54 / 226
6章 あふれの渦中
6-3. 総力戦
しおりを挟む
モンスターはだんだん強くなっていく。
アルが加わった当初は、3交代制で1チームはセーフティーエリア前で戦闘の合間に休憩していられたが、すでにセーフティーエリア前でも常時戦闘が行われている。それでも階段を抜けたモンスターの半分以上は地上へ向かっているのだ。
地元のSランク2パーティーがここにいるということは、地上にはおそらくSランクパーティーがいない。領軍と、緊急招集で周りの街から集まってきてくれる冒険者の健闘を祈るしかない。
セーフティーエリア前でも戦闘が行われるようになってから、アルが戦闘しているときは、セーフティーエリアの入り口で見守っている。いざという時にブランに助けてもらいたいからだ。ブランは、アルだけはどんな時でも助けてくれる。
僕たちが進んでいた下層の真ん中あたりで見たモンスターが出現するようになると、僕が見ても、戦闘に余裕がないのが分かる。
その中でもアルは、というかアルの魔剣は、バッサリとモンスターを斬っている。
「アル、強いね」
『(あの魔剣とここのモンスターの相性がいいな。だから持ちこたえていられる)』
「魔剣と相性ってあるの?」
『(属性攻撃が無効のモンスターには魔剣もただの剣だ)』
なるほど。あの魔剣はかまいたちみたいなのが飛んでいくけど、物理攻撃しか効かない相手だとそれも無効なのか。
そんな風にアルの戦闘を見ていたら、階段の前で悲痛な叫び声がした。下から一緒に上がってきたSランクパーティーのリーダー、クルーロさんが攻撃を受けたようで倒れている。すぐにアルが目の前のモンスターを片付けて、フォローに向かい、メンバーがクルーロさんを抱えるようにして、セーフティーエリアに戻ってきた。
お腹から大量の血が流れているので、血が苦手な僕は直視できない。パーティーメンバーがポーションをかけても流れる血が止まらず傷が塞がらないので、さらにポーションをかけようとしたのを、クルーロさん本人が止めた。
「やめろ。この傷は……無理だと、……自分でも、分かる」
「リーダー!」
「後を、頼む、……ミラン」
睡眠中だったパーティーも騒動に気づいて起きてきた中に、もう1つのSランクのパーティーを見つけ、クルーロさんがとぎれとぎれの声で伝えた。致命傷なのか。
「ブラン、あの傷ってエリクサーで何とかなる?」
『(なるぞ)』
使っていいかな。いいよね。こういう時に使わないでいつ使うんだ。よし使おう。
ちょっと見るのがしんどいけど、クルーロさんに近づき、アイテムボックスから出したエリクサーの瓶を握りしめて、傷口にかけると、傷口がほのかに光った。
驚いたクルーロさんが自分の傷口を触っている。傷は塞がったようで、クルーロさんが自分で身体を起こした。よかった。効いたみたいだ。
「何をした。これはまさか、」
「エリクサーです。1本しかないので、次はありません」
「そんな貴重なものを、オレのために」
「貴方のためじゃありません。アルのためです。今あなたに抜けられると困るんです。きっとここにいる全員の心が折れてしまう」
彼はここのメンバーの精神的な支柱だ。もう1組のSランクパーティーと共に、2組いるからこそ生きて帰れると信じていられるのだ。僕たちはSランクとはいえ余所者だ。彼が抜ければ、一気に瓦解する。そんなことになったら、その惨状を見て傷つくだろう僕をここに残したことを、アルが後悔する。
それよりも外でアルが戦闘しているので、クルーロさん以外は戻ってほしいな。
僕が外を気にしているのに気づいたクルーロさんが、戦闘に戻れとメンバーに言ってくれて、彼らは後ろ髪を引かれながらも戻って行った。
「支払いの話は、地上に帰ってからでいいか」
「はい」
「悪いが、オレは1日休みをもらう。それまで頼む」
もう1つのSランクパーティーのリーダー、ミランさんにそう言って、さっさと自分のテントに引き上げて行った。休んで回復して戦線に復帰するためだろう。非常時とはいえ、あの出血で1日で復帰できるのか。すごいな。
ちなみにエリクサーはもう1本ある。でもこれはもしもの時のアルのためのものだから、次はないというのは本当だ。
「ありがとな」
「いえ。出るんですか?」
「ああ。あいつが復帰するまで、頼まれたからね」
休憩中だったミランさんが、どうせ起きてしまったし、と戦闘に出て行った。彼のパーティーメンバーの一部も一緒だ。
ミランさんたちは数時間しか寝ていないけれど、Sランクパーティーのリーダーであるクルーロさんが抜けた穴を埋められるのは、同じSランクだけだ。クルーロさんのパーティーのメンバーだけでなく、一緒に戦っている冒険者も、目の前でクルーロさんが倒れるのを見て動揺しているだろう。戦力以上に、気持ちを奮い立たせるために、彼らの存在が必要だ。
僕は、Sランクの背負うものの大きさを、初めて知った。
彼らは希望だ。ここの冒険者にとってもだけど、きっと彼らが生還すれば、それはあふれで被害が出た街の希望になる。
僕もSランクだけど、僕のはアイテムボックスに対する評価なので、だれも僕に戦闘を期待していない。
僕の安全は全てアルに委ねられていると周りは判断している。今回僕が無事に帰らなければ、アルが悪し様に言われてしまうだろう。
ここにいる全員が、いざとなれば僕だけは生きて帰そうと思っているのも気付いている。
僕は無事で帰らなければならない。
そして、ここにいる冒険者もまた、無事で帰らなければならない。
僕に出来ることは何だろう。
休憩で少しだけ仮眠をとるアルと一緒にテントに入ったところで、考えていたことを話す。
「アル、防具に強化の付与をかけたい」
「ダメだ」
「アル、彼らはこの街の希望なんだ。無事に帰らないと」
「それは分かる。けれどダメだ。ホトでは断ったのにここではやるのか、と言われると反論できない」
僕は以前ホトのあふれの際に、領兵に武器への付与を求められて、過去のトラウマから取り乱してしまった。領兵が僕に強要したということで、ホト領へはその先5年あふれの対応に僕を派遣しないとギルドがペナルティを課した。それなのにここで付与をすると、ホトへの処罰が厳しすぎたことになってしまう。
アルの言うことが正しい。けれど、このままではおそらく全員無事に帰れない。
『モンスターを間引いてやるから、やめておけ』
「ブラン?」
『今回だけだぞ』
「ブラン、ダメだよ。ブランに迷惑はかけられないよ」
『手を貸すことに問題はない。人のやることにはあまり関わらないようにしているだけだ。ユウのためなら構わん』
制約とかがあって手を出さないようにしているわけではないらしい。何度聞いても嘘ではないと言っているから、本当なんだろう。
僕のわがままでブランの信念を曲げさせてしまった。ブランに甘えてばっかりだ。
アルは仮眠をとって、また戦闘に戻って行った。
抜けたクルーロさんの分を、残りのSランク2人で補うためだ。
そして、下層のモンスターの中でも強そうなモンスターが現れた頃には、ブランがセーフティーエリアから出て、アルのサポートをするようになった。地上に帰ったらブランに美味しいお肉を進呈しなければ。
僕にも何かできることがないか、アイテムボックス内を調べて、1つだけ出来そうなことを見つけた。
「このレモンを全部輪切りにしてもらえるかな?」
「厚さはこれくらいでいいですか?」
「うん。種を取って、この容器にいれてね」
レモンを輪切りにしていたら、リンバーグの子が手伝いを申し出てくれた。僕の包丁さばきが不安だったからではないと信じたい。
ビタミンCをとるのにいいよねと買ったまま使ってないレモンと、カザナラで特産品として売られていたハチミツがアイテムボックスに入っていたので、ハチミツレモンを作ろう。
レモン1つ分が容器に入れられる度に上からハチミツをかけていると、そんなに使うんですか?と驚かれてしまった。そういえばこの世界、甘味は贅沢品だ。日本の感覚でドバドバ入れていたけど、ハチミツは高かったんだ。でもこんなところでケチる気はないので、最終的に1瓶丸ごと使った。
包丁を出したついでに、アイテムボックスから果物を出してむいてもらおう。ハチミツレモンは1日置いてからだから、今日はデザートに果物だ。
衣食住で、住はまず整えたし、衣は付与以外に出来ることを思いつかないので、となると食しかない。三大欲求のひとつでもあるしね。
戦闘している人たちの疲労はピークだ。戦闘していない僕ですら疲れている。決して安全ではない場所にはいるだけで疲れてしまう。
昨日はクルーロさんの瀕死騒動もあったし、せめて何かホッとできるものをと思い当たったのが、甘いものだった。アルみたいに甘いものがそんなに好きじゃない人には申し訳ないけど、こういう時には甘いものでしょう。
翌日のハチミツレモンは、大好評だった。
お水で割って、ブランに出してもらった氷を入れる。水で割る前の状態のハチミツの量を見て、それいくらするんだよと恐れ戦いていた人も、1杯飲むとおかわりしていた。クエン酸で疲労回復してほしい。この世界にクエン酸があるのか、疲労回復するのかは分からないけど。
クルーロさんもハチミツレモンを飲んでから、戦線に復帰した。
そして、その日から3日間、総力戦だった。
最下層間近のモンスターが、絶え間なく襲ってくる。三交代制での寝る時間もほとんど取れず、仮眠してはすぐに戻って行く。行かなければ、戦っている人たちの命が危ない。ポーションが文字通り湯水のごとく消費されていく。
リンバーグもセーフティーエリアの入り口で武器を構えていて、僕はその後ろに下げられてしまったので、ただ祈ることしかできなかった。
ブランがみんなに見えないところでだいぶモンスターを間引いてくれたと、後からアルが教えてくれた。戦闘が激化し、みんな周りを見ている余裕がない中で、ブランがこっそりと階段に上がる前のモンスターを倒してくれたそうだ。
僕たちがこのセーフティーエリアに来てから7日後、やっと下の階から上がってくるモンスターがいなくなった。
アルが加わった当初は、3交代制で1チームはセーフティーエリア前で戦闘の合間に休憩していられたが、すでにセーフティーエリア前でも常時戦闘が行われている。それでも階段を抜けたモンスターの半分以上は地上へ向かっているのだ。
地元のSランク2パーティーがここにいるということは、地上にはおそらくSランクパーティーがいない。領軍と、緊急招集で周りの街から集まってきてくれる冒険者の健闘を祈るしかない。
セーフティーエリア前でも戦闘が行われるようになってから、アルが戦闘しているときは、セーフティーエリアの入り口で見守っている。いざという時にブランに助けてもらいたいからだ。ブランは、アルだけはどんな時でも助けてくれる。
僕たちが進んでいた下層の真ん中あたりで見たモンスターが出現するようになると、僕が見ても、戦闘に余裕がないのが分かる。
その中でもアルは、というかアルの魔剣は、バッサリとモンスターを斬っている。
「アル、強いね」
『(あの魔剣とここのモンスターの相性がいいな。だから持ちこたえていられる)』
「魔剣と相性ってあるの?」
『(属性攻撃が無効のモンスターには魔剣もただの剣だ)』
なるほど。あの魔剣はかまいたちみたいなのが飛んでいくけど、物理攻撃しか効かない相手だとそれも無効なのか。
そんな風にアルの戦闘を見ていたら、階段の前で悲痛な叫び声がした。下から一緒に上がってきたSランクパーティーのリーダー、クルーロさんが攻撃を受けたようで倒れている。すぐにアルが目の前のモンスターを片付けて、フォローに向かい、メンバーがクルーロさんを抱えるようにして、セーフティーエリアに戻ってきた。
お腹から大量の血が流れているので、血が苦手な僕は直視できない。パーティーメンバーがポーションをかけても流れる血が止まらず傷が塞がらないので、さらにポーションをかけようとしたのを、クルーロさん本人が止めた。
「やめろ。この傷は……無理だと、……自分でも、分かる」
「リーダー!」
「後を、頼む、……ミラン」
睡眠中だったパーティーも騒動に気づいて起きてきた中に、もう1つのSランクのパーティーを見つけ、クルーロさんがとぎれとぎれの声で伝えた。致命傷なのか。
「ブラン、あの傷ってエリクサーで何とかなる?」
『(なるぞ)』
使っていいかな。いいよね。こういう時に使わないでいつ使うんだ。よし使おう。
ちょっと見るのがしんどいけど、クルーロさんに近づき、アイテムボックスから出したエリクサーの瓶を握りしめて、傷口にかけると、傷口がほのかに光った。
驚いたクルーロさんが自分の傷口を触っている。傷は塞がったようで、クルーロさんが自分で身体を起こした。よかった。効いたみたいだ。
「何をした。これはまさか、」
「エリクサーです。1本しかないので、次はありません」
「そんな貴重なものを、オレのために」
「貴方のためじゃありません。アルのためです。今あなたに抜けられると困るんです。きっとここにいる全員の心が折れてしまう」
彼はここのメンバーの精神的な支柱だ。もう1組のSランクパーティーと共に、2組いるからこそ生きて帰れると信じていられるのだ。僕たちはSランクとはいえ余所者だ。彼が抜ければ、一気に瓦解する。そんなことになったら、その惨状を見て傷つくだろう僕をここに残したことを、アルが後悔する。
それよりも外でアルが戦闘しているので、クルーロさん以外は戻ってほしいな。
僕が外を気にしているのに気づいたクルーロさんが、戦闘に戻れとメンバーに言ってくれて、彼らは後ろ髪を引かれながらも戻って行った。
「支払いの話は、地上に帰ってからでいいか」
「はい」
「悪いが、オレは1日休みをもらう。それまで頼む」
もう1つのSランクパーティーのリーダー、ミランさんにそう言って、さっさと自分のテントに引き上げて行った。休んで回復して戦線に復帰するためだろう。非常時とはいえ、あの出血で1日で復帰できるのか。すごいな。
ちなみにエリクサーはもう1本ある。でもこれはもしもの時のアルのためのものだから、次はないというのは本当だ。
「ありがとな」
「いえ。出るんですか?」
「ああ。あいつが復帰するまで、頼まれたからね」
休憩中だったミランさんが、どうせ起きてしまったし、と戦闘に出て行った。彼のパーティーメンバーの一部も一緒だ。
ミランさんたちは数時間しか寝ていないけれど、Sランクパーティーのリーダーであるクルーロさんが抜けた穴を埋められるのは、同じSランクだけだ。クルーロさんのパーティーのメンバーだけでなく、一緒に戦っている冒険者も、目の前でクルーロさんが倒れるのを見て動揺しているだろう。戦力以上に、気持ちを奮い立たせるために、彼らの存在が必要だ。
僕は、Sランクの背負うものの大きさを、初めて知った。
彼らは希望だ。ここの冒険者にとってもだけど、きっと彼らが生還すれば、それはあふれで被害が出た街の希望になる。
僕もSランクだけど、僕のはアイテムボックスに対する評価なので、だれも僕に戦闘を期待していない。
僕の安全は全てアルに委ねられていると周りは判断している。今回僕が無事に帰らなければ、アルが悪し様に言われてしまうだろう。
ここにいる全員が、いざとなれば僕だけは生きて帰そうと思っているのも気付いている。
僕は無事で帰らなければならない。
そして、ここにいる冒険者もまた、無事で帰らなければならない。
僕に出来ることは何だろう。
休憩で少しだけ仮眠をとるアルと一緒にテントに入ったところで、考えていたことを話す。
「アル、防具に強化の付与をかけたい」
「ダメだ」
「アル、彼らはこの街の希望なんだ。無事に帰らないと」
「それは分かる。けれどダメだ。ホトでは断ったのにここではやるのか、と言われると反論できない」
僕は以前ホトのあふれの際に、領兵に武器への付与を求められて、過去のトラウマから取り乱してしまった。領兵が僕に強要したということで、ホト領へはその先5年あふれの対応に僕を派遣しないとギルドがペナルティを課した。それなのにここで付与をすると、ホトへの処罰が厳しすぎたことになってしまう。
アルの言うことが正しい。けれど、このままではおそらく全員無事に帰れない。
『モンスターを間引いてやるから、やめておけ』
「ブラン?」
『今回だけだぞ』
「ブラン、ダメだよ。ブランに迷惑はかけられないよ」
『手を貸すことに問題はない。人のやることにはあまり関わらないようにしているだけだ。ユウのためなら構わん』
制約とかがあって手を出さないようにしているわけではないらしい。何度聞いても嘘ではないと言っているから、本当なんだろう。
僕のわがままでブランの信念を曲げさせてしまった。ブランに甘えてばっかりだ。
アルは仮眠をとって、また戦闘に戻って行った。
抜けたクルーロさんの分を、残りのSランク2人で補うためだ。
そして、下層のモンスターの中でも強そうなモンスターが現れた頃には、ブランがセーフティーエリアから出て、アルのサポートをするようになった。地上に帰ったらブランに美味しいお肉を進呈しなければ。
僕にも何かできることがないか、アイテムボックス内を調べて、1つだけ出来そうなことを見つけた。
「このレモンを全部輪切りにしてもらえるかな?」
「厚さはこれくらいでいいですか?」
「うん。種を取って、この容器にいれてね」
レモンを輪切りにしていたら、リンバーグの子が手伝いを申し出てくれた。僕の包丁さばきが不安だったからではないと信じたい。
ビタミンCをとるのにいいよねと買ったまま使ってないレモンと、カザナラで特産品として売られていたハチミツがアイテムボックスに入っていたので、ハチミツレモンを作ろう。
レモン1つ分が容器に入れられる度に上からハチミツをかけていると、そんなに使うんですか?と驚かれてしまった。そういえばこの世界、甘味は贅沢品だ。日本の感覚でドバドバ入れていたけど、ハチミツは高かったんだ。でもこんなところでケチる気はないので、最終的に1瓶丸ごと使った。
包丁を出したついでに、アイテムボックスから果物を出してむいてもらおう。ハチミツレモンは1日置いてからだから、今日はデザートに果物だ。
衣食住で、住はまず整えたし、衣は付与以外に出来ることを思いつかないので、となると食しかない。三大欲求のひとつでもあるしね。
戦闘している人たちの疲労はピークだ。戦闘していない僕ですら疲れている。決して安全ではない場所にはいるだけで疲れてしまう。
昨日はクルーロさんの瀕死騒動もあったし、せめて何かホッとできるものをと思い当たったのが、甘いものだった。アルみたいに甘いものがそんなに好きじゃない人には申し訳ないけど、こういう時には甘いものでしょう。
翌日のハチミツレモンは、大好評だった。
お水で割って、ブランに出してもらった氷を入れる。水で割る前の状態のハチミツの量を見て、それいくらするんだよと恐れ戦いていた人も、1杯飲むとおかわりしていた。クエン酸で疲労回復してほしい。この世界にクエン酸があるのか、疲労回復するのかは分からないけど。
クルーロさんもハチミツレモンを飲んでから、戦線に復帰した。
そして、その日から3日間、総力戦だった。
最下層間近のモンスターが、絶え間なく襲ってくる。三交代制での寝る時間もほとんど取れず、仮眠してはすぐに戻って行く。行かなければ、戦っている人たちの命が危ない。ポーションが文字通り湯水のごとく消費されていく。
リンバーグもセーフティーエリアの入り口で武器を構えていて、僕はその後ろに下げられてしまったので、ただ祈ることしかできなかった。
ブランがみんなに見えないところでだいぶモンスターを間引いてくれたと、後からアルが教えてくれた。戦闘が激化し、みんな周りを見ている余裕がない中で、ブランがこっそりと階段に上がる前のモンスターを倒してくれたそうだ。
僕たちがこのセーフティーエリアに来てから7日後、やっと下の階から上がってくるモンスターがいなくなった。
229
あなたにおすすめの小説
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された
楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。
何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。
記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。
----------
※注)
かっこいい攻はいません。
タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意!
貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。
ハッピーエンドです。
激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします!
全16話 完結済み/現在毎日更新予定
他サイトにも同作品を投稿しています。
様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。
初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!
この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜
COCO
BL
「ミミルがいないの……?」
涙目でそうつぶやいた僕を見て、
騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。
前世は政治家の家に生まれたけど、
愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。
最後はストーカーの担任に殺された。
でも今世では……
「ルカは、僕らの宝物だよ」
目を覚ました僕は、
最強の父と美しい母に全力で愛されていた。
全員190cm超えの“男しかいない世界”で、
小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。
魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは──
「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」
これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。
《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。
かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年
2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。
ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。
異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。
二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。
しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。
再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる