三度目の正直

sae

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第1話

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 30歳、3年付き合って同棲していた彼氏に振られた。同棲して結婚の話だってしてた。一緒にいるのが当たり前と思っていたけれど、そう思っていたのは自分だけだった。

「くそ!」

 初めて入ったバーでやけ酒。カウンターで煽るように酒を飲んでいたらひとりの客に声を掛けられてノリで一緒に飲んだ。絡み酒、迷惑だったと思う。でも相手は気さくに話を合わせてくれてなんだか距離が近づいて……。愚痴みたいにこぼしたらどんどん酒が進んで、どんどん酔って……目が覚めたら裸でベッドの上にいた。

「うそ」

 全く記憶にない。
 静かな室内だけれど、シャワーの音が聞こえる。自分以外の誰かが壁を挟む向こう側でシャワーを浴びている。どんどん頭が冴えてきて、瞳孔が開く。見渡す室内に見覚えはないから自宅ではないようだ。ならここはどこだ? ラブホテル? そんな感じのどこかメルヘン調なテイストはしている。ラブホテルだろう、ラブホだ……ラブホで裸だ!
 
 その答えに辿り着いたときに、カチャリと扉が開く音がしてその音に視線を送ると視界に埋まるのは濡れた身体。腰から下を白のバスタオルでまとい濡れ髪をかきあげている若い男の子がいる。
 
「おはよー、起きた?」

 ――若い男の身体、綺麗……じゃなくて!

「あ、あの、私」
「気分ど? なんか飲んだ?」

 そう言って冷蔵庫の中を開けてペットボトルを取り出したら一本差し出してくれる。それを素直に受け取るものの戸惑いは拭えない。

「あ、あの、その……」
「開けれる?」

 手にしていたボトルを抜き取り、パキッと蓋を開けてくれた。そんな風に構ってもらうようなことは近々で記憶にない。そんなことでと笑われそうだが普通に照れてしまった。

「あ、ありがと」
「いーよ」

 くすっと笑って自分の喉も潤わしている、太すぎないが逞しい首元に視線を逸らせない。喉仏が上下に動くそれに見惚れてしまった。

「シャワーする?」
「え、あっ……」
 
 問われる言葉にだってうまく返せない。困惑して何から考えればいいのかと思考はグルグルめぐるばかりでとどのつまり、パニックに近い。この状況は、完全に事後で? 目の前の相手と致してしまったようで? その相手は私の生活圏内とは縁の全くなさそうな……。
 
「待って何歳!? 君いくつ!?」

 未成年ならどうしよう!?

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