もう遅い、勇者ども。万能支援職レオンは王国の柱となる

まっちゃ

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第一部:追放と再生編

第1話 追放の朝

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 夜明け前の空気は冷たく、王都グランヘルムの石畳を霧が包んでいた。
 その中を一人の男が歩いていた。灰色の外套に、無骨な杖。名は——レオン。

 彼は、かつて「勇者パーティ」の支援職だった。
 結界の展開、戦闘中の魔力循環、傷の自動修復、敵の動体予測。
 派手ではないが、彼の支援があったからこそ、勇者たちは勝ち続けてきた。

 ——それなのに。

「悪いな、レオン。お前、今日でパーティを抜けてもらう。」

 その言葉を告げたのは勇者カイル。
 朝日に照らされた金髪の男は、まるで善行でも積んでいるかのような顔で笑っていた。

「支援がなければ戦えないとか、もうそんな段階じゃない。俺たちは強くなった。お前は……正直、足手まといだ。」

 レオンは静かに目を伏せた。
 冷静な性格の彼は、怒鳴り返すことも、泣くこともなかった。

「そうか。……なら、そうしよう。」

「ははっ、あっさりだな。ま、感謝してるよ。お前の支援のおかげでここまで来れたしな!」

 背を向ける勇者たち。聖女ミリアも、剣士レオルドも、誰も目を合わせない。
 まるで、初めからそこにレオンなど存在しなかったかのように。

 風が吹き抜けた。
 レオンのマントがはためく。
 その中で彼は、ひとつ小さく笑った。

「足手まとい、ね……。支援が無くても戦えるなら、好きにすればいい。」

 誰にも聞こえない声で呟く。
 だが、その瞳の奥に宿った光だけは、静かに燃えていた。

 ――これは、レオンが“追放”された日の朝であり、
 同時に、“支援職”という概念そのものが、世界を塗り替える始まりの日でもあった。
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