死んだ君がいた一日

泉 鷹斗

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死んだ君がいたとき

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これは起こることのない話。
一度死んでしまった人が目の前にいます。
決してホラーではありません。
人はいつか終わりを迎えます、それは誰にも変えることのできないことであり、誰もが起こることでもあります。
この話はすぐに終わるでしょう。長々と話す内容ではないと思ったからです。こんな起こりもしないフィクションをずっと話しても
もし、その場面に来たとき自分はつらくなる
と思うからです。私にも大切な人はいます。
私はまだ14歳なので大切な人がいなくなる事はあまりありません。しかしなにが起こるかわからない今、ないとは言い切れません。
なので私はこの話は長々とはしません。
リクエストがあるのなら別の話を書きます。
けど、この話はここで終わりにします。
なので考えて読んでください。今から書かれるフィクションになってほしいと思わないように過ごしていく方法を
それではいきましょう。

「おはよう。」
彼女は俺にそう言った。彼女は1年前交通事故で亡くなってしまった。葬式にも行き、何日も泣き引きこもってしまった人だ。
忘れるはずがない、自分のこの世で1番大切な人を忘れられるはずがない。
なのに彼女はここにいる。俺の前でまるでずっと一緒にいたかのようなおはようを言いながら微笑みながらそう言った。
「おかえり。」
おはようではなくおかえり、不意に出たその言葉に俺はなにも疑問には思わなかった。
普通「なんでいるの?」とか思うかも知れないが不思議と違和感がなかった。
けど「おかえり。」おはようではない。
おちろん違和感はないがおはようではない。
それは心で自分が1番分かっている。
けどそれを隠している。無意識にそうやって
「ずっと一緒にいよう。」
おかしいよな。自分でも馬鹿だって思ってる
彼女にそう言っても無駄だって。
それでも言ってしまう。それほどに君が大切だった。昔も今もそう実感している。
「うーん、私死んじゃったから。」
彼女は微笑みながらも難しく少し悲しい顔で
そう言った。当たり前だよな死んだ人にこんなこと言ってるんだ。そう言われても当然だよな。心ではそう分かっているのに
「俺が幸せにする。」
やはりゆうことが効かない。分かっているはずなのに大切な人がそばにいることがこんなにも幸せなことに今気づいた。いくらなんでも遅すぎるよな。もう死んでるんだから。
「生きてる時に言えよ。」
彼女はやはり微笑みながらニシシと笑っている。確かに生きてる時はこんなこと言ってないよな。となりにいるのが当たり前すぎてそんな台詞考えたこともなかった。変わるもんだな。見た目は変わってなくても心は変わってしまっている。そう感じた
「本当にお願いだよ。」
ほんと我ながら阿呆らしいよ、苦笑いしてしまう。死んでる人にお願いだよなんていくらなんでも。けどこんなことを考えている余裕もなくなってきた。いついなくなるのかわからない彼女を目の前にすると。
「もう行くなよ。」
思わず泣いてしまった。彼女が死んでから泣いて一生分の涙を使い切ったつもりだったのに。彼女がいなくなってから涙なんてでなかったのに。「もう行くなよ。」この一言を言った瞬間涙が溢れた。ずっとしまっていた心の奥の感情が全部。
「そんな顔初めて見た。」
気づけば彼女も泣いていた。彼女の前ではこんな情けない顔見せたことないのに見せてしまった。絶対に泣かせないって決めてたのにな。泣かせちゃったよ。
「ラッキー。」
そんな声が彼女から聞こえた気がした。
こんな顔を見たのが初めてだからだろうか。
「もう傷つけない。電話もするし、遅刻もしないからだからさ、、、」
ここから先は声が出なかった。本当に今ありのままの自分をさらけ出しているのだろう。
顔もくしゃくしゃだろうな。久しぶりだよ。
こんなに泣いたのはほんとに
彼女はなにか言いたそうな顔をしていたが笑って
「もう遅いよ。」
そう一言だけ伝えた。そうだよな死んでしまったんだ遅いだろうな。遅すぎるいくらなんでもなんで今なんだろうな。
俺ってほんとに馬鹿だ。
「デリカシーないしさ遊んでくれないし、
影でもいっぱい泣いたよ、、、」
彼女は下を向きながらそう言った。全くだ、
何度デリカシーのなさで怒られたか遊ばなすぎて口聞いてもらえなかったか、返信返すの忘れて次の日目元が赤い君を見たのは。
ほんとどうしょうないよな。こんなにも迷惑かけてきたんだもんな俺。
「あんたのせいで幸せだった!」
彼女は泣いていた。顔が多分俺よりくしゃくしゃな顔で泣いていた。まるで今までの思い出を振り返るようにただ純粋な二人でいたいという気持ちだけだろうな。
「幸せになって、お願いだよ。」
彼女の最期の願いだった。笑って目に涙を溜めて俺に言った。自分の分まで幸せに生きて
ほしいという彼女の思いだろう。
気づけば俺は泣くのをやめて笑って
「任せろよ。お前の分まで生きるから。」
これがあいつのためにできる最後の行いだ。
いつかあいつの所に行っても笑って一緒に過ごしていけるように生きないと、
「行ってきます。」
彼女は最後にそう言った。彼女は満面の笑みで言った。その笑顔が眩しくて目を閉じてしまう。目を開けると彼女はいなかった。
だが思い残すことはない。最後に君と話せたことそれだけで幸せだった。
いつか会いに行くまで忘れないだろう君との思い出を振り返りながら俺は空を眺めた。
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