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エピソード8
我慢の六カ月⑥
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全部俺のものだといい、されること全部好きだと?こういうセリフを素面で吐くからどうしようかと本気で思う。
「……誠くん?」
呼ぶ声が少し不安そうで顔を上げた。
「――嫌じゃ、ないんだ?」
太ももを撫でるとピクリと動く。その素直な反応もまた可愛くて。
「……ゃ、じゃない。恥ずかしいだけ、なの。いろんな場所でその、されると……」
言葉の続きを待つと真っ赤な顔をして俯いた。
「……お、思い出す、の。料理してたらそんなこと考えたり、ソファ座ってても思い出したり、もう頭の中そんなことばっかり……エッチなことばっかり考えてるって恥ずかしいのに、すぐ考えて……もう、ほんとに嫌われそう」
「……」
「色んなところで、しないで……ほんとに変態だよ、私。だから……その……なるべく、ベッドでお願いしたい……んです」
「……」
(理由ってそれ?)
千夏の言いたかったことの結末がこれってなんなんだ。
「聞いてる?」
無視してるわけではないけど反応しない俺に少し苛立った声で聞いてくるから笑いながら答えた。
「わかりました」
「真面目に言ってるんだよ?ほんとだよ?」
「……わかったよ」
チュッと口にキスすると千夏が目を潤ませて、今度は千夏からチュッと口づけてくる。啄むようなキスなのに、見つめ合ってするキスはなんだかエロい。
「……帰ってきてくれて良かった」
もう千夏のところ以外帰る場所なんかない。
「それ、ほんとにいらない心配だわ」
ハムっと食べるようにキスすると千夏の息が漏れる。
「ぁ、ふんっ」
遠慮がちに舌を出してきて絡めてくるからそれを咥えるように舐めだしたら喘ぎながら言うんだ。
「んんっ、ぁ……すきっ……」
熱を孕んだ瞳で、喘ぎながらそんなセリフ吐いて……俺に対して興奮している千夏が目の前にいる。息乱して、体を火照らせて……。
(……喘ぎながら好きとか言うな)
何回かキスを繰り返していたら千夏の指がくちびるに触れてきた。
「……ん?」
「はぁ、ぁ……ん、もキスばっかり」
(え?)
「……っ、はやく……次、して」
吐息が乱れて腰を揺らしてくるから頭が沸騰しそうになる。
「……お前さぁ、お前こそもっと考えろ」
「なにがぁ!」
「人に我慢させといてなに?それ」
「ちが、私はそんなつもりで言ったんじゃないもん……我慢してなんて、言って……ない、よね?」
言われてないけれど。でも今何て言った?我慢しなくていいってこと?今、言ったな?
「我慢……じゃあしない」
「え?」
「……健全、節度って、いい歳した男と女がセックスしないってなんだよ。俺は、出来るなら四六時中お前のこと抱いてたいよ」
「ええ?あ、ちょっ!」
ウエストがゴムになってるスカートだったからそのまま下着ごと引っ張り脱がす。
「きゃあ!」
下半身丸出しの乱れた千夏の片足を持ちあげて、その脹脛に口づけると足を震わせる。
「ふ、ぅんんッ」
「もう我慢しない……」
全部、丸ごと――俺のモノだ。
「俺がどれだけ千夏の身体欲しくて我慢してたか、今日はたっぷり教えてやるな?」
「――え」
「だからお前もだよ」
俺だって知りたい。
「千夏も教えてよ……俺が、どれだけ欲しかったのか」
知らなかった気持ちをすり合わせて、そこからまた新たな気持ちを生み出したい。一緒にいるからこそ、知っていきたい。
「一緒だよ……」
「ぇ……んっ」
柔らかな唇に吸い付いて、そこから伸びる舌を絡めながら思う。
人は――何かを手に入れたり学ぶことできっと多幸感を得られる、その感覚をもう一度、何度となく味わいたいという気持ちになって、また求めるんだ。求められるなら求められるだけ。与えられるならそのすべてを……俺は千夏に与えてやるから。だから千夏も俺にくれ。
千夏の全部――すべてを。
蜜口に指を入れたらぐしょぐしょに濡れていて勝手に奥に滑り込んでいった。熱い中に指を入れてるだけで指先から溶けていくように身体が熱くなってくるからたまらない。興奮している千夏を前にして落ち着けるわけもないんだが。
「あつ……」
熱い体液が掌にまで垂れてきた。
「だから、言ったのぉ、も、体おかしいんだからぁ!誠くんのせいだからぁ!それより……仕事場みたいに捲し立てるの……んぁ、やめてよぉ!」
「言いたいこといっぱいあるわ、お前に」
「んあんんっ!や、それ、ぁっ――」
「……勝手にイくなよ」
「――っ、意地悪ぅ、そんな言い方っぅぅ……」
指を抜いたらドロドロに濡れてて今突っ込んだらすぐイキそうだなと思いつつ、まだ我慢する。
「はぁ……まこと、く……っ」
「なに?」
「ぁ、なにっ……て、んっ……」
言わせると決めていた。言葉の責任は取らせると。
「千夏ー?」
「んんっ、は、ぁ」
濡れた部分を撫でてたまに泥濘に差し込むと腰を跳ね上げさせる。
「んやぁ!」
「やだじゃない」
「っ……んんっ」
「ちゃんと聞きたい」
言わせたい。
「千夏……言ってよ」
はぁ……っと、勝手に俺の息がこぼれた。それを耳元で囁きながらこぼしたからか、千夏の身体がますます震え上がってすり寄ってくる。
「ぁ……まことくっ……」
「……なに?」
どろどろのぬるぬるで、指がもう火傷しそう。動かさなくても勝手にヌルついて滑る様な感覚……この中に包まれたい、はやく。
「千夏……」
はぁはぁ言って、目なんかもう涙こぼして震えてるのに。たった一言じゃんか、早く言えよ。
ここに挿れたい……俺の気持ちを、お前の言葉で代弁してよ。
「……も、してよぉ」
「……なにを?」
言わせたい俺の気持ちに気付いて涙目で睨んでくる。それも結局可愛いだけだけど。
「おこ、てるのぉ?」
「……怒ってないよ?」
「したく……ないの?」
「したいに決まってる」
ずっと、ずっとしたかった、バカみたいに意地になってただけだから。だからもう今だって神経切れそうなほど耐えてる。お前こそ気づけよ、そこに。
「なんで、我慢するのぉ!」
そう言われて笑ってしまった。
「我慢させたお返しだよ」
「意地悪ぅ!」
「お前の口から聞きたいんだよ」
そう言ったら真っ赤になってくちびるを噛んでいた。
―――
もともと意地悪なところがあった。言わせるし、知ってて知らないふりもするし、試すことだってする。それでもいつでも誠くんは折れてくれてた気がする、私にいつだって優しくて甘い。
「怒ってるの?」
そう聞いたら怒ってない、と言う。
「したくないの?」
それには、したいに決まってるとまで言うのに全然その先をしてくれない。
そして言うの。私の口から言わせたいと……。
そんなこと、そう思うけど、恥ずかしくて恥ずかしくてたまらないけど、頭の中がそれしかなくて余計に恥ずかしい。
「私は、もう、我慢できない……もう、欲しい」
熱くなったところから溢れてくるものを早く塞いでほしい。そうしないと止めれなくなる。
「も、挿れて、はやく」
すり寄って抱きついた。身体中が誠くんを欲しがって疼いている。たった一週間ほど抱かれなかっただけでこんなになるのが浅ましくて。我慢させてたつもりはなかったけれど、結果的にそうなっていた。でもそれは私だって同じ、私もずっと我慢していたんだから。
「ずっと、エッチしたかった。して欲しかった、いっぱい、してほしい」
恥ずかしいけどそれが私の気持ち。どこでとかいつとか全部ただのくだらない言い分で。したくないなんて一ミリも思ってない、私だっていつだって抱かれたい。
「いっぱい、抱いて?」
「――くそ、もっと虐めてやろうと思ってんのにさぁ。いつでもしたいの俺だけなんだと思ってた」
呆れたように笑われて誠くんが困ったように見つめてきた。
(そんなわけない)
「千夏も我慢してたの?」
コクリと頷くと笑われた。
「お前、ホントに可愛いな」
そう言って奥までいきなり挿入された。
「ンあんっ!」
「っ、ぁー、ヌルヌル……」
「んん、あ、はぁっ」
「めっちゃ濡れててやばいな」
「ぁっん、は、ぁっ――ッ」
ゆるく動かれて腰が一緒に動き出してしまう。
「……今日は千夏が動く?」
「ン、へっ?」
「腰揺れてる……かわい」
指摘されて恥ずかしさが増すけれどもう昂った気持ちは止められそうにない。欲しくてたまらなかった熱を与えられて身体が勝手に悦び始める。
「千夏上がいい?」
聞かれて素直に頷くと、繋がったまま抱き起こされると刺激が強まりつつ誠くんが後ろに倒れて上に乗る形になった。
「んあ!は、あっ!」
自重でさらに奥まで届くように感じて無駄に声ばかりがこぼれる。
「あ、はぁ、ぁっう、んん」
「いいよ、動いて」
そう言われて勝手に腰が前後に動き出す。自分の気持ちいいところを刺激されてさらに気持ちよさが増されて胸がキュッと痛くなった。
「あんっ、はぁ、ぁっはぁ、んっんん」
ギュッと乳首を押し摘まれて身体が跳ねた。
「きゃっ!あ!」
「気持ちいい……」
「……たし、も、ん、気持ち……はぁ、ぃい」
「俺的にはこれが健全だけどな……」
肌を重ねてお互いを求め合うのが自然で当たり前のこと。下腹部がキュウキュウ鳴いている。湧き上がってくる名前のつけれない快感が押し寄せてくるのがわかった。
「ぁ……も、イっ――っっんっ」
キュウーっと絞り出されるような感覚に自分が果てたのがわかった。
「はぁ、はぁ、ぁっ」
乱れた息を整えたくても鼓動も乱れて止められない。全身で息を吐く私に誠くんは言ってくる。
「……イクときの千夏、かわいいんだよなー」
「そんな、んっ」
「イったあとの中も……めちゃくちゃ絡んできて最高」
「んあ、ぁ、やめ、今動かないでっ、あんぁっ!おく、だめっ!」
私の中で大きくなってるモノがまだ奥をたたいて刺激してくる。それだけで視界がクラクラしてきて体を起こしていられない。
「ぁ、は、アッ、あぅっ、んん」
胸の上に覆い被さるように倒れたら抱きしめられて揺さぶられる。
「……はぁ、待って。俺ももうイきそう」
そう言って身体を離そうとするからしがみついた。
「離しちゃやだ」
「ちがう、俺まだ……「離さないで」
熱い目で見つめられて身体がさらに火照る。感じさせたい、私の身体で、私の中で、私のことだけ考えて果てて欲しい。
「どこにも行っちゃイヤ」
「……行かないよ、そうじゃなくて……」
「じゃあ離さないで」
「千夏、ほんとにまずいから」
「……はぁ、イって?いっぱい、はぁ、イってぇ……」
キスで誠くんの口を塞いだ。舌と舌が絡まり合って息さえも飲まれる、それくらい熱いキスに身体が震えて思考がまた飛んだ。
「……はー、千夏がエロくてやばい」
ふわふわした脳内に誠くんの声が響いて意識が戻った。目の前には頭を抱える誠くんがいる。そんな誠くんをぼんやり見つめながらも言い返した。
「……なんでぇ?私?エロくないし」
「自覚ないのもヤバいわ……」
納得のいかない言葉に拗ねてしまうと笑われた。
(なんかいつもいつも私がエロいて言うのなに?)
「……ごめん」
抱きしめられて謝られたら戸惑ってしまう。誠くんから謝られると怖いからやめてほしい。
「……なにが?」
この状況で悪い話はないだろうとは思うけど……なに?怖い。そう思っていたら予想外の言葉が飛んできた。
「――俺、今ゴムつけてなかった」
その言葉に顔を上げると申し訳なさそうな視線とぶつかった。一瞬考えてその言葉の意味を察知して顔が赤くなった。
「……すみません」
「……あ、うん」
間抜けな返事をしてしまった。
「わ、わかった」
(なにがわかっただ)
自分で言って突っ込む。誠くんがそれに吹き出した。
「あー、やってしまった。誘惑に負けた」
落ち込んでいるのかどこかうなだれた様子でそう言うから思わず声をかけた。
「あの、そんなに気にしないで?多分大丈夫なとき、だと……思うし」
「いや、悪いとは思ってるし、ほんとにダメなんだけど……ナマですんのめっちゃ気持ちよかったー」
(なんてことを言うの)
「ごめん、なんかあったらちゃんと言って?」
(それって……どう受け止めたらいいのか)
「俺が全面に悪いけど。でも無自覚に煽りすぎだし。ほんとにエロいぞ、お前」
「もしほんとに私がエロいならそれは絶対誠くんのせいだし」
「いや、潜在能力だと思う。ポテンシャルが高いんだな、きっと」
「……褒められてる気が全然しないんだけど」
「めっちゃ褒めてる」
(全然嬉しくないんだけど)
コテンと胸に体を預けて抱きつくとだきしめ返された。このまま眠れそうな気分だけれどまだ脳内はしっかりしている。
「……とんかつ食べたい」
そう言うと笑われた。
「また名古屋も遊びに行ってみようか、二人で」
「行く」
二人でどこへでも行きたい、どこにだって行ける。その気持ちを込めてまた誠くんに抱きついた。
「……誠くん?」
呼ぶ声が少し不安そうで顔を上げた。
「――嫌じゃ、ないんだ?」
太ももを撫でるとピクリと動く。その素直な反応もまた可愛くて。
「……ゃ、じゃない。恥ずかしいだけ、なの。いろんな場所でその、されると……」
言葉の続きを待つと真っ赤な顔をして俯いた。
「……お、思い出す、の。料理してたらそんなこと考えたり、ソファ座ってても思い出したり、もう頭の中そんなことばっかり……エッチなことばっかり考えてるって恥ずかしいのに、すぐ考えて……もう、ほんとに嫌われそう」
「……」
「色んなところで、しないで……ほんとに変態だよ、私。だから……その……なるべく、ベッドでお願いしたい……んです」
「……」
(理由ってそれ?)
千夏の言いたかったことの結末がこれってなんなんだ。
「聞いてる?」
無視してるわけではないけど反応しない俺に少し苛立った声で聞いてくるから笑いながら答えた。
「わかりました」
「真面目に言ってるんだよ?ほんとだよ?」
「……わかったよ」
チュッと口にキスすると千夏が目を潤ませて、今度は千夏からチュッと口づけてくる。啄むようなキスなのに、見つめ合ってするキスはなんだかエロい。
「……帰ってきてくれて良かった」
もう千夏のところ以外帰る場所なんかない。
「それ、ほんとにいらない心配だわ」
ハムっと食べるようにキスすると千夏の息が漏れる。
「ぁ、ふんっ」
遠慮がちに舌を出してきて絡めてくるからそれを咥えるように舐めだしたら喘ぎながら言うんだ。
「んんっ、ぁ……すきっ……」
熱を孕んだ瞳で、喘ぎながらそんなセリフ吐いて……俺に対して興奮している千夏が目の前にいる。息乱して、体を火照らせて……。
(……喘ぎながら好きとか言うな)
何回かキスを繰り返していたら千夏の指がくちびるに触れてきた。
「……ん?」
「はぁ、ぁ……ん、もキスばっかり」
(え?)
「……っ、はやく……次、して」
吐息が乱れて腰を揺らしてくるから頭が沸騰しそうになる。
「……お前さぁ、お前こそもっと考えろ」
「なにがぁ!」
「人に我慢させといてなに?それ」
「ちが、私はそんなつもりで言ったんじゃないもん……我慢してなんて、言って……ない、よね?」
言われてないけれど。でも今何て言った?我慢しなくていいってこと?今、言ったな?
「我慢……じゃあしない」
「え?」
「……健全、節度って、いい歳した男と女がセックスしないってなんだよ。俺は、出来るなら四六時中お前のこと抱いてたいよ」
「ええ?あ、ちょっ!」
ウエストがゴムになってるスカートだったからそのまま下着ごと引っ張り脱がす。
「きゃあ!」
下半身丸出しの乱れた千夏の片足を持ちあげて、その脹脛に口づけると足を震わせる。
「ふ、ぅんんッ」
「もう我慢しない……」
全部、丸ごと――俺のモノだ。
「俺がどれだけ千夏の身体欲しくて我慢してたか、今日はたっぷり教えてやるな?」
「――え」
「だからお前もだよ」
俺だって知りたい。
「千夏も教えてよ……俺が、どれだけ欲しかったのか」
知らなかった気持ちをすり合わせて、そこからまた新たな気持ちを生み出したい。一緒にいるからこそ、知っていきたい。
「一緒だよ……」
「ぇ……んっ」
柔らかな唇に吸い付いて、そこから伸びる舌を絡めながら思う。
人は――何かを手に入れたり学ぶことできっと多幸感を得られる、その感覚をもう一度、何度となく味わいたいという気持ちになって、また求めるんだ。求められるなら求められるだけ。与えられるならそのすべてを……俺は千夏に与えてやるから。だから千夏も俺にくれ。
千夏の全部――すべてを。
蜜口に指を入れたらぐしょぐしょに濡れていて勝手に奥に滑り込んでいった。熱い中に指を入れてるだけで指先から溶けていくように身体が熱くなってくるからたまらない。興奮している千夏を前にして落ち着けるわけもないんだが。
「あつ……」
熱い体液が掌にまで垂れてきた。
「だから、言ったのぉ、も、体おかしいんだからぁ!誠くんのせいだからぁ!それより……仕事場みたいに捲し立てるの……んぁ、やめてよぉ!」
「言いたいこといっぱいあるわ、お前に」
「んあんんっ!や、それ、ぁっ――」
「……勝手にイくなよ」
「――っ、意地悪ぅ、そんな言い方っぅぅ……」
指を抜いたらドロドロに濡れてて今突っ込んだらすぐイキそうだなと思いつつ、まだ我慢する。
「はぁ……まこと、く……っ」
「なに?」
「ぁ、なにっ……て、んっ……」
言わせると決めていた。言葉の責任は取らせると。
「千夏ー?」
「んんっ、は、ぁ」
濡れた部分を撫でてたまに泥濘に差し込むと腰を跳ね上げさせる。
「んやぁ!」
「やだじゃない」
「っ……んんっ」
「ちゃんと聞きたい」
言わせたい。
「千夏……言ってよ」
はぁ……っと、勝手に俺の息がこぼれた。それを耳元で囁きながらこぼしたからか、千夏の身体がますます震え上がってすり寄ってくる。
「ぁ……まことくっ……」
「……なに?」
どろどろのぬるぬるで、指がもう火傷しそう。動かさなくても勝手にヌルついて滑る様な感覚……この中に包まれたい、はやく。
「千夏……」
はぁはぁ言って、目なんかもう涙こぼして震えてるのに。たった一言じゃんか、早く言えよ。
ここに挿れたい……俺の気持ちを、お前の言葉で代弁してよ。
「……も、してよぉ」
「……なにを?」
言わせたい俺の気持ちに気付いて涙目で睨んでくる。それも結局可愛いだけだけど。
「おこ、てるのぉ?」
「……怒ってないよ?」
「したく……ないの?」
「したいに決まってる」
ずっと、ずっとしたかった、バカみたいに意地になってただけだから。だからもう今だって神経切れそうなほど耐えてる。お前こそ気づけよ、そこに。
「なんで、我慢するのぉ!」
そう言われて笑ってしまった。
「我慢させたお返しだよ」
「意地悪ぅ!」
「お前の口から聞きたいんだよ」
そう言ったら真っ赤になってくちびるを噛んでいた。
―――
もともと意地悪なところがあった。言わせるし、知ってて知らないふりもするし、試すことだってする。それでもいつでも誠くんは折れてくれてた気がする、私にいつだって優しくて甘い。
「怒ってるの?」
そう聞いたら怒ってない、と言う。
「したくないの?」
それには、したいに決まってるとまで言うのに全然その先をしてくれない。
そして言うの。私の口から言わせたいと……。
そんなこと、そう思うけど、恥ずかしくて恥ずかしくてたまらないけど、頭の中がそれしかなくて余計に恥ずかしい。
「私は、もう、我慢できない……もう、欲しい」
熱くなったところから溢れてくるものを早く塞いでほしい。そうしないと止めれなくなる。
「も、挿れて、はやく」
すり寄って抱きついた。身体中が誠くんを欲しがって疼いている。たった一週間ほど抱かれなかっただけでこんなになるのが浅ましくて。我慢させてたつもりはなかったけれど、結果的にそうなっていた。でもそれは私だって同じ、私もずっと我慢していたんだから。
「ずっと、エッチしたかった。して欲しかった、いっぱい、してほしい」
恥ずかしいけどそれが私の気持ち。どこでとかいつとか全部ただのくだらない言い分で。したくないなんて一ミリも思ってない、私だっていつだって抱かれたい。
「いっぱい、抱いて?」
「――くそ、もっと虐めてやろうと思ってんのにさぁ。いつでもしたいの俺だけなんだと思ってた」
呆れたように笑われて誠くんが困ったように見つめてきた。
(そんなわけない)
「千夏も我慢してたの?」
コクリと頷くと笑われた。
「お前、ホントに可愛いな」
そう言って奥までいきなり挿入された。
「ンあんっ!」
「っ、ぁー、ヌルヌル……」
「んん、あ、はぁっ」
「めっちゃ濡れててやばいな」
「ぁっん、は、ぁっ――ッ」
ゆるく動かれて腰が一緒に動き出してしまう。
「……今日は千夏が動く?」
「ン、へっ?」
「腰揺れてる……かわい」
指摘されて恥ずかしさが増すけれどもう昂った気持ちは止められそうにない。欲しくてたまらなかった熱を与えられて身体が勝手に悦び始める。
「千夏上がいい?」
聞かれて素直に頷くと、繋がったまま抱き起こされると刺激が強まりつつ誠くんが後ろに倒れて上に乗る形になった。
「んあ!は、あっ!」
自重でさらに奥まで届くように感じて無駄に声ばかりがこぼれる。
「あ、はぁ、ぁっう、んん」
「いいよ、動いて」
そう言われて勝手に腰が前後に動き出す。自分の気持ちいいところを刺激されてさらに気持ちよさが増されて胸がキュッと痛くなった。
「あんっ、はぁ、ぁっはぁ、んっんん」
ギュッと乳首を押し摘まれて身体が跳ねた。
「きゃっ!あ!」
「気持ちいい……」
「……たし、も、ん、気持ち……はぁ、ぃい」
「俺的にはこれが健全だけどな……」
肌を重ねてお互いを求め合うのが自然で当たり前のこと。下腹部がキュウキュウ鳴いている。湧き上がってくる名前のつけれない快感が押し寄せてくるのがわかった。
「ぁ……も、イっ――っっんっ」
キュウーっと絞り出されるような感覚に自分が果てたのがわかった。
「はぁ、はぁ、ぁっ」
乱れた息を整えたくても鼓動も乱れて止められない。全身で息を吐く私に誠くんは言ってくる。
「……イクときの千夏、かわいいんだよなー」
「そんな、んっ」
「イったあとの中も……めちゃくちゃ絡んできて最高」
「んあ、ぁ、やめ、今動かないでっ、あんぁっ!おく、だめっ!」
私の中で大きくなってるモノがまだ奥をたたいて刺激してくる。それだけで視界がクラクラしてきて体を起こしていられない。
「ぁ、は、アッ、あぅっ、んん」
胸の上に覆い被さるように倒れたら抱きしめられて揺さぶられる。
「……はぁ、待って。俺ももうイきそう」
そう言って身体を離そうとするからしがみついた。
「離しちゃやだ」
「ちがう、俺まだ……「離さないで」
熱い目で見つめられて身体がさらに火照る。感じさせたい、私の身体で、私の中で、私のことだけ考えて果てて欲しい。
「どこにも行っちゃイヤ」
「……行かないよ、そうじゃなくて……」
「じゃあ離さないで」
「千夏、ほんとにまずいから」
「……はぁ、イって?いっぱい、はぁ、イってぇ……」
キスで誠くんの口を塞いだ。舌と舌が絡まり合って息さえも飲まれる、それくらい熱いキスに身体が震えて思考がまた飛んだ。
「……はー、千夏がエロくてやばい」
ふわふわした脳内に誠くんの声が響いて意識が戻った。目の前には頭を抱える誠くんがいる。そんな誠くんをぼんやり見つめながらも言い返した。
「……なんでぇ?私?エロくないし」
「自覚ないのもヤバいわ……」
納得のいかない言葉に拗ねてしまうと笑われた。
(なんかいつもいつも私がエロいて言うのなに?)
「……ごめん」
抱きしめられて謝られたら戸惑ってしまう。誠くんから謝られると怖いからやめてほしい。
「……なにが?」
この状況で悪い話はないだろうとは思うけど……なに?怖い。そう思っていたら予想外の言葉が飛んできた。
「――俺、今ゴムつけてなかった」
その言葉に顔を上げると申し訳なさそうな視線とぶつかった。一瞬考えてその言葉の意味を察知して顔が赤くなった。
「……すみません」
「……あ、うん」
間抜けな返事をしてしまった。
「わ、わかった」
(なにがわかっただ)
自分で言って突っ込む。誠くんがそれに吹き出した。
「あー、やってしまった。誘惑に負けた」
落ち込んでいるのかどこかうなだれた様子でそう言うから思わず声をかけた。
「あの、そんなに気にしないで?多分大丈夫なとき、だと……思うし」
「いや、悪いとは思ってるし、ほんとにダメなんだけど……ナマですんのめっちゃ気持ちよかったー」
(なんてことを言うの)
「ごめん、なんかあったらちゃんと言って?」
(それって……どう受け止めたらいいのか)
「俺が全面に悪いけど。でも無自覚に煽りすぎだし。ほんとにエロいぞ、お前」
「もしほんとに私がエロいならそれは絶対誠くんのせいだし」
「いや、潜在能力だと思う。ポテンシャルが高いんだな、きっと」
「……褒められてる気が全然しないんだけど」
「めっちゃ褒めてる」
(全然嬉しくないんだけど)
コテンと胸に体を預けて抱きつくとだきしめ返された。このまま眠れそうな気分だけれどまだ脳内はしっかりしている。
「……とんかつ食べたい」
そう言うと笑われた。
「また名古屋も遊びに行ってみようか、二人で」
「行く」
二人でどこへでも行きたい、どこにだって行ける。その気持ちを込めてまた誠くんに抱きついた。
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真摯でひたむきな愛が、傷付いた心を癒していく。
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►Attention
※他サイトからの転載(2018/11に書き上げたものです)
※表紙は「かんたん表紙メーカー2」様で作りました。
※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
Home, Sweet Home
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