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1章 アルとの転機
1-5. この世界は
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サワマの街に着いた。
街の広場には避難民と思われる人たちもいて、街を歩く人たちはみな早足で、後方とはいえここはもうあふれの現場なのだと感じる。
隊長さんがギルド職員に僕の輸送はここまでだと伝えてくれて、ギルドの物資はギルドの倉庫に出した。
この街では代官の館に泊めてもらい、領軍の物資もそこに出すことになった。
「フスキの領主のアビス・フスキです。今回はご協力いただき感謝いたします。こういう事態ですので制限はありますが、何なりとお申し付けください。私の代わりに娘が対応いたします」
代官の館に着くと、代官じゃなくて領主様に挨拶されてしまった。しかもすごく気を遣われている。
そして領主様の娘さんを紹介された。息子さんたちは、ここより前線に近い街にいて、領主様は対応に忙しく時間がないので、彼女が僕の担当らしい。対応とかしてもらわなくて、放置でいいんだけどな。
部屋はブランとアルと一緒だ。ブランを部屋に入れることは少し渋られたけど、隊長さんが従魔も護衛だからと押し切ってくれた。食事も自分たちで用意して部屋で食べていいことになった。同席なんてしたら、マナーが気になって食事ができる気がしない。
到着したばかりで疲れているだろうからとすぐに部屋に案内してもらうと、泥のように眠った。
僕はここで、国軍の本体が着くまで待機する。前線が流動的で、どこを野営地にするか着く直前に決めるため、野営地を決めたところで物資を渡して任務終了になる。初めてのあふれの対応なので、いろんなことが手探りの出たとこ勝負だ。
僕と一緒に来た部隊の物資担当の人たちは、前線へ物資を届けたり、野営地の候補を見に行ったりと、すでに移動しているらしい。
街の中でできることがあれば協力すると言ったけど、それは僕の安全が保障できないからと断られた。
ということで、僕はすることがない。
ブランのブラッシングをしながら、うとうとしていると、領主のお嬢様からお茶のお誘いがあった。断りたいけど、食事も断ってるし多少は話をするべきだろう。ブランとアルも一緒でいいならと返事したところ、ご一緒にどうぞと言われたので、中庭に出向いた。うっかり変なことを言わないように、話はアルにしてもらおう。
今回はフスキのためにご協力いただきましてありがとうございます、そんな風に切り出したお嬢様は、話がとても上手だった。
アルからダンジョンの話を聞いてそれを今回の対応に役立てられるのか検討したり、会話はアルに任せて黙っていた僕にも簡単な返答で済むような質問を振ったり、さりげなく相手を褒めたり。頭の回転が早そうだなあという印象で、社交スキルがとにかくすごい。貴族のお姫様はわがままだろうと偏見を持っていたのを申し訳なく感じた。
「お人形さんみたいにきれいなお嬢様だったね」
「ユウ、それは、誉め言葉なんだよな?」
「え? お人形さんみたいって言わないの?」
「どちらかというと、人間味がないというあまりよくない表現で使われるな」
「そっかあ。そういう意味で使うこともあるけど、気をつけなきゃ」
たまにこういうニュアンスの違いもあるから、会話は油断できない。
結局、誘われた三回に一回はお嬢様とのお茶会に参加した。ダンジョンがあふれたこのときにこんなことしていていいのかな、と思う気持ちもあるものの、僕には他にできることもない。部屋に籠っているのも飽きてしまうだろうと、訓練場の片隅を借りられることになったので、そこでアルと護衛の兵士さんたちと訓練もした。
そうして五日が過ぎた日に、二日後に国軍の本体が到着するとの連絡が入った。
今日は国軍が野営地を置くところに、物資を運ぶ。街から離れたところだが、戦場からも離れているので、ブランのOKが出たのだ。
周りを護衛の兵士に囲まれ、案内された野営地は小高い丘の上だった。今来た方角の遠くにサワマの街が見え、反対側のほうを見ると、サワマより近い距離にある街から煙が上がっているのが見える。
「あの街がフスキの領都で、いまの前線です」
「……街の中が?」
「あふれたモンスターは、命あるものを目指す習性があります」
「街の人たちは……」
「領主の館や教会などに立てこもっています。いま領軍と国軍の先発部隊があの街に入ったモンスターを狩っています。冒険者たちはダンジョンから出てくるところを狙って攻撃しています」
「いつまでモンスターは出てくるんですか」
「分かりません。十日前後のことが多いのですが、今回は二十日以上続いています。いままでにない規模です。ここを野営地にするのは、あの街が落ちたときに、モンスターがサワマの街に向かわないようにするためです」
「そんな……」
ただ見晴らしがいいから選ばれたのだと思っていたこの場所に、そんな意味があったとは思わなかった。
中心部にはテントを、後方には医療用品を、武器と食糧はそれぞれ側方にと、言われるまま物資の箱を出していく。
今は物資に集中しないと思いながらも、あの街の人たちは無事なのか、僕に何かできることはないのか、気持ちが揺れて定まらない。
「ねえブラン、ちょっとあの街のモンスター蹴散らしてきてくれない?」
『(断る。ユウを置いていけるほど、ここは安全ではない。それに、これはここに住む者たちが解決すべきことだ)』
「そうだね……」
ブランは僕にはとても甘いけど、人の社会に対しては一線を引いているところがある。そんなブランに頼るのは間違ってるけど、ブランがいなければ僕は何もできない。何度目になるのか分からないが、自分のダメさ加減にため息が出てしまった。
全ての物資を出し終わり、サワマの街に戻ったところで、隊長さんから明日王都に向けて出発するから準備をしておくように言われた。
「この街の人たちを見捨てていくのですか!?」
「国としては、ここでユウさんを失うわけにはいかないのです。ご理解ください」
「でも、まだ僕にもできることが……」
「残念ながらありません。ここでユウさんが命を落とすようなことがあれば、国も、ギルドも、フスキの領主も責めを負うことになります。どうぞ王都へ我々とお帰りください」
そう言われてしまうと、僕は何も言えない。
僕はギルドの強制召集で、この隊長さんの指示に従うよう言われて、ここに来ている。
「……わがままを言って、すみませんでした。準備します」
「貴方のその気持ちは、フスキの出身の私としては、とても嬉しかったです。明日からまた移動ですので、今日はゆっくりお休みください」
そう言って、優しく笑ってくれた。
きっと隊長さんのほうがこの領の人たちを心配しているのに、感情のままに酷いことを言ってしまった。自己嫌悪しかない。
「どうしよう……、酷いこと言っちゃった」
『ユウは、あれこれ考えすぎだ。このあふれはユウのせいで起きたわけでもないし、ここの住人達が対処すべきことだ。なぜ他人の人生まで背負おうとするのだ』
「だって、困っている人がいるのに」
『助けを求められたわけでもないだろう。それにユウにはどうすることもできないことだ』
「困っている人がいたら助けましょうって、そう言われてきたんだ」
『それはユウの世界でだろう。この世界で、カイドで、ユウを助けてくれた人はいたか? ユウ、人がその手で抱えられるものなど知れているのだ。分を超えたことをしようとするな。アルも巻き込むことになるぞ』
いつも僕に甘いブランが、珍しく苦言を呈してきた。
ブランの言うとおりだ。僕はブランとアルが助けてくれないと、この世界ではまともに生きてもいけないのに。わがままを言ってアルを巻き込んで、アルが怪我をしても僕は治せないのに。
野営地から見えた前線の街は、どこかテレビの向こうのように見えて、安全なところにいる僕は何かしなくては、という気持ちになっていたのかもしれない。この街に入る前に、ここは日本じゃないとショックを受けたのに。
ここは安全な地でもなければ、僕一人ではこの街で生計を立てて暮らしていくことすらできない。甘えていては足をすくわれる。
すごいスキルをもらって、異世界転移者特典で、僕なら何とかできるんじゃないかと、うぬぼれていたのだ。
「ユウ、その優しさはユウのいいところだが、自分の手の及ばないことで傷つくことはない。ブランは心配してるんだ」
アルに優しく言われて、ブランを見ると『世話が焼けるな』と頬を舐められた。
ずっと世話ばっかりかけてごめんね。いつも守ってくれてありがとう。
準備を終えて、お嬢様にお礼の挨拶もして、出発を待っていたら、アルが「いいのか?」と聞いてきた。何が?
「お嬢様のこと気に入ったんだろう。ユウが望めば、このままニザナに連れていくこともできるぞ」
「え?」
「彼女をここに置いていくのが心配なんじゃないのか?」
「はい??」
アルの言っている意味が全く分からない。これは久しぶりにやらかしたのかもしれない。
その判断に至った理由が何なのか、教えてもらえませんか、アル先生。
アルの説明によると、夕食は家としてのご招待で、お茶会はお嬢様のご招待。お食事のお誘いは断ったのに、お茶会に何度か参加したのは、家には興味がないけどお嬢様に気がありますよ、というアピールになるそうだ。
「そんなの知らないよ。お食事断ったのにお茶会まで断るのは悪いかなって思っただけだもん」
「何度か誘いを受けていただろう」
「やることなかったし、毎回断るのも悪いかなって。え、でも、それなのに会話をほとんどアルに任せてる僕って、かなりダメな男って思われてたんじゃないの……?」
準備を終えたのだろう、途中から僕たちの会話を聞いていた護衛の兵士たちが苦笑しているのが見える。もしかしなくても、護衛の兵士にもそう思われてたんだな。
「知らなかったんだから。アルも教えてよ!」
「好みだと言っていただろう?」
「可愛いなって言っただけだよ。おとぎ話のお姫様みたいだよね? 僕の美的感覚おかしいの?」
「おかしくない。あのお嬢様と仲良くなりたいのかと思ってた」
「ここにお仕事に来てたのに?!」
僕は緊急事態のさなかに、女性をナンパするような奴と思われていたのか。それが何よりもショックだよ。
街の広場には避難民と思われる人たちもいて、街を歩く人たちはみな早足で、後方とはいえここはもうあふれの現場なのだと感じる。
隊長さんがギルド職員に僕の輸送はここまでだと伝えてくれて、ギルドの物資はギルドの倉庫に出した。
この街では代官の館に泊めてもらい、領軍の物資もそこに出すことになった。
「フスキの領主のアビス・フスキです。今回はご協力いただき感謝いたします。こういう事態ですので制限はありますが、何なりとお申し付けください。私の代わりに娘が対応いたします」
代官の館に着くと、代官じゃなくて領主様に挨拶されてしまった。しかもすごく気を遣われている。
そして領主様の娘さんを紹介された。息子さんたちは、ここより前線に近い街にいて、領主様は対応に忙しく時間がないので、彼女が僕の担当らしい。対応とかしてもらわなくて、放置でいいんだけどな。
部屋はブランとアルと一緒だ。ブランを部屋に入れることは少し渋られたけど、隊長さんが従魔も護衛だからと押し切ってくれた。食事も自分たちで用意して部屋で食べていいことになった。同席なんてしたら、マナーが気になって食事ができる気がしない。
到着したばかりで疲れているだろうからとすぐに部屋に案内してもらうと、泥のように眠った。
僕はここで、国軍の本体が着くまで待機する。前線が流動的で、どこを野営地にするか着く直前に決めるため、野営地を決めたところで物資を渡して任務終了になる。初めてのあふれの対応なので、いろんなことが手探りの出たとこ勝負だ。
僕と一緒に来た部隊の物資担当の人たちは、前線へ物資を届けたり、野営地の候補を見に行ったりと、すでに移動しているらしい。
街の中でできることがあれば協力すると言ったけど、それは僕の安全が保障できないからと断られた。
ということで、僕はすることがない。
ブランのブラッシングをしながら、うとうとしていると、領主のお嬢様からお茶のお誘いがあった。断りたいけど、食事も断ってるし多少は話をするべきだろう。ブランとアルも一緒でいいならと返事したところ、ご一緒にどうぞと言われたので、中庭に出向いた。うっかり変なことを言わないように、話はアルにしてもらおう。
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「お人形さんみたいにきれいなお嬢様だったね」
「ユウ、それは、誉め言葉なんだよな?」
「え? お人形さんみたいって言わないの?」
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「そっかあ。そういう意味で使うこともあるけど、気をつけなきゃ」
たまにこういうニュアンスの違いもあるから、会話は油断できない。
結局、誘われた三回に一回はお嬢様とのお茶会に参加した。ダンジョンがあふれたこのときにこんなことしていていいのかな、と思う気持ちもあるものの、僕には他にできることもない。部屋に籠っているのも飽きてしまうだろうと、訓練場の片隅を借りられることになったので、そこでアルと護衛の兵士さんたちと訓練もした。
そうして五日が過ぎた日に、二日後に国軍の本体が到着するとの連絡が入った。
今日は国軍が野営地を置くところに、物資を運ぶ。街から離れたところだが、戦場からも離れているので、ブランのOKが出たのだ。
周りを護衛の兵士に囲まれ、案内された野営地は小高い丘の上だった。今来た方角の遠くにサワマの街が見え、反対側のほうを見ると、サワマより近い距離にある街から煙が上がっているのが見える。
「あの街がフスキの領都で、いまの前線です」
「……街の中が?」
「あふれたモンスターは、命あるものを目指す習性があります」
「街の人たちは……」
「領主の館や教会などに立てこもっています。いま領軍と国軍の先発部隊があの街に入ったモンスターを狩っています。冒険者たちはダンジョンから出てくるところを狙って攻撃しています」
「いつまでモンスターは出てくるんですか」
「分かりません。十日前後のことが多いのですが、今回は二十日以上続いています。いままでにない規模です。ここを野営地にするのは、あの街が落ちたときに、モンスターがサワマの街に向かわないようにするためです」
「そんな……」
ただ見晴らしがいいから選ばれたのだと思っていたこの場所に、そんな意味があったとは思わなかった。
中心部にはテントを、後方には医療用品を、武器と食糧はそれぞれ側方にと、言われるまま物資の箱を出していく。
今は物資に集中しないと思いながらも、あの街の人たちは無事なのか、僕に何かできることはないのか、気持ちが揺れて定まらない。
「ねえブラン、ちょっとあの街のモンスター蹴散らしてきてくれない?」
『(断る。ユウを置いていけるほど、ここは安全ではない。それに、これはここに住む者たちが解決すべきことだ)』
「そうだね……」
ブランは僕にはとても甘いけど、人の社会に対しては一線を引いているところがある。そんなブランに頼るのは間違ってるけど、ブランがいなければ僕は何もできない。何度目になるのか分からないが、自分のダメさ加減にため息が出てしまった。
全ての物資を出し終わり、サワマの街に戻ったところで、隊長さんから明日王都に向けて出発するから準備をしておくように言われた。
「この街の人たちを見捨てていくのですか!?」
「国としては、ここでユウさんを失うわけにはいかないのです。ご理解ください」
「でも、まだ僕にもできることが……」
「残念ながらありません。ここでユウさんが命を落とすようなことがあれば、国も、ギルドも、フスキの領主も責めを負うことになります。どうぞ王都へ我々とお帰りください」
そう言われてしまうと、僕は何も言えない。
僕はギルドの強制召集で、この隊長さんの指示に従うよう言われて、ここに来ている。
「……わがままを言って、すみませんでした。準備します」
「貴方のその気持ちは、フスキの出身の私としては、とても嬉しかったです。明日からまた移動ですので、今日はゆっくりお休みください」
そう言って、優しく笑ってくれた。
きっと隊長さんのほうがこの領の人たちを心配しているのに、感情のままに酷いことを言ってしまった。自己嫌悪しかない。
「どうしよう……、酷いこと言っちゃった」
『ユウは、あれこれ考えすぎだ。このあふれはユウのせいで起きたわけでもないし、ここの住人達が対処すべきことだ。なぜ他人の人生まで背負おうとするのだ』
「だって、困っている人がいるのに」
『助けを求められたわけでもないだろう。それにユウにはどうすることもできないことだ』
「困っている人がいたら助けましょうって、そう言われてきたんだ」
『それはユウの世界でだろう。この世界で、カイドで、ユウを助けてくれた人はいたか? ユウ、人がその手で抱えられるものなど知れているのだ。分を超えたことをしようとするな。アルも巻き込むことになるぞ』
いつも僕に甘いブランが、珍しく苦言を呈してきた。
ブランの言うとおりだ。僕はブランとアルが助けてくれないと、この世界ではまともに生きてもいけないのに。わがままを言ってアルを巻き込んで、アルが怪我をしても僕は治せないのに。
野営地から見えた前線の街は、どこかテレビの向こうのように見えて、安全なところにいる僕は何かしなくては、という気持ちになっていたのかもしれない。この街に入る前に、ここは日本じゃないとショックを受けたのに。
ここは安全な地でもなければ、僕一人ではこの街で生計を立てて暮らしていくことすらできない。甘えていては足をすくわれる。
すごいスキルをもらって、異世界転移者特典で、僕なら何とかできるんじゃないかと、うぬぼれていたのだ。
「ユウ、その優しさはユウのいいところだが、自分の手の及ばないことで傷つくことはない。ブランは心配してるんだ」
アルに優しく言われて、ブランを見ると『世話が焼けるな』と頬を舐められた。
ずっと世話ばっかりかけてごめんね。いつも守ってくれてありがとう。
準備を終えて、お嬢様にお礼の挨拶もして、出発を待っていたら、アルが「いいのか?」と聞いてきた。何が?
「お嬢様のこと気に入ったんだろう。ユウが望めば、このままニザナに連れていくこともできるぞ」
「え?」
「彼女をここに置いていくのが心配なんじゃないのか?」
「はい??」
アルの言っている意味が全く分からない。これは久しぶりにやらかしたのかもしれない。
その判断に至った理由が何なのか、教えてもらえませんか、アル先生。
アルの説明によると、夕食は家としてのご招待で、お茶会はお嬢様のご招待。お食事のお誘いは断ったのに、お茶会に何度か参加したのは、家には興味がないけどお嬢様に気がありますよ、というアピールになるそうだ。
「そんなの知らないよ。お食事断ったのにお茶会まで断るのは悪いかなって思っただけだもん」
「何度か誘いを受けていただろう」
「やることなかったし、毎回断るのも悪いかなって。え、でも、それなのに会話をほとんどアルに任せてる僕って、かなりダメな男って思われてたんじゃないの……?」
準備を終えたのだろう、途中から僕たちの会話を聞いていた護衛の兵士たちが苦笑しているのが見える。もしかしなくても、護衛の兵士にもそう思われてたんだな。
「知らなかったんだから。アルも教えてよ!」
「好みだと言っていただろう?」
「可愛いなって言っただけだよ。おとぎ話のお姫様みたいだよね? 僕の美的感覚おかしいの?」
「おかしくない。あのお嬢様と仲良くなりたいのかと思ってた」
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