿之介と小郡の説得もあって、俺は面倒くさかったが、ちょっと遅めの昼を食べることになった。
「いただきます」
「駿之介は、日の丸派なんだね」
「なんだそれ」
「梅干しをご飯にのっけてくる人の事だよ。他には白飯派、ふりかけ派なんかがいるよ」
「確かに、俺はいつも梅干しだな。母さんが手抜きしたいだけだろうけど」
「僕はふりかけ派だよ」
「そうか」
とまぁ、興味もない情報を聞いたところで、俺は日の丸弁当に箸を入れる。
…日の丸。
「分かったぞ、規則性が」
「ひゃっ、どうしたんですか戸田さん」
「そうよ、あんたが大声出すのなんて珍しくない?」
「それほど難解な事件だったてことだよ、ねっ、博人」
「あぁ、やっと分かったよ」
―――――――――――――――――
「そろそろ聞かせてもらってもいいですか?」
「あぁ、まず、犯行声明にあった、あの丸四つ。あれはちゃんと規則通りに物を盗むことを宣言してたんだ」
「というと」
「これ、よく見たら日本みたいに見えないか」
「…。確かに、言われてみれば日本に見えない事もないよ」
「あぁ、それじゃあ、犯行にあった団体を一つのグループとして考える。日本をグループに分けるとしたら?」
「そうねぇ、アジアとか?」
「違う、日本国内を分けるんだ」
「///そっ、そんなことわかってたわよ!」
「そうですね、東北や関東、近畿など地方に分けれます」
「あぁ、ここからは簡単だ。頭文字、『ほ』と言えば」
「『ほ』…。あっ、北海道!」
「そうだ、これらは、東北地方各道県の頭文字をもつ部活を狙ったものなんだ」
「なるほど、青森、秋田はアカペラ部とアイス研、岩手県は囲碁部、山形県は野球部、福島県は福祉部といった具合だね」
「その通り、そして残る県は」
「…宮城県ね」
「あぁ、駿之介パンフレットを見せてくれ」
「あぁ、ちょっと待ってね。はい、どうぞ」
「宮城県、つまり頭文字が『み』の部活は…」
「待ってよ戸田。ということは最後のターゲットって」
「あぁ、我がミステリー同好会だな」
『こちら文化祭実行委員会です。以上の時刻で本日の全プログラムを終了します。ご来場の皆様、本日はありがとうございました。生徒の皆さんは片付けに入ってください』
「終わっちゃったね」
「そうだな」
「つまり、私たちは明日狙われる、そういう事でしょうか」
「あぁ、そう考えて間違いないと思う」
「でも、結局誰がこんなことを」
それは俺にもわからない。俺はもう一度パンフレットに目を落とす。
生徒会長のあいさつは定形みたいだが、まぁ、しょうがないだろう。やっぱり全文化部が参加するだけあって、結構にぎやかな文化祭だ、だが、今回はこの多さが裏目に出たな。
「琴ちゃん、スカートの後ろ汚れてるよ」
「へっ、あっ、本当ですね。いつ汚れてしまったんでしょう」
「あの時だろ、ぶつかられた時があっただろ」
「…。あっ、あの地歴部の方ですね」
ん?俺はもう一度パンフレットの文化部一覧に目を通す。おかしい、名前がないぞ。
「なぁ、この学校って地歴部なんて部活はあるのか」
「どうしたんだい博人。この学校部活動が多くて、全部は把握しきれてないよ」
「私も。でもありそうじゃない?」
「じゃあ、これを見てくれ」
俺はそう言ってみんなにパンフレットを見せる。
「文化部一覧ね。でもこれがどうしたの」
「生徒会長のあいさつには、今回の文化祭は全ての文化部が出店しているとある。なのに、ここにはないんだよ。地歴部の名前が」
「…!確かに、戸田さんの言う通り、名前がありません」
コンコン「お前たち、入るぞ」
その時、顧問の宇佐先生がタイミングを見計らったかのように入ってきた。
「どうだ、部誌は売れたか?」
「先生、ちょうどよかったです。この学校に地歴部はありますか」
「地歴部?いや、そんな部活はないぞ」
「じゃあやっぱり」
「いや、でも生徒が一人地歴部を作りたいと申請を出してきたことはあったな」
「それなのになんで地歴部は無いんですか?」
「申請してきたのが一人だったからよ。新しく部活を作るときは、5人以上部員が必要なの。その要件を満たしてなかったから許可されなかった」
「…?でも、ミステリー同好会は最初鹿野しかいませんでしたよね」
「ミステリー同好会はもともとあった部活だから問題ないの。新しく作る時だけ5人以上必要なのよ」
「じゃあ、戸田さん。私がぶつかった人って」
「あぁ、あいつは地歴部員なんかじゃない」
つながった。この日本地図。社会、特に地理好きなら、すぐに思いつきそうな謎だ。
「つまり、今回の犯人は、あの偽地歴部員だ」
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