18 / 75
エピソード3
憂いの二カ月⑤
しおりを挟む
洗い物を終えて久世さんの座るソファのそばにいくと手を引っ張られて膝の上に座らされた。
「……重くないですか」
(出来たらソファに座らせてほしい)
「平気」
そう言われても私が平気ではない。
「重いと思うから降ろしてください」
なるべく真剣に伝えるとため息をつかれて、足が広げられたと思うとその中にお尻が落ちる。
「これはこれで恥ずかしいんですけど」
包み込まれるような位置に落ち着かない。
「何しても文句いうのな」
「文句じゃなくて意見です」
「充電中」
「……なんの?」
「千夏の。やっと落ち着いて抱きしめられるし。もうごちゃごちゃ言うのやめて」
ギュッと抱きしめてそんなセリフを吐く。
(そ、そんな言い方ズルくない?)
「ていうかさ」
久世さんが顔を覗き込んでくる。イケメンの至近距離はあいかわらず心臓に悪い。
「また敬語に戻ってるな。名前も」
「あ、無意識です、ね」
「二人で過ごす時間が少ないと仕方ないのかなぁ。上司として絡んでる方が長いもんな」
「……うん」
「まぁ、もう品管の仕事は終わったからこれからは仕事、少し落ち着くと思う」
「え?」
「さっき終わらせてきた。もう品管に行くこともないし、貴島さんと絡むこともないから」
安心してください、と胸に顔を埋めてきた。
「柔らか」
ギュッとまた強く抱きしめてくる。
抱きしめられると胸がきゅんと締め付けられて私も腕を首に回して抱きしめ返す。
二人の身体が密着して熱を感じる、その熱が心地よくて瞳を閉じたら胸の中で声がした。
「嫌になった?」
「なにがですか?」
静かな声は不安になる。
「付き合うの」
胸に顔を埋めたまま言われた言葉に心がざわついてしまう。
「……どうして?」
「いや、仕事ばっかでほったらかしだし。変な女も出てくるし」
(なんか……拗ねてるみたいな言い方なんだけど)
「……仕事できてモテるんだから仕方ないじゃないですか」
「……」
「久世さんがじゃなくって、そういう人を好きになった私の問題だと思います」
そんな人だから好きになった、久世さんが自分を責める必要は何にも感じない。
仕事が出来てモテることをそんな風に卑下するなんて可笑しくて、笑ってしまった。
「こっち、みて?」
顔が見たい。サラリと髪を撫でると顔がゆっくりこちらを向いた。
「好きになった人が久世さんなんだからしょうがないもん」
それが私の本心。そしてそんな人が私を好きだと言ってくれている。それ以上に嬉しいことなんかない。
「久世さんのせいじゃないでしょ?そんな風に、言わないでほしいです」
―――
今までは責められるばかりだった。
仕事ばっかり、自分を見てくれない、考えてくれない、自分より仕事が大事だ。
――愛してくれない。
そんな風に否定されることの方が多くて恋愛の仕方がだんだんわからなくなっていた。
向き合っているつもりでも向き合えていないのだと、言われるとそうなのかと納得するしかなかった。前の彼女に、結局自分のことだけが大事なんだろう、そう言われて別れを切り出された。
否定できなかった、何も言い返せなかった。けれど今千夏の言葉に気付かされた。今まで相手だって、俺を大事に思ってくれていなかったのではないかと。
「久世さんがじゃなくって、そういう人を好きになった私の問題だと思います」
そう切り返してくる相手は今まで一人もいなかった。
俺じゃなく、自分だという。
責めたっていい、構ってないのは事実で知らないところで嫌な思いだってしてる。我儘だって言っていいのに。
「久世さんのせいじゃないでしょ?そんな風に、言わないでほしいです」
そんな言葉を笑って言うのか。
胸がじわっと熱くなって、今までにない気持ちが芽生える。
人を愛しいと、そう思うのは初めてで、キスしたくなって顔を近づけると千夏の口が控えめに動く。
「久世さんって……いつも何時に寝てるの?」
(……この状況でなんでそんな質問なんだよ)
甘い空気とはてんでズレた内容に拍子抜けする。
「……一時までには寝てる」
「一時?!遅い……」
「日付が変わる前に寝る日もあるよ」
「それでも二十四時?そんなに遅いの?」
そう言って時計を見て声を上げた。
時計は今二十一時半を回ったところ。何を思っているのか知らないけれど、そろそろ我慢の限界がきていた。
服の裾を引っ張り上げると千夏の手がまたそれを静止した。
「もう我慢できないんだけど」
「……お風呂、入ってないから」
「別にいいよ」
「全然良くないです、明日も仕事だし」
「一回だけ」
「一回って……無理。絶対無理。お風呂も入ってないのに無理すぎる。絶対イヤ」
「イヤとか言う?」
「えーだってイヤだもん」
(イヤとか言っても可愛いとか思うの重症だよな)
それ以上言い合っても千夏が首を縦に振る気配がないからその時間がもったいなくて風呂に行かせた。寝る時間を聞いたのは早く寝たいって事なんだろうか。千夏が何時に寝ているのか聞かなかったけれど、電話してるといつも二十二時を過ぎるととたんに眠そうな声になるから二十三時までには寝てるのかなとぼんやり思った。多分今日はそんな早くには寝させてやれない、そう思いながら千夏の戻りを待っていた。
翌朝、六時過ぎに目が覚めた。
いつもと違う違和感に起きてすぐ気づいたのは、腕の中に気持ちよさそうに寝息を立てる千夏が寝ていたから。起こさないようにソッと体を離してベッドから抜け出す。
コーヒーを入れるのにケトルをセットして洗面所で歯を磨きながら昨夜のことを思い返していた。
思うことが一つしかない。
(千夏が――可愛過ぎる!)
風呂上がりの少し火照る千夏が俺に近寄ってきて、恥ずかしそうに熱を孕んだ瞳で見つめてくるから襲い掛かるみたいに体を引き寄せた。柔らかな身体を抱きしめると高まってくる高揚感、唇を重ねたら吐き出される声が艶っぽくて、その声だって飲み込みたい。
「んっ……」
キスを繰り返すと体の力が抜けるから、しっかり抱きしめる。
「ぁ……んんっ」
溢れてくる唾液を絡み取る様に執拗にキスを繰り返したら千夏の胸の上下が激しい。はぁはぁ言う声に耳が痺れる。千夏がどんどん興奮しているのがわかるからそれに俺も興奮するんだ。
――好きです
昼間に千夏が俺に告げてくれた言葉が脳内に響く。
今まで好きなんか何度も言われたけど、どれも軽く聞き流してきた。そこまで本気で受け止めたこともない気がする。それなのに、千夏の伝えてくれた好きは胸が震える、体内の血が煮えるように……滾る。
なんでだろう……どうしようもなく感じるんだ。
――求められていると、愛されていると……。
「ンあんっ!ぁ、あっ、やぁぁん!」
いつもよりワンオクターブ上がる喘ぎ声は、俺の耳を刺激する。抱かれることにまだ慣れない千夏はいちいち恥ずかしがって、なのに身体はどこも敏感に震えさせて感じまくる。
「だめ、それやだ、おねが……やめてっ」
「んー、無理かなぁ」
「ぅ、あっ、ヤダァ」
「だって、ヤダって言いながら感じてるし、身体は喜んでるよ?」
「よろっ……言い方ぁ、あ、も、だめぇ!」
中が溶けるように熱くて、包み込まれるとそれだけでイきそうになるから気持ち良すぎて。
ずっと……抱いていたいなんて。
(女にそんなこと思うの初めてなんだけど)
「ん!あっんぁ!」
奥に当たると身体が素直にビクリと跳ねるからもっと感じさせたくなる。
「今の気持ちよかった?」
「や、だめ、こわい――!」
涙を滲ませて怖がる姿に余計興奮するとか鬼畜かよと思うけれど、可愛くて。片足を持ち上げると千夏の目から涙が弾け飛んだ。
「怖い事ないよ、素直に感じて?」
「やだぁ!やめ、や、あっ!あっあっ!」
奥を突くと悲鳴のような喘ぎ声をあげるから……。
「可愛いなぁ、千夏ー」
「どこがぁ!ぁ、やぁーっ、も、やめてっ、それやだ」
「なんで?」
「やなの!ヤダァ、バカァ!あんっ!」
(バカとか……かわいすぎんだよ)
セックスしててバカとか初めて言われて無駄に興奮した。
「なん、ぁ、そんな……イジメるのっ」
「いじめてなくて可愛がってる」
「いじめてるよぉ、恥ずかしくて死ぬぅっ」
ボロボロ泣くから笑えてくる。
「わかった、ごめん」
足を下ろして身体を起こすと足の上に座らせた。
「あっ、ぅんっ、ん」
「これは?」
対面で座る形になったら少し落ち着いたが身体はピクピクと反応している。
「ぁ、これ……だめ」
「これもダメ?」
腰を掴んで前後に揺すると「ふあ!」可愛い声で鳴く。
「お前声可愛いよな」
「だ、めっ、これ……おく、さ、ささる」
(ささるってなんだよ)
「だめだめ、中いっぱい、くるしぃ……奥、ぅあっ」
(言うことがなんというか……直球で感覚的すぎてやばい)
「う、動いちゃや……も……おわりにして、も、むり」
泣きながら訴えられても応えにくい。
「そうだなぁ、もう少し頑張ろうか」
「んぁっ、あ、なんでぇ、も、いい、もぅだめ。も、あ……ぁっもう、ねるぅぅ」
プッと吹き出してしまった。
時計がもうすぐ日付を変えようとしている。
「千夏?」
グッと奥を突くように揺すると「ンあっ」と飛びかけている意識を呼び起こす。
「はぁ、あっ、も、むりっ」
半分寝落ちかけてる様子を見ると本気で無理なんだろうと感じて今日はもう諦めることにした。
「じゃあ最後だけがんばって?」
ころんと寝かせて上からかぶさる。
「あっ……」
ベッドに転がされて気が抜けたのか千夏の開放されたような声が漏れたがすぐにそうじゃないことに気づいて目を剥いた。
「え、なんで?なに?」
「俺、イってないもん」
「え、や、あ!ちょ!あんっ!や、あっあ!」
「最後まで付き合って」
「あん!あっ!はっ、あっあっ――ん!」
善がりまくる千夏の中で果てて最高だった夜。
慣れない身体が徐々に俺に解きほぐされて、開花していく感じが堪らなくて、イヤだと抵抗されても離せるわけがなかった。
コーヒーを飲みながら時計を見ると六時半。
家から会社まで三十分も有れば着けるから7時半に出れば間に合うけれど、準備のことを考えたら起こした方がいいのか。寝室を覗きに行くと規則正しい寝息、その呼吸は深くてすぐに起きそうもない。
寝かせてやりたいなと単純に思った。昨日の朝の進捗では今朝急がないといけない業務をしていた記憶はないし、俺から渡す急な案件もない。
(――まぁいいか)
職権濫用もいいところだけど、午前休を取らせるか。
普段有休消化も全然してないしなんなら休めばいい。真面目に仕事してる千夏だから起きたら焦って怒るかもしれないけど怒られればいいかと、起こすこともせず時間通りに出勤した。
「……重くないですか」
(出来たらソファに座らせてほしい)
「平気」
そう言われても私が平気ではない。
「重いと思うから降ろしてください」
なるべく真剣に伝えるとため息をつかれて、足が広げられたと思うとその中にお尻が落ちる。
「これはこれで恥ずかしいんですけど」
包み込まれるような位置に落ち着かない。
「何しても文句いうのな」
「文句じゃなくて意見です」
「充電中」
「……なんの?」
「千夏の。やっと落ち着いて抱きしめられるし。もうごちゃごちゃ言うのやめて」
ギュッと抱きしめてそんなセリフを吐く。
(そ、そんな言い方ズルくない?)
「ていうかさ」
久世さんが顔を覗き込んでくる。イケメンの至近距離はあいかわらず心臓に悪い。
「また敬語に戻ってるな。名前も」
「あ、無意識です、ね」
「二人で過ごす時間が少ないと仕方ないのかなぁ。上司として絡んでる方が長いもんな」
「……うん」
「まぁ、もう品管の仕事は終わったからこれからは仕事、少し落ち着くと思う」
「え?」
「さっき終わらせてきた。もう品管に行くこともないし、貴島さんと絡むこともないから」
安心してください、と胸に顔を埋めてきた。
「柔らか」
ギュッとまた強く抱きしめてくる。
抱きしめられると胸がきゅんと締め付けられて私も腕を首に回して抱きしめ返す。
二人の身体が密着して熱を感じる、その熱が心地よくて瞳を閉じたら胸の中で声がした。
「嫌になった?」
「なにがですか?」
静かな声は不安になる。
「付き合うの」
胸に顔を埋めたまま言われた言葉に心がざわついてしまう。
「……どうして?」
「いや、仕事ばっかでほったらかしだし。変な女も出てくるし」
(なんか……拗ねてるみたいな言い方なんだけど)
「……仕事できてモテるんだから仕方ないじゃないですか」
「……」
「久世さんがじゃなくって、そういう人を好きになった私の問題だと思います」
そんな人だから好きになった、久世さんが自分を責める必要は何にも感じない。
仕事が出来てモテることをそんな風に卑下するなんて可笑しくて、笑ってしまった。
「こっち、みて?」
顔が見たい。サラリと髪を撫でると顔がゆっくりこちらを向いた。
「好きになった人が久世さんなんだからしょうがないもん」
それが私の本心。そしてそんな人が私を好きだと言ってくれている。それ以上に嬉しいことなんかない。
「久世さんのせいじゃないでしょ?そんな風に、言わないでほしいです」
―――
今までは責められるばかりだった。
仕事ばっかり、自分を見てくれない、考えてくれない、自分より仕事が大事だ。
――愛してくれない。
そんな風に否定されることの方が多くて恋愛の仕方がだんだんわからなくなっていた。
向き合っているつもりでも向き合えていないのだと、言われるとそうなのかと納得するしかなかった。前の彼女に、結局自分のことだけが大事なんだろう、そう言われて別れを切り出された。
否定できなかった、何も言い返せなかった。けれど今千夏の言葉に気付かされた。今まで相手だって、俺を大事に思ってくれていなかったのではないかと。
「久世さんがじゃなくって、そういう人を好きになった私の問題だと思います」
そう切り返してくる相手は今まで一人もいなかった。
俺じゃなく、自分だという。
責めたっていい、構ってないのは事実で知らないところで嫌な思いだってしてる。我儘だって言っていいのに。
「久世さんのせいじゃないでしょ?そんな風に、言わないでほしいです」
そんな言葉を笑って言うのか。
胸がじわっと熱くなって、今までにない気持ちが芽生える。
人を愛しいと、そう思うのは初めてで、キスしたくなって顔を近づけると千夏の口が控えめに動く。
「久世さんって……いつも何時に寝てるの?」
(……この状況でなんでそんな質問なんだよ)
甘い空気とはてんでズレた内容に拍子抜けする。
「……一時までには寝てる」
「一時?!遅い……」
「日付が変わる前に寝る日もあるよ」
「それでも二十四時?そんなに遅いの?」
そう言って時計を見て声を上げた。
時計は今二十一時半を回ったところ。何を思っているのか知らないけれど、そろそろ我慢の限界がきていた。
服の裾を引っ張り上げると千夏の手がまたそれを静止した。
「もう我慢できないんだけど」
「……お風呂、入ってないから」
「別にいいよ」
「全然良くないです、明日も仕事だし」
「一回だけ」
「一回って……無理。絶対無理。お風呂も入ってないのに無理すぎる。絶対イヤ」
「イヤとか言う?」
「えーだってイヤだもん」
(イヤとか言っても可愛いとか思うの重症だよな)
それ以上言い合っても千夏が首を縦に振る気配がないからその時間がもったいなくて風呂に行かせた。寝る時間を聞いたのは早く寝たいって事なんだろうか。千夏が何時に寝ているのか聞かなかったけれど、電話してるといつも二十二時を過ぎるととたんに眠そうな声になるから二十三時までには寝てるのかなとぼんやり思った。多分今日はそんな早くには寝させてやれない、そう思いながら千夏の戻りを待っていた。
翌朝、六時過ぎに目が覚めた。
いつもと違う違和感に起きてすぐ気づいたのは、腕の中に気持ちよさそうに寝息を立てる千夏が寝ていたから。起こさないようにソッと体を離してベッドから抜け出す。
コーヒーを入れるのにケトルをセットして洗面所で歯を磨きながら昨夜のことを思い返していた。
思うことが一つしかない。
(千夏が――可愛過ぎる!)
風呂上がりの少し火照る千夏が俺に近寄ってきて、恥ずかしそうに熱を孕んだ瞳で見つめてくるから襲い掛かるみたいに体を引き寄せた。柔らかな身体を抱きしめると高まってくる高揚感、唇を重ねたら吐き出される声が艶っぽくて、その声だって飲み込みたい。
「んっ……」
キスを繰り返すと体の力が抜けるから、しっかり抱きしめる。
「ぁ……んんっ」
溢れてくる唾液を絡み取る様に執拗にキスを繰り返したら千夏の胸の上下が激しい。はぁはぁ言う声に耳が痺れる。千夏がどんどん興奮しているのがわかるからそれに俺も興奮するんだ。
――好きです
昼間に千夏が俺に告げてくれた言葉が脳内に響く。
今まで好きなんか何度も言われたけど、どれも軽く聞き流してきた。そこまで本気で受け止めたこともない気がする。それなのに、千夏の伝えてくれた好きは胸が震える、体内の血が煮えるように……滾る。
なんでだろう……どうしようもなく感じるんだ。
――求められていると、愛されていると……。
「ンあんっ!ぁ、あっ、やぁぁん!」
いつもよりワンオクターブ上がる喘ぎ声は、俺の耳を刺激する。抱かれることにまだ慣れない千夏はいちいち恥ずかしがって、なのに身体はどこも敏感に震えさせて感じまくる。
「だめ、それやだ、おねが……やめてっ」
「んー、無理かなぁ」
「ぅ、あっ、ヤダァ」
「だって、ヤダって言いながら感じてるし、身体は喜んでるよ?」
「よろっ……言い方ぁ、あ、も、だめぇ!」
中が溶けるように熱くて、包み込まれるとそれだけでイきそうになるから気持ち良すぎて。
ずっと……抱いていたいなんて。
(女にそんなこと思うの初めてなんだけど)
「ん!あっんぁ!」
奥に当たると身体が素直にビクリと跳ねるからもっと感じさせたくなる。
「今の気持ちよかった?」
「や、だめ、こわい――!」
涙を滲ませて怖がる姿に余計興奮するとか鬼畜かよと思うけれど、可愛くて。片足を持ち上げると千夏の目から涙が弾け飛んだ。
「怖い事ないよ、素直に感じて?」
「やだぁ!やめ、や、あっ!あっあっ!」
奥を突くと悲鳴のような喘ぎ声をあげるから……。
「可愛いなぁ、千夏ー」
「どこがぁ!ぁ、やぁーっ、も、やめてっ、それやだ」
「なんで?」
「やなの!ヤダァ、バカァ!あんっ!」
(バカとか……かわいすぎんだよ)
セックスしててバカとか初めて言われて無駄に興奮した。
「なん、ぁ、そんな……イジメるのっ」
「いじめてなくて可愛がってる」
「いじめてるよぉ、恥ずかしくて死ぬぅっ」
ボロボロ泣くから笑えてくる。
「わかった、ごめん」
足を下ろして身体を起こすと足の上に座らせた。
「あっ、ぅんっ、ん」
「これは?」
対面で座る形になったら少し落ち着いたが身体はピクピクと反応している。
「ぁ、これ……だめ」
「これもダメ?」
腰を掴んで前後に揺すると「ふあ!」可愛い声で鳴く。
「お前声可愛いよな」
「だ、めっ、これ……おく、さ、ささる」
(ささるってなんだよ)
「だめだめ、中いっぱい、くるしぃ……奥、ぅあっ」
(言うことがなんというか……直球で感覚的すぎてやばい)
「う、動いちゃや……も……おわりにして、も、むり」
泣きながら訴えられても応えにくい。
「そうだなぁ、もう少し頑張ろうか」
「んぁっ、あ、なんでぇ、も、いい、もぅだめ。も、あ……ぁっもう、ねるぅぅ」
プッと吹き出してしまった。
時計がもうすぐ日付を変えようとしている。
「千夏?」
グッと奥を突くように揺すると「ンあっ」と飛びかけている意識を呼び起こす。
「はぁ、あっ、も、むりっ」
半分寝落ちかけてる様子を見ると本気で無理なんだろうと感じて今日はもう諦めることにした。
「じゃあ最後だけがんばって?」
ころんと寝かせて上からかぶさる。
「あっ……」
ベッドに転がされて気が抜けたのか千夏の開放されたような声が漏れたがすぐにそうじゃないことに気づいて目を剥いた。
「え、なんで?なに?」
「俺、イってないもん」
「え、や、あ!ちょ!あんっ!や、あっあ!」
「最後まで付き合って」
「あん!あっ!はっ、あっあっ――ん!」
善がりまくる千夏の中で果てて最高だった夜。
慣れない身体が徐々に俺に解きほぐされて、開花していく感じが堪らなくて、イヤだと抵抗されても離せるわけがなかった。
コーヒーを飲みながら時計を見ると六時半。
家から会社まで三十分も有れば着けるから7時半に出れば間に合うけれど、準備のことを考えたら起こした方がいいのか。寝室を覗きに行くと規則正しい寝息、その呼吸は深くてすぐに起きそうもない。
寝かせてやりたいなと単純に思った。昨日の朝の進捗では今朝急がないといけない業務をしていた記憶はないし、俺から渡す急な案件もない。
(――まぁいいか)
職権濫用もいいところだけど、午前休を取らせるか。
普段有休消化も全然してないしなんなら休めばいい。真面目に仕事してる千夏だから起きたら焦って怒るかもしれないけど怒られればいいかと、起こすこともせず時間通りに出勤した。
6
あなたにおすすめの小説
憧れのお姉さんは淫らな家庭教師
馬衣蜜柑
恋愛
友達の恋バナに胸を躍らせる教え子・萌音。そんな彼女を、美咲は優しく「大人の身体」へと作り替えていく。「ねえ萌音ちゃん、お友達よりも……気持ちよくしてあげる」眼鏡の家庭教師が教えるのは、教科書には載っていない「女同士」の極上の溶け合い方。
女性向け百合(レズビアン)R18小説。男性は出てきません。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
禁断溺愛
流月るる
恋愛
親同士の結婚により、中学三年生の時に湯浅製薬の御曹司・巧と義兄妹になった真尋。新しい家族と一緒に暮らし始めた彼女は、義兄から独占欲を滲ませた態度を取られるようになる。そんな義兄の様子に、真尋の心は揺れ続けて月日は流れ――真尋は、就職を区切りに彼への想いを断ち切るため、義父との養子縁組を解消し、ひっそりと実家を出た。しかし、ほどなくして海外赴任から戻った巧に、その事実を知られてしまう。当然のごとく義兄は大激怒で真尋のマンションに押しかけ、「赤の他人になったのなら、もう遠慮する必要はないな」と、甘く淫らに懐柔してきて……? 切なくて心が甘く疼く大人のエターナル・ラブ。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
氷の上司に、好きがバレたら終わりや
naomikoryo
恋愛
──地方から本社に異動してきた29歳独身OL・舞子。
お調子者で明るく、ちょっとおせっかいな彼女の前に現れたのは、
“氷のように冷たい”と社内で噂される40歳のイケメン上司・本庄誠。
最初は「怖い」としか思えなかったはずのその人が、
実は誰よりもまっすぐで、優しくて、不器用な人だと知ったとき――
舞子の中で、恋が芽生えはじめる。
でも、彼には誰も知らない過去があった。
そして舞子は、自分の恋心を隠しながら、ゆっくりとその心の氷を溶かしていく。
◆恋って、“バレたら終わり”なんやろか?
◆それとも、“言わな、始まらへん”んやろか?
そんな揺れる想いを抱えながら、仕事も恋も全力投球。
笑って、泣いて、つまずいて――それでも、前を向く彼女の姿に、きっとあなたも自分を重ねたくなる。
関西出身のヒロイン×無口な年上上司の、20話で完結するライト文芸ラブストーリー。
仕事に恋に揺れるすべてのOLさんたちへ。
「この恋、うちのことかも」と思わず呟きたくなる、等身大の恋を、ぜひ読んでみてください。
ドSでキュートな後輩においしくいただかれちゃいました!?
春音優月
恋愛
いつも失敗ばかりの美優は、少し前まで同じ部署だった四つ年下のドSな後輩のことが苦手だった。いつも辛辣なことばかり言われるし、なんだか完璧過ぎて隙がないし、後輩なのに美優よりも早く出世しそうだったから。
しかし、そんなドSな後輩が美優の仕事を手伝うために自宅にくることになり、さらにはずっと好きだったと告白されて———。
美優は彼のことを恋愛対象として見たことは一度もなかったはずなのに、意外とキュートな一面のある後輩になんだか絆されてしまって……?
2021.08.13
Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
汐埼ゆたか
恋愛
絶え間なく溢れ出る涙は彼の唇に吸い取られ
慟哭だけが薄暗い部屋に沈んでいく。
その夜、彼女の絶望と悲しみをすくい取ったのは
仕事上でしか接点のない上司だった。
思っていることを口にするのが苦手
地味で大人しい司書
木ノ下 千紗子 (きのした ちさこ) (24)
×
真面目で優しい千紗子の上司
知的で容姿端麗な課長
雨宮 一彰 (あまみや かずあき) (29)
胸を締め付ける切ない想いを
抱えているのはいったいどちらなのか———
「叫んでも暴れてもいい、全部受け止めるから」
「君が笑っていられるなら、自分の気持ちなんてどうでもいい」
「その可愛い笑顔が戻るなら、俺は何でも出来そうだよ」
真摯でひたむきな愛が、傷付いた心を癒していく。
**********
►Attention
※他サイトからの転載(2018/11に書き上げたものです)
※表紙は「かんたん表紙メーカー2」様で作りました。
※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
Home, Sweet Home
茜色
恋愛
OL生活7年目の庄野鞠子(しょうのまりこ)は、5つ年上の上司、藤堂達矢(とうどうたつや)に密かにあこがれている。あるアクシデントのせいで自宅マンションに戻れなくなった藤堂のために、鞠子は自分が暮らす一軒家に藤堂を泊まらせ、そのまま期間限定で同居することを提案する。
亡き祖母から受け継いだ古い家での共同生活は、かつて封印したはずの恋心を密かに蘇らせることになり・・・。
☆ 全19話です。オフィスラブと謳っていますが、オフィスのシーンは少なめです 。「ムーンライトノベルズ」様に投稿済のものを一部改稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる