続・ゆびさきから恋をするーclose the distance

sae

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結婚エトセトラ

daily life……お風呂でチュー

 結婚して変わったことの一つは食生活だ。食べるのが好きな千夏は料理も好きでなんでも器用に作ってしまうし、味もうまい。結婚して一ヶ月ほどなのに、体重が二キロ太って内心困っている。生活面の雑用も手際のいい千夏は気づいたらやってしまうから共働きなのに正直俺はなにも助けてやれてない。暮らしだして俺の生活はハッキリ言って快適で不自由がなにもないほど千夏に甘えて暮らしている。

 負担が増えたのは仕事の方だ。千夏がグループを抜けたことで稼働率が目に見えるほど低下、悩ましいことも増えている。代わりに人も入ったけれど千夏と同じスペックを得られるわけではもちろんない。育つまで仕方ないとはいえ千夏と比較するとどうしてもため息がこぼれることもある。

「菱田さん、サイコー」
 社食で佐藤と一緒になるたびに言われて、その度に俺は胸の中で舌打ちを返している。

「満足したなら返せ」
「無理無理。なら久世が移動すればぁ?」

(こいつ……前は俺が飛んでも痛いとか言ってたくせにな。すげー手のひら返してくる)

 完全に千夏の仕事ぶりに落ちた佐藤は全く手放す気はないようで。

「精度良すぎて毎度感動するわ。すげぇな、神の手?」
「すげぇだろ。わかったならもう返して。こっち手が回んないんだよ」
「今さら内田の値で報告書出せねぇし。内田やれても菱田さんは渡せないわな」
 佐藤にここまで言わせる千夏はもうしっかり仕事をこなしている様だ。家ではしんどい、辛い、自信ないってしょっちゅう嘆いてはいるんだけれど。

「ちっ……百歩譲ってうちと兼用にしろ」
 千夏が戻ってきて欲しい、それは本音だ。

「兼用ねぇ……無理だろ。そっちの仕事させるならうちの仕事させる」
「鬼か」
「どっちが!うちの仕事させながらお前んとこの試験しろってどっちが鬼だよ。パワハラすぎるわ!」
「お前んとこが仕事減らせばいーだろーが」
「え、どの口が言ってんの?余計な仕事そっちだろ。つーか、諦めて?ないから!」
「くそ、千夏が二人欲しい」
「どんだけ好きなんだよ」
 佐藤に笑われた。

「でも実際どう?しんどいとか言ってない?」
「……言ってる」
「やっぱり?真面目だよなぁ。ハードル上げてしんどくなる系?」
「そうだな、そういうタイプ。もう無理って半泣き」
「うーん……泡の精度は六割出せてたらいいのに八割近くは出しててまだ納得いってない感じなんだよなぁ。どこまでやる気だ、あれ」
「九割は出す気だろ。うちのところで九割五分……目安そのままなんじゃないの?」
「はぁ?教えてやれよ、泡にそこまでの精度求めてないって」
「佐藤が言っても聞かねぇんだろ?俺が言っても同じだよ。そうなのか、って納得して九割は出してくるよ、まぁみとけ」
「ほー。そりゃ楽しみだ、なら俺も何も言わずに様子を見よう」

(やっぱお前の方が鬼じゃん)

 何より変わったことは、家に帰ると千夏がいると言うことだ。

「おかえり~」
 最近仕事で落ち込み気味だった千夏が珍しくテンションを上げて出迎えてくれた。

「ただいま、なんかあった?」
「今日仕事うまくいったんだよぉ!佐藤さんにもね、褒められた!精度が九割まで出せたの!やった~!佐藤さんがすごいねって!やった~!」
 昼の話がもう本当になった。佐藤が褒めたのもきっとそれのせいか。

「誠くんは?疲れてる?」
「疲れてる。仕事終わらん。千夏がいないと稼働率悪い」
 ガバッと抱きつくと腰に手を回してきたと思ったらその手に背中を撫でられる。柔らかい千夏の体を抱きしめる、でも抱きしめられているのは俺。

 俺が、もう今は千夏に抱きしめてもらっている。

「そっか……よしよし。でも私がいるいないはそんなに関係ないと思うよ?」

(関係あるわ)

「今日佐藤に千夏返せって言ったら、内田はやれても千夏はやれないってさ。こっちも内田なんかいらねーし」
「ちょっと……二人ともウッチーにひどくない?」
 内田が来たところで俺のストレスも仕事も減らない……まで言うのはとりあえず飲み込んでおく。

「でも佐藤さんそんな風に言ってくれてるんだ?嬉しいな。がんばろ」
 ふふっと笑う声が可愛くて。声だけじゃ足りない、顔が見たくて腕を緩めたら千夏が見上げてきて聞いてきた。

「ご飯にする?お風呂にする?」
「千夏にする」
「……聞いてないよ?」
「じゃあ聞いて?」
「……いや、聞かないし」
 結婚したって照れるのはまだまだ健在で。

「聞かないってば。え?本気?」
「本気。一番補充したいの千夏、疲れてる、癒されたい、じゃなきゃ明日持たない」
 ダメ押しでそう言えば千夏が絶対折れてくれるのがわかってる。千夏は俺に基本甘い。

「もうっ……そ、そういう言い方ほんとにズルいい……ええ……」
 真っ赤になって無駄に髪をいじりながら照れる顔。額に、頬に軽く口付けながら甘えてみる。

「千夏……お願い。疲れたんだよ……だめ?」
「んっ……も、わかっ……わかった!じゃあお風呂、お風呂にしよ?一緒……その、は、いる」
「え、いいの?」
 結婚したら拒み続けていた風呂を千夏が一緒に入ってくれるようになった。

「いいのって、言ったの誠くんでしょう?!やめるなら全然いいし!」
「やめない、する、風呂する」
「お風呂入るだけだよ?お風呂だけね?!明日も仕事だし、まだご飯の片付けだって……「そんなん俺がするし、別に千夏寝落ちていいから」
「いや、だからお風呂入るだけって……」
 いつでも千夏がいるという幸福感、これが結婚して得られた最大のものかもしれない。


「……お腹の肉つままないで」
 ムニっと指で挟むと手をつままれた。

「言いたいことあるならハッキリ言ってよ」
「なんにも思ってないけど」
「わざとつまんで太ったなって言いたいくせに」
「思ってないって」
 捻くれた千夏の考えに可笑しくなるけど、怒られたから今度は両手を胸に持っていくと湯船が跳ねた。

「じゃあこっち触ろ」
「ひゃ!ちょ!」
「あれ?千夏もう感じてる?」
 先端が固くなって存在を主張するから人差し指で弾くと千夏が背を逸らした。

「んぁっ!」
「やらしい声……」
 耳たぶを甘噛みすると身体をくねらせてくる。

「んや、ンッ」
「気持ちいいの?」
「はぁ……ぁ、も、だめぇ……ん……っ声が…」
 恥ずかしそうに手で口を押えながら身悶えている。

「ひっ……響く、もんっ」
「たしかに。千夏のエロい声が……「そういうこと言わないで!」
 バシャン!と、お湯を派手にかけられたから言葉がそこで切れた。浴室だと千夏の声がより甘く響く。それに俺が無駄に興奮するのを千夏はどこまで気づいているんだろう。

「エッチ!ばかばか!も、嫌い!すぐそういうこと言う!って、ちょ!なん、いまおこっ――んっ」
 股の間に手を滑らせて割れ目を割いて敏感な突起を撫でたら甘い声をこぼしだした。もう千夏がどこをどうしたら悦んで感じるかわかりきっている。

「ふぁっ、ああっん、や――」
「可愛いな。千夏、すぐ感じるから」
「そっ、そぅいぅ……ことぉ、んぁ、言っちゃやだって――あぁん、それ、らめぇ!」
「一回イッとく?」
「んあ、はぁ、ぁ、あっ……ぁ――ッ」
 ビクビク身体をそらすと胸が前に押し出されて包み込みやすくなる。そのまま乳首を刺激したら千夏が一瞬で果てた。感じて身体を震わす姿を背後から見つめているだけで独占欲が満たされていく。

「気持ちよかった?」
 ぐったりして俺の身体に持たれるように落ちてくる千夏は肩で息をして目はもうトロトロ。後ろから包み込むように抱きしめたらまた可愛い喘ぎ声をこぼした。それがまた可愛くてぎゅっと白い肌を抱きしめる。

「ん、はぁ……ぁっ、んっ……誠くんの、当たってる」
「当ててます」
「……えっち」
 ザブッと湯船が揺れて千夏の体の向きをかえて抱き合う形になる。

「ひゃぁっ」
 先を擦らせたら千夏が可愛い悲鳴を上げた。

「気持ちいい?」
「ふ、ンッ……は、ぁっ、ぅんっ」
 返事か喘ぎかわからない回答だけど腰が揺れ出してるから返事と取る。ぺろっと胸の先を舐めるとまた喘いで、舌で吸い付くように咥えたら背筋を反らせて感じていた。

「んあ、お風呂……だけっていったのにぃ……ン」
「嫌?」
 チューっと胸に吸い付いたら体が跳ねる。ビクビクと素直に感じて震える身体……可愛いしかない。

「なぁ、ヤなの?」
「んあ!っ、や、ぁっそん――んっ」

(あんまりここで遊んでると上気せるな……)

「千夏、ちょっと立ってみ?このままじゃお前のぼせそう」
「ふぇ……た、たつの?」
「うん、こっちおいで」
 そういって浴槽の淵に座った俺の上に股がらせたら恥ずかしそうでも素直に身体を密着させてくる。千夏の白い肌が俺の肌に交わるとより白さがわかるから。この綺麗な肌にもっと触れたい、そう思う。

「あんまり……みないで」
「もう千夏の身体で見てないところないよ」
「ばかぁ、も……んんっ」
 柔らかい身体が吸い付くようにすり寄ってきて千夏の豊満な胸が俺の胸板でつぶれるように押し付けられる。そうすることで乳首が擦れて感じるのか、千夏の声が一層甘く浴室に響くから。

「んあ、ンッ――」
 キスを繰り返したら千夏にスイッチが入る。だんだん腕が背中に頬に触れてきてもっととせがむ。それに応えると自然と千夏の腰が揺れるのだ。目を潤ませて、頬を高揚させて、息を乱して喘ぎだすともう可愛くてたまらない。
 
 千夏が俺を全身で求めている。

「もう挿れたい、このまましていい?」
「はぁ、あっ、ぅん……」
「このまま千夏の中に出していい?」
 ぐずぐずに溶け出してのぼせかけた千夏にズルいことを聞いてるのはわかっている。けれど千夏の口から聞きたいーー言わせたい。

「ンあ、ぃいっ……も、いれてっ」
 これだけでももうやばい、震えそうなほど昂る。

「……出していいの?」
「……んっ」
「ちゃんと言って。はぁ、千夏の言葉で」
「ぁっ……んっ」
 感じて、はぁはぁ息を乱して腰を揺らす千夏。軽く空いた口からこぼれる甘い吐息と喘ぎ声が俺を焚きつけてくるのに。

「千夏ーっ、はぁ……なぁ、言ってよ」
「ぁ、なか、出してほし――っ」

(ヤバい――滾る)

「んあ!はぁっ!ぁっ……」
 息が止まりそうな千夏を無視していきなり奥まで押し入った。

「あっ、ああっんっ、まこ……くっ、ん、ちゅう、ちゅーしてっ」
 抱きついてキスを求めてくるからそれに応えると舌を絡ませてくる。熱が揺れる浴室内で濡れた身体を交わらさせているだけで溶け合えそうで、それくらい熱い。

「あ、んむっ、んっはぁ」
「……気持ちーな」
「あ、ぁっ……もちぃ、ちゅー……んっ」
 くちびるを咥えるようにしていると喘ぎが聞こえてより耳の奥までも刺激する。卑猥な水音と絡み合う唇のねばりついた音と千夏の漏らす喘ぎ声が浴室内に響く。興奮するなというほうが無理だ。

「あ、ぁっ、おくぅっ……おくにも、チューしてるっ、あ、ぁんっ!」

(――なに、奥にチューしてるって……頭ん中沸騰するわ!)

「――は、俺ももうイキたい」
「いっぱいチューだめぇぇ、おく、も――ッん」

 千夏の言葉責めはあいかわらずひどくてヤバすぎる。無自覚な直球な言葉に、俺はどんどん沼っていくのだ。


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