君と君…オレと私…君と私

SINRA

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7 許し、歩み、家族に。(3)

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そして家に着いた。

凛「どぉぞぉ!」

山本先生「あぁ、邪魔する。」

凛「コーヒー淹れるから待ってて。」

山本先生「すまないな。…まだ時間あるな…凛は卒業後はどぉするつもりなんだ?」

凛「……働くよ…」
とコーヒーを置きながら言った。

山本先生「……教師は、いいのか?」

凛「教師にはなりたい!なりたいけど…これ以上迷惑をかけたくないから。」

山本先生「お父さんが迷惑だと言ったのか?少なくとも私には、親子になろうとしてからはそんなこと思ってないと思うが?」

凛「…父さんは優しいから、どこまでも甘えてしまいそうで…」

山本先生「良いと思うぞ。中身は大人でも今は学生なんだ。それに普通は大人になって、働いて少しずつ親孝行していくんじゃないか?そしていつか結婚して、幸せになるのが1番の親孝行になる。私はそぉ思うけどな。」

凛「みっちゃんは親孝行できてるの?」

山本先生「私も今している途中さ。」

凛「みっちゃんの相手はどんな人なんだろうね。私がみっちゃんのお婿さんになるって言ってた気がするけど。笑」

山本先生「あぁ、私のファーストキスも凛だったからな。」

凛「・・・えっ⁉︎いつ⁉︎」

山本先生「プールで足つって溺れた事あったろ。あの時に人工呼吸したのが私だ。」

凛「えっ⁉︎そぉなの?知らなかった…」

山本先生「人工呼吸だからノーカンって思ってるけどな。」

凛「………」

山本先生「私は気にしてないよ。」
そぉ言いながら頭をクシャクシャっとされた。

凛「ごめん…」

山本先生「だから気にしてないって!凛を救えたなら安いもんだろ!まぁオッサンって知ってたらしなったかもしれないがな!笑」

凛「うぅ…」

山本先生「嘘だよ。中身が誰だろうと私にとっては可愛い妹みたいなものだからな。」

凛「みっちゃん…!私もみっちゃんの事をお姉ちゃんだと思ってるよ!」

山本先生「知ってるよ。でも今年いっぱいまでは先生と生徒だからな!」

凛「うん。分かってる。」

山本先生「だから姉として言うと、大学行って教員免許をちゃんと取って先生になってほしいな。」

凛「みっちゃん…」

チャララァララ チャラララララ

山本先生「チャルメラ以外ないのか…」

凛「あはは…もしもし。うん、ちょっと待って。」
スピーカーにする。

凛「もしもし?聞こえる?」

隆弘「あぁ聞こえるよ。」

山本先生「お久しぶりです。」

隆弘「久しぶりだね、山本さん。凛がいつもお世話になっているね。」

山本先生「いえ、私に出来ることはこれくらいですから。」

隆弘「そんな事はないよ。凛が中学の時からずっと支え続けてくれた。それに香澄の事も。」

凛「?どぉいうこと?」

隆弘「山本さんは香澄がまた教授に戻るようにずっと説得してくれていたんだ。凛の手紙を読むようになったのも山本さんが香澄と話し合っていたからなんだ。」

凛「みっちゃん……」

山本先生「当たり前だろ。私にとっては憧れの恩師と可愛い妹だ。幸せであってほしいからな。」

凛「みっちゃん!」
私は思い切り抱きしめた。

凛「ありがとう!ありがとう!」
嬉しくて涙が出た。

山本先生「よしよし。ほら、卒業後の話をしよう。」

凛「うん。」

隆弘「凛はどぉするつもりなんだ?」

凛「私は…卒業したら…仕事をしてお金を貯めようと思ってる…」

山本先生「凛…」

隆弘「……スゥー、質問を変えるよ。凛は何がしたい?」

凛「………」

肩に手を置き
山本先生「凛。」

凛「……大学。」

隆弘「ん?」

凛「大学に…行きたい…大学で…教員免許が取りたい!」

隆弘・香澄「⁉︎」

凛「私は…マ…母さんみたいに…学校の…学校の先生になりたい!」

山本先生「よく言った!」
と頭を撫でられた。

隆弘「驚いたな。まさか凛が学校の先生になりたいとわ…あの頃のままなんだな。」

凛「……うん。母さんの授業は生徒のみんながすごく楽しそうで…母さんもすごく楽しそうだった!あの時からずっとずっと私の憧れの人だから。」

隆弘「そぉか…わかった。」

凛「えっ?」

隆弘「今年は大学受験のために頑張りなさい。香澄…母さんにはオレから伝えておくよ。」

凛「でも大学のお金が!」

隆弘「そのくらい大丈夫だ。凛は気にせず受験に励みなさい!」

凛「うん、うん。」

山本先生「ほらな。大丈夫だろ?」

凛「うん。みっちゃん、父さん、ありがとう!」



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