あなたはキスだけしてくれない

sae

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番外編

7(太刀川視点)

「……しよ?」

(おい、直球かよ)

「柾、してよ……エッチ、しよ?」
「……」
「柾?だめ?今日はしたくない?映画見てからでもいいから、待ってるから……して?」
「……」
 真っ赤な顔をして、半泣きな目をしながらちっせー声でそんな風に呟いて俺を見つめてくる。

(俺が瑠衣に見上げて見つめられんの好きって知っててやってんのか、こいつ。めちゃくちゃあざといな)

「……したいよ、柾……」

(しよ、も、して、もなかなか良かったけど……したいってめっちゃいいな)

「もう!なんか言ってよ!私はイエス!柾は!?」
 しびれを切らしたように少し切れ気味に瑠衣が声を荒げるから吹き出した。

「俺はいつでもイエスだよ、悪いけど」
「――え?」
「お前さ、これからこの枕マジで活用しろよ?Yesにしてたら毎晩襲うぞ」
「え?」
「瑠衣の誘惑の仕方、ダメだわ」
 ダメ、という言葉を悪い方に取ったらしい瑠衣は瞬間で眉をへの字に落とした。

(ちげぇわ)

「もっとこれから誘って来いよ、お前から」
「柾……」
「待ってるからしてってなんだよ。瑠衣待たせて見るもんねぇだろ」
「い、いいの?」
「かわいすぎんだろ、お前」
 そのまま抱きよせて瑠衣の髪の毛に顔をうずめるとシャンプーの花の香りがフワッと舞う。柔らかい髪の毛の中から香るその匂いは熱を孕むとより甘く匂いを放つ。
 瑠衣の熱が、瑠衣の汗と混じると女として花開くのか、より性欲を掻き立ててくる。
 俺を――甘い匂いが誘い続ける。

「しよ」
 瑠衣が言ったみたいに瑠衣を誘う。

「今晩は本気で寝させない」
「……え」
「いっぱい瑠衣のこと可愛がる」
 チューッと首筋に吸い付いて赤い跡を残したら瑠衣がハッとして身を捩った。

「今首筋つけた?見えるところダメだよ!」
「あ、ごめんー」
 全然悪びれもしない謝罪の言葉を投げたら頬をぷくっと膨らませるの、何?
 クソ可愛いんだけど。

「もう誰でも知ってんじゃんかよ、瑠衣が俺のもんだって。お前に近づこうとするヤツらに見せつけるいい証明だよ」
「そんなぁ、ダメだよ、見えるところはつけないで……」
 恥ずかしそうに言うからそれもまた可愛い。
 もっといろんなところにつけているモノだって本当は見せつけてやりたい。ここまで触れれるのは俺しかいない、俺だけがここに触れることを許されてるのだとその辺に歩いているヤツにだって教えてやりたいくらい俺はもう瑠衣に溺れているんだ。

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