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後日談
クリスマスの翌朝は…➁
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今までは変な話、何か贈ったり強請られたものを買えば済んでいた気がする。金で解決するは言葉が悪いけど、それで納得してくれて喜んでくれていた。だから女ってそうなんだなって単純に思っていたけれど。
「誠くんに買ってもらったら意味ないっていうか~」
あのセリフは結構効いた。なに?と、思う気持ちと、え……っていうショック。
元から物欲は低いし、物で釣れるような女じゃなかったが。甘え下手だし良くも悪くも我慢する。気を遣うもそうだけど、金に関してはより遠慮がちだ。だからこそ、こういうイベントが絡まないと甘えさせられないだろうと思っているのに。
(意味ない、ね……意味なんかなくていいじゃねぇかよ。俺がしたいって言ってんのになにがダメなわけ?つーか、させろ)
クリスマスを忘れていた自分をなんとか挽回したいだけの自己中な気持ちだとは分かっているが、それでも何かしてやりたかった。そこにあのセリフをケロッと投げられて――イラっとしてしまった。
そんな思いの中、テレビを見ていても頭の中にはさほど入ってはこなくて。なんだかモヤモヤばかりが胸の中を占めていく。俺の態度に千夏が気を遣って謝ってきたけれど、謝るくらいなら甘えろよと結局自己中な気持ちが捨てきれない。そもそも忘れてなにもしてない自分が悪いのに、千夏はそれにも何にも言わないから余計歯がゆくて。
「クリスマスだったのにどっか行こうよ!忘れてたんだしプレゼント奮発してもらおうかな~!」
(それくらい言えばいいのに。なんで何にもないんだよ、なんなんだよ、俺がしたら意味ないって!)
そんなことをぐるぐる考えていたらソファが揺れて横に千夏がいた。
「……これ、買ったの」
リブになった襟元で袖口にベアの刺繍、アイボリーのショールカーディガンを着た千夏、クソ可愛いんだけど。しかもまた体詰め寄らせてきて見上げてくんだよ。
「ふわもこなの」
なんでこいつ、こんないい匂いすんの?なんなの。襟元が結構広く開いてデコルテがエロいんだけど。つーか、肌見え過ぎじゃね?この下どうなってんの?
(え?下、着てるよな?)
「ギュッて……していいよ?」
(このカーティガンの下ってさ……え?着てる?)
「ギュッてしたら、気持ちいい、よ?」
下半身も同じロゴ入りのロングパンツを履いている。全身見たら別に普通に着てるのはわかるのだが。
「ふわもこ、だから……」
だんだん頬を赤く染めて千夏がさっきからごにょごにょ言ってるけれど、言うこと言うこと可愛いくて。つまり触ってくれって言ってんだよなって分かるんだけどその素直に言わない感じがもうクッソ可愛いんだわ!
「ギュッてしてよぉ、放置やだっ!」
爆発したみたいにそう叫ぶから堪えきれなくて吹き出した。可愛すぎて、本当にどうしたらいいんかな。無理。抱きしめる腕の中で千夏がポツリこぼす言葉。
――私は、ね?自分で自分の欲しいものを買うのも、好きなんだよ?
千夏が今まで付き合ってきた女とは違う種類の女だと、わかっているのにどこかわかっていない俺がいる。俺だって数ばっかりで大した恋愛経験なんかないんだと今さらながら気づいて情けなくて、余計ダサくなる。女をひとくくりにして、目の前の女を喜ばせることも出来ない。その不甲斐なさと歯がゆさに苛まれている俺に千夏は言ってくる。
――プロポーズもらって、他に欲しいものなんかない。誠くんと一緒にいれるなら、どこかに行かなくてもいいの。
たまらなくなる。喜ばせたいと、千夏がもっと笑顔で幸せになるように、そう思うのに。
(結局、俺ばっかり……)
プロポーズだって俺がお前を縛り付けたいだけだ。独占欲を正当にしたいだけ、それだって俺の我儘で、俺の願望。千夏を俺のモノにしたくて、どこにもやらなくて済むように法律で縛ってやろうって思う邪な気持ちなだけじゃんか。そんな欲だらけの気持ちに夢みたいとか言われたらどこか罪悪感さえ芽生えてしまう。
「愛してる、とか」
「……」
「世界で一番好き、一生離さない、生まれ変わっても一緒になる、好きすぎて死にそう」
そんなセリフまともな精神で言えるか、ボケ。そんな聞いてるだけで歯の浮きそうなセリフをツラツラあげるから、思いはしても言葉に出来るか、そう思っていたら――。
「……全部、私の、気持ち」
「……」
「毎年クリスマスに一個だけ、一度だけでいい。私も言うから……言って?」
ここで、自分の気持ちだって投げつけてくるの、勘弁してくれ。
そんなセリフを恥ずかしそうに言ったら俯いて、千夏の手がボタンにかかる。膝を立てて俺の目の前でボタンを外したら視界に広がる千夏の肌が――。
「え」
「……今日だけだよ」
「――もう二度と見れる日はないと思ってた」
「もう二度と着る気はなかったです」
ずっと前に一度だけ着てくれた、水色ボーダーのマイクロビキニ。
「え、やばい」
「結局こっちのがいいんじゃん!ジェ〇ピケのがずっと高いんだよ!バカみたい!」
「下も履いてくれてんの?」
ウエストを引っ張って脱がせようとしたら怒られた。
「ちょ!だから!これ、上下で2万以上したんだよ!もっとちゃんと見てよぉ!」
「もう見たよ、それより脱いで」
「ひどい!誠くん、本当にひどいー!」
「千夏、お願い。脱いで?」
「だからなんなの?!本当にひどい!」
立場逆転、今度は千夏を俺がソファに押し倒して、高かったらしい諸々を剥ぐように脱がしかけたら千夏の猫目がキッと見あげてきてまた怒られるのかなと思ったら問いかけられた。
「ねぇ、覚えてる?」
「……え?」
「誠くんと、初めて過ごした夜の次の朝もここで……シた」
付き合って初めて千夏を抱いた日――忘れるわけない。
「……覚えてるよ」
「明るいしヤダって言っても聞いてくれなかった」
「そうだっけ」
「いつでも勝手になんでも決めてる。何言っても言い返されるし、言いくるめてくるし……ずっと私はそうやって誠くんに振り回されて生きていくの、きっと」
振り回されているのは絶対俺の方だと思うけどな、は言いかけたがやめた。そう言った千夏の顔がそれを全く嫌がってないのが分かるから。
「それが嫌じゃないんだろ?」
「……好き」
俺だって、千夏に振り回されるのが好きだから。お前になら振り回されてもいいって思うから……だからそれでいいんだよ。
「千夏」
「ん?」
見上げてくる猫目がただ可愛い。ずっと、ずっと、千夏が可愛い。
「愛してるよ」
「!」
自分から言えって言っといてどんな顔するんだよ、そう思うくらい真っ赤になった千夏が腕の中にいる。
「い、いきなり言うの……ダメじゃない?」
「言えって言われて言えるもんじゃねぇよ、こんなもん」
「そ、そうか……雰囲気、大事ね」
ごにょごにょまた言ってるけど、もうどうでもよくなった。ロングパンツも脱がせたら真っ赤になったマイクロビキニの千夏、たまらん。
「よ、汚れたら嫌だから今日は全部脱がせて!」
「どうぞ」
むしろカーティガンはいらん、と言ったら今度こそぶん殴られそうなので胸の中に閉まっておく。上着を脱いで振り向いてくる千夏は恥ずかしそうで、でもどこをどう見ても、どの角度からどう眺めても無双な千夏がいる。
「あー、やばいわぁー、千夏やばい」
「な、なにがぁ!もうなんかすごい恥ずかしい!」
悶える俺に千夏が身を縮めるがそれも無駄に可愛い。肉々しい肌が露出して、白い肌がほんのりピンク色に染まり始める。触れたらピクリと反応するけど、全く抵抗なんかしない。伸ばしたゆびさきを二の腕から肩へ、首筋に這わせて頬を包んだらすり寄ってくる。赤い唇にゆびさきを添わせたら軽く食んできて、その口がこぼす。
「……愛してる、私も」
愛してるなんて言葉、言う日がくるなんて思わなかった。言いたくなるなんて、思う日がくると思わない。それでもそんな日が訪れて、一度こぼしたら、何度でも伝えてやりたくなる。それが千夏の望むことなら。
「多分な、俺のが愛してるよ」
「……私のがもっとずっと――んっ」
口を塞いだらこぼれる吐息、それだって飲み込みたいほど。見つめる猫目が、艶のある黒髪が、柔らかな白い肌も、この赤いくちびるだって。全部狂おしいほど俺のものにしたい。その思いで口づける。
「あ、んっ」
濡れた蜜口が触れただけでくちゅっと鳴って興奮する。キスひとつで体の奥を濡らして俺を誘う千夏、簡単に指が入り込みそうなビキニだけど、指を這わすだけで焦らしたら千夏から深いキスを押し付けてくる。
「ん、ふ、ぅんんっ」
誘うように、腰を揺らして腕を回して抱きついてくる。絡みつく舌先が熱くて火傷しそう、それでもどうしたってキスをやめられない。千夏がキスを好きだから、やたらキスするようになったら俺だって好きになった。千夏とするキスは、ただ甘くて気持ちいい。纏わりつくような唾液が絡むのに、それをさらに絡めたくなるくらい口の中で溢れてくる。飲み込めないほど唾液が溢れて垂れさせて千夏が蕩けた瞳で見つめてくるから神経の糸がプツッと切れた。
濡れた口で柔らかな胸に吸い付いて、谷間から舐めあげたら可愛い声を漏らすから、もっとその声を聞きたくなる。
「ぁ、はぁんっ」
ビキニ越しでもわかるほど膨れ上がった乳首を舐めあげたら身体をビクリと跳ねさせて、こぼれかけた声を手で抑えるからその手を取った。
「声、隠すな」
「あ、だってぇ、んっ!」
「聞きたいの」
「やだぁ、あっ」
「聞かせて、全部。なんでも……」
どんな千夏だって可愛いだけだから。俺の腕に抱かれて身を捩るお前は可愛い以外ないんだから。
「ふ、ぁっ」
「はぁ……熱い……」
「あ、んぁ……奥っ……」
「ん?まだ奥まで挿入れてないよ?」
「んんっ、ぁ……」
悶えて、身体を震わせて……汗を滲ませる千夏の肌がつやつやしてそれを直視してたらまた煽られて――。
「っ、は、ぁ……」
「ああっ……も、やだぁ、あ」
「……なにが」
「んっ……もっと、奥ぅっ!」
(あー、もう可愛いわぁ……)
言わせたくて耐えていただけだけど。それにしても言い方が直球で可愛すぎだ。もうこれ以上我慢なんかできるわけない。
「もっと奥な?千夏のすきなとこ……一番奥までいかせて」
「あーっ、ぁんっ」
引き込まれて引き上げられて、その熱くてヌルヌルした中で吸い付く様に絡まれて。まるで感覚なんか奪うように千夏に締めあげられてたいして動くこともしないまま一瞬で果ててしまった。
「――っ……」
「あぁ、ン、は、ぁ……」
「……ごめん」
「ん、ぁ、ぇ……なに?はぁ……なんのごめん?」
「もっと気持ちよくさせてやりたかったのに……すぐイっちゃった……」
(だっせー……)
千夏の胸に埋まりながら若干項垂れつつ呟いたら千夏の腕がぎゅっと抱きしめてきて「ふふっ」と笑われた。
「なにそれぇ……気持ちよかったよぉ」
ふふっと笑うたび柔らかな胸が揺れてそれに包まれているだけで心地よくて。千夏の腕に抱かれて、その胸の中に包まれているだけでくすぐったいような悶える気持ち。
「いっぱい感じて苦しかったぁ……もう無理っ」
「……そうなの?」
「うん……焦らされる感じ、やだ。苦しいもん、気持ち良いの続くの。終わり来るの?って怖くなるからやめて」
「……はい」
「ふふ、はいっておかしい……ふふふ」
肩を震わせてくすぐったそうに笑う千夏。はぁ……っと、まだ熱の残る息をたまにこぼして見上げてくる瞳だって熱を孕んで揺れている。乱れた髪を整えるように撫でて毛先をゆびさきに絡めたらそれを猫目が追ってくる。手を、千夏の頬に添えたら待っていたように頬を掌に預けるように添えてきて心地よさそうに、幸せそうに微笑んで、俺の手にされるがまま。
「私の方がもっとずっと、いっぱい愛してるもん」
「ええ?」
まだ言うか、呆れて笑ったら猫目がぱちりと開いて見つめられた。吸い込まれる、その意志の強い千夏の瞳に。
「ゆびさきまで愛してるんだから」
そんな風に俺に気持ちをぶつけてくる、その真っ直ぐで透き通る瞳にきっとこれからも俺は千夏に焦がれ続けていくんだ。
「誠くんに買ってもらったら意味ないっていうか~」
あのセリフは結構効いた。なに?と、思う気持ちと、え……っていうショック。
元から物欲は低いし、物で釣れるような女じゃなかったが。甘え下手だし良くも悪くも我慢する。気を遣うもそうだけど、金に関してはより遠慮がちだ。だからこそ、こういうイベントが絡まないと甘えさせられないだろうと思っているのに。
(意味ない、ね……意味なんかなくていいじゃねぇかよ。俺がしたいって言ってんのになにがダメなわけ?つーか、させろ)
クリスマスを忘れていた自分をなんとか挽回したいだけの自己中な気持ちだとは分かっているが、それでも何かしてやりたかった。そこにあのセリフをケロッと投げられて――イラっとしてしまった。
そんな思いの中、テレビを見ていても頭の中にはさほど入ってはこなくて。なんだかモヤモヤばかりが胸の中を占めていく。俺の態度に千夏が気を遣って謝ってきたけれど、謝るくらいなら甘えろよと結局自己中な気持ちが捨てきれない。そもそも忘れてなにもしてない自分が悪いのに、千夏はそれにも何にも言わないから余計歯がゆくて。
「クリスマスだったのにどっか行こうよ!忘れてたんだしプレゼント奮発してもらおうかな~!」
(それくらい言えばいいのに。なんで何にもないんだよ、なんなんだよ、俺がしたら意味ないって!)
そんなことをぐるぐる考えていたらソファが揺れて横に千夏がいた。
「……これ、買ったの」
リブになった襟元で袖口にベアの刺繍、アイボリーのショールカーディガンを着た千夏、クソ可愛いんだけど。しかもまた体詰め寄らせてきて見上げてくんだよ。
「ふわもこなの」
なんでこいつ、こんないい匂いすんの?なんなの。襟元が結構広く開いてデコルテがエロいんだけど。つーか、肌見え過ぎじゃね?この下どうなってんの?
(え?下、着てるよな?)
「ギュッて……していいよ?」
(このカーティガンの下ってさ……え?着てる?)
「ギュッてしたら、気持ちいい、よ?」
下半身も同じロゴ入りのロングパンツを履いている。全身見たら別に普通に着てるのはわかるのだが。
「ふわもこ、だから……」
だんだん頬を赤く染めて千夏がさっきからごにょごにょ言ってるけれど、言うこと言うこと可愛いくて。つまり触ってくれって言ってんだよなって分かるんだけどその素直に言わない感じがもうクッソ可愛いんだわ!
「ギュッてしてよぉ、放置やだっ!」
爆発したみたいにそう叫ぶから堪えきれなくて吹き出した。可愛すぎて、本当にどうしたらいいんかな。無理。抱きしめる腕の中で千夏がポツリこぼす言葉。
――私は、ね?自分で自分の欲しいものを買うのも、好きなんだよ?
千夏が今まで付き合ってきた女とは違う種類の女だと、わかっているのにどこかわかっていない俺がいる。俺だって数ばっかりで大した恋愛経験なんかないんだと今さらながら気づいて情けなくて、余計ダサくなる。女をひとくくりにして、目の前の女を喜ばせることも出来ない。その不甲斐なさと歯がゆさに苛まれている俺に千夏は言ってくる。
――プロポーズもらって、他に欲しいものなんかない。誠くんと一緒にいれるなら、どこかに行かなくてもいいの。
たまらなくなる。喜ばせたいと、千夏がもっと笑顔で幸せになるように、そう思うのに。
(結局、俺ばっかり……)
プロポーズだって俺がお前を縛り付けたいだけだ。独占欲を正当にしたいだけ、それだって俺の我儘で、俺の願望。千夏を俺のモノにしたくて、どこにもやらなくて済むように法律で縛ってやろうって思う邪な気持ちなだけじゃんか。そんな欲だらけの気持ちに夢みたいとか言われたらどこか罪悪感さえ芽生えてしまう。
「愛してる、とか」
「……」
「世界で一番好き、一生離さない、生まれ変わっても一緒になる、好きすぎて死にそう」
そんなセリフまともな精神で言えるか、ボケ。そんな聞いてるだけで歯の浮きそうなセリフをツラツラあげるから、思いはしても言葉に出来るか、そう思っていたら――。
「……全部、私の、気持ち」
「……」
「毎年クリスマスに一個だけ、一度だけでいい。私も言うから……言って?」
ここで、自分の気持ちだって投げつけてくるの、勘弁してくれ。
そんなセリフを恥ずかしそうに言ったら俯いて、千夏の手がボタンにかかる。膝を立てて俺の目の前でボタンを外したら視界に広がる千夏の肌が――。
「え」
「……今日だけだよ」
「――もう二度と見れる日はないと思ってた」
「もう二度と着る気はなかったです」
ずっと前に一度だけ着てくれた、水色ボーダーのマイクロビキニ。
「え、やばい」
「結局こっちのがいいんじゃん!ジェ〇ピケのがずっと高いんだよ!バカみたい!」
「下も履いてくれてんの?」
ウエストを引っ張って脱がせようとしたら怒られた。
「ちょ!だから!これ、上下で2万以上したんだよ!もっとちゃんと見てよぉ!」
「もう見たよ、それより脱いで」
「ひどい!誠くん、本当にひどいー!」
「千夏、お願い。脱いで?」
「だからなんなの?!本当にひどい!」
立場逆転、今度は千夏を俺がソファに押し倒して、高かったらしい諸々を剥ぐように脱がしかけたら千夏の猫目がキッと見あげてきてまた怒られるのかなと思ったら問いかけられた。
「ねぇ、覚えてる?」
「……え?」
「誠くんと、初めて過ごした夜の次の朝もここで……シた」
付き合って初めて千夏を抱いた日――忘れるわけない。
「……覚えてるよ」
「明るいしヤダって言っても聞いてくれなかった」
「そうだっけ」
「いつでも勝手になんでも決めてる。何言っても言い返されるし、言いくるめてくるし……ずっと私はそうやって誠くんに振り回されて生きていくの、きっと」
振り回されているのは絶対俺の方だと思うけどな、は言いかけたがやめた。そう言った千夏の顔がそれを全く嫌がってないのが分かるから。
「それが嫌じゃないんだろ?」
「……好き」
俺だって、千夏に振り回されるのが好きだから。お前になら振り回されてもいいって思うから……だからそれでいいんだよ。
「千夏」
「ん?」
見上げてくる猫目がただ可愛い。ずっと、ずっと、千夏が可愛い。
「愛してるよ」
「!」
自分から言えって言っといてどんな顔するんだよ、そう思うくらい真っ赤になった千夏が腕の中にいる。
「い、いきなり言うの……ダメじゃない?」
「言えって言われて言えるもんじゃねぇよ、こんなもん」
「そ、そうか……雰囲気、大事ね」
ごにょごにょまた言ってるけど、もうどうでもよくなった。ロングパンツも脱がせたら真っ赤になったマイクロビキニの千夏、たまらん。
「よ、汚れたら嫌だから今日は全部脱がせて!」
「どうぞ」
むしろカーティガンはいらん、と言ったら今度こそぶん殴られそうなので胸の中に閉まっておく。上着を脱いで振り向いてくる千夏は恥ずかしそうで、でもどこをどう見ても、どの角度からどう眺めても無双な千夏がいる。
「あー、やばいわぁー、千夏やばい」
「な、なにがぁ!もうなんかすごい恥ずかしい!」
悶える俺に千夏が身を縮めるがそれも無駄に可愛い。肉々しい肌が露出して、白い肌がほんのりピンク色に染まり始める。触れたらピクリと反応するけど、全く抵抗なんかしない。伸ばしたゆびさきを二の腕から肩へ、首筋に這わせて頬を包んだらすり寄ってくる。赤い唇にゆびさきを添わせたら軽く食んできて、その口がこぼす。
「……愛してる、私も」
愛してるなんて言葉、言う日がくるなんて思わなかった。言いたくなるなんて、思う日がくると思わない。それでもそんな日が訪れて、一度こぼしたら、何度でも伝えてやりたくなる。それが千夏の望むことなら。
「多分な、俺のが愛してるよ」
「……私のがもっとずっと――んっ」
口を塞いだらこぼれる吐息、それだって飲み込みたいほど。見つめる猫目が、艶のある黒髪が、柔らかな白い肌も、この赤いくちびるだって。全部狂おしいほど俺のものにしたい。その思いで口づける。
「あ、んっ」
濡れた蜜口が触れただけでくちゅっと鳴って興奮する。キスひとつで体の奥を濡らして俺を誘う千夏、簡単に指が入り込みそうなビキニだけど、指を這わすだけで焦らしたら千夏から深いキスを押し付けてくる。
「ん、ふ、ぅんんっ」
誘うように、腰を揺らして腕を回して抱きついてくる。絡みつく舌先が熱くて火傷しそう、それでもどうしたってキスをやめられない。千夏がキスを好きだから、やたらキスするようになったら俺だって好きになった。千夏とするキスは、ただ甘くて気持ちいい。纏わりつくような唾液が絡むのに、それをさらに絡めたくなるくらい口の中で溢れてくる。飲み込めないほど唾液が溢れて垂れさせて千夏が蕩けた瞳で見つめてくるから神経の糸がプツッと切れた。
濡れた口で柔らかな胸に吸い付いて、谷間から舐めあげたら可愛い声を漏らすから、もっとその声を聞きたくなる。
「ぁ、はぁんっ」
ビキニ越しでもわかるほど膨れ上がった乳首を舐めあげたら身体をビクリと跳ねさせて、こぼれかけた声を手で抑えるからその手を取った。
「声、隠すな」
「あ、だってぇ、んっ!」
「聞きたいの」
「やだぁ、あっ」
「聞かせて、全部。なんでも……」
どんな千夏だって可愛いだけだから。俺の腕に抱かれて身を捩るお前は可愛い以外ないんだから。
「ふ、ぁっ」
「はぁ……熱い……」
「あ、んぁ……奥っ……」
「ん?まだ奥まで挿入れてないよ?」
「んんっ、ぁ……」
悶えて、身体を震わせて……汗を滲ませる千夏の肌がつやつやしてそれを直視してたらまた煽られて――。
「っ、は、ぁ……」
「ああっ……も、やだぁ、あ」
「……なにが」
「んっ……もっと、奥ぅっ!」
(あー、もう可愛いわぁ……)
言わせたくて耐えていただけだけど。それにしても言い方が直球で可愛すぎだ。もうこれ以上我慢なんかできるわけない。
「もっと奥な?千夏のすきなとこ……一番奥までいかせて」
「あーっ、ぁんっ」
引き込まれて引き上げられて、その熱くてヌルヌルした中で吸い付く様に絡まれて。まるで感覚なんか奪うように千夏に締めあげられてたいして動くこともしないまま一瞬で果ててしまった。
「――っ……」
「あぁ、ン、は、ぁ……」
「……ごめん」
「ん、ぁ、ぇ……なに?はぁ……なんのごめん?」
「もっと気持ちよくさせてやりたかったのに……すぐイっちゃった……」
(だっせー……)
千夏の胸に埋まりながら若干項垂れつつ呟いたら千夏の腕がぎゅっと抱きしめてきて「ふふっ」と笑われた。
「なにそれぇ……気持ちよかったよぉ」
ふふっと笑うたび柔らかな胸が揺れてそれに包まれているだけで心地よくて。千夏の腕に抱かれて、その胸の中に包まれているだけでくすぐったいような悶える気持ち。
「いっぱい感じて苦しかったぁ……もう無理っ」
「……そうなの?」
「うん……焦らされる感じ、やだ。苦しいもん、気持ち良いの続くの。終わり来るの?って怖くなるからやめて」
「……はい」
「ふふ、はいっておかしい……ふふふ」
肩を震わせてくすぐったそうに笑う千夏。はぁ……っと、まだ熱の残る息をたまにこぼして見上げてくる瞳だって熱を孕んで揺れている。乱れた髪を整えるように撫でて毛先をゆびさきに絡めたらそれを猫目が追ってくる。手を、千夏の頬に添えたら待っていたように頬を掌に預けるように添えてきて心地よさそうに、幸せそうに微笑んで、俺の手にされるがまま。
「私の方がもっとずっと、いっぱい愛してるもん」
「ええ?」
まだ言うか、呆れて笑ったら猫目がぱちりと開いて見つめられた。吸い込まれる、その意志の強い千夏の瞳に。
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