君と君…オレと私…君と私

SINRA

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凛「蒼崎さぁんおはよう!」

蒼崎「・・・」

凛「相変わらずのスルー!凛ちゃん泣いちゃうよ!しくしく」

菜奈「今日は一段とグイグイ行ってるね。」

純「あぁ…汗」

菜奈「昨日大人しかったけど調子悪かったのかな?」

純「いや普通に元気だったろ。」

菜奈「そぉだよね…ちょっと心折れかけたとか?」

純「アレも作戦なんだろ?」

菜奈「純に作戦ってバレてるってことは彩月ちゃんも気付いてるよね?」

純「あぁ。…それどぉゆぅ意味だよ!」

菜奈「え?なんの事?」

純「とぼけんなよ!」

昼休み

凛「蒼崎さんご飯食べよぉ!」
(いねぇ!忍者か‼︎フライングしてんじゃないの‼︎)

5時限目が終わる

凛「蒼崎さん!今日こそ一緒に帰ろうね!」

蒼崎「・・・」

凛「ねぇ!ねぇってばぁ!」

先生「涼川。」

凛「蒼崎さぁん?聞いてるぅ?」

オレは本の進み具合を確認するため残りページの方を指で挟み覗くフリをした。

先生「そぉか私の話よりよっぽど蒼崎との会話が好きなようだな。」

凛はビクッとし背後に鬼がいると悟った。

ガチコンッ‼︎‼︎‼︎

凛「☆\%$♪%☆」


そして放課後

蒼崎さんはいつものように教室を出て行く。オレは急いでその後を追いかけた。

そして校門を出て学校裏の公園に来た。

凛(いた。)

公園の椅子に腰掛け本読んでいる蒼崎さん。
オレは近くの自動販売機でコーヒーを買い蒼崎さんの横に腰掛けた。

蒼崎さん「どうしてここが」
目線は本のまま静かに言った。

凛「スルーしないんだ。」

蒼崎「・・・」

茜空を見ながら凛は説明した。

凛「なんとなくかな。昨日も一昨日もすぐに追いかけたのに見失うのが早かったし、今校舎内は体験入部で人が多いから、校舎内には居ないはず。それに蒼崎さんが正門から出ていくのを見ていないし、なら裏門から出て学校の裏の公園にいるのかもって。ここなら静かだしね。」

蒼崎「…そのまま帰ってたかもしれないじゃない。」

凛「まぁ、それも考えたけど。一昨日小説を見た時あまり進んでなかったのに、昨日は結構ページが進んでた気がして。早く続きが読みたいなら家より公園の方が早く読めるからね。」

蒼崎さんの目線は本のまま…


蒼崎「・・・嘘ね。ここ、校舎から見える位置にあるから、あなたは昨日私がここで本を読んでいるのを見た。違う?」

凛はギクッとした

凛「あははは、バレてた?ホントは読む邪魔してたら怒ったりしてそこから会話できると思ったんだけど…」

蒼崎「・・・それで今日は特にしつこかったのね…」

凛(まぁまさか冷静に返してくるとは思わなかったけど…)

蒼崎さんは本を閉じようとした。

凛「いいよ。待ってるから。良いところなんでしょ?」
(ここまで話して帰るって事は流石にしないだろ。)

蒼崎さんは何も言わず本の続きを読み出した。

それを横目に見てただただ綺麗だと思った。

しばらくするとパタと本を閉じる音がした。

凛「面白かった?」

蒼崎「そぅね。あなたの作り話の方がおもしろかったわ。」

凛「嫌味かよぉ…苦笑」

凛「じゃあ今度はこっちから質問していい?」

蒼崎さんは落ち着いたまま「どうぞ。」
といった。

凛「なんで話す気になったの?」

蒼崎「…何も言わずに横に座ったからよ。昨日までのわざとでしょ。」

凛「それもバレてたか…急に話しかけなくなったらあれ?ってなるかと思って!笑」

蒼崎「漫画の読み過ぎじゃない。」

凛(グゥの根も出ない…)

凛「つぅか、蒼崎さんの方が読んでんじゃん!」

蒼崎「・・・」

凛「いや、スルーしないで!」

蒼崎「どうしてそこまでして私に声をかけるの?放っておけばいいじゃない。」

凛「ん~、一つ目の理由は純と菜奈が心配してたからかな。また3人で遊びたがってたから。」

蒼崎「………」

凛「昔のこと、少しだけど聞いたよ。まだ気にしてるの?」

蒼崎さんの顔は少し寂しそうに見えた。

凛「みんなと遊びたいとは思わない?」

蒼崎「そぉね。」

凛(やっぱり純のこと気にしてるのかな?)

想像でしかないけど、多分蒼崎さんは純の事が好きだった事に不安があるんじゃないだろうか。

オレは飲み終わった缶のフタをいじりながら
凛「昔話ししていい?」

蒼崎「何急に?」

凛「いやぁ、昔話しで蒼崎さんが歩みよってくれるかなって笑」

蒼崎さんは呆れながらも暇つぶしにと聞いてくれた。

凛「私さ、中学までよく男子と連んでたんだ。」

凛「それで、女子から調子乗ってるとか言われたり、中には嫌がらせをしてくる子もいて。」

そこまで言うと蒼崎さんは悲しそうにオレの話しを聞いてくれた。

凛「女子が嫌がらせするのって多分私が男子としか連まなかったから、羨ましかったんだと思うんだよね。だから男子と遊ぶキッカケがあれば平和的になるかなって思って、男子と話してる時にそのグループを呼んで男子と遊ぶようにしてみたんだ。まぁ中継役だね。そしたら女子とも話す機会も増えて、今では友達になれたんだ。だから。」

蒼崎「今回も中継役になる。と。」

凛「そぉ!」

蒼崎「そんな事で…」

凛「歩みよらなかったら進まないって話し。やってみよ!」

蒼崎「……」

凛「後は蒼崎さんのやる気次第だよ。」

そぉ言いながら立ち上がり

凛「暗くなってきたし帰ろ。送るよ。」

帰り道、蒼崎さんはずっと何かを考えているようだったからオレは何も言わずに歩いた。

蒼崎「それじゃ、私こっちだから。」

凛「家まで送るよ!女の子の夜道は危ないし。」

蒼崎「気にしないで。すぐそこだから。それにあなたも女の子でしょ。」

凛「そっか。でも私もすぐそこだから大丈夫だよ!じゃあまた明日ね!」

蒼崎「待って。」

呼び止められて振り返ると

蒼崎「二つ目の理由は?」

凛「・・・」

オレは蒼崎さんを見て
凛「オレが蒼崎さんと仲良くなりたかったからだよ!」
と笑って答えた。

その時一瞬蒼崎さんか笑った気がした…


翌朝教室

凛「純!菜奈!おはよう!」

純「おはよう!」

菜奈「おはよう!」

そしてオレは蒼崎さんのところに行き

凛「おはよう蒼崎さん」
挨拶をした。


蒼崎「おはよう。」

蒼崎さんはチラッと私を見て少し照れくさそうに言ってくれた。

純と菜奈は驚き、でも嬉しそうに

純「彩月おはよ!」

菜奈「おはよう彩月ちゃん!」

蒼崎さんは純と菜奈におはよう。と優しく言った。
その時の蒼崎さんは少し安心したからか嬉しそうに微笑んでいた。
気まずさから距離をおいて意固地になっていた部分もあったのだろう。
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