10 / 18
目標のある幸せ 第十話
しおりを挟む
私たちのグループであるヴァルコスマイルは人数が多いので、他のアイドルグループと同じように何人かのチームで分かれていて、星の順番になぞってチームアルファーとチームベータと呼ばれている。
人数は基本的に半分で分かれ、どちらかというと表題曲を担当してメディアへの露出が多いのはチームアルファーとされていた。
一般的には一軍と二軍という認識で、グループ的にもなんとなくそういう雰囲気だ。
目標としてチームベータの人はチームアルファーに入ってセンターを目指すということだけど、実際にはみんながそうだということでもなく、何となくもやっとした感じがある。
ただ、本人たちの意識は別にして周りのファンはそうみるし、折角このグループに入ったのだからセンターで踊ってみたいという気持ちも少なからずあるのだと思う。
そんなチーム編成も私たち二期生が入ることで劇的な転換点が発生した。
今までは二十人で十人ずつ二チームに分かれていたが、二期生が入ることで二十九人となり半分では十四人と十五人に分かれることになったのだ。
単純に新人の二期生はチームベータに振り分けたとしても、一期生のなかでチームベータとチームアルファーの比率が変わるため一期生は更に選別されたようになる。
チーム編成の内容を伝えられた時、チームベータになった何人かは泣いていたらしい。
二期生はまだその気持ちは味わったことがなく今回の編成発表は気楽ではあった。
「おはようございます」
新たなチームベータとして重要な連絡事項があると言われて、私たちは会議室に集められた。
一期生の六人がすでに来ており、なんとなく暗い表情で話をしているのが見えたが、私が来ると何でもないように装っていた。
私が席に座ろうとすると今回チームアルファーからチームベータになった三浦華さんが話しかけてきた。
「ねえ、相羽さんはアルファーじゃないの?」
「何を言ってるんです? 二期生はみんなベータですよ」
「相羽さんは別格だって聞いているから」
「誰がそんなことをいっているんですか? 私から見たら先輩方六人の方がすごいです」
いつにもまして仏頂面になっているのが自分でも分かったような気がする。
「そうかな。じゃあ私のどんなところがすごいと思うの?」
「そうですね。三浦先輩はダンスが素晴らしいと思います。グループでいうと三本の指に入るくらいだと思います。特にターンした時など体の軸がぶれずに次の動作に入るところとか、指の先まで神経を使って表現していると思います。ほかにも……」
「ああもう恥ずかしいからいいわ。ありがとう。そういえば分析魔のあだ名もあったわよね」
「初めて聞きましたが?」
「それじゃあ、私たちにもいいところがあると」
ほかの一期生のほうに「だ、そうよ」というジェスチャーを見せていた。
「もちろんです。学ばせてもらってます」
「そう。ガッカリされないように頑張るわ」
「はい。私も頑張りますのでよろしくお願いします」
軽くお辞儀をしながら何だったのかと思いそのまま席に座る。とりあえず今日は何の話だろうと時間をつぶすために本を読み始めた。
ほどなくして二期生が集まってきて先輩方がそろっているのを見てすみませんと謝っていたが、話したいことがあって早く来ただけだからと言われていた。
「紗良さん、おはようございます」
「未来さん、おはようございます」
未来は家がお金持ちのお嬢様らしく、グループではおっとりした優しい性格なので目立たないが習い事も多くやっており、学力も高く、育ちからしてもパーフェクトな人ではないかと思っている。
「先輩方はいつからきてるの?」
「私より前に全員」
「やっぱりショックだったのかな」
「ショック? ショックとは?」
なんのことかさっぱりわからないという顔で訊いた。
「この選抜発表で一期生の中から六人がチームベータとして私たちと合流することになって、すごく泣いてたらしいの」
「本当に?」
こういう情報だけはみんな早いよなぁと感心しつつ、さっきの会話の意味がなんとなく分かった。
「あんまりチームとか関係ないと私は思うけど」
そう小さくつぶやくと未来に聞こえたのか、「それは紗良さんだからそう思うんだよ」と言われた。
しばらくすると村雨部長と日髙マネージャー(真帆ちゃん)がやってきて重要な話があると言い、ミーティングを始めた。
「今回二期生も入って経験も積んでいかないといけないし、チームベータは二か月後に小規模で二日間のライブをすることに決まった」
みんながざわつく。
「小規模ってどのくらいですか?」
三浦華が訊いた。
「三千人だ」
「この前のお披露目会よりも多いじゃないですか。どこが小規模なんですか?」
「今までツアーで五千人から一万人規模のライブをやってきていることからしたら少ないだろう。特に一期生のお前たちはそこでやってきただろうに」
「ツアーはヴァルコスマイル全員ですし、私たちでそんな集客できると思ってるんですか?」
「なんでやる前からできないって決めつける。やってみないとわからないだろ。それに、多少人数が入らないとモチベーションも上がらないかと思って、スタッフみんなが五百人くらいにしようというのを、無理やり三千人の箱にした」
ライブで箱の大きさに対して、人が集まらないときほどさみしいものはないと聞いているが、三千人規模のライブで何百人とかだったらかえって伝説だ。
「とりあえず決まったことだから、そのつもりでやってほしい。ライブのPRは当然チームアルファーも協力してくれるから、全力で頑張れ。それと三浦が座長な」
みんながシーンとしていると、「そうだ。忘れてた」と今回のライブについて説明を始めた。
「今回のライブは、チームベータがファンにどうしたら喜んでもらえるかを考えて、スタッフと話しながら作ってみてほしい。一期生の六人も二期生はまだ何も知らないんだからきちんと教えてやってくれ」
扉をあけながら「明日から打ち合わせを始めるから、スケジュールはまた連絡する」そう言い残して去っていった。
「真帆ちゃん。今の話し本当?」
三浦華が残ったマネージャーの日髙さんに詰め寄った。
「全部本当ですよ。箱の人数を変えたことも含めて。でも今のヴァルコスマイルならファンの人は来てくれると思いますけど……」
そう言うと日髙さんは少し不安そうな顔をして三浦華を見る。
「けど、なに?」
「怒らないでくださいね。来てくれたお客さんを満足させられるかの方が不安なんです」
日髙さんの言うことももっともだ。数の多い少ないでパフォーマンスの満足度が変わるということではないが、人数が少ない方が満足してもらえなかったときの反響も少なくて済む、いわゆる傷が浅いというやつだ。
「それは……」
三浦華は自分たちの状況から考えて、もっと信頼してほしいと言えるような立場ではないということを感じて何も言えない。
「日髙さんは実際にパフォーマンスする私たちの心が折れたりしないか心配で言ってくれるのだと思いますけど、決まったことと、起きてもいないことに悩んでも仕方がありません」
未知のことについて警戒するのと怖れることとは別だ、怖いのなら怖くなくなるように準備をしておくべきだし、最悪の結果を怖れて何もしないのでは自ら最悪の結果を招いているに等しい。
「私たちには先輩方もいますし、チームアルファーだって仲間ですよね。練習とか手伝ってもらってでも成功させるように頑張りましょう。それじゃあ三浦先輩お願いします」
「何を?」
「何を? って、私たちあまりやったことがないんです。掛け声」
「ああ、それのこと。いいよ、じゃあみんな円を描いて並んで、いい?」
そう言って手を前に出した。
「夜空に見える星の輝きは私たちの笑顔、永遠に輝くー」
「「ヴァルコスマイル!」」
みんなが手を上に突き出して声を合わせた。
新しいシングルのPRでチームアルファーが忙しくしている中、私たちもライブに向けて内容の検討を始めていた。
その間にもシングルのミニライブや握手会がありチームベータはライブの準備をしているだけで良いということではない。
私たち新人も握手会でファンの人に顔を覚えてもらうように頑張っている。
二期生は来てくれる人数も限られているということで二人一組で対応していて、今日はさなえと一緒のブースだ。
休憩時間になりお茶を飲んでいるとさなえが訊いてきた。
「紗良は握手会とかどうなの?」
「どうって?」
「苦手だったりするのかなと思って」
「得意とかではないけど、私たちに会いに来てくれるということを思えばありがたいなと思うよ」
「その割には愛想がないよね」
「これでも頑張って愛想よくしているつもりなんですけど。そんな風に見えてる?」
「普段を知ってる私たちからすると、柔らかいなと思うけど初めて会った人たちは、そう思ってないみたい」
エゴサーチして実況スレッドを見ながら「氷の女王って書かれてる」と言って、ほらっと見せてくれた。
「まあ、気持ち的にはありがとうと思ってやっているわけだし、基本そういう顔なので仕方がないかな。もう少し頑張ってみます」
「あっ。でも無理しなくてもいいんじゃない? そういうところがいいっていう人もいるみたいよ、ほらこれ見て」
なるほど人それぞれだなと思いながら、一応はもう少し気を付けようと思う。
さなえと二人で来てくれているファンの人と短い会話をしているときに「こんにちは、この前よかったよ」と言われた。
「お披露目会にも来ていただいてありがとうございます。一緒だった人は今日は来られていないですか?」
そう言ったら、さなえと一緒に二人が「えっ?」という顔をしているところで係の人に「終了でーす」といってファンの人は離されていった。
「時間が短くて会話にならない」
あいそも何もないな、そうつぶやくと隣でさなえが「知り合い?」と訊いてくるので「全然知らない人だけどお披露目会に来てた人」と答えた。
「あんな短時間のこと覚えてるの?」
「目の前に来てた人はわかるよ」
「普通はわからないわよ。通り過ぎるだけなのに」
何人かお披露目会に来てくれていた人がきて、訊かれたことにこたえると「覚えてくれているんだ」と喜んで帰っていったので、そんなことで喜んでいただけるとはと思っていた。
しばらくして、お披露目会の時のことを話してくる人がいたが、見た記憶がなかったので「そうでしたか、覚えてなくてごめんなさい」と素直に謝った。
「紗良のことが書かれてたよ」
先に休憩に入っていた朋子がネットを見て教えてくれた。
「そう。なんて?」
「紗良がファンのことすごく覚えてるって」
「そう言えばお披露目会のときのこと、すごい言われた」
「最後に本当に行ったことがない人には覚えていないからって謝られたって」
あれか、私を試してたんだなとわかったが、愛想のない私がこんなことで喜んでもらえるならよかったと思う。
「みんな紗良推しにするって言ってる」とさなえが言ったので、そこまで言われるとかえって申し訳なく、できるだけ愛想をよくする方を頑張ろう、そう思った。
後から詳しく聞いたらファンの間で本当にそんなことを覚えているのか? と話題になったらしく、話を合わせている可能性もあるということで、お披露目会に行ったことの無いファンが適当に言ってためしてみようとなったらしい。私が覚えていないのではなく本当に見ていない人だったということが分かった。
「紗良お帰り」
握手会が終わって家に帰ると春代がお母さんとお茶を飲みながら待っていたらしく、リビングから顔を出して迎えてくれた。
「ただいま。はる、来てたの?」
「待ちくたびれたわよ。課題を取りに来てあげたの」
「メールくれたら持っていくのに」
「家に来たら絶対地味な格好してくるでしょ。外にお出かけしたときの紗良が見たいの」
外に行くなら運動のついでだから、こんな格好では公園で運動などできない。
「ふーん。じゃあ満足した?」
「まあまあ満足。きれいだわ。よしよし」
「何目線なの? とりあえず課題を持ってくる」
そう言って部屋に行き、すぐに着替えてリビングに戻った。
「あっ、もういつもの地味に気配を消す紗良になってる!」
「別にいいでしょ。これ課題。いつもありがとう」
「もうすこし愛でさせてくれてもいいでしょうに」
そう言って帰ろうとした時に玄関で訊いてきた。
「ところで来週はいつ学校来るの?」
「水木金は何とか行けると思う。打ち合わせとかあるからわからないけど、時間があったら火曜日も午後からは行くつもり」
「仕事があると大変だね。来週後半は中間テストがあるから絶対来るようにね」
「そうだね何とかする」
「じゃあ、またね」
そう言って春代が帰っていったところで今の会話を聞いていてお母さんが言った。
「紗良さん。学校は大丈夫なの?」
「大丈夫。一応出席日数は何とかなると思うし、アイドルをしているからって印象が悪くなるとお母さんたちにも迷惑をかけるから、今度からテストも全力でやることにする。先生にも全力で頑張りますと話しをしたの」
「私たちのことは良いけど、頑張りすぎないようにね」
「気を付けるから安心して」
ご飯ができたら呼んでと言って一応はテストの範囲を見直してみようと部屋で机に向かった。
次の週ではライブの打ち合わせをする為に、チームベータで集まって会議をしていた。
「こうなったら、私たちもいるんだっているところを見せたいから、みんなが一度はフロントのセンターに行くようにしよう」
座長の三浦華が言った。
「みんなどの曲が好きでやりたいか決めてきた?」
「はーい」
「それじゃあ、まとめるね」
みんながそれぞれ自分の思いのある曲を上げていき、それとスタッフの人たちと相談してセットリストを決めようということになっていた。
「相羽さんは、絵里奈のソロがメインの楽曲か」
「私が一番好きな曲でぜひ歌の上手な城田さんに唄ってもらいたいと思って」
「絵里奈と同じなんて怖くて唄えないよ」
城田が無理無理と手を振る。
「じゃあ自分で唄えばいいよ。誰って決まっているわけじゃないんだし」
三浦華に「そりゃ、自分がやりたい曲って言ってるんだから、そうなるでしょうよ」と言いわれたので何も言えない。
「私も紗良ちゃんが唄うのを聞きたいでーす」
美香が元気にそういうのでみんながそうだそうだと言った。
「もう一人、確か服部さんは二期生の中で歌うのが好きだっていう人だったわよね」
「好きですけど、うまくはないです」
「私たちの中では未来はうまいと思ってるよ」
さなえが言うので、未来は「大丈夫かなぁ?」と不安そうに受けいれた。
「あの、すみませんが私がソロを唄うことで決まりなのでしょうか?」
「今の流れで相羽さん以外ないでしょ。これはもう決まり。では次を決めまーす」
城田さんの歌声を聴きたいと思って書いたのに自分に返ってくるとは、話しの進め方をどこで間違えていたのだろうと考えている間に打ち合わせは終了した。
学校がある日も、帰ってから振り付けの練習を自分の動画を撮っては見て、撮っては見てを繰り返して行っていた。
テストも終わり次の週に学校に行くと先生に職員室に来るようにと呼び出され、職員室に入ると先生たちが来た来たという風に私を見たのが気になった。
「相羽は答案を返すときに学校に来ない可能性が高いから、他の先生の分も預かっておいた」
「ありがとうございます」
先生はため息をつきながら、解答用紙を私に見せた。
「全科目満点だ」
「そうですか」
「他に感想はないのか? やったぁとか」
「お話ししましたように全力を出しましたので、それに近い結果になるだろうと思っていましたから」
「そうか。まあいい。見てるのか知らないが、テストの結果を張り出すのは知っているよな」
「知っています」
個人情報の保護を目的として個人名は書かれていないものの、自分がどの程度なのかということを知ることも必要だということで、順位と点数だけは張り出されることになっていた。
「相羽の成績を順位として公表するかどうかを悩んだが、嘘をついても仕方がないということで一応そのまま出すことにしたわけだが……」
「それは構わないと思いますが、何か問題がありますか?」
「相羽が悪いわけではないが、相羽は大学の推薦とか考えるか?」
「いえ。全く考えていません」
私は即答した。大学に行くなら自分の力で行きたいところへ行く。
「そうか。それなら問題は無いな。推薦枠は成績順で決まるからこのままだと相羽がトップになる。そうなれば一人推薦を受けられない子が出てくる」
「そうですね」
「先生としては相羽が行きたいと言えば、当然相羽を成績通り優先するが、そのことで妬むものがいるかもしれない」
考えたくはないがと言ってつづけた。
「まあ、単純に学校の卒業を目的にいい成績をとる分には、問題はないからこのまま頑張れ」
人の心はわからないから、先生としてもそういう気持ちを私に向けさせるくらいなら、公表される成績についてはなかったことにしておくことも考えたと言っていた。
「お気を遣っていただき、ありがとうございます」
もういいよと言われたので職員室を後にした。その時に音楽の先生が頑張ってと手を振っていたので軽く会釈して自分の教室に戻った。
一緒に春代と帰っていると職員室に呼ばれて何だったの? と訊いてきた。
「学校にあまり来られないだろうから、先に答案用紙を返しておくって」
「なーんだ、そんなことか。それでどうだったの?」
「ん? よかったよ」
「めちゃくちゃ良かったんでしょ?」
「わかるの?」
「わかるよ。私は情報を集めるのは得意だから」
さなえのことを思い出して、山岸という苗字の人たちはそういう特殊な能力を持っている一族なのだろうかと思った。
「なんか全部満点の人がいて、先生たちが会議してるって噂があって、紗良がテストも頑張るって言ってたから、これだ! って思ったわけ」
「そういうことか。今日も呼ばれた時にその話し合いをしたことを言われた」
「ふーん。でも点数が良いからって何か問題でもあったの?」
「推薦とか成績で決まるからどうしようかって」
「どうするの?」
「今は大学へはいかないつもりだし、推薦とかはしてもらわないですって言った」
それなら問題ないだろうって言われたんだ、というと「なにそれ、めんどくさい。紗良はもともとできてたんだから関係ないよねぇ」というので「他の人は知らないから変に嫉妬されるかもしれないって心配してくれたみたい」と答えた。
家に帰るとお母さんにテストの点数のことを報告して、勉強は大丈夫なのでアイドルの方も頑張りますと言うと、なぜかわからないが涙ぐみながら抱きしめられた。
人数は基本的に半分で分かれ、どちらかというと表題曲を担当してメディアへの露出が多いのはチームアルファーとされていた。
一般的には一軍と二軍という認識で、グループ的にもなんとなくそういう雰囲気だ。
目標としてチームベータの人はチームアルファーに入ってセンターを目指すということだけど、実際にはみんながそうだということでもなく、何となくもやっとした感じがある。
ただ、本人たちの意識は別にして周りのファンはそうみるし、折角このグループに入ったのだからセンターで踊ってみたいという気持ちも少なからずあるのだと思う。
そんなチーム編成も私たち二期生が入ることで劇的な転換点が発生した。
今までは二十人で十人ずつ二チームに分かれていたが、二期生が入ることで二十九人となり半分では十四人と十五人に分かれることになったのだ。
単純に新人の二期生はチームベータに振り分けたとしても、一期生のなかでチームベータとチームアルファーの比率が変わるため一期生は更に選別されたようになる。
チーム編成の内容を伝えられた時、チームベータになった何人かは泣いていたらしい。
二期生はまだその気持ちは味わったことがなく今回の編成発表は気楽ではあった。
「おはようございます」
新たなチームベータとして重要な連絡事項があると言われて、私たちは会議室に集められた。
一期生の六人がすでに来ており、なんとなく暗い表情で話をしているのが見えたが、私が来ると何でもないように装っていた。
私が席に座ろうとすると今回チームアルファーからチームベータになった三浦華さんが話しかけてきた。
「ねえ、相羽さんはアルファーじゃないの?」
「何を言ってるんです? 二期生はみんなベータですよ」
「相羽さんは別格だって聞いているから」
「誰がそんなことをいっているんですか? 私から見たら先輩方六人の方がすごいです」
いつにもまして仏頂面になっているのが自分でも分かったような気がする。
「そうかな。じゃあ私のどんなところがすごいと思うの?」
「そうですね。三浦先輩はダンスが素晴らしいと思います。グループでいうと三本の指に入るくらいだと思います。特にターンした時など体の軸がぶれずに次の動作に入るところとか、指の先まで神経を使って表現していると思います。ほかにも……」
「ああもう恥ずかしいからいいわ。ありがとう。そういえば分析魔のあだ名もあったわよね」
「初めて聞きましたが?」
「それじゃあ、私たちにもいいところがあると」
ほかの一期生のほうに「だ、そうよ」というジェスチャーを見せていた。
「もちろんです。学ばせてもらってます」
「そう。ガッカリされないように頑張るわ」
「はい。私も頑張りますのでよろしくお願いします」
軽くお辞儀をしながら何だったのかと思いそのまま席に座る。とりあえず今日は何の話だろうと時間をつぶすために本を読み始めた。
ほどなくして二期生が集まってきて先輩方がそろっているのを見てすみませんと謝っていたが、話したいことがあって早く来ただけだからと言われていた。
「紗良さん、おはようございます」
「未来さん、おはようございます」
未来は家がお金持ちのお嬢様らしく、グループではおっとりした優しい性格なので目立たないが習い事も多くやっており、学力も高く、育ちからしてもパーフェクトな人ではないかと思っている。
「先輩方はいつからきてるの?」
「私より前に全員」
「やっぱりショックだったのかな」
「ショック? ショックとは?」
なんのことかさっぱりわからないという顔で訊いた。
「この選抜発表で一期生の中から六人がチームベータとして私たちと合流することになって、すごく泣いてたらしいの」
「本当に?」
こういう情報だけはみんな早いよなぁと感心しつつ、さっきの会話の意味がなんとなく分かった。
「あんまりチームとか関係ないと私は思うけど」
そう小さくつぶやくと未来に聞こえたのか、「それは紗良さんだからそう思うんだよ」と言われた。
しばらくすると村雨部長と日髙マネージャー(真帆ちゃん)がやってきて重要な話があると言い、ミーティングを始めた。
「今回二期生も入って経験も積んでいかないといけないし、チームベータは二か月後に小規模で二日間のライブをすることに決まった」
みんながざわつく。
「小規模ってどのくらいですか?」
三浦華が訊いた。
「三千人だ」
「この前のお披露目会よりも多いじゃないですか。どこが小規模なんですか?」
「今までツアーで五千人から一万人規模のライブをやってきていることからしたら少ないだろう。特に一期生のお前たちはそこでやってきただろうに」
「ツアーはヴァルコスマイル全員ですし、私たちでそんな集客できると思ってるんですか?」
「なんでやる前からできないって決めつける。やってみないとわからないだろ。それに、多少人数が入らないとモチベーションも上がらないかと思って、スタッフみんなが五百人くらいにしようというのを、無理やり三千人の箱にした」
ライブで箱の大きさに対して、人が集まらないときほどさみしいものはないと聞いているが、三千人規模のライブで何百人とかだったらかえって伝説だ。
「とりあえず決まったことだから、そのつもりでやってほしい。ライブのPRは当然チームアルファーも協力してくれるから、全力で頑張れ。それと三浦が座長な」
みんながシーンとしていると、「そうだ。忘れてた」と今回のライブについて説明を始めた。
「今回のライブは、チームベータがファンにどうしたら喜んでもらえるかを考えて、スタッフと話しながら作ってみてほしい。一期生の六人も二期生はまだ何も知らないんだからきちんと教えてやってくれ」
扉をあけながら「明日から打ち合わせを始めるから、スケジュールはまた連絡する」そう言い残して去っていった。
「真帆ちゃん。今の話し本当?」
三浦華が残ったマネージャーの日髙さんに詰め寄った。
「全部本当ですよ。箱の人数を変えたことも含めて。でも今のヴァルコスマイルならファンの人は来てくれると思いますけど……」
そう言うと日髙さんは少し不安そうな顔をして三浦華を見る。
「けど、なに?」
「怒らないでくださいね。来てくれたお客さんを満足させられるかの方が不安なんです」
日髙さんの言うことももっともだ。数の多い少ないでパフォーマンスの満足度が変わるということではないが、人数が少ない方が満足してもらえなかったときの反響も少なくて済む、いわゆる傷が浅いというやつだ。
「それは……」
三浦華は自分たちの状況から考えて、もっと信頼してほしいと言えるような立場ではないということを感じて何も言えない。
「日髙さんは実際にパフォーマンスする私たちの心が折れたりしないか心配で言ってくれるのだと思いますけど、決まったことと、起きてもいないことに悩んでも仕方がありません」
未知のことについて警戒するのと怖れることとは別だ、怖いのなら怖くなくなるように準備をしておくべきだし、最悪の結果を怖れて何もしないのでは自ら最悪の結果を招いているに等しい。
「私たちには先輩方もいますし、チームアルファーだって仲間ですよね。練習とか手伝ってもらってでも成功させるように頑張りましょう。それじゃあ三浦先輩お願いします」
「何を?」
「何を? って、私たちあまりやったことがないんです。掛け声」
「ああ、それのこと。いいよ、じゃあみんな円を描いて並んで、いい?」
そう言って手を前に出した。
「夜空に見える星の輝きは私たちの笑顔、永遠に輝くー」
「「ヴァルコスマイル!」」
みんなが手を上に突き出して声を合わせた。
新しいシングルのPRでチームアルファーが忙しくしている中、私たちもライブに向けて内容の検討を始めていた。
その間にもシングルのミニライブや握手会がありチームベータはライブの準備をしているだけで良いということではない。
私たち新人も握手会でファンの人に顔を覚えてもらうように頑張っている。
二期生は来てくれる人数も限られているということで二人一組で対応していて、今日はさなえと一緒のブースだ。
休憩時間になりお茶を飲んでいるとさなえが訊いてきた。
「紗良は握手会とかどうなの?」
「どうって?」
「苦手だったりするのかなと思って」
「得意とかではないけど、私たちに会いに来てくれるということを思えばありがたいなと思うよ」
「その割には愛想がないよね」
「これでも頑張って愛想よくしているつもりなんですけど。そんな風に見えてる?」
「普段を知ってる私たちからすると、柔らかいなと思うけど初めて会った人たちは、そう思ってないみたい」
エゴサーチして実況スレッドを見ながら「氷の女王って書かれてる」と言って、ほらっと見せてくれた。
「まあ、気持ち的にはありがとうと思ってやっているわけだし、基本そういう顔なので仕方がないかな。もう少し頑張ってみます」
「あっ。でも無理しなくてもいいんじゃない? そういうところがいいっていう人もいるみたいよ、ほらこれ見て」
なるほど人それぞれだなと思いながら、一応はもう少し気を付けようと思う。
さなえと二人で来てくれているファンの人と短い会話をしているときに「こんにちは、この前よかったよ」と言われた。
「お披露目会にも来ていただいてありがとうございます。一緒だった人は今日は来られていないですか?」
そう言ったら、さなえと一緒に二人が「えっ?」という顔をしているところで係の人に「終了でーす」といってファンの人は離されていった。
「時間が短くて会話にならない」
あいそも何もないな、そうつぶやくと隣でさなえが「知り合い?」と訊いてくるので「全然知らない人だけどお披露目会に来てた人」と答えた。
「あんな短時間のこと覚えてるの?」
「目の前に来てた人はわかるよ」
「普通はわからないわよ。通り過ぎるだけなのに」
何人かお披露目会に来てくれていた人がきて、訊かれたことにこたえると「覚えてくれているんだ」と喜んで帰っていったので、そんなことで喜んでいただけるとはと思っていた。
しばらくして、お披露目会の時のことを話してくる人がいたが、見た記憶がなかったので「そうでしたか、覚えてなくてごめんなさい」と素直に謝った。
「紗良のことが書かれてたよ」
先に休憩に入っていた朋子がネットを見て教えてくれた。
「そう。なんて?」
「紗良がファンのことすごく覚えてるって」
「そう言えばお披露目会のときのこと、すごい言われた」
「最後に本当に行ったことがない人には覚えていないからって謝られたって」
あれか、私を試してたんだなとわかったが、愛想のない私がこんなことで喜んでもらえるならよかったと思う。
「みんな紗良推しにするって言ってる」とさなえが言ったので、そこまで言われるとかえって申し訳なく、できるだけ愛想をよくする方を頑張ろう、そう思った。
後から詳しく聞いたらファンの間で本当にそんなことを覚えているのか? と話題になったらしく、話を合わせている可能性もあるということで、お披露目会に行ったことの無いファンが適当に言ってためしてみようとなったらしい。私が覚えていないのではなく本当に見ていない人だったということが分かった。
「紗良お帰り」
握手会が終わって家に帰ると春代がお母さんとお茶を飲みながら待っていたらしく、リビングから顔を出して迎えてくれた。
「ただいま。はる、来てたの?」
「待ちくたびれたわよ。課題を取りに来てあげたの」
「メールくれたら持っていくのに」
「家に来たら絶対地味な格好してくるでしょ。外にお出かけしたときの紗良が見たいの」
外に行くなら運動のついでだから、こんな格好では公園で運動などできない。
「ふーん。じゃあ満足した?」
「まあまあ満足。きれいだわ。よしよし」
「何目線なの? とりあえず課題を持ってくる」
そう言って部屋に行き、すぐに着替えてリビングに戻った。
「あっ、もういつもの地味に気配を消す紗良になってる!」
「別にいいでしょ。これ課題。いつもありがとう」
「もうすこし愛でさせてくれてもいいでしょうに」
そう言って帰ろうとした時に玄関で訊いてきた。
「ところで来週はいつ学校来るの?」
「水木金は何とか行けると思う。打ち合わせとかあるからわからないけど、時間があったら火曜日も午後からは行くつもり」
「仕事があると大変だね。来週後半は中間テストがあるから絶対来るようにね」
「そうだね何とかする」
「じゃあ、またね」
そう言って春代が帰っていったところで今の会話を聞いていてお母さんが言った。
「紗良さん。学校は大丈夫なの?」
「大丈夫。一応出席日数は何とかなると思うし、アイドルをしているからって印象が悪くなるとお母さんたちにも迷惑をかけるから、今度からテストも全力でやることにする。先生にも全力で頑張りますと話しをしたの」
「私たちのことは良いけど、頑張りすぎないようにね」
「気を付けるから安心して」
ご飯ができたら呼んでと言って一応はテストの範囲を見直してみようと部屋で机に向かった。
次の週ではライブの打ち合わせをする為に、チームベータで集まって会議をしていた。
「こうなったら、私たちもいるんだっているところを見せたいから、みんなが一度はフロントのセンターに行くようにしよう」
座長の三浦華が言った。
「みんなどの曲が好きでやりたいか決めてきた?」
「はーい」
「それじゃあ、まとめるね」
みんながそれぞれ自分の思いのある曲を上げていき、それとスタッフの人たちと相談してセットリストを決めようということになっていた。
「相羽さんは、絵里奈のソロがメインの楽曲か」
「私が一番好きな曲でぜひ歌の上手な城田さんに唄ってもらいたいと思って」
「絵里奈と同じなんて怖くて唄えないよ」
城田が無理無理と手を振る。
「じゃあ自分で唄えばいいよ。誰って決まっているわけじゃないんだし」
三浦華に「そりゃ、自分がやりたい曲って言ってるんだから、そうなるでしょうよ」と言いわれたので何も言えない。
「私も紗良ちゃんが唄うのを聞きたいでーす」
美香が元気にそういうのでみんながそうだそうだと言った。
「もう一人、確か服部さんは二期生の中で歌うのが好きだっていう人だったわよね」
「好きですけど、うまくはないです」
「私たちの中では未来はうまいと思ってるよ」
さなえが言うので、未来は「大丈夫かなぁ?」と不安そうに受けいれた。
「あの、すみませんが私がソロを唄うことで決まりなのでしょうか?」
「今の流れで相羽さん以外ないでしょ。これはもう決まり。では次を決めまーす」
城田さんの歌声を聴きたいと思って書いたのに自分に返ってくるとは、話しの進め方をどこで間違えていたのだろうと考えている間に打ち合わせは終了した。
学校がある日も、帰ってから振り付けの練習を自分の動画を撮っては見て、撮っては見てを繰り返して行っていた。
テストも終わり次の週に学校に行くと先生に職員室に来るようにと呼び出され、職員室に入ると先生たちが来た来たという風に私を見たのが気になった。
「相羽は答案を返すときに学校に来ない可能性が高いから、他の先生の分も預かっておいた」
「ありがとうございます」
先生はため息をつきながら、解答用紙を私に見せた。
「全科目満点だ」
「そうですか」
「他に感想はないのか? やったぁとか」
「お話ししましたように全力を出しましたので、それに近い結果になるだろうと思っていましたから」
「そうか。まあいい。見てるのか知らないが、テストの結果を張り出すのは知っているよな」
「知っています」
個人情報の保護を目的として個人名は書かれていないものの、自分がどの程度なのかということを知ることも必要だということで、順位と点数だけは張り出されることになっていた。
「相羽の成績を順位として公表するかどうかを悩んだが、嘘をついても仕方がないということで一応そのまま出すことにしたわけだが……」
「それは構わないと思いますが、何か問題がありますか?」
「相羽が悪いわけではないが、相羽は大学の推薦とか考えるか?」
「いえ。全く考えていません」
私は即答した。大学に行くなら自分の力で行きたいところへ行く。
「そうか。それなら問題は無いな。推薦枠は成績順で決まるからこのままだと相羽がトップになる。そうなれば一人推薦を受けられない子が出てくる」
「そうですね」
「先生としては相羽が行きたいと言えば、当然相羽を成績通り優先するが、そのことで妬むものがいるかもしれない」
考えたくはないがと言ってつづけた。
「まあ、単純に学校の卒業を目的にいい成績をとる分には、問題はないからこのまま頑張れ」
人の心はわからないから、先生としてもそういう気持ちを私に向けさせるくらいなら、公表される成績についてはなかったことにしておくことも考えたと言っていた。
「お気を遣っていただき、ありがとうございます」
もういいよと言われたので職員室を後にした。その時に音楽の先生が頑張ってと手を振っていたので軽く会釈して自分の教室に戻った。
一緒に春代と帰っていると職員室に呼ばれて何だったの? と訊いてきた。
「学校にあまり来られないだろうから、先に答案用紙を返しておくって」
「なーんだ、そんなことか。それでどうだったの?」
「ん? よかったよ」
「めちゃくちゃ良かったんでしょ?」
「わかるの?」
「わかるよ。私は情報を集めるのは得意だから」
さなえのことを思い出して、山岸という苗字の人たちはそういう特殊な能力を持っている一族なのだろうかと思った。
「なんか全部満点の人がいて、先生たちが会議してるって噂があって、紗良がテストも頑張るって言ってたから、これだ! って思ったわけ」
「そういうことか。今日も呼ばれた時にその話し合いをしたことを言われた」
「ふーん。でも点数が良いからって何か問題でもあったの?」
「推薦とか成績で決まるからどうしようかって」
「どうするの?」
「今は大学へはいかないつもりだし、推薦とかはしてもらわないですって言った」
それなら問題ないだろうって言われたんだ、というと「なにそれ、めんどくさい。紗良はもともとできてたんだから関係ないよねぇ」というので「他の人は知らないから変に嫉妬されるかもしれないって心配してくれたみたい」と答えた。
家に帰るとお母さんにテストの点数のことを報告して、勉強は大丈夫なのでアイドルの方も頑張りますと言うと、なぜかわからないが涙ぐみながら抱きしめられた。
0
あなたにおすすめの小説
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
お姫様は死に、魔女様は目覚めた
悠十
恋愛
とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。
しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。
そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして……
「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」
姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。
「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」
魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない
ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。
既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。
未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。
後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。
欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。
* 作り話です
* そんなに長くしない予定です
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる